4月の読書記録 読書メーターより
4月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:4962
ナイス数:2282
大名やくざ8 将軍、死んでもらいます (幻冬舎時代小説文庫)の感想
【図書館】シリーズ第一部・完 遂に万五郎一家のおしまの最期、将軍とまじに喧嘩、そして刺殺。 どうにかこうにか決着を付けた感じ、紀伊國屋がすべてを失くして可愛そう。 しかし、甘し汁を吸ったんだから仕方が無いか。 風野真知雄の大風呂敷ここに完成、たっぷり爽快感を感じました。 有馬記念の一説はあるのかないのか・・・赤穂浪士のエピソードを最後まで持ってきたのは見事、ほんとにどれが主軸なのか判らない痛快時代劇でした。 暇があったらまた読んで見たいと思います。 第2部は手を出さないと思う・・・
読了日:04月02日 著者:風野 真知雄
花だより みをつくし料理帖 特別巻の感想
【図書館】長期シリーズの特別編、種市が野江が、数馬夫婦が、そして澪と源斉夫婦がその後日談として描かれる。 出版から、ちょっと時間が空いてしまったが、やはり良い物語は色褪せない。 登場人物みんなが明日に向かっているのが良い、種市など、とうとう大阪まで来てしまう(坂村堂と戯作者も一緒)懐かしい友達と再会した気分です。 料理小説は心も身体もホッこりして良いですね。 とにもかくにも、お疲れ様でした。
読了日:04月04日 著者:髙田郁
吾輩も猫である (新潮文庫)の感想
【図書館】猫と猫を愛する作家のアンソロジー。 表紙と作家を眺めて手に取った一冊。 ちょっと意気込みが違った感じ・・・作家ごとにばらばらな感じ、猫で纏めるの良いんだがテーマを決めないと空中分解が起きてしまう。 各自の「猫論」という解釈で良いんだろうが、あまりにSFやら伝説やらミステリーやらがゴッチャになってバラバラである。 それぞれの「夏目漱石論」が読みたかった。 良い作家を揃えてはいるんだが・・・本の裏には「漱石没後100年&生誕150年記念出版」の文字が躍っているのですが。
読了日:04月05日 著者:赤川 次郎,新井 素子,石田 衣良,荻原 浩,恩田 陸,原田 マハ,村山 由佳,山内 マリコ
主婦病 (新潮文庫)の感想
【図書館】果たしてこれは病なのか? 主婦を巡る人には言えない事。 じわ~とくる性表現の数々、主婦にしか書けない様な生活空間。 上手い作家と思う、普通の生活の中に潜む狂気、淡々とした表現が上手い。 ちらほら現れる金髪の青年が最後までネックになる。 森美樹、まだ小説は少ないと思う、もっと書いて欲しい作家さんである。
読了日:04月06日 著者:森 美樹
あきない世傳 金と銀 源流篇 (時代小説文庫)の感想
【図書館】遂に手を出してしまった。 「みをつくし料理帖」が終わって、商家の話しか、どうしようかなと思ってました。 しかし、手に取り裏表紙の解説を見ると学者の娘が呉服商に・・・面白そうと手に取って読んで見ると、もういけません、とことん行く所まで行こうと思います(笑) 呉服商「五鈴屋」の面々に感情移入してさぁ出発です。 先は永いぞ、先ずは「源流編」から、いざ!
読了日:04月08日 著者:髙田郁
あきない世傳金と銀〈2〉早瀬篇 (ハルキ文庫)の感想
【図書館】徐々に物語が動き出す第2巻。 幸が四代目徳兵衛の後添いに、さらに試練は続く。 奉公人の幸とご寮さんの二束の草鞋、幸、大丈夫か・・・この巻で運命が大きく変わる、冶兵衛が智蔵が、そして惣次まで。 ますます幸を巡る運命はコロコロと変わる、ゆったりとした大河のように舟は進み始めた。 五鈴屋は、徳兵衛は、一挙一動に眼が離せない。 しかし、全て受け身の女性蔑視の時代に果たして幸の生き方は、明日はあるのか。 終章で、又難問が、次巻が楽しみです。
読了日:04月09日 著者:高田 郁
あきない世傳 金と銀〈3〉奔流篇 (時代小説文庫)の感想
【図書館】四代目・徳兵衛の突然の死に慌てる幸、今後の身の振り方を考えるが、どうする事も出来ない。 そんな矢先、実弟の惣次が五代目を名乗り幸を嫁にという提案がなされた。 良く考えて五代目・徳兵衛の嫁になる決心をする幸。 宣伝方法に、読み本、名入り傘などいろいろなアイデァを出す幸、夫婦で順調に五鈴屋を盛り立てていく。 しかし、次第に夫婦間の考えがずれていく、商売ひと筋の惣次、商売の儲けとは別に情も必要と説く幸、遂に、激突が・・・ 商人人生、まだまだ試練は続きそうです。 商売人・幸の明日は有るのでしょうか。
読了日:04月10日 著者:髙田 郁
あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫)の感想
【図書館】案の定、智蔵の嫁になる、しかし、五鈴屋の養女になった、これで幸は五鈴屋からは離れない。 しかし、三兄弟の嫁にと言うのは小説でも有り得ないのでは。 なんか閨物語を聞くとドロドロしていそう。お話は惣次の出奔後、幸の祝言を見とどけて富久が逝く、幸は五鈴屋の羽二重に盗品の疑いを見事に解決、新たな販路を考えていた。近江商人の遣り方を真似て全国に反物を売れない物かと・・・ちょっと気になる点をひとつ、何故、幸は大阪ことばで無いのでしょう、学者の娘だから武家の様な言葉なのか、主人公の言葉としては目立つのですが。
読了日:04月11日 著者:高田郁
あきない世傳 金と銀(五) 転流篇 (時代小説文庫)の感想
【図書館】商売が大きく動く第5巻。 冨久を失って幸は桔梗屋との合併に心を尽くす、大旦那である孫六の病も大きい。 仲よく暮らす智蔵と幸、やがて赤子を授かる、大いに喜ぶ智蔵だが、幸せは永く続かなかった。そんな矢先に、母・房の死に慌てる幸、そして妹・結との暮らしが始まる。 ふとしたことから「鯨帯」に眼をとめる幸、新たな売り方があるのではと。「五鈴帯」と名付けた帯は思った以上の反響、徐々に江戸進出の希望が見えて来た、手代を二人様子を見る為手配する幸。すべてが順風満帆の矢先に智蔵が倒れた・・・波乱万丈の物語は続く。
読了日:04月15日 著者:髙田郁
雲霧仁左衛門の感想
【図書館】全1冊本は絶版なのか、表紙が出ていない。 630P・2段組み、読み応えがありました。 開始早々引き込まれ、あれよあれよと言う間に大団円。 流石、池波正太郎、読み手の興味を外しませんね。 大盗賊と火盗改めの息詰まる攻防戦、何回も映像化されるはずだ、原作がしっかりとしてる。 テンポというか切り替えが上手いんだよね、雲霧のシーンから阿部式部のテンポか一体化してる。 600頁あっと言う間に読み終えました。 本は重いと思いましたが、その重量を感じる前に読み終えた感じ、いやはや熱中しました。
読了日:04月18日 著者:池波 正太郎
おすず (文春文庫)の感想
【図書館】「春告げ鳥」を読んで次の本を探している時、読友さんから教わった一冊。 勘当を受けて年上の女性と暮らしている信太郎が主人公、信太郎には忘れられない一人の女性が・・・江戸情緒、溢れる言葉の一つ一つに何とも言えない雰囲気が漂う。 心の闇を抱える信太郎の進むべき道は、「おぬい」との生活、元吉との友情、貞五郎の手助け、信太郎の周りで運命が回っていく。 そして、「おすず」の面影がいつも追いて来る・・・信太郎の明日、もう少し読んで見ようか。 ただ、随所に現れる江戸言葉がしんどいのは確かである。
読了日:04月23日 著者:杉本 章子
水雷屯―信太郎人情始末帖の感想
【図書館】シリーズ第2弾! いよいよ信太郎の周りが忙しくなってきた。 相変わらず周囲の人達から厄介事を持ち込まれる信太郎、好むと好まざるとに関わらず巻き込まれる。 でも、今回は直接関係してる話で身を入れる感じがスムーズ、貞五郎とのコンビも順調、また一人、平十郎が加わるのかな。 火事騒ぎに、辻斬り騒動、今回もひと騒動。 でも、どうやら元吉にも良い女が出来た様子。 おぬいに赤子が出来た、美濃屋に戻るのか、どう暮らしていいのか迷う信太郎。 ますます、眼が離せない信太郎シリーズ、次の巻に行こう。
読了日:04月24日 著者:杉本 章子
あなたのためなら 藍千堂菓子噺の感想
【図書館】シリーズ第3弾! あの仲良し兄弟が帰って来た。 晴太郎が幸次郎がそして、お糸が・・・全編「雨」をモチーフにした仕上がり、そして、しっとりと情緒深く出来上がっている。 晴太郎の妻・佐菜が良く出来た女で、良い味を出している。 幸次郎とお糸の将来が若干変わってしまう、しかし、幸次郎の事だ、上手くやって行く事だろう。 さすが、田牧大和、2編の連載の後、書下ろしで3篇を入れ5編の連作短編に仕上げるとは、ありがとうございます。 これからも、書下ろしで続けるのかな、難しいと思うが無理では無いとも思うが・・・
読了日:04月25日 著者:田牧 大和
狐釣り―信太郎人情始末帖の感想
【図書館】第3弾! いよいよ面白くなって来た、冒頭に信太郎が以前、捕えた凶悪犯たちが牢から脱走し美濃屋に復讐する。 友人・元吉の恋とその行方、それに伴う犯罪が描かれる。 今回は元吉が大変な不幸に見舞われる、しかし、悪い奴もいたもんだ。 江戸言葉が小気味良い、「砧の音が響いてる」だけで説明も無い、足袋屋の道具に砧で形を整える道具がある事を知らない人は判らないだろう。 落語と同じで江戸言葉を知らないと半減するだろうな。 まあ、無事に女の子授かった信太郎、まだまだ難儀はするだろうな。
読了日:04月27日 著者:杉本 章子
介錯人の感想
【図書館】「介錯人・別所龍玄」(宝島文庫)の改題かなとも想い半信半疑リクエストをした。 蓋を開ければ後日談と言うか違うエピソードでした。 龍玄の生き方が良い、思う所があっても、流れに任せるしかない。 そんな淡々とした生き様を甘んじて受ける、読み物だから、もっとスカッとした場面も欲しい、しかし、出来ないものは出来ない。 死も生も達観したところにある。 介錯人として山田浅衛門も出てくるが、他の作家の浅衛門像がちらつく、浅衛門の考え方と似てないか。 武士道理不尽が、否応なく示される一篇かと。シリーズを希望する。
読了日:04月29日 著者:辻堂 魁
縁の川 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】久々の市兵衛さん、今回は「鬼しぶ」の息子を追って大阪へ。 結局、一緒に逃げた「小春」の話しになるのだが、御涙頂戴の物語に・・・ 小春の手紙がネックになるが、ちょっと伸ばし過ぎでは。 いつも通り、丁寧に謎を解く市兵衛さん、それがもどかしいとも思うが、それが算盤侍の良さでもあると思う。 最終的に剣戟シーンになるが、それは有っても無くても良い、世の中斜めに見た野呂川の矜持は、あまりにも自分勝手な理屈と思う。大阪の街のシーンに頁を裂き過ぎたか。こんな市兵衛さんもたまには良い、又、旅をさせてやって下さい。
読了日:04月30日 著者:辻堂魁
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コメント
「大名やくざ」に、興味を惹かれました。自分の蔵書にしたいと思ったのでに、お試しに、第1巻をアマゾンの中古の1円ショップで購入しました。実は、今、個人的に多忙な為、まだ、読んでいません。実際に、読んだ際に、また、コメントさせていただきますm(_ _)m
投稿: スマッシュ | 2019年5月 9日 (木) 00時43分
スマッシユさん、「大名やくざ」は荒唐無稽、ほんの暇つぶしにお読みし下さい。
こちらは、とんと図書館詣でになってます。
では、又♪
投稿: ぶんぶん | 2019年5月 9日 (木) 12時08分