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2019年12月

2019年12月 2日 (月)

11月の読書記録 読書メーターより

「雨上り月霞む夜」が、印象的だった。 「みんなの少年探偵団」が一捻りして面白い。

11月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:6412
ナイス数:3987

因果 百万石の留守居役(九) (講談社文庫)因果 百万石の留守居役(九) (講談社文庫)感想
【図書館】なんと、9巻になってしまった。 サクサク動いた前巻と比べまた停滞してしまった。 思うに上田氏は歴史小説を書きたいのでは、そこにエンターティナーを被せて歴史を読ませたいと。 しかし、時代小説を読みたい読者は歴史的説明でストーリーが停滞してしまい面白くない。 書下ろし文庫の良さをそろそろ出してくれないと読者離れになるのでは・・・折角、新武田を出したんだから歴史と関わりの無いチャンバラをやればいいのに。 このまま、歴史的背景小説を読まされるのは嫌だなあ。 何巻まで待てば時代小説になるのかなあ。 
読了日:11月03日 著者:上田 秀人
忖度 百万石の留守居役(十) (講談社文庫)忖度 百万石の留守居役(十) (講談社文庫)感想
【図書館】遂に、十巻目、どういう話にするつもりなのか。 二十年先の「江戸家老」そこまで、引っ張るつもりか・・・ とにかく、今回は歴史的説明も少なく、チャンバラありで楽しめました。 越前福井藩の暴挙はとどまりを知らず、家老も馬鹿だが藩主も馬鹿、こうなると家臣はする事が無くなってしまう。 密かに脱出しようとする数馬だが、ここへ、わざわざ琴姫の投入とは。 上田氏は何を考えてるんでしょうか。 十巻で方向性が見えない物語は初めてです。 留守居役の日常を描くのなら、淡々と描き埋めれば良い、歴史的説明口調で。 長いなあ
読了日:11月04日 著者:上田 秀人
みんなの少年探偵団みんなの少年探偵団感想
【図書館】思わず懐かしい表紙カバーに手が伸びる、昔読んだ冒険世界に引きずり込まれる。 良いぞ、血沸き肉躍る、めくるめく世界、しかも、当代一流の作家が揃っている。 怪人20面相が、小林少年が、そして明智小五郎が・・・一気にあの時代に戻ってしまう。 秘密道具だ、BDバッジだ、ワクワクするぞ。 という訳で、江戸川乱歩にオマージュを捧げた作品を読んで見た。 面白い、各作家がいろいろな角度からアプローチしてる。 ポプラ社から出ているのも郷愁を感じる。 2巻も読んで見ようと思います。
読了日:11月06日 著者:万城目 学,湊 かなえ,小路 幸也,向井 湘吾,藤谷 治
みんなの少年探偵団2みんなの少年探偵団2感想
【図書館】第2弾も良かった。錚々たる作家が顔を揃えている。 有栖川も良かったし、歌野や大崎も良かった。 いろいろなアプローチで乱歩に挑む、時には自作の探偵も(笑)歌野は同窓生の死をきっかけに少年探偵団を懐かしむ、大いなるノスタルジーだな。最後の平山氏の作品、褒めている方が多いが、話が続かないグロで押し切る。 これが乱歩作品なのか、うーん、どうだろうか。私は面白いとは思えなかった。ともあれ、一人の作家にこれだけのオマージュ作品が集まると言う事は快挙である。3巻は有るのだろうか、それともそろそろネタ切れか。 
読了日:11月06日 著者:有栖川 有栖,歌野 晶午,大崎 梢,坂木 司,平山 夢明
騒動 百万石の留守居役(十一) (講談社文庫)騒動 百万石の留守居役(十一) (講談社文庫)感想
【図書館】やっと、面白くなってきた。 使者で越前に来た数馬に襲い来る陰謀、難を逃れる数馬に琴姫が救援に駆けつける。 そこに起こる剣戟の調べ、これだ、これだよ上田節。 やっと、数馬の本領発揮、でも、この調子では最終巻は何巻になるのだろう。 着地点も見えないし・・・ともあれ、なんとか決着をみて加賀に帰る事が出来そうだ。 またもや江戸に呼び戻されそうな数馬に明日はあるのか。 琴姫と女忍び、本多のじい様、思惑が混じりあう、今後の展開が楽しみになって来た。
読了日:11月08日 著者:上田 秀人
寒椿ゆれる―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)寒椿ゆれる―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)感想
【古本屋】やっちまった、読友さんの事を意見したばかりなのに、読書メーターに尋ねると【既読】ああぁ~(笑)
読了日:11月08日 著者:近藤 史恵
鬼平犯科帳Season Best夏至の候。 (SPコミックス SPポケットワイド)鬼平犯科帳Season Best夏至の候。 (SPコミックス SPポケットワイド)感想
【古本】いゃ~相変わらず、鬼平の世界に堪能しますね。 総ページ570頁、読み応えがあります。 いろいろな話のオムニバスですが、良いですね~ 池波正太郎の原作はもうないんだろうけど、脚本でガンバっている。 さもありそうな場面を選んでいるのでは、と言って原作本を一回も読んだ事がない。 鬼平は「さいとう・たかお」版ばかり(笑) どうしてここまで嵌まってしまったんだろう・・・たぶん、テレビの「鬼平」好きと同じなんだろうな。
読了日:11月09日 著者:さいとう・たかを 池波正太郎
ライオンの棲む街  平塚おんな探偵の事件簿1 (祥伝社文庫)ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1 (祥伝社文庫)感想
【図書館】お馴染みの東川篤哉氏の軽妙な探偵物として借りて来たが、なかなかどうして本格もどきになっている。 凶暴なパワフル探偵のエルザと地味で引っ込み思案の美伽の探偵助手が繰り広げるドタバタ推理アクション。 同級生のコンビの掛け合いが面白い、続きがありそうなので読んで見る事にします。
読了日:11月11日 著者:東川 篤哉
分断 百万石の留守居役(十二) (講談社文庫)分断 百万石の留守居役(十二) (講談社文庫)感想
【図書館】福井藩騒動の後、急遽、義父・本多政長のお供で江戸へ。 道中、いろいろな妨害を受け、策略をもって江戸に到着。 家老・横山大善と横山内記の悪だくみを何とか潰そうとする数馬と政長の奮闘を描く。 またまた、旧エピソードが説明過多で気になるが、書きたいのは仕方ない軽く流して活劇に集中する。 先がどうなるのか皆目見当がつかない、どこで終止符を打つのか楽しみ。 でも、琴姫との事や堀田と大久保の決着等々終わるに終われない問題が山積。 十五巻くらいで大団円か・・・
読了日:11月12日 著者:上田 秀人
舌戦 百万石の留守居役(十三) (講談社文庫)舌戦 百万石の留守居役(十三) (講談社文庫)感想
【図書館】遂に、十三巻に突入してしまった。 まだまだ先は長そうだ。 急遽、江戸に呼び出された本多政長、綱吉との会見を前に、もう一つ評定所の裁定があった。 大久保加賀守と政長の息詰まる攻防、軽く手をひねられた大久保に次の一手があるか。 続いて綱吉と直江状に関する問題を理路整然と解釈する長政、すべてが長政の手の中で遊ばれている。 「舌戦」タイトルが表す通り本多長政の独壇場であった。 過去は良いから敵対する者たちの必勝のあるのか、どうも「じり貧」の感がある。 遂に本多家・三代目の跡継ぎの「本多主殿」が出て来た。
読了日:11月13日 著者:上田 秀人
ライオンの歌が聞こえる 平塚おんな探偵の事件簿2 (祥伝社文庫)ライオンの歌が聞こえる 平塚おんな探偵の事件簿2 (祥伝社文庫)感想
【図書館】平塚おんな探偵、第2巻! なんとか読み終わった、トリックに終始するが、ちょっと無理があるか。 フィアットなど砂細工って、ひき逃げと珈琲も無理あるし・・・この世界観で持っていると思う。 無理に推理にしないで、ちょっとした謎解きぐらいが良いと思う。 エルザと美伽の会話と謎解きがマッチしない、ちょこちょこ出て来る宮前が、単に都合の良い説明役になってないか、警察機構がこんな情報を垂れ流しするか。 小物の木刀もそうだが、探偵助手の美伽も生かし切っていない。 探偵像の確立がまず最初と思う。
読了日:11月15日 著者:東川篤哉
鯖猫長屋ふしぎ草紙(七) (PHP文芸文庫)鯖猫長屋ふしぎ草紙(七) (PHP文芸文庫)感想
【図書館】鯖猫シリーズも、もう七巻目。 マンネリ化に陥らず何とかやって来た。 今回は長谷川豊山が「長屋」に戻ってくる、自書の「妖長屋春秋」になぞられた事件が勃発する。 それを悩み鯖猫長屋に引きこもり、妖しの仕業かと拾楽やおてるは動き出すが・・・ここで山吹が、良い働きをする、それが何とも悲しい。 事件はおてる・与六夫婦を巻き込んでおてるの哀しい過去まで暴かれる。 すべてが終わってみれば、どうしようもなく一途な男の思い込みだった。 おはま、拾楽の関係も山吹の想いにどう答えるのか、拾楽がどう生きるのかが問題だ。
読了日:11月18日 著者:田牧 大和
冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)感想
【図書館】「くらまし屋シリーズ」第5巻、遂に登場。 今回は「一日」たけの「くらまし」、そんな事があっていいのだろうか。 なんだかんだ理屈を付けて、依頼を遂行して上げる平九郎の男気、好きだなあ。 それも老中のひとりと来ては予定調和なのか。 それぞれの名前出自など判ってしまった、これからが本番か・・・ 今回は、御庭番、道中同心、四三屋、虚、入り混じっての「くらまし仕事」、棲ざましい事となった、衆人環視の中如何にくらますのか、興味津々。 老中・武元の親心が泣かせる一篇です。 くらまし屋・平九郎の過去にも興味が。
読了日:11月21日 著者:今村 翔吾
嗤う淑女 (実業之日本社文庫)嗤う淑女 (実業之日本社文庫)感想
【図書館】中山七里、あんまり馴染みの無い作家です。 最初は悪漢小説かと思って読んでました。 しかし、カバー裏に悪女ミステリーとある、ミステリーなんだと、気にして読むとミステリー要素が無い。 裁判の場面で、やっと登場。 しかし、ミステリーとしたらちょっと弱い。 前半で刑事を登場したり、脇役の会話を散りばめたり、した方が盛り上がると思う。 DNAの問題も、そう上手くいくのかな、ホラー小説としたら成功かも知れない。 確かに読ませる作家かと思います。 続けて、もう一冊は勘弁!
読了日:11月22日 著者:中山 七里
新装版 殺しの掟 (講談社文庫)新装版 殺しの掟 (講談社文庫)感想
【図書館】いや~面白かった。 梅安さんは出て来ないけど、その世界を知っている人は納得。 音羽の半右衛門、西村左内、ふさ楊枝の彦次郎、等が短編に登場する。 この姿のまま「仕掛人・藤枝梅安」に結集すると言う流れは必然かと。 殺し技と言うより、殺しを頼まなくてはならない心情、そこがドラマだと思う。 江戸の殺し屋の世界、たっぷり堪能できる短編集です。 池波作品、再び読むのも良いかも・・・
読了日:11月23日 著者:池波 正太郎
雨上がり月霞む夜 (単行本)雨上がり月霞む夜 (単行本)感想
【図書館】運良く短期間でリクエストが来ました。 タイトルからお分かりの通り「雨月物語」に材を取ったお話。 さて、雨月物語は聞いたことがあるが未読です。 原作を読んでからの方が入り易いと思いつつ読了です。西条奈加さん、だから易しく描いてくれるとの想いからGOします。 なんとなく怪談とファンタジーが交じった雰囲気に雨月と言う人物が絡む。ああ、これは一捻りした雨月物語の世界だ、各話に著者の想いを込めたファタジーだ。鳥獣戯画や娘道成寺、白峯など上田秋成の生い立ちにも絡む物語でした。夢枕獏の「陰陽師」の世界に通ず。
読了日:11月27日 著者:西 條奈加
世にもふしぎな動物園 (PHP文芸文庫)世にもふしぎな動物園 (PHP文芸文庫)感想
【図書館】リクエストと共に本棚から借りて来た。 暇つぶしに変わったアンソロジーだと思ったが、やや個性があり過ぎる。 どうにか、2編を読んだがついていけません。 もっと軽い物を期待していました(笑) あえなくギブアップ、途中で挫折の物語でした。
読了日:11月28日 著者:小川 洋子,鹿島田 真希,白河 三兎,似鳥 鶏,東川 篤哉
本格推理展覧会 名探偵の憂鬱 (青樹社文庫)本格推理展覧会 名探偵の憂鬱 (青樹社文庫)感想
【図書館】歴代の名探偵の変遷史。 ちょっと、気晴らしで読むにはちょうど良い。 簡単な謎解きの様に気軽に手に取るには持って来いのアンソロジーです。 巻末の山前氏の「名探偵の系譜」も、いろいろ思い出して楽しいです。 知らない探偵もいて勉強になります。
読了日:11月29日 著者:
大奥騒乱: 伊賀者同心手控え (徳間文庫)大奥騒乱: 伊賀者同心手控え (徳間文庫)感想
【図書館】 暇つぶしに恰好の一冊、上田秀人には珍しく一巻もの。一介の忍者である御厨一兵が主人公の江戸城物、大奥の局に呼び出された伊賀者がいろいろな危難に巻き込まれるアクション時代劇。 大奥と老中、御庭番、伊賀者、松平定信、田沼意次を巻き込む権力闘争。大奥の思惑、権力の横暴、三者三様の思惑が乱れ飛ぶ。 果たして一兵の運命は・・・ 上田氏としてはこじんまりとしたお話だが、息抜きに読む分には面白い。 例によって説明調がアクションを阻害する、どうしても上田節が入ってしまう、これは上田時代小説のクセと言う物だから。
読了日:11月30日 著者:上田 秀人

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