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2020年12月 1日 (火)

11月の読書 読書メーターより

11月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2680
ナイス数:2446

緋色の残響緋色の残響感想
【図書館】面白い、「傍聞き」の母娘コンビの連作短編。 菜月の「きずき」と啓子の「ひっかかり」がストーリーのテンポを良くしてる。 しかし、こんな疑問を持ってる親子っているのかな、と少々疑問も。 「翳った水槽」だけが、どうしても判らず「読メ」のネタバレを見たりしたが、決め手に欠ける。 こんなんで犯人が落ちるかなあ・・・短時間に事件が起きるのも疑問と言えば疑問。 まあ小説だし連作短編と言う事を考えれば「良し」としよう。 しかし、伏線の回収が気持ち良いですね。 この母娘のシリーズ、続くのかな、続編が読みたいです。
読了日:11月01日 著者:長岡 弘樹
群青のタンデム群青のタンデム感想
【図書館】う~ん、流石に難解だ、真相を隠して書く事はミィステリ―の定石だが、会話の相手が特定出来ないのは困った。 こういうストーリーは好きだが、何となくモヤモヤが残ってしまう。 それが、長岡氏らしいと言えばらしいのだが、もうちょっと判りやすくして貰えたらと思う。 しかし、10年のタイムラグを続けるラブストリーとは想像も出来なかった。 言っても無駄だけど、いつかはスッキリとした小説が読みたいです(笑) でも、長岡ワールドには抗し切れない世界があるんだよな。
読了日:11月02日 著者:長岡 弘樹
白衣の嘘 (角川文庫)白衣の嘘 (角川文庫)感想
【図書館】今度は「医療ミステリー」どんだけ引き出しがある作家さんですか。 ほんの小さな事があれよあれよと言う間に大事件に、凄い着眼点だなあと思います。 しかも、サラッと6編も、どんだけ凄い作家だ。 「群青のタンデム」で、ちょっと独りよがりな処もあったが、これぞ長岡節だよ、人生は(笑) 省略も最低限にして伏線の回収、上手いもんだ。 気付かせることなく進めるのが上手いですね。 良い佳作と思います。 次の作品は何かな? 心地良い「嘘」に酔いしれてしまいそう。
読了日:11月04日 著者:長岡 弘樹
奇術探偵 曾我佳城全集 上 (創元推理文庫)奇術探偵 曾我佳城全集 上 (創元推理文庫)感想
【図書館】ふと、目に付いたので借りて来た。 なかなか面白い。 泡坂氏は「ヨギガンジー」くらいしか記憶にないが、奇術とミステリーを組み合わせるのが上手い。 若き美貌の曾我桂城の活躍を描く全集、じっくりと楽しませて戴いた。 昭和初期という舞台設定も「探偵小説」らしくゾクゾクする。 途中から「小林少年」らしき人物も現れる、もう少年探偵団だ。 トリックも、奇術のタネと同じく、そんなに明かされず、何とか人情に持って行くのも良い。 益々、桂城の魅力にほだされて「下巻」へ。
読了日:11月07日 著者:泡坂 妻夫
奇術探偵 曾我佳城全集 下 (創元推理文庫)奇術探偵 曾我佳城全集 下 (創元推理文庫)感想
【図書館】曾我桂城もいよいよフィナーレです。 奇術の成り立ちとミステリー、そのあやが大変勉強になった。 でも、最後の2,3篇は奇術を盛り込み過ぎたのか、やや冗漫な感じ、 しかし、20年以上掛かって書き上げた超大作である事に間違いない。 もうちょっと曾我桂城に寄り添った話も良かったのでは・・・ 凄いな、一つの事に20年掛けられるのは、「魔術城落成」で見事にフィナーレを迎えるが、一抹の不満も、消息不明で会って欲しかった。 泡坂妻夫、偉大なる作家だった。
読了日:11月13日 著者:泡坂 妻夫
不思議の足跡―日本ベストミステリー選集 (光文社文庫)不思議の足跡―日本ベストミステリー選集 (光文社文庫)感想
【図書館】各種各作家の不思議が描かれる、SFやら時代劇やらファンタジーやら沢山の不思議が見られる。 ふっと気が付くと違う自分に成った様な不思議の世界。 作家の頭ってのはやっぱり凄い。 こんな偶然に普通気が付くか・・・何しろ、15人の作家が奇妙を描く。 しかも、探偵役が人間じゃないのも不思議、こんな世界があったらやはり怖いだろうな。 ほんの時間つぶしに借りて来たが、絶好のアンソロジーだ。
読了日:11月18日 著者:
完本 酔郷譚 (河出文庫)完本 酔郷譚 (河出文庫)感想
【図書館】初めての作家さん、タイトルに惹かれて手を出した。「サントリークォータリー」誌に掲載とあるので酒の話しと知る。 独自の視点を持つ倉橋氏の幽玄に遊ぶ詩的空間。 数々の酔いの場面の圧倒的夢幻と幽玄の世界、酔夢か虚無か判らなくなる瞬間、一篇が終わる。 こういう話も面白いと思う、ただし続けて読み更けるには危険な感じのする本です。 良い経験をさせて貰った時間でした。
読了日:11月25日 著者:倉橋 由美子
血縁 (集英社文庫)血縁 (集英社文庫)感想
【図書館】やっぱり、長岡弘樹は「良い」。 ちょっと考え付かない「?」が散りばめられている。 自然に読み進めると意外な展開に、ラストは衝撃的な場面が。 しかし、良くこんなアイデアが浮かび上がるものだ。 短編を書き続けて八年、それが短編集にまとまる、凄い集中力だと思う。 「事件」の壮大さよりも「ちょっとした疑問が光る」さすがは長岡氏だと思う。 こんな短編を長く書いて欲しいとつくづく思います。 また、長岡マジックに引っかかってしまった、それは「気持ちの良い」マジックであった。
読了日:11月30日 著者:長岡 弘樹

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