« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »

2019年6月

2019年6月 4日 (火)

5月の読書記録 読書メーターより

信太郎、お狂言師シリーズと姫川玲子シリーズに終始した、ひと月でした。 堪能しました。

5月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:8014
ナイス数:2360

きずな 信太郎人情始末帖きずな 信太郎人情始末帖感想
【図書館】シリーズ第4弾! おぬいの昔の男から文が届く、もって回って卯兵衛が機転を効かす。流れは貞五郎の兄の死に関係する、信太郎は何とか手がかりを繫いで解決を見る。 しかし、ちょんの間で登場する同心・三上をも巻き込んで思いもよらぬ方向へ。 短編集の体裁を取っているが堂々の長編作、巻き込まれる芸者が哀れ。貞五郎と小つな、信太郎とおぬい、二人の仲は付かず離れず、じれったいが仕方ない。そんな中、信太郎の親爺の卯兵衛が心臓の病で・・・いよいよ、佳境と言う所で幕、次を次を読まねば落ち着かぬ。杉本さん、罪な人です。 
読了日:05月01日 著者:杉本 章子
火喰鳥―信太郎人情始末帖火喰鳥―信太郎人情始末帖感想
【図書館】河原崎座が焼けた、おぬいの伯父の久右衛門が巻き込まれて死んだ。 その際、助けに走った信太郎が火に巻かれ眼が見えなくなってしまう。 信太郎の見舞いに行きたいおぬい、しかし、伯父の葬式手配もある。 じりじりするおぬい、でも手立てが無い、時を待つしかない。 おぬいと信太郎、千代太とおみち、四人の生き様が大きく動く。 という訳で、今回は捕物騒ぎは一切ない。 信太郎とおぬいの、これからの事である。 早く一緒になりたいおぬいの激情はどうなるのか。 次を読みたいが図書館が休みだ~
読了日:05月01日 著者:杉本 章子
その日―信太郎人情始末帖その日―信太郎人情始末帖感想
【図書館】信太郎を取り巻く周囲が騒がしくなる、渦中の信太郎は、そんな中、奇跡的に眼が見える様になる。 喜ぶおぬい、初めて見えたその光景がおぬいの指先とは。 おゆみの祝言、卯兵衛の一周忌も終わり、後は信太郎・おぬいの祝言と思いきや、安政の大地震が起こる。 何とか無事だった家族で祝言を執り行うが、そこには彦作・お勢夫婦の姿は無い。さぁ、これからだ、信太郎・おぬいの明日は明るい。 捕物帳の話しは変わってしまった様だ商い物に話は変わってしまうのか。思えば「火喰鳥」から装丁も話も変わって来たようだ。いよいよ最終巻。
読了日:05月03日 著者:杉本 章子
銀河祭りのふたり銀河祭りのふたり感想
【図書館】とうとう読んでしまった。 結論から言うと良いシリーズでした。 途中、捕物帳から商人物に変革するが、その頃には信太郎とおぬいに夢中になり、どうでもよくなってしまう。 今回は最終回に相応しい大長編でした。 信太郎の腹違いの兄、おすずの弟たち、貞五郎のその後の顛末やら、オールメンバーの顔揃え。 信太郎・おぬいはこれからも寄り添って生きていく事だろう。 でも、最終話で捕物を持ってくるとは杉本さんらしいですね。 しかも、全員顔を揃えるとは、嬉しい大団円です。 杉本さんのご冥福を祈ります、合掌!
読了日:05月03日 著者:杉本 章子
臨床真理 (このミス大賞受賞作)臨床真理 (このミス大賞受賞作)感想
【図書館】「このミス大賞」につられ、借りて来た。 いろいろ選評の意見があるが、グイグイと読ませて一気読み。 デビュー作でここまで書けるのは実力がある証拠。 特殊能力に頼るのはどうかと思うが、それを唯一として無いのが良い。 柚月裕子か、もうちょっと読んで見ようか。 「孤狼の血」なんて、読んで見たいな。 タイトルに一捻りしているのも良い。 臨床心理だよなぁ普通、真理かなるほどね・・・
読了日:05月05日 著者:柚月 裕子
お狂言師歌吉うきよ暦お狂言師歌吉うきよ暦感想
【図書館】「信太郎シリーズ」に続いて狂言師・歌吉シリーズを読む。 こちらも、江戸情緒あふれ良い感じ。 大名家の奥向きで狂言や踊りを披露する「お狂言師」歌吉は水木歌仙の弟子である。 そのお吉がひょんな事から隠密仕事に関わる事に、姉弟子の歌津代の旦那を探れとの指令だが、良く判らない。 気丈なお吉が将来をお狂言師に生きる事を宣言し強く羽ばたくまでを描いた作品。 次があるとの事で今度はどんな冒険譚になるのやら楽しみ、一先ずは、老中水野忠邦絡みの話しは終わり。 お小人目付という公儀隠密の仕事が面白い。 
読了日:05月07日 著者:杉本 章子
ストロベリーナイト (光文社文庫)ストロベリーナイト (光文社文庫)感想
【図書館】ドラマが面白かったので原作を読んで見ようと手を伸ばす、結果、引きずり込まれて一気読み。 あ~面白かった、テンポが良いですね、ポンポーンとストーリーが進む。 出て来るキャラも立っていて良いと思いますよ、各自キャスティングして読むのも面白いでしょうね。 姫川=松嶋奈々子のイメージがありますね。 菊川玲が頭に浮かぶのはなぜ?(笑) 続きを読もうか、考慮中。
読了日:05月08日 著者:誉田 哲也
大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)感想
【図書館】シリーズ第2弾! 遂に、「大奥」に水木流が入る、連れ舞いの相手は坂東照代は十九の時、大奥で舞を披露して、お手付きにもなった大物。 大奥に渦巻く陰謀と女たちの嫉妬を絡めて物語は進む。 いろいろと複雑に絡まる想いを解きほぐすと、そこに大きな愛が。 話は分かりやすいのだが、時々入る過去の注釈が話の腰を折る。 連作短編でもあまりに入り過ぎではないか。 この巻から読んでも話の内容が理解できるのでは。 お江戸物として面白いとは思うのだが、少々疲れて来た感は隠せない。 最後まで読み通せるか・・・
読了日:05月10日 著者:杉本 章子
精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)感想
【図書館】前巻で登場した精姫が御家騒動に巻き込まれる、と言っても登場シーンは無いのだが。 大筋に関連して、またまた「お糸」が登場してくる。 しかも、心中騒ぎの後の不倫もの、お糸という女は懲りないですね。 精姫の輿入れ騒ぎに井伊家と有馬家に将軍側の新吾が乱れ飛ぶ。 新吾と有馬家の静馬との友情が泣かせる。 歌吉と新吾の仲は相変わらず進まぬ、名入れ手拭いを渡そうかどうしょうか、うーんイライラする。 しかし、心中騒ぎの犯人が意外だったな、でも、解決があっさりし過ぎているような。 持って回った言い方がやや不満。
読了日:05月11日 著者:杉本 章子
凶犬の眼凶犬の眼感想
【図書館】やっぱり読んでしまった。 「孤狼の血」が来るまで(図書館から)待っていようと思ったが我慢できずに読んでしまった。前作の流れを引いているため、続けて読んだ方が良いと思いつつ、読んでしまった。 呉原東署警捜査二課の日岡は「ある事」が原因で広島北部の山間の派出所に左遷されていた。 そこで知り合った指名手配の極道と意気投合する、仁義と正義との間で揺れ動く日岡。 最後に捜査四課に返り咲くが、駐在勤務じゃやっぱり身を持て余すようですね。やはり、一巻の暴力団編を読んで見よう。 伝説の「刑事ガミさん」を見ねば。
読了日:05月11日 著者:柚月裕子
孤狼の血 (角川文庫)孤狼の血 (角川文庫)感想
【図書館】遂に読めました、凄い!グイグイのめり込めます、まるでジェットコースターの様。 プロローグの「削除部分」が気になるが、それがそもそもの伏線であった。 出て来る人物造形に唸るものがある。 「推理作家協会賞」を貰ったのもむべなるかな。 しかも、アッと驚くどんでん返しが何回も続くのでビックリした。 女性でこれだけ書けるとは、凄い人も出て来たもんだ。 大上は味を出している、最後はあっけないが、もう少し大上らしさがあっても良いと思った。 ジッポーの使い方が上手い、日岡はタバコを吸うのかな? 
読了日:05月13日 著者:柚月裕子
カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦感想
【図書館】遂に来てしまった、遺作と聞いていたので未完なのかなと思っていました。 比較的順調に流れていたので、唐突に終わってしまったので、茫然! いろいろと想像するがお話は作者の物、結末は持って行ってしまった。 しかし、あの江戸情緒ゆっくり流れる日々の生活感、好きだったなぁ。 いろいろと書きたい事もあったと思う、無念です。 杉本章子、教えられることの多かった作家です。 合掌!
読了日:05月14日 著者:杉本 章子,深井 国
鯖猫長屋ふしぎ草紙(六) (PHP文芸文庫)鯖猫長屋ふしぎ草紙(六) (PHP文芸文庫)感想
【図書館】シリーズ6巻目、不気味な「家鳴り」が続く鯖猫長屋。 拾楽は、ずーっと思い続けていた、自分のせいで死なせてしまった「以吉」の事を・・・ 拾楽と「おはる」の恋に発展が、同心・掛井の窮地とは。 収まる所に収まった今回だが、どうにもやるせなさが残る。 田牧大和の最長シリーズと言うが、たかが6巻目、長続きしない作家なんですかね。 文章のメリハリを付けないと持たないと思う。 お話の核を作らないとダメだとも思う。 一話完結を目指すべきでしょう。 もっと描いて欲しい作家です、ガンバレー! 応援してます。
読了日:05月16日 著者:田牧大和
シンメトリー (光文社文庫)シンメトリー (光文社文庫)感想
【図書館】刑事・姫川玲子シリーズ、第3弾! 今回は短編集、姫川のいろいろな顔を観られる。 シンメトリー=左右対称です、表題の目次がシンメトリーになっている。 洒落てるよね、しかも内容が対称になっている。 サクサク読める短編集と言う事もあるのか、そんなに難しい話になっていない。 しかし、スッと読めるから中身がスカスカでは無いのかと言う疑問は皆無。 心に沁みる話ばかりだ、誉田哲也、恐るべし。 「ストロベリー・ナイト」シリーズ、もう少し追いかけてみたいと思います。 
読了日:05月17日 著者:誉田 哲也
インビジブルレイン (光文社文庫)インビジブルレイン (光文社文庫)感想
【図書館】シリーズ第4弾! チンピラが殺された、追って掛かって来た電話での密告。 犯人は「柳井健斗」だ、しかし、警察上層部は「柳井は追及不用」との命令を・・・不可解な謎に巻き込まれる姫川、やがて姫川班も巻き込む大事件に。 今回、玲子は意外な出会いを果たす、心の闇を抱く自分と同じ匂いを纏う人物。 あってはならない出会いに心は引き寄せられる。 玲子、危うし! ますます面白くなる姫川班シリーズ、異動になってしまったが、どうなる!
読了日:05月18日 著者:誉田哲也
ソウルケイジ (光文社文庫)ソウルケイジ (光文社文庫)感想
【図書館】姫川玲子シリーズ、第二弾! 「シントメリー」「インビジブルレイン」を先に読んでしまったが直接影響は無かった。 ただし、「姫川班・解体」の結果が判って読むのは、ちょっと苦しい。 捜査方法の違いが各捜査員で異なる事が正しい、こういった小説は今まで無かったと思う。 どちらが良いという事でなく、追いつめる手法が違うというか、面白い。 小出しの証拠品など、小説作法も上手いと思う。 姫川班シリーズ、もう少し追いかけて見ようと思います。 次は「汚染遊戯」か・・・図書館に「予約」しようっと。
読了日:05月20日 著者:誉田 哲也
感染遊戯 (光文社文庫)感染遊戯 (光文社文庫)感想
【図書館】いや~面白かった、三人の主人公と相前後するストーリー、ややもすれば繋がりが判らなくなってしまいそうなジェット・コースター感。 誉田哲也、何て作家だろう、こうまでストーリーを練り上げるとは。 「シンメトリー」の関連も凄いと思う、倉田の意識が崩れる所が良い。 三者三様のストーリーが一点に集約する「推定有罪」が圧巻、誉田哲也の面目躍如、いゃ~良いものをみせて貰った! ますます、のめり込んでしまいそうです。
読了日:05月23日 著者:誉田 哲也
ブルーマーダー (光文社文庫)ブルーマーダー (光文社文庫)感想
【図書館】姫川玲子シリーズも、もう6弾。 今回の主人公は「ブルーマーダー」、凄い殺し方で悪人どもをバッタバッタとなぎ倒す。 おいおい、これはヒーローものじゃないよね。 その生い立ちを考えると、さもありなんと何となく納得。 でも、負の連鎖だけでは、どんどん被害が広がるとも思う。 安東は最後にガンテツが逃がして木野が殺すのかと思った、それぐらいやっても良いよね。 菊田が、あっさり所帯を持ったのが不思議、もっと、ひと波乱あるのかと思った。 まだ判らないが・・・ これからどう展開するのか、姫川班復活はあるのか?
読了日:05月24日 著者:誉田 哲也
インデックス (光文社文庫)インデックス (光文社文庫)感想
【図書館】刑事・姫川玲子シリーズの短編集。 いろいろな角度から姫川を描く、過去のシーンを甦りさせたり、未来の端緒を描いてみたり、総合的に「姫川像」を見られる一冊です。「彼女のいたカフェ」は事件とは関わりなく姫川が警察に入ろうとして勉強の為カフェで猛勉強する姿をブックカフェの店員が見かけるシーンを描く。 最後は警官になった姫川が痴漢を逮捕する話に書店員が巻き込まれ、双方気が付いていたとのエピソードが微笑ましい。いろいろな玲子像を描きながら次回作につなげる手腕は相変わらず上手い、ついつい読んでしまうんだよね。
読了日:05月26日 著者:誉田 哲也
硝子の太陽R-ルージュ硝子の太陽R-ルージュ感想
【図書館】姫川班・番外編 とは言え、大切な人がまた「殉職」してしまう。 これは、ガラスの太陽・ノワール編とのコラボらしい、ジウ・シリーズは読んで無いのでNはいいかな・・・それとも読んだ方が良いのか。 しかし、ベトナム帰りの陸軍の兵士、狂ってるな、後遺症だよ、なんか手は無いのだろうか。 玲子は玲子で、菊田や井岡と何とかやっている。 新しい陣容を率いて新生・姫川班、発動です。 あの人が、統括主任で来ることが決まっているし。 
読了日:05月27日 著者:誉田哲也
ノーマンズランドノーマンズランド感想
【図書館】シリーズ、最新刊! 例によって、あっちフラフラ、こっちフラフラ、ストーリーが見えてこない。 その間、馴染みのキャラクタ―、新規のキャラクターが見え隠れする。 しかし、上手いなあ、あれよこれよと言っているうちに本筋のストリーに誘導させられる。 拉致問題が絡むと姫川の問題だけでは済まないな。 冒頭の青春路線は、大人になっても一途であった。自衛隊まで入ってしまうか、純愛の果ては・・・今回、ガンテツがどうして悪の道に入ったのか少し判る。検事の武見が姫川の微妙な男として登場する、果たして、どうなる事やら。
読了日:05月29日 著者:誉田哲也
ドルチェ (新潮文庫)ドルチェ (新潮文庫)感想
【図書館】魚住久江シリーズ、第1作! 姫川とはちょっと違った所轄強行犯係、と言うのも、死体を相手にするより、その前に何とかしたいため。 捜査一課の実力がありながらも所轄で頑張る十年選手。 ちょっぴりほろ苦い思い出もあるが、今日も今日とて歩いている。 四十二歳という年齢もあるが、もう決して若くは無い、そんな人情もプライドも全部受け取めて今日を生きる。 所轄刑事・魚住久江、良いぞー! また、新しいシリーズが増えた。
読了日:05月31日 著者:誉田 哲也

| | コメント (11)

« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »