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2019年7月

2019年7月 4日 (木)

6月の読書記録

6月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:6366
ナイス数:2182

ドンナ ビアンカドンナ ビアンカ感想
【図書館】魚住久江シリーズ、第2弾! 今度は長編だ、誘拐事件に絡む男と女、例によって恋愛模様に。 短編より濃密に世界を描けると期待したが肩透かし、大味で大して面白くなかった。 もっと、ドロドロ描けるだろう、あっさり過ぎてガッカリ。 警察にも恋愛にもどっちつかず、誉田哲也らしさが無く、残念な一冊。 もっと、魚住目線の捜査が見たい、金本が別居しているのも唐突過ぎて幻滅、後足しのストーリー展開に他ならない、都合が良すぎる。 魚住は短編の方が良いのかな。
読了日:06月02日 著者:誉田 哲也
ヒトリシズカ (双葉文庫)ヒトリシズカ (双葉文庫)感想
【図書館】一人の女性の静かなる怒り、そこに至るまでの壮絶な生き方、なにがそこまで彼女を変えたのか。 誉田哲也のフィクション・ノベルの最高峰。 上手いですね~時系列に起こる殺人の裏にチラホラ浮かび上がる女の影、手に届きそうでするりと抜ける。 個々の刑事が突き詰めた結果、最終的に突き当たる哀しい現実。 伊東静加、怪盗の様に現れて怪盗の様に消えた、現代の二十面相の様に・・・こういう、連作短編好きです。 
読了日:06月05日 著者:誉田 哲也
ケモノの城 (双葉文庫)ケモノの城 (双葉文庫)感想
【図書館】凄まじい、一冊でした。 スプラッター小説に興味ない方は読まない方が良い。 リアルでグロ、読み終わって、読まない方が良かったと思う。 しかも、参考にしてる実録事件があるのだだから、小説は少なからず結論を出すべきだと思う。 全体的にモヤモヤ感が残る、お話なのだから起承転結を心掛けて欲しかった。 どこまでが真実で、どこまでが虚構なのか、文章表現からも判りづらい。 残虐シーンだけ描きたかったのかな・・・誉田作品だけに、その辺は定評がある。 でもなぁ~小説じゃないよ。
読了日:06月06日 著者:誉田 哲也
センセイの鞄 1 (アクションコミックス)センセイの鞄 1 (アクションコミックス)感想
【再々読】何回、読んでも良いなぁ。 センセイとツキコさんの距離感と年齢からくる違和感。 こんな、酒飲みの付き合いって、良いよなぁ。 川上弘美の原作も読んだけど、谷口ジローの世界だよな。 店の佇まいとか、酒席の感じとか、原作では書き表していない雰囲気が良いよね。 今日は、センセイとツキコさんと一緒に居酒屋に来たつもりで、冷奴で一杯やろう。 雰囲気だけ、酒は以前に止めました。
読了日:06月06日 著者:川上 弘美
センセイの鞄 2 (アクションコミックス)センセイの鞄 2 (アクションコミックス)感想
【再々読】緩やかに時間が流れていく、ちょっとツキコとセンセイの間か近くなった様な感じ。 徐々に高まっていくツキコの気持ち、はぐらかす様なセンセイの言葉。 結果、結ばれる二人だが、関係は元のまま、付かず離れず。 ついに、センセイが逝く、ツキコは鞄を形見分けに貰うが、そっと開けるとあの頃のセンセイの想い出が・・・原作通りです、プラトニックのままで良いという意見もあるが、ツキコとセンセイの歳を考えれば、セックスは必至だと思う。 良い余韻のあるお話だと思う、酒と肴とやさしさに溢れた谷口ジローの渾身の一作。
読了日:06月06日 著者:画・谷口 ジロー 作・川上 弘美
中野のお父さんは謎を解くか中野のお父さんは謎を解くか感想
【図書館】父さんシリーズ、第2弾! 今回は文学に特化した一冊だった。 日常の謎が出て来るものと思ってましたので、文学薀蓄で終始した。 生活感が少し出て来るが中途半端だなぁ。 「中野のお父さんは本を読むか」でもタイトルはいいんじゃないか。 本の薀蓄は嫌いではないが、どんどん深く調べていく、サラッと流す程度が良いと思うが・・・と、そんな事を書いてはいるが、割と好きなんです。 あまり文学にのめり込まないで、日常の謎と同じくらい読み解いて下さい。美希の恋の行方も気になるし、北村氏の益々の健筆をお祈りしています。
読了日:06月11日 著者:北村 薫
金座: 鬼役(二十六) (光文社時代小説文庫)金座: 鬼役(二十六) (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】シリーズ、26巻目。 仇敵・「痩せ男」の正体が判り、あっけなく死んでしまった。 金座・後藤の企みもどうにか潰し、次がどう出るか興味深々。 志乃も無事戻り、安泰か・・・ どうも、ストーリーが二つも三つもあると按配を取り分けられない感じ、だとしたら一つのストーリーをキッチリやった方が良い。 三つ共、大事件に発展しそうなストーリーだと思います。 そろそろ終末を考えていろいろ不安材料を取り除いているのか、話が判らなくなって来た。 「刺客御用」に焦点を絞った方が良くないか・・・
読了日:06月13日 著者:坂岡 真
隠密拝命 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)隠密拝命 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)感想
【図書館】稲葉氏の作品は初めてと思う、何やら前作の続きの様な物語。 なにわともあれ、隠密廻り同心に初めて抜擢される、ぶらり十兵衛の話を楽しむ。 初めての作家、初めての作品、どれどれ・・・面白かった、ストーリーも見せ場も、過不足なく面白かった。 清廉潔白でもあり、手心を加える度量も併せ持つ、なかなかの人物を構築している。 2巻目以降にも期待が持てるシリーズかと・・・2巻目の「囮同心」に行こう。
読了日:06月14日 著者:稲葉 稔
囮同心 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)囮同心 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)感想
【図書館】シリーズ・第2弾! ますます面白くなって来た。 同心が刺客に襲われるなど、ストーリーに迫力が出てる。 下手人が何んだか判らない、動機もそうだがモヤモヤ。 下手人が最後に出て来るのだが、こんな安っぽいので良いのかと思う。 続きがありそうなので、もう少し付き合いますか・・・
読了日:06月16日 著者:稲葉 稔
殺人鬼がもう一人殺人鬼がもう一人感想
【図書館】最初は羽村晶が出て来るのかなぁ、なんて思ってた程、いつもどうりの口調で始まる。 軽いタッチ、軽妙な会話、しかし、読み進める内に、ただ事では無い形相になって来る。 辛夷ヶ丘生活安全課・砂井三琴巡査長を中心とした辛夷ヶ丘に起こる犯罪の連作短編集である。 一捻りも、二捻りもあるクライム・サスペンスの物語。 こんな、ダークな話があるだろうか、砂井三琴は果たして生活安全課の人間なのか。 凄いニュータウンもあったものだ・・・若竹七海、健在である!
読了日:06月17日 著者:若竹七海
椋鳥の影 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)椋鳥の影 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)感想
【図書館】シリーズ・第3弾! どうも判らなくなってしまった、隠密同心の話しなのに隠密らしくない。 地味に聞き取り調査して、真相にたどり着くが、一件落着。 小説ですよね、スカッとしない、こんな話を期待していない。 単なる殺しが、あれよあれよと言う事で大事件に。 こんなストーリーになるんじゃないの、心温まるストーリーなら隠密同心、いらないよね。 どうも感情移入がしずらくなってしまった。 もともと、こういう話を意識して作っているのだろうか、どうもズレてきているようだ。 
読了日:06月18日 著者:稲葉 稔
奉行の杞憂 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)奉行の杞憂 八丁堀手控え帖 (講談社文庫)感想
【図書館】遂に最終巻、と言うかこの後が出ていない。 相変わらずの「聞き込み」の連続、思い違いもあるが、それでミスリードと言う事でも無い。 全体の雰囲気を掴まないと物語性が無くなってしまう。 作者がどんな物語を構築したいかという思いを感じて読めれば良かった。 稲葉氏は、こういう書き方をする作家なのか、良く判らない。 あっちこっち引っ張って結局自己満足、増田文志郎も最後の最後まで判らない男で終わっている。 隠密廻りの役目をキッチリ描けなかったのが敗因かな、くどくどと重箱の隅をつついて、何もないという話だ。 
読了日:06月19日 著者:稲葉 稔
宝の地図をみつけたら (幻冬舎文庫)宝の地図をみつけたら (幻冬舎文庫)感想
【図書館】大崎梢版・埋蔵金騒動記。 徳川でも豊臣でも無く、武田家の穴山梅雪の埋蔵金。 幻の村・六川村を目指す晶良と伯斗、果たして黄金・小判は見つかるのか・・・と言う牧歌的な話では無く詐欺集団のあぶれ金をも巻き込んで殺人も。 幼年期の夢を大学生になっても持ち続けるピュアな青年たちを描く冒険物。 思い付きじゃなく、もう少し描きこんだ方が良かったんじゃないかな。 夢を追い続ける青年達の行動は、失くしてしまったものを気付かせる一篇だった。 埋蔵金に夢を追う、青春群像を描いて良かったかな。
読了日:06月20日 著者:大崎 梢
兄妹十手江戸つづり (ハルキ文庫 あ 21-1 時代小説文庫)兄妹十手江戸つづり (ハルキ文庫 あ 21-1 時代小説文庫)感想
【図書館】面白かった、芦田氏は初めての作家でしたが、丁寧な作りをしている。 隠密同心にしても、以前に読んだ稲葉氏とは違い、ちゃんと仕事の進め方から、立場まできっちり説明してる。 また、この兄妹の描き方が良い、お転婆な妹としっかり者で気弱な兄、どこにでもいる感じが良い。 それにしても、カバーのイラストが良い。 中島梨絵さんか兄妹の雰囲気をそのまま写し取っている。 ジャケ買いしてしまいそうな良い雰囲気です。 連作短編が4話、一篇のメリハリが丁度良い、まだ続きそうなので、図書館に予約してみます。
読了日:06月21日 著者:芦川 淳一
四色(よしき)の藍(あい) (PHP文芸文庫)四色(よしき)の藍(あい) (PHP文芸文庫)感想
【図書館】切ない噺です、4人が4人とも苦悩を抱えどうにか昇華する物語。 取り合わせが良い、若い武家の娘、中年増の後家さん、年季の入った女郎、酸いも甘いもかみ分けた年配の洗濯婆、この4人が協力して復讐を企む。 最初、犯人だと目された者が違っていた、話は大きくずれていく。 謎解きもそうですが、4人の恋心に変化が生じる辺りから、ガラッと形相が変る。 誰に感情移入するかによって、お話は全然違って来るから面白い。 笑いあり、涙あり、そして怒りありのエンターテイメント、まとめ役の紫屋環がやっぱり主人公だな。
読了日:06月22日 著者:西條 奈加
九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)九十九藤 (つづらふじ) (集英社文庫)感想
【図書館】最初は戸惑ったけど面白い。 「口入屋」という商売を始める西條版・細腕繁盛記。 武家への口入屋は聴くが商家に丁稚という口入屋は初めて。 口入屋の商売の仕方、お藤の生き方、生い立ち、心構え、一つのお話に編み込むのは大変な事に思うが見事に出来ている。 「黒羽の百蔵」が上手い使い方をしている、女衒から逃がして、また13年の時を経て元亭主の確執に現れる、運命の人だね。 「お藤の右手」の行方は、最後の最後まで読むと判る仕組み憎いね。 表紙絵がキリットしたお藤さんで無いのが残念。
読了日:06月24日 著者:西條 奈加
まるまるの毬 (講談社文庫)まるまるの毬 (講談社文庫)感想
【図書館】菓子職人のお話し、全国を廻っていろいろな菓子を食した職人・治兵衛は「南星屋」の主、ただ人には言えぬ秘密を抱えていた。 南星屋の祖父・母・孫の三世代はそれぞれ悩みを持っていた。 それをひとつひとつ解決していく過程に親子の情愛が描かれる。 しかし、秘密の一端である出生の秘密に関して、最後の決着は他にやりようがあったのでは、と思われる。 ハッピーエンドも出来たのに、しなかったのは作者の好みだから仕方ない。 続編があるのを読み終わってから知った、読まずにはおれまい。(笑)
読了日:06月27日 著者:西條 奈加
密封<奥右筆秘帳> (講談社文庫)密封<奥右筆秘帳> (講談社文庫)感想
【図書館】面白い、テレビ「相棒」に通じる面白さ、片や文章を読み解く専門家、片や刀を用いれば凄腕の剣客、この二人が幕府の闇に巻き込まれて行く。 シリーズ第一作だが、グイグイと引き込まれて行くのが判る。 政治の謎と剣豪小説の剣戟、二つも楽しめる物語。 しかも、恋のお相手が何とかなりそうな流れ、これは、もう少し読んで見なければ・・・上田秀人、初めての作家さんです、歯医者兼業、同じような作家さんがいる、歯医者って作家向きなのか(笑) これから、どんな陰謀に巻き込まれるか、楽しみです。
読了日:06月28日 著者:上田 秀人
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
【図書館】生きの良い新人さんを見つけた。 面白い、火消しの世界を充分満喫させてくれる物語だ。 これで、完結してもおかしくない出来だ。 各キャラクターの集め方もユニークである。 シリーズ初巻と言う事で大まかな世界観とキャラクターに終始したが、意気込みは伝わってくる。 今村翔吾、生きの良い作家だと思う。 続刊がかなりありそう、面白くなってきた。 
読了日:06月29日 著者:今村 翔吾

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