12月の読書記録 読書メーターより
やや、東野圭吾に傾いた月でした、でも、面白かったです。「風の市兵衛」と「ビブリア古書堂~」の新刊が読めました。
12月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4126
ナイス数:2571
新装版 抜討ち半九郎 (講談社文庫)の感想
【図書館】池波正太郎のいろいろなエッセンスが盛り込まれた短編集。 しかも、著者独自の解釈が面白い。 戦国大名から盗賊まで、著者の変遷が興味深い。 しかし、池波正太郎という作家は史実を書いても、どこか正太郎節が出る作家ですね。 ちょっとした仕草にも、着眼点が違うようで。 ただ、統一感が無い短編集はシンドイですね。 戦国物とか、盗賊物とか、統一してくれたらその世界にどっぷり浸れたのに。 次は「黒幕」が控えているが、どうなるか・・・
読了日:12月03日 著者:池波 正太郎
黒幕 (新潮文庫)の感想
【図書館】歴史時代小説、あまり歴史物は読まない、登場人物に、そんなに入れ込まないせいだろう。 池波氏はもっぱら市井物、中心に読んでいる。 馴染みの無い戦国物であるが、何とか池波氏の筆のおかげで読み切った。 やはり、細かな描写が好きです。 小説に技巧を凝らして単なるうわべだけの歴史物になっていない。 血と肉とを感じられる作品だと思う。 でも、歴史物はのめり込めないなぁ・・・(笑)
読了日:12月09日 著者:池波 正太郎
残照の剣 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第2部・7弾! 今回は江戸を離れて川越の旅。 複雑な絡みの中、昔の恩人に便りを届けるのが仕事。 そんな仕事は誰でもできる、と思っていたらそこには25年前まで遡る因縁があった。 史実を材にしたという事もあるが、動きに大げさな処が無い。 喰いこみたいのに喰いこめない、ストーリーを考えるのは大変な事だと思う。 そこそこ、市兵衛らしさを感じられるお話だった。 矢藤太を相棒にして川越までの旅は必要だったのか、やや疑問。 ともあれ、久々の市兵衛の活躍に満足した、一作である。
読了日:12月11日 著者:辻堂魁
韋駄天おんな―糸針屋見立帖 (幻冬舎文庫)の感想
【図書館】タイトルと内容がちぐはぐ、韋駄天おんな、出て来たかな。 糸針屋見立帖もも看板に偽りあり。 全体的に大まかで事件のスピードが遅い。 金三郎の使い方もいまいち、作家が身を入れてない感じがした。 稲葉さんなら手練れの筈なのだが・・・韋駄天のスピード感が全く感じられなかった作品。 シリーズではない様なので、これで良かったと思う。 時代小説にも外れはあるとしみじみ感じた。
読了日:12月13日 著者:稲葉 稔
歪笑小説 (集英社文庫)の感想
【図書館】東野圭吾はミステリーしか読まないのだが、ユーモア小説と言う事で、手に取った。 出版界の裏側を書いて面白い。 昔、出版の営業をしていたので「あ~、あるある」と思い出しながら快笑した。 こんな、才能もあるのかと、いろいろ書き方もあるもんだな、と思う。 このシリーズは他にもあるようだ、図書館に予約してみようかな。 シニカルな笑いに包まれた一冊でした。
読了日:12月15日 著者:東野 圭吾
負け逃げ (新潮文庫)の感想
【図書館】前からカバーイラストが気になっていた作品。 遂に手に取ってしまった、R-18も気になる要素のひとつ。 閉鎖的な田舎を舞台にした連作短編集、いいね、青春の息吹がムンムンしてる。 真っ最中という感覚を残しつつ、俯瞰してみる冷静さもある。 著者、若干20歳台の瑞々しい感性が迸る疾走感、デビュー作という感性を、とことん味わいたい。 解説の「重松 清」の文章が著者の想いを代弁して秀逸。 初めて小説の海に乗り出した著者に栄光あれ。 思わず応援してしまう一編です。
読了日:12月17日 著者:こざわ たまこ
超・殺人事件 (角川文庫)の感想
【図書館】東野圭吾のブラック・ユーモア集。 著者・編集者・書評家などが本に纏わるあれこれに巻き込まれる。 印税を問題視せず節税の為、小説がバラバラになる作家。作家の高齢による繰り返し描写してしまう場面、それを忘れてまた読んでしまう読者、はたまた編集者の高齢化が拍車をかける。 本なんて誰も読まない、AIがすべてを決める。 そんな世界がすぐやって来る、AIが書いてAIが書評して、AIが読む、そこには人間が存在しない。 読書こそ人間に残された唯一の趣味は、幻想なのか。シニカルに本を取り巻く現状を描いて凄い一冊。
読了日:12月18日 著者:東野 圭吾
禁断の魔術 (文春文庫)の感想
【図書館】ガリレオ・シリーズの一作、短編を長編に改作したものと聞いたが、短編を読んで無いので比較せず、長編の感想を。 科学と武器の違いを説いて、そうだろうな、でも、感情はそれほど素直では無い。 最後の最後に選択されたものは、どちらでしょう。 普通のガリレオシリーズと違い、容疑者に近く寄り添っている。 ガリレオの葛藤と容疑者の一途な心が、最高の見せ場となる。 果たして、ガリレオは責任を取れたのか・・・相変わらず物語に導入する手腕が上手い。 レールガンの射程が判らず正確かどうかも判明せず、やや不完全燃焼。
読了日:12月21日 著者:東野 圭吾
ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)の感想
【図書館】「ビブリア古書堂~」の最新刊、やっと読めました。 面白い、横溝正史づくしでした。 2部構成も「病院坂~」のオマージュなっていて洒落てます。 「雪割草」の原稿が発見されたというニュースで執筆したと思うが、金田一ものを何とかビブリアとリンクさせたかったんだなと思う。 「獄門島」新解釈も面白かった、少年少女・金田一シリーズが出ていた事は新発見、リライトが「山村正夫」という事でそんなに興味が無かったんだと思う。何せ「朝日ソノラマ」の営業職だったのに忘れていたくらいですから・・・「獄門島」懐かしいですね。
読了日:12月23日 著者:三上 延
ガリレオの苦悩 (文春文庫)の感想
【図書館】やっと読み終わったと思ったら「登録」してみて「再読」を確認する・・・読んだ事あるなぁと一度も考えられず「老化」が進んだかと一人ガックリ。 ドラマで観ていたので原作とこう違うのかと考えていたが再読とは・・・どっぷりと「ガリレオ」の世界に嵌まりました。 まあ、嫌いな世界では無いので、良しにしよう。 内海刑事の顔が柴崎コウのイメージが消えない。
読了日:12月24日 著者:東野 圭吾
マスカレード・ホテル (集英社文庫)の感想
【図書館】映画化作品と言う事で派手だと思って借りて来た。 ホテルが舞台で室内劇の様な感じ、とあるホテルで連続殺人の犯人が殺人を強行する情報はそれだけ、この手がかりだけでどう犯人を断定するのか、その犯人の相手は。 東野圭吾が繰り広げる壮大な罠、行きつく先は・・・面白い、このスピード感は素晴らしい。 謎解き部分にやや強引さがあるが舞台と登場人物の多彩さは抜群である。 続編も読んでみよう。 ホテルマンと刑事のバディは新鮮である。
読了日:12月26日 著者:東野 圭吾
([ん]1-6)3時のおやつ (ポプラ文庫)の感想
【再読】暇になり本棚の一冊を手に取る。 30人の人気クリエーターたちが自分の「おやつ」を滔々と語る。 自分の家、友達の家、お土産でもらった物、等々ひとつとしてダブることは無い。 至福の時間、それは幼かった自分還る懐かしい時の物語。 ケーキからキュウリまで、そう、小さい時食べた記憶というのは凄い満足感があったんだなぁ。 自分のおやつと言えるものは何だったんだろうか。 スイカやトウモロコシといった畑で取れる物だったと思う。 農家だったから・・・お小遣いで何買ったのは「お祭り」の時だけだったと記憶している。
読了日:12月28日 著者:壁井 ユカコ,大崎 梢,平山 夢明,絲山 秋子,森見登 美彦,仁木 英之,ミムラ,伊藤 たかみ,大島 真寿美,椰月 美智子
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