7月の読書記録
「奥祐筆シリーズ」と「ぼろ鳶」シリーズ」に集中した月でした。
7月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:7230
ナイス数:2632
夜哭烏 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第2弾! ますます快調のぼろ鳶、今回は人質を取って消火作業を妨害する放火犯、その正体は・・・息もつかせぬアクションにアクションといった物語。 なぜこんな事をするのか、一体誰が、窮地に立たされる八咫烏、なんとか食い止める火喰鳥、男の友情が、意地がぶつかり合う。 相変わらず、しっかり者の深雪さん、田沼さまの覚えも目出度い、身体を大事にこれからもガンバって! 止まらないな、次に行きましょう。
読了日:07月01日 著者:今村翔吾
国禁 (講談社文庫 う 57-2 奥右筆秘帳)の感想
【図書館】ますます面白くなる第2弾! 併右衛門は津軽藩のある文書に疑問を抱く、それは取りを直さず国家の秘密に関わる事だった。 どうも、藪を突いて蛇を出す癖があるようです、そうでなければシリーズが続かないと思うが(笑) 二作になり登場人物も増えて来た、特に前作から出ていたが覚蟬が朝廷の密使と判り、チョコチョコと出ていたことに納得。 ますます熾烈を極める治済との戦い、伊賀者、御庭番と三つ巴の戦い、ますます眼が離せない。 瑞希の危機を救うため奔走する衛悟、その熱さに胸が熱くなる、早く一緒に成れればいいのに・・・
読了日:07月03日 著者:上田 秀人
縁談つぶし―兄妹十手江戸つづり (ハルキ文庫 あ 21-2 時代小説文庫)の感想
【図書館】「兄妹十手江戸つづり」第2弾! 何となくスケール・ダウンしている感じがする。 捕物の面白さも、兄弟のやり取りにも、疲れが出ている。 工夫が感じられない、ただ兄弟の仲を淡々と描いている感じ。 隠密廻りのしんどさが出ていない、兄弟の機微と言うか、そう言ったものが感じられない。 どうも、この作家は1作目の良さを、どっかに忘れてしまった様だ。 あと、1巻再構築の妙があるのか・・・
読了日:07月03日 著者:芦川 淳一
猫目の賊 兄妹十手江戸つづり (ハルキ文庫 あ 21-3 時代小説文庫)の感想
【図書館】最終巻(?)らしい、最後に来て持ち直した様です。 今回は、前2作と違い長編でした、この作家は長編の方が力量を発揮する作家かと思います。 二人の縁談も仇である弁五郎との決着もついた、ちょっと結果を急ぎ過ぎた感もあるが、まぁ良しとしよう。 兄弟の駆け引きとか、もっと見たいと思うがここら辺が限度だろう。 隠密同心の歓び哀しみを描いて良作品かと思います。 ますますの精進を願います。
読了日:07月04日 著者:芦川 淳一
九紋龍 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ、3作目。 又、凄い火消しが現れた、その名も、に組の頭「九紋龍」ご存知の通り「水滸伝」の登場人物になぞられた男前である。 この男、やる事成す事、荒っぽい、野次馬をひねり潰す等、むちゃくゃである。 それも、話が進むと哀しい裏話がある事に気が付く。 火付けをし、強盗を働く「千羽一家」の台頭、お国表の藩主の親戚・御連枝様・戸沢正親の命令で緊縮財政を押し付けられる、八方塞がりの火喰鳥・源吾、さあどうする。 ますます脂の乗った物語は縦横無尽の面白さ、当分楽しめそうです。
読了日:07月05日 著者:今村翔吾
侵蝕<奥右筆秘帳> (講談社文庫)の感想
【図書館】奥祐筆シリーズ、3作目。 今度は「薩摩藩」が絡んで来た、大奥に女人の刺客が・・・書き物を読んでいた併右衛門は奥女中お抱えの知らせに、何か感じるものがあった。 一方、抜け荷の疑いを探し出したと薩摩は併右衛門暗殺に示現流の使い手を放つ。 治定と家斉の争いは益々熾烈を極める、示現流の刺客に大奥・別式女を絡めて三つ巴の暗闘に。 ますます深みを増す奥祐筆シリーズ、衛悟の婿入りは二転三転して儘ならず、果たしてどうなるのか胸が焼けます。 まだまだ先は永い、この関係を楽しむことにしよう。
読了日:07月06日 著者:上田 秀人
継承 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズも4巻になった、今回は家康の書き付けの真贋を見極める為、駿府に旅するはめに至った併右衛門と陰で護衛する衛悟の活躍を描く。 免許皆伝になった衛悟、人を斬る事の何たるかを徐々に考え始める。 一方、併右衛門は相変わらず身勝手、瑞紀の意見が的を得ていると思うが女子に権限が無い。 敵の数も徐々に増えて衛悟の手も足りなくなりそう、どうなる奥祐筆。 まだまだ先は長そうだ・・・
読了日:07月08日 著者:上田 秀人
鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】第4弾は京都が舞台、奇怪な火付け困った平蔵は源吾に助けを求める。 急遽駆けつけた源吾に星十郎、武蔵は精力的に活動するが、どうも京都では勝手が違う。 今回も凄い漢が出て来る、蟒蛇(うわばみ)の弾馬=野条弾馬である。 棲ざましい気風と怪力、源吾と早速意気投合してしまう。 もう一人が長谷川銕三郎(平蔵の息子、のちの鬼平)こちらも凄い、理屈も何もない、向かう所突っかかっていく。 そして、今回哀しい事が起こる、しかし、その男意気が何とも泣かせる。 後に残った銀煙管で煙草を吸えば想い出と共に・・・
読了日:07月10日 著者:今村翔吾
菩薩花 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第5弾、今回も醜悪な大悪が現れる。 火付番付の影に隠れて、善良な顔の下に醜い野望を潜ませる菩薩とは。 薄々感ずいていた源吾だがここまでとは、手柄を奪う与市、番付の読売書きの行方不明、次から次へと事件が起こる。 どうにかこうにか解決して、銕太郎も平蔵に襲名、やっとひと安心。 待望の赤子も授かり万々歳の源吾一家に、また一波乱ありそうな気配が・・・
読了日:07月11日 著者:今村翔吾
簒奪 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第5弾、ともなると内容に一工夫が必要と衛悟の婿入り話と三つ巴の将軍獲得にストーリーを噛ませてきた。 家斉と治定、水戸家と尾張まで巻き込んでの丁々発止の死闘が続く。 中でも、治定の雇忍び・冥府防人(望月小弥太)の忍び術が群を抜いている。 今回は冥府防人の攻防戦の巻と言えよう。 婿入り話はいつの間にか剣術の試合に転嫁されうやむやに。 次回は瑞紀の縁談話とか何回同じネタをやれば気が済むのか・・・すこし、中だるみ感が出て来た今回である。
読了日:07月12日 著者:上田 秀人
秘闘 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズも、もう6弾! ますます混迷の様相を示してきた。 併右衛門も本腰を入れて戦う決意を、そんな中、衛悟が不覚を取って傷を負う。 家基の急死事件の裏側に周到に張り巡らされた陰謀とは、それに気が付いた奥祐筆に死の魔の手が・・・三つ巴の戦いは風雲急を告げる、どうなる衛悟、どうする併右衛門。 しかし、グイグイ引き寄せられる筆致だ、その辣腕は依然衰えず、上田秀人凄い作家だと思う。 最終巻まで一気読みだ!
読了日:07月14日 著者:上田 秀人
旅は道づれ きりきり舞いの感想
【図書館】シリーズ第3弾と言う事で、遂に旅に出たかと思ったら違っていた。 道中は最後の2編だけで通常のドタバタ喜劇でした。 こういうアットホーム物は好きでは無い、ウィットの中にシュールがある、そんな諸田氏の作品が好きなのに・・・次郎長の子孫なんだから、スカッとした時代物を読んてみたい。 こんなドタバタならもう読まないと思う、2作で終わっても良かったのでは。 多少、一九の生き方など研究したところもあるが、全編道中話で良かったのでは無いかと思った。 舞の考え方が変わって来たちょっと違う。
読了日:07月16日 著者:諸田 玲子
狐花火 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ、一巻飛ばしてしまい、大丈夫かと思ったらまずまずでした。 図書館待ちだからしょうがないよね。 今回は、2年前に死んだとされている秀助の火付けの手口とそっくりな火付けが起こる。 果たして秀助は生きているのか・・・一方、火消番付に載った著名人が喧嘩の上叩きのめされる事件が勃発する。 あっちやこっちでの騒ぎに源吾は大わらわ。 吉原騒ぎの余韻を感じつつ、また大きくなって源吾らが活躍するエンターティンメント。 次への期待も持たせつつ絶好調である。 次巻が待ち通しい一巻です。
読了日:07月17日 著者:今村翔吾
隠密 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】もう、どれが敵なのか判らなくなって来た、三つ巴の闘争も激化してきた。 「ぼろ鳶シリーズ」並行して読んでるんだが時代が一緒らしい、紛らわしくって困る(笑) 家基の死の謎は併右衛門の活躍で何とか隠ぺいしたが、今度は家斉の暗殺未遂事件の真相を松平定信より依頼される。 そんな時、併右衛門の娘・瑞紀が縁談を断った旗本に誘拐されてしまう。 助けに向かう併右衛門と衛悟、果たして瑞紀の運命は・・・お互いの利害が一致するかどうかで敵味方になるのでコロコロ変わる。 究極の敵は一橋冶済だろうな。
読了日:07月18日 著者:上田 秀人
刃傷 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】ついに、八巻目に突入! 今回は計略により殿中での刃傷沙汰に巻き込まれる併右衛門の危機を描く。 それぞれが陰謀術数を巡らし、奥祐筆抹殺を企むが意外な技が・・・果たして、無事危難を乗り切れるだろうか。 ここに来て瑞紀が衛悟に心を寄せる場面が多くなった、本格的に「婿取り」の併右衛門の気持ちが固まった様だ。 失敗した伊賀者は、あの手この手で生き残りを考え、またまたひと波乱ありそう。 松平定信もしつこいし、一橋治済もまだ野望を捨ててないし・・・泥沼状態だな。
読了日:07月19日 著者:上田 秀人
召抱<奥右筆秘帳> (講談社文庫)の感想
【図書館】遂に、シリーズ9巻にして三つ巴の一角が崩れる。 そんなに力が無い(落ち目)のに無理をし過ぎの感があったあの御仁も遂に退場か・・・ちょっと、ストーリーをかき混ぜて退場という悲劇。 召抱なんてこの時代にもうできる訳ない、それでもテーマに立花家の婿取りをクローズアップしたいためだろうな。 だいたいタイトルとテーマが大筋と関係ない噺が多い。 タイトルで中身を判らない様にしているんかも。 この話、どこまで行けば決着なのでしょう、終わりが楽しみになって来た。 衛悟の婿入りで大団円か・・・
読了日:07月22日 著者:上田 秀人
墨痕 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズも終盤になって来た、登場人物も整理されてきた。 松平定信は前巻でお役御免と思われたが、執念深く家斉暗殺を狙う、東寺の法務亮深の弟子・深園の企みにまんまと嵌まった定信、遂に退場の身に。 同じく覚蝉も、良い様に使われて命を落とす。考えたら覚蝉は狂言回しで大した事をしていない、当初は影の黒幕になるかもしれないと考えていたのだが、あっけないお最後。伊賀の影も無くなり、話は一橋治定と冥府防人、絹兄妹の対決を残すのみ。奥祐筆の筆はどこまで追求できるのか、衛悟・瑞紀の将来は・・・あと2巻心して待とう。
読了日:07月24日 著者:上田 秀人
昨日がなければ明日もないの感想
【図書館】シリーズも、もう5作目。 杉村三郎の探偵業も板に付いて来た感じ。 今回、表れる「女性」は、棲ざましく強烈な個性を持っている。 三郎との比較が物語を支えているといっても良いかと思う。 どちらも一件落着と思わして実は・・・と言う種明かしが後々まで心に残る。 宮部は一筋縄ではいかないという所です。しかし、一作目は、どうしょうも無い女性が描かれる、こんな依存体質の人っているのかな? 野郎も野郎だ、金の力で何でも出来ると思い込んでいる輩は怖い。これも「いやミス」の一つに数えられるんだろうな、やれやれ・・・
読了日:07月26日 著者:宮部 みゆき
天下 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】遂に最終局面に、伊賀忍群との争いは何となく手締めになる所が、二人の訳ありが衛悟と瑞紀を襲う、怒り心頭の併右衛門は伊賀者をぐうの音が出ないほど押さえつける。 一方、家斉暗殺は島津の手で「捨てかまり」が使われることに、どんな手法なのか・・・陰謀渦巻く大奥に思惑が乱れ飛ぶ、果たして徳川にとって得策があるのか、併右衛門と衛悟に妙策の手立てはあるのか。 徳川双六、そろそろ上りが見えて来た感じ、どういう決着を付けるか、上田秀人、見物である。 締めくくりに興味深々です。
読了日:07月27日 著者:上田 秀人
決戦 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズ最終巻、読み終わりました。 しばし、余韻を感じて動けませんでした。 やっぱり小説と言う物は結末有きですね、佐伯某氏のようにダラダラ長引かせれば良いと言う物ではありません。 決定版を出したり金儲けとしか思えない。 ともかく、冥府防人(望月小弥太)との戦いに勝利した衛悟だが、まだまだ先は永い。 瑞紀との生活も観てみたいと思う、併右衛門の孫可愛がる有様も・・・ 防人の死因は納得が行かないが、まあ、鬼のように強い防人だから仕方がないか。 絹も赤ん坊を大事にね。 上田先生、お疲れ様でした。
読了日:07月29日 著者:上田 秀人
読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:7230
ナイス数:2632
夜哭烏 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第2弾! ますます快調のぼろ鳶、今回は人質を取って消火作業を妨害する放火犯、その正体は・・・息もつかせぬアクションにアクションといった物語。 なぜこんな事をするのか、一体誰が、窮地に立たされる八咫烏、なんとか食い止める火喰鳥、男の友情が、意地がぶつかり合う。 相変わらず、しっかり者の深雪さん、田沼さまの覚えも目出度い、身体を大事にこれからもガンバって! 止まらないな、次に行きましょう。
読了日:07月01日 著者:今村翔吾
国禁 (講談社文庫 う 57-2 奥右筆秘帳)の感想
【図書館】ますます面白くなる第2弾! 併右衛門は津軽藩のある文書に疑問を抱く、それは取りを直さず国家の秘密に関わる事だった。 どうも、藪を突いて蛇を出す癖があるようです、そうでなければシリーズが続かないと思うが(笑) 二作になり登場人物も増えて来た、特に前作から出ていたが覚蟬が朝廷の密使と判り、チョコチョコと出ていたことに納得。 ますます熾烈を極める治済との戦い、伊賀者、御庭番と三つ巴の戦い、ますます眼が離せない。 瑞希の危機を救うため奔走する衛悟、その熱さに胸が熱くなる、早く一緒に成れればいいのに・・・
読了日:07月03日 著者:上田 秀人
縁談つぶし―兄妹十手江戸つづり (ハルキ文庫 あ 21-2 時代小説文庫)の感想
【図書館】「兄妹十手江戸つづり」第2弾! 何となくスケール・ダウンしている感じがする。 捕物の面白さも、兄弟のやり取りにも、疲れが出ている。 工夫が感じられない、ただ兄弟の仲を淡々と描いている感じ。 隠密廻りのしんどさが出ていない、兄弟の機微と言うか、そう言ったものが感じられない。 どうも、この作家は1作目の良さを、どっかに忘れてしまった様だ。 あと、1巻再構築の妙があるのか・・・
読了日:07月03日 著者:芦川 淳一
猫目の賊 兄妹十手江戸つづり (ハルキ文庫 あ 21-3 時代小説文庫)の感想
【図書館】最終巻(?)らしい、最後に来て持ち直した様です。 今回は、前2作と違い長編でした、この作家は長編の方が力量を発揮する作家かと思います。 二人の縁談も仇である弁五郎との決着もついた、ちょっと結果を急ぎ過ぎた感もあるが、まぁ良しとしよう。 兄弟の駆け引きとか、もっと見たいと思うがここら辺が限度だろう。 隠密同心の歓び哀しみを描いて良作品かと思います。 ますますの精進を願います。
読了日:07月04日 著者:芦川 淳一
九紋龍 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ、3作目。 又、凄い火消しが現れた、その名も、に組の頭「九紋龍」ご存知の通り「水滸伝」の登場人物になぞられた男前である。 この男、やる事成す事、荒っぽい、野次馬をひねり潰す等、むちゃくゃである。 それも、話が進むと哀しい裏話がある事に気が付く。 火付けをし、強盗を働く「千羽一家」の台頭、お国表の藩主の親戚・御連枝様・戸沢正親の命令で緊縮財政を押し付けられる、八方塞がりの火喰鳥・源吾、さあどうする。 ますます脂の乗った物語は縦横無尽の面白さ、当分楽しめそうです。
読了日:07月05日 著者:今村翔吾
侵蝕<奥右筆秘帳> (講談社文庫)の感想
【図書館】奥祐筆シリーズ、3作目。 今度は「薩摩藩」が絡んで来た、大奥に女人の刺客が・・・書き物を読んでいた併右衛門は奥女中お抱えの知らせに、何か感じるものがあった。 一方、抜け荷の疑いを探し出したと薩摩は併右衛門暗殺に示現流の使い手を放つ。 治定と家斉の争いは益々熾烈を極める、示現流の刺客に大奥・別式女を絡めて三つ巴の暗闘に。 ますます深みを増す奥祐筆シリーズ、衛悟の婿入りは二転三転して儘ならず、果たしてどうなるのか胸が焼けます。 まだまだ先は永い、この関係を楽しむことにしよう。
読了日:07月06日 著者:上田 秀人
継承 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズも4巻になった、今回は家康の書き付けの真贋を見極める為、駿府に旅するはめに至った併右衛門と陰で護衛する衛悟の活躍を描く。 免許皆伝になった衛悟、人を斬る事の何たるかを徐々に考え始める。 一方、併右衛門は相変わらず身勝手、瑞紀の意見が的を得ていると思うが女子に権限が無い。 敵の数も徐々に増えて衛悟の手も足りなくなりそう、どうなる奥祐筆。 まだまだ先は長そうだ・・・
読了日:07月08日 著者:上田 秀人
鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】第4弾は京都が舞台、奇怪な火付け困った平蔵は源吾に助けを求める。 急遽駆けつけた源吾に星十郎、武蔵は精力的に活動するが、どうも京都では勝手が違う。 今回も凄い漢が出て来る、蟒蛇(うわばみ)の弾馬=野条弾馬である。 棲ざましい気風と怪力、源吾と早速意気投合してしまう。 もう一人が長谷川銕三郎(平蔵の息子、のちの鬼平)こちらも凄い、理屈も何もない、向かう所突っかかっていく。 そして、今回哀しい事が起こる、しかし、その男意気が何とも泣かせる。 後に残った銀煙管で煙草を吸えば想い出と共に・・・
読了日:07月10日 著者:今村翔吾
菩薩花 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第5弾、今回も醜悪な大悪が現れる。 火付番付の影に隠れて、善良な顔の下に醜い野望を潜ませる菩薩とは。 薄々感ずいていた源吾だがここまでとは、手柄を奪う与市、番付の読売書きの行方不明、次から次へと事件が起こる。 どうにかこうにか解決して、銕太郎も平蔵に襲名、やっとひと安心。 待望の赤子も授かり万々歳の源吾一家に、また一波乱ありそうな気配が・・・
読了日:07月11日 著者:今村翔吾
簒奪 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズ第5弾、ともなると内容に一工夫が必要と衛悟の婿入り話と三つ巴の将軍獲得にストーリーを噛ませてきた。 家斉と治定、水戸家と尾張まで巻き込んでの丁々発止の死闘が続く。 中でも、治定の雇忍び・冥府防人(望月小弥太)の忍び術が群を抜いている。 今回は冥府防人の攻防戦の巻と言えよう。 婿入り話はいつの間にか剣術の試合に転嫁されうやむやに。 次回は瑞紀の縁談話とか何回同じネタをやれば気が済むのか・・・すこし、中だるみ感が出て来た今回である。
読了日:07月12日 著者:上田 秀人
秘闘 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズも、もう6弾! ますます混迷の様相を示してきた。 併右衛門も本腰を入れて戦う決意を、そんな中、衛悟が不覚を取って傷を負う。 家基の急死事件の裏側に周到に張り巡らされた陰謀とは、それに気が付いた奥祐筆に死の魔の手が・・・三つ巴の戦いは風雲急を告げる、どうなる衛悟、どうする併右衛門。 しかし、グイグイ引き寄せられる筆致だ、その辣腕は依然衰えず、上田秀人凄い作家だと思う。 最終巻まで一気読みだ!
読了日:07月14日 著者:上田 秀人
旅は道づれ きりきり舞いの感想
【図書館】シリーズ第3弾と言う事で、遂に旅に出たかと思ったら違っていた。 道中は最後の2編だけで通常のドタバタ喜劇でした。 こういうアットホーム物は好きでは無い、ウィットの中にシュールがある、そんな諸田氏の作品が好きなのに・・・次郎長の子孫なんだから、スカッとした時代物を読んてみたい。 こんなドタバタならもう読まないと思う、2作で終わっても良かったのでは。 多少、一九の生き方など研究したところもあるが、全編道中話で良かったのでは無いかと思った。 舞の考え方が変わって来たちょっと違う。
読了日:07月16日 著者:諸田 玲子
狐花火 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】シリーズ、一巻飛ばしてしまい、大丈夫かと思ったらまずまずでした。 図書館待ちだからしょうがないよね。 今回は、2年前に死んだとされている秀助の火付けの手口とそっくりな火付けが起こる。 果たして秀助は生きているのか・・・一方、火消番付に載った著名人が喧嘩の上叩きのめされる事件が勃発する。 あっちやこっちでの騒ぎに源吾は大わらわ。 吉原騒ぎの余韻を感じつつ、また大きくなって源吾らが活躍するエンターティンメント。 次への期待も持たせつつ絶好調である。 次巻が待ち通しい一巻です。
読了日:07月17日 著者:今村翔吾
隠密 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】もう、どれが敵なのか判らなくなって来た、三つ巴の闘争も激化してきた。 「ぼろ鳶シリーズ」並行して読んでるんだが時代が一緒らしい、紛らわしくって困る(笑) 家基の死の謎は併右衛門の活躍で何とか隠ぺいしたが、今度は家斉の暗殺未遂事件の真相を松平定信より依頼される。 そんな時、併右衛門の娘・瑞紀が縁談を断った旗本に誘拐されてしまう。 助けに向かう併右衛門と衛悟、果たして瑞紀の運命は・・・お互いの利害が一致するかどうかで敵味方になるのでコロコロ変わる。 究極の敵は一橋冶済だろうな。
読了日:07月18日 著者:上田 秀人
刃傷 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】ついに、八巻目に突入! 今回は計略により殿中での刃傷沙汰に巻き込まれる併右衛門の危機を描く。 それぞれが陰謀術数を巡らし、奥祐筆抹殺を企むが意外な技が・・・果たして、無事危難を乗り切れるだろうか。 ここに来て瑞紀が衛悟に心を寄せる場面が多くなった、本格的に「婿取り」の併右衛門の気持ちが固まった様だ。 失敗した伊賀者は、あの手この手で生き残りを考え、またまたひと波乱ありそう。 松平定信もしつこいし、一橋治済もまだ野望を捨ててないし・・・泥沼状態だな。
読了日:07月19日 著者:上田 秀人
召抱<奥右筆秘帳> (講談社文庫)の感想
【図書館】遂に、シリーズ9巻にして三つ巴の一角が崩れる。 そんなに力が無い(落ち目)のに無理をし過ぎの感があったあの御仁も遂に退場か・・・ちょっと、ストーリーをかき混ぜて退場という悲劇。 召抱なんてこの時代にもうできる訳ない、それでもテーマに立花家の婿取りをクローズアップしたいためだろうな。 だいたいタイトルとテーマが大筋と関係ない噺が多い。 タイトルで中身を判らない様にしているんかも。 この話、どこまで行けば決着なのでしょう、終わりが楽しみになって来た。 衛悟の婿入りで大団円か・・・
読了日:07月22日 著者:上田 秀人
墨痕 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズも終盤になって来た、登場人物も整理されてきた。 松平定信は前巻でお役御免と思われたが、執念深く家斉暗殺を狙う、東寺の法務亮深の弟子・深園の企みにまんまと嵌まった定信、遂に退場の身に。 同じく覚蝉も、良い様に使われて命を落とす。考えたら覚蝉は狂言回しで大した事をしていない、当初は影の黒幕になるかもしれないと考えていたのだが、あっけないお最後。伊賀の影も無くなり、話は一橋治定と冥府防人、絹兄妹の対決を残すのみ。奥祐筆の筆はどこまで追求できるのか、衛悟・瑞紀の将来は・・・あと2巻心して待とう。
読了日:07月24日 著者:上田 秀人
昨日がなければ明日もないの感想
【図書館】シリーズも、もう5作目。 杉村三郎の探偵業も板に付いて来た感じ。 今回、表れる「女性」は、棲ざましく強烈な個性を持っている。 三郎との比較が物語を支えているといっても良いかと思う。 どちらも一件落着と思わして実は・・・と言う種明かしが後々まで心に残る。 宮部は一筋縄ではいかないという所です。しかし、一作目は、どうしょうも無い女性が描かれる、こんな依存体質の人っているのかな? 野郎も野郎だ、金の力で何でも出来ると思い込んでいる輩は怖い。これも「いやミス」の一つに数えられるんだろうな、やれやれ・・・
読了日:07月26日 著者:宮部 みゆき
天下 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】遂に最終局面に、伊賀忍群との争いは何となく手締めになる所が、二人の訳ありが衛悟と瑞紀を襲う、怒り心頭の併右衛門は伊賀者をぐうの音が出ないほど押さえつける。 一方、家斉暗殺は島津の手で「捨てかまり」が使われることに、どんな手法なのか・・・陰謀渦巻く大奥に思惑が乱れ飛ぶ、果たして徳川にとって得策があるのか、併右衛門と衛悟に妙策の手立てはあるのか。 徳川双六、そろそろ上りが見えて来た感じ、どういう決着を付けるか、上田秀人、見物である。 締めくくりに興味深々です。
読了日:07月27日 著者:上田 秀人
決戦 奥右筆秘帳 (講談社文庫)の感想
【図書館】シリーズ最終巻、読み終わりました。 しばし、余韻を感じて動けませんでした。 やっぱり小説と言う物は結末有きですね、佐伯某氏のようにダラダラ長引かせれば良いと言う物ではありません。 決定版を出したり金儲けとしか思えない。 ともかく、冥府防人(望月小弥太)との戦いに勝利した衛悟だが、まだまだ先は永い。 瑞紀との生活も観てみたいと思う、併右衛門の孫可愛がる有様も・・・ 防人の死因は納得が行かないが、まあ、鬼のように強い防人だから仕方がないか。 絹も赤ん坊を大事にね。 上田先生、お疲れ様でした。
読了日:07月29日 著者:上田 秀人
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