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2020年11月

2020年11月 3日 (火)

10月の読書記録 読書メーターより

10月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4716
ナイス数:2966

暗殺 鬼役(三十) (光文社時代小説文庫)暗殺 鬼役(三十) (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】相変わらずのマンネリです。 短編が3篇、その都度、蔵人介の生い立ち、矢背の謂れなど繰り返し語られる。 短編を止めて長編一本に絞ってはどうか。 相変わらず行事などの風景描写が、少々煩わしくなって来た。 流れで密命の必要さが前面に出ても良いと思う。 「如心尼」の威厳が感じられない、密命を下すのだからもっと格式ばって欲しい。 そろそろ、この物語と離れても良いのではと思う。 少し最初の思惑とズレてしまった。思えば「橘右近」が生きていた頃が、ピークだったのかも。
読了日:10月02日 著者:坂岡 真
別れの季節 お鳥見女房別れの季節 お鳥見女房感想
「図書館」遂に最終巻だ、途中読んで無い巻もあるが、〆と言う事で読んでみた。 相変わらずの「お鳥見女房」の世界に引き込まれる。 いろいろあるけど、一応のピリオドで良いと思う。 「珠世」さんの時代から「恵以」さんの時代に移る、そんなエポックメーキングな話です。 見事なバトンタッチでは無いでしょうか。 ともあれ、長い期間、ありがとうございます。 充分、楽しませて戴きました、次回作に期待しております。 余韻を楽しみながら・・・本を閉じます。
読了日:10月07日 著者:諸田 玲子
ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで (文春文庫)ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで (文春文庫)感想
【図書館】時代劇研究家の春日太一氏の労作。 学生時代から京都に通い、そこで見聞きしたインタビューも含めた貴重な「鬼平本」。 活字と映像の違い、原作と脚本の違い、これを読んでると映像職人の苦労が偲ばれます。 いろんな人のインタビューが今になったら、どれだけ貴重か。 映像作品と言うのは、ほとほと一人では出来ないものと言う事を、感じさせられる。 特に「題字人」まで聴いて来た事が凄い、普通そこまで気が回らない、というか根っから好きなんでしょうね。 春日太一の熱量に圧倒されました。
読了日:10月10日 著者:春日 太一
殺されざる者 THE SURVIVOR 子連れ逃亡者VS武装凶人軍団 (文芸社文庫)殺されざる者 THE SURVIVOR 子連れ逃亡者VS武装凶人軍団 (文芸社文庫)感想
【図書館】著者の旧版の焼き直し版、描き下ろし掌編あり。 著者独自の銃の解説が凄い、ただ悪い癖なのか被虐シーンをこれでもかと入れるのは戴けません。 趣味では無いかと一瞬思う、こういうSM小説が書きたいんだろうな。 展開が多いのだが銃器の説明が多いため疾走感が無い。 1998年の若書きだからしょうがないと言えばそうだが、歳を経ても変わらないところがある。 久しぶりに「鳴海丈」の名前を見て借りて来たが旧作の焼き直しとは・・・被虐シーンの羅列だけは止めた方が良い。 「大藪春彦」氏とは似て異成るものだ。 
読了日:10月12日 著者:鳴海 丈
その男(一) (文春文庫)その男(一) (文春文庫)感想
【図書館】新たな池波本を読み始めました。 青年剣士の流転の物語のようです。 一巻目を読んだ限りでは、何の目的も無い人生に「何か」が現れて、それに巻き込まれるようですね。 幕府隠密も明らかになり益々、波乱万丈になりそう。 「礼子」と夫婦になり、またまた波乱がありそう。 「伊庭八郎」が手出てきて、歴史に巻き込まれそう。 次巻に引き続き手が伸びそうです。
読了日:10月13日 著者:池波 正太郎
その男(ニ) (文春文庫)その男(ニ) (文春文庫)感想
【図書館】いよいよ、きな臭くなって来た。 愛する「礼子」もあっけなく死んでしまった。 もう少し愛の余韻があっても良いかと思うが。 そんな中、寺田屋事件が起こり、中村半次郎、西郷吉之助が暗躍、大きく時代が変わっていく中で、虎之助はどう生きるか悩む。 その中で、遂に池本茂兵衛も再会できたというに死んでしまった。 時代はそんな虎之助に構わず大きなうねりを起こし進んで行く。 幕末を経て近代国家にますます混沌としていく。一時代を虎之助の人生と歩むように駆け抜ける物語はどうなっていくのだろうか。最終巻にいよいよ入る。
読了日:10月14日 著者:池波 正太郎
その男(三) (文春文庫)その男(三) (文春文庫)感想
【図書館】長い話が終わった、読み終えて何の話だったのか、余韻に浸る。 つまり、激動の幕末・維新を駆け抜けた一市民の回顧録だったのではないだろうか。 杉虎之助の眼を通して観た真実の物語(実はフィクション) モデルが三人いたと言う事で、真実に近づけている。 著者自身、曾祖母の登場によって、ますます現実感を増す。 結局、伊庭八郎、桐野利秋、西郷隆盛の三人の行動を追う事で迫力ある群像劇を奏でる事に成功したものと思われる。 池波氏の書き方で無ければ、退屈して打ち捨てた物でしょう。 幕末歴史書としても面白い話でした。
読了日:10月15日 著者:池波 正太郎
雪月花: 謎解き私小説雪月花: 謎解き私小説感想
【図書館】流石に凄い「謎解き私小説」とあるから気楽に開いてみた。 なんか違う、エッセイのような随筆のような。 しかし、こだわる所にはとことんですね。 作家の立場から編集者まで使うのは、本当にしぶといんですね。 しかし、その前に県立図書館は調べている。とことん疑問をそのままにしない、凄い人だ。しかも、展開が凄い、一つの言葉から次から次へと知識欲が半端では無い。でも、もう少し整理してくれたら読み易かったかも。「私小説」う~ん、そうなのかな、エッセイじゃないのかな。とにかく、北村ワールドをかいま見た感じがする。
読了日:10月16日 著者:北村 薫
古書ミステリー倶楽部III (光文社文庫)古書ミステリー倶楽部III (光文社文庫)感想
【再々読】やっぱり読んでいました、古い本だから(2015年)もしかしてと思いましたが・・・でも、読メ登録するまで気が付かずまるまる一冊読んでしまった。 新たに本を開くと言う事は新しい気持ちになるものでしょうね。 再び「小沼 丹」に会ったり、「五木寛之」に感動する。 再読もなかなか宜しいものですね。 この本はバラエティに富んでいてお得な一冊かと思います。 前出の作家はもとより「宮部みゆき」「北村 薫」「曽野綾子」「野村胡堂」「江戸川乱歩」など盛り沢山。 一回読んでも又面白い。
読了日:10月17日 著者:
つながりません スクリプター事件Fileつながりません スクリプター事件File感想
【図書館】図書館へ返本しに行って目の前に希望本があったので感激。 リクエストしようとしていたのでほんとにラッキー。 好みの長岡氏の新作、スクリプターというあまり耳にしない映画の記録係兼マッチングをする係の人の物語。 各章のつながりや全体の流れにスクリプターの眼力が充分生かされている。 長岡氏の細かい事にこだわる話が好きだ。 大団円にも第一章からの秘密を持ってくるなど、まさに面目躍如! 続編が書けそうな雰囲気に「つながります」となってくれるといいな。 久々にミステリーを堪能しました。
読了日:10月19日 著者:長岡弘樹
名探偵の掟 (講談社文庫)名探偵の掟 (講談社文庫)感想
【図書館】東野圭吾のミステリーの造り方本。 私立探偵とポンコツ警部の謎解き裏話。 感想を交えて、トリック、ダイイングメッセ―ジ、2時間ドラマの秘密等、自戒を込めて解説。 しかも、登場人物が読者に向けてぼやくなど面白い小説、小説形態をとっているがミステリーの考察と言った感じ。 サラッと読めてじっくり考えさせられる良い本だと思う。ミステリーのお約束が無ければミステリーは成り立たない、そこで苦労する著者のボヤキが交じる。警察機構の役たたずに眼を向けなければ成り立たないんだと、改めて確認した。 ミステリー論歓迎!
読了日:10月21日 著者:東野 圭吾
名探偵の呪縛 (講談社文庫)名探偵の呪縛 (講談社文庫)感想
【図書館】風変わりな「本格推理の誕生」と言った物語。 図書館で異世界に迷い込んだ「私」が「探偵」として活躍するお話。 入り組んで「作品中作品」と言ったパラレル・ワールドを楽しむ本。 どうしてこの世界に迷い込んだのか、そもそも何でこの世界があるのかを考える本。 東野圭吾が考える本格推理の明日。 作家として考える事が多いんだろうなと交錯する一冊。 もっと素直に楽しめる作品かと思っていた。
読了日:10月23日 著者:東野 圭吾
あきない世傳 金と銀(八) 瀑布篇 (時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(八) 瀑布篇 (時代小説文庫)感想
【図書館】シリーズも8巻目、そろそろ中だるみ感が出て来た。 呉服の事とか、お店の事、全てに「幸」に集中してる、もっと他の人物にスポットを当てればホームドラマになるのになあと感じる。 読んでいてまだるこしいって感じ、時代劇にする必要があったのかなぁ。 日常のゴタゴタでなくスケールの大きい目標、謎が欲しい。 次巻はひと波乱ありそうで面白そうです。
読了日:10月26日 著者:高田郁
119119感想
【図書館】今度は「119」か、長岡弘樹の描く「消防官」のお話。 和佐見市消防署漆間分署に勤める消防士がメインに活躍する。 それぞれが個性あふれる男たちだが、それぞれに鬱屈を抱えている。 消防士の日常を描きながらミステリアスな事件が起こる。 展開が上手いですね、ご都合主義と言うなかれ、こういう展開で無いと、この頁数には収まりませんよ。 意外と人間臭い話しだったと思う。 重箱の隅をつついて、ミステリーの本質を楽しまないのは損だと思う。 ちょっと変わった消防士物、長岡氏らしくて良かったと思う。
読了日:10月28日 著者:長岡 弘樹
赤い刻印 (双葉文庫)赤い刻印 (双葉文庫)感想
【図書館】このところ長岡弘樹づいている。「119」に続いて「赤い刻印」を読んだ。「傍聞き」の主人公・母娘が出ると言うので楽しみに読んだ。ドラマはそれなりに楽しめたが、トリックはイマイチだと思う。その他3篇の短編集、それぞれが問題を抱えた人たちのドラマだった。「手に手を」が、どこかに救いがあるのかと見たが、蛯原医師が唯一の救いだと思う。それも確かにとは言えないが・・・長岡弘樹を読むと人間不信になるから、あまり読んじゃいけないと思う(笑)しかし、小さな点を見逃さない視点は好きだなぁ。また手を出してしまいそう。
読了日:10月29日 著者:長岡 弘樹

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