2月の読書記録 読書メーターより
2月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3898
ナイス数:1705
宮部みゆき 全一冊の感想
【図書館】暇なときに読むのが一番。 何しろ「宮部みゆき」が丸々、詰まっている。 未収録の小説やエッセイ、みゆきファンには嬉しい一冊。 なかでも、未収録の対談が嬉しい、いろんな作家の心の奥が垣間見られて、思わずオーッと言ってしまう。 三〇年、一区切り、しかしこんなに書ける作家は他にいるんだろうか。 しかも、いつも水準以上の作品を。 益々、健筆をお願いいたします。
読了日:02月02日 著者:宮部 みゆき
子連れ同心 (IKKI COMIX)の感想
【再読】何回読んでも「ほっと」してしまう。 伊織と巳太郎の親子の歳時記、同心仲間との生活や上司の思いやり、日々健やかに育つ子供との触れ合い。 ほんわかムードの中に、ピシッと何かが通っている、そんな八丁堀を描いた掌編。 しかし、オノ・ナツメという作家はシンプルな線で情の細やかさを出せる唯一な作家だと思う。 この画柄で無くては出せない情感かと思う、シンプル・イズ・ベストが似合う作家です。 いつまでも、続けて下さい。
読了日:02月05日 著者:オノ ナツメ
よっつ屋根の下 (光文社文庫)の感想
【図書館】大崎梢の家族小説。 ミステリー以外の作品は珍しい、「ふたつめの庭」以来かな? 医療ミスに絡んで正義を貫き左遷されて銚子に暮らす父と子のお話からスタート。 次に「夫」「妻」「妹」そして「兄」に戻る一家四人の物語。 各自の視点で描かれる場面は同じ物を見ていても違う景色に写るという普遍的な事柄が描かれる。 ただ、全体的に家族は一緒という観点から書かれているので読んでいて希望が湧く。 それぞれの10年の歩みを描いて結束の強さを表現する、大崎梢の「こっちの世界」も面白い。
読了日:02月07日 著者:大崎 梢
江ノ島西浦写真館 (光文社文庫)の感想
【図書館】「ビブリア古書堂~」の作家が描く写真館の話。 写真館の孫に当たる「繭」は祖母・富士子の遺品を整理する為に江ノ島に訪れる。 遺品整理の七日間に「未渡し写真」なるものが現れる、注文主に返すように分けられているのだろう。 その写真を巡っていろいろな事が起こる、カメラに詳しいのにカメラを持とうとしない繭、それは、昔一枚の写真を巡る出来事があった。 「ビブリア~」に似ている様な謎解き、そして、遠くセピアの彼方に消えつつある記憶。三上延が描くちょっぴり切ない、写真館を舞台にした青春物。 カメラの薀蓄も良い。
読了日:02月09日 著者:三上 延
自選影狩り 第2集―画業60周年記念企画 (My First Big SPECIAL)の感想
【再読】また、手を伸ばしてしまった。 このテーマが良いよね、幕府は全国各地に「影」=隠密を放ち、領地没収の落ち度を探る。 それを阻止する為、各大名は「影狩り」と称する浪人衆を雇った。 領地に潜入した忍者をことごとく殲滅する集団これが「影狩り」である。 いろいろな策謀を巡らす影に対抗する影狩り・十兵衛・日光・月光の三人衆。 何も考えないでスカッとするエンタメである。 マンガはこれでなくてはマンガと言えない、映画に勝る娯楽である。
読了日:02月13日 著者:さいとう たかを
体育館の殺人 (創元推理文庫)の感想
【図書館】キャクターに惹かれて、ついつい手に取ってしまった。 体育館で殺人が起きるのだが、現場が「密室」になってしまう。 不可能犯罪に、あの天才探偵がいやいやながら挑む。 「鮎川哲也受賞作品」だから論理中心になるのは仕方ないが、もう少し「人物」が書ければ良いと思う。 しかし、判りづらい密室だなぁ。 傘がポイントなのは「ブラック・アンブレラ・ミステリー」と謳ってあるので、何となく判る。 エピローグでダメ押しとズルい性格が判明するのがミソ。 とっても時間が掛かりました。
読了日:02月13日 著者:青崎 有吾
空色の小鳥 (祥伝社文庫)の感想
【図書館】主人公の心がどこあるのか判らず見込み発車、読み進める内に、これは大崎梢の心の中ではと思う。 青年の思惑とは別に周囲の感情が徐々に少女に向けられる。 空色という色は何色だろう、その時々で色を変える空色、思ったまま生きてゆけば良いんだ、そんな思いがつのる大崎文学であった。 家族とは何かを感じさせる一篇である。出版絡みの作品が多かったが、そろそろ人間性に焦点を当てた作品が書きたくなったみたい、またこの路線で読んで見たい。 最近、大崎梢の家族小説に嵌まっている。書店物はもう書かないのかな、それも淋しい。
読了日:02月17日 著者:大崎梢
自選無用ノ介 第3集 (My First Big SPECIAL)の感想
【再読】何となく手を伸ばしてしまう、無用ノ介の世界に郷愁があるのだろう。 この作品集収録で感慨深いのは「吹雪が無用ノ介の肩で舞う」であろう。 敵討ちの少年を何とか敵討ちを思い止まらせ、明日への希望を持たせ旅立たせるまで行ったのに、運の悪い事に仇の本人が現れる。 返り討ちにあった少年の誇らしげな横顔、これが侍の子としての本懐か。侍をとうに捨てた無用ノ介の胸に去来するものとは何か・・・ 他に、12ページ見開きで無用ノ介の胸の内を描く「牙・・・無用ノ介」他2編も収録。単なるチャンバラで無いセンチメンタルがある。
読了日:02月19日 著者:さいとう たかを
自選無用ノ介 第1集 虎穴にはいった無用ノ介 (My First Big SPECIAL)の感想
【再読】やはり、処女作は面白い! 「虎穴に入った無用ノ介」ストーリーの造り上げから、シーンの設定まで見事に作り上げている。 母を想っての足を延ばした「しもふだの宿」で、とんだ跡目相続に巻き込まれる無用ノ介を描く「夏の終わり無用ノ介はひとり」他2編収録。 どうも無用ノ介は良い人過ぎるんだなぁ、だから殺伐とした世界に巻き込まれる、そしてきりたく斬りたくも無い人を斬って切ってしまう。 賞金稼ぎの非情さが感じられない時代劇である。
読了日:02月20日 著者:さいとう たかを
自選無用ノ介 第2集 さむらい渡とのらいぬ無用ノ介 (My First Big SPECIAL)の感想
【再読】また手に取ってしまった、これは面白い。 飼い犬の渡、のらいぬの無用ノ介、交わる事の無い二人が御家の権力闘争に巻き込まれる。 兄弟の確執に親も子も無い無用ノ介がどう考えるのか、「さむらい渡とのらいぬ無用ノ介」 ひょんなことから子供と道連れになった無用ノ介、母を探して尋ねる旅に現れるのは道中師と鳥追い女、御用聞きに、小料理屋の女、果たしてどんに結末が・・・「無用ノ介の子守唄が」親子の情に鋭く挑んだ一篇。 その他2編を収録。
読了日:02月20日 著者:さいとう たかを
引導: 鬼役(二十五) (光文社時代小説文庫)の感想
【図書館】相変わらず、堂々と対峙する蔵人介。 シリーズも25巻目に突入。 アクションの間に季節感あふれる描写が何とも言えない。 「痩せ男」は段々と正体を現したが、未だに謎のまま。 如心尼に心から信用が置けず苦悩の日々、その間、母の出奔。 はてさて、如何になります事か・・・ 25巻ともなるとマンネリと言うより安定感の方が強い、どう幕を閉じるのかが期待する。 悪は沢山いるけれど殺しのパターンは出揃った感じです、鳥居は殺せないしな。
読了日:02月22日 著者:坂岡 真
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