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2018年5月

2018年5月 4日 (金)

4月の読書記録 読書メーターより

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「春雷」「秋霜」など時代劇中心の1ヶ月だった。 葉室麟、良い作家です、急逝を惜しむ・・・合掌。

読んだ本の数:14
読んだページ数:4165
ナイス数:1189

天神小五郎 人情剣 (時代小説文庫)天神小五郎 人情剣 (時代小説文庫)感想
煮売家・天神屋小五郎を主人公にした新シリーズ。 ちょっと陰のある小五郎、武士を止め包丁人へ。 算盤侍・風の市兵衛の包丁版かと思ったが、ちょっと違う、何だかんだと言って巻き込まれる市兵衛と違い、極力関わりを持たない姿勢が良い。 でも、人情に訴えられると腰を上げてしまう。 未だ一作なのでストーリーもどう転がるのかも見えません。 徳市や角蔵、野良の三毛猫が良い味を出しているので、もう少し続きを読みたいと思います。 でも、こういう関わり方だと種が尽きてしまうのでは・・・先ずは辻堂魁のお手並みを!
読了日:04月03日 著者:辻堂 魁
相も変わらず きりきり舞い (光文社時代小説文庫)相も変わらず きりきり舞い (光文社時代小説文庫)感想
「きりきり舞い」の続編、相変わらず舞は奇人変人の後始末で忙しい。 大した事件も無く日常の騒動に巻き込まれる舞の行動を描く。 楽しいのだが、もうちょっと大き目な事件が起こると嬉しい。 一九の隠し子が現れたり、お栄の役者との恋模様など波乱は有るのだが、すんなり収まってしまう、これがもやもやの元なんだよな。 最後の騒動で阿久利屋との一件も尚武のケガでお終い、スッキリしないな~、なんとかやり返してめでたしメデタシになって欲しかったな。 解説では続きを希望しているが、これでお終いで良いと思う。 余韻の残る幕引きです
読了日:04月08日 著者:諸田 玲子
宇宙少年ソラン 1 (サンワイドコミックス)宇宙少年ソラン 1 (サンワイドコミックス)感想
【再読】遙か遠くの惑星ソランからやって来た少年ソラン、人間の15倍のパワーを持つソランが地球上の悪者と対決するSFアクション巨編。 何となく本棚から引っ張り出してきた。 読み始めるとすっかり夢中になってしまった。 初出は昭和40年(1965年)凄い年代物だ、かの手塚が嫉妬した作品との噂がある。 さもありなん、スピーデーかつテンポが良い。 テレビ化もされて当時は大人気だった、乗り物が「エンゼル号」と言う事は、提供は森永でしょうね(笑) 全3巻、楽しみましょう。
読了日:04月10日 著者:宮腰 義勝
宇宙少年ソラン 第2巻 (サンワイドコミックス)宇宙少年ソラン 第2巻 (サンワイドコミックス)感想
【再読】宇宙少年ソランの第二弾。休む間もなく悪は出現する、今回はデロス事件と村雨博士事件の二編を収録。 巨大ロボットを操り悪の限りを尽くす一味と対決するデロス事件、ソラン星から突然現れた少女・リーザが一枚加わり益々謎は深まって行く。初めてソランの空飛ぶ乗り物「エンゼル号」が登場(当初リーザがソラン星から乗って来た物)。最初は村雨博士の息子健一少年の野球ものとして描き始めた物が徐々にアンドロイドが正体と判り、博士の夢が最優秀アンドロイドを作る事だと判明する村雨博士事件。 正義の結社オーロラ隊の天童が大活躍。
読了日:04月10日 著者:宮腰 義勝
宇宙少年ソラン 第3巻 (サンワイドコミックス)宇宙少年ソラン 第3巻 (サンワイドコミックス)感想
【再読】いよいよシリーズ完結編。 悪を出すのがしんどくなって来たのか、どこかで見たような展開が多い。 しかも、危機を乗り切るのが漫画的な御都合主義になっている。 まあ、毎回いろいろな悪人を造り出す事は大変だった事だろう。 最後まで、ソランが地球に来た目的の、お姉さんを探し出すというエピソードは出て来なかった。 どうやら、作者が忘れてしまった様だ。 そのくらい、週刊連載は大変だという事なんだろう。構図とペンタッチが良い、スクリーントーンの無い時代、洋服の柄とか都会の描き方、手間が掛かった事でしょう。拍手ッ 
読了日:04月11日 著者:宮腰 義勝
潮鳴り (祥伝社文庫)潮鳴り (祥伝社文庫)感想
遂に読み切りました、いやー良いものですね。 ちょっとした短慮からお役御免を蒙り無頼の生活へ。 弟の切腹、そしてその真相に気づいた時、再起の念が湧きあがって来た。 一人の男の再生のドラマである。 一旦、地に落ちた信用はどうやっても理解してもらえない。 弟の為、女房になるべく女の為、同僚、上司、ひいては藩の為、襤褸蔵が立ち上がる。 そこに、継母の想いが大きく影響する、正義とは何か、信頼とは何か、生き様が活写された一大抒情詩である。 著者が急逝した事がつくづくも残念。 合掌!
読了日:04月12日 著者:葉室 麟
楽園楽園感想
【図書館】一人の女性のモノローグから物語は始まる。 昔、楽園と呼ばれた遊郭の跡地に建てられた「楽園ハイツ」という名のアパートに住む女性たちの性を描く物語。それぞれが盛りを過ぎた人たちだ、男に縁のない人、若作りをしても似合っていない人、その昔遊郭で働いていた人・・・性のいろいろを描くのかと思ったが、一階の珈琲店のマスターが登場してからミステリー仕立てになる。謎のマスター、訳ありの大家、顔に傷のある「傷ばあさん」性に悩み、性を謳歌する女性たち、花房観音の官能とは呼べない、更年期の女性たちの性を巡るミステリー。
読了日:04月14日 著者:花房 観音
鬼の家鬼の家感想
【図書館】京都・千本通り近くのルネッサンス様式の三階建の格式のある建物、明治時代に建てられたこの邸宅で暮らす桜子とその一族の物語。 鬼が棲むという館を舞台に怨念渦巻く人間の葛藤が描かれる。 鬼とは一体何者なのか、それは人が生み出した妄想なのか、はたまた黄泉の国から現れし魍魎なのか。 観音様には珍しく官能を封じて恐怖の物語を展開している。 女の奥深く秘められたものが顔を出す時、怨念の様な凄まじさを感じる。 鬼とは一途に想う心のあり方なのかも知れない。 観音様、文学路線に変更か・・・
読了日:04月15日 著者:花房観音
寵 臣 鬼役(二十三) (光文社時代小説文庫)寵 臣 鬼役(二十三) (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】鬼役シリーズ・第二十三弾! 以外、重要人物が死んでしまった。 話の核にも当たる人物、終局なのか、方向展開なのか・・・ 確かに、密命そのものに必要性が疑問のケースもあるようになって来た。 究極の悪という書かれ方が無い。 世間のしがらみに流された悪の存在が取り上げられている感が強い。 シリーズが長いが、テンポの無さに着いて行けない。 風景描写を入れるタイミングとか、方向転換する説明文とか、ストーリーがブチブチ切れてしまってすんなり読めない。一貫性のある文章を読みたい、話自体は面白いのに、そこが残念。
読了日:04月17日 著者:坂岡 真
春雷 (祥伝社文庫)春雷 (祥伝社文庫)感想
【図書館】羽根藩シリーズ、第三弾! 鬼と呼ばれ藩内の改革を進める多聞隼人、鬼の心うちに藩主への強い想いがあった。 志を同じくする大庄屋と学者の大蛇と共に黒菱沼の干拓に取り掛かる。 反対派の攻撃、一揆の襲来、果たして隼人の改革は成就するのだろうか・・・ラストの対隼人派の処理があっさりし過ぎている点がやや不満。 ただ、ラスト近くの大立ち回りはスカッとする、やはり我慢我慢ではフラストレーションが解消しませんから。 かなり複雑な話ですが葉室氏の書き方か上手いのでスイスイ読めます、隼人の生き様は賛否あると思います。
読了日:04月20日 著者:葉室麟
秋霜秋霜感想
【図書館】前作「春雷」の続編、羽根藩シリーズ、第四弾! 前作の感想で終盤の悪人の描き方が軽くて不満と書いたが、今回のエピソードがある事を想定してたとしたら、さもありなんと思う。 あれから三年、羽根に一人の若者が着いた事から物語は始まる。 鬼隼人が世直し隼人に変わりつつある羽根藩では藩主が引退したとはいえ、未だに楓、りう、に対して策略を巡らしていた。 この話は、人はどう生きるかというテーマが重要。 各人に照らし合わせて読む事が出来る、しかし、どっちにしても帯に短し襷に長し、なんだよなぁ。 
読了日:04月23日 著者:葉室 麟
虎落笛 1虎落笛 1感想
もう、アマゾンを探しても手に入らない絶版本。 ずーと前に買って置いていた本、何故か取り出して読んで見た。 江戸時代、因幡の国(現在の鳥取)にあった日本最大の砂丘。 鳥取砂丘の最大の砂丘、浜坂砂丘を舞台に繰り広げられる人間ドラマ。 いつの日かこの砂漠に棲みついた男、砂漠の道案内として暮らすが、今日もいろいろな事情を抱えた男女が訪れる。 虎落笛とは、飛砂を防ぐため、竹で編んだ柵に風が当たり笛のような音を出すことを言う。
読了日:04月25日 著者:村野 守美
異聞・花と蛇(1) (キングシリーズ)異聞・花と蛇(1) (キングシリーズ)感想
団鬼六の世界を小池一夫と叶精作が遊ぶ、遊侠無頼本。 「花と蛇」本編と全く交じらわず、小池と叶のインスピレーションの世界。 叶の美人画が唯一の楽しみ。 
読了日:04月25日 著者:叶 精作,小池一夫
コルトM1847羽衣コルトM1847羽衣感想
【図書館】新刊コーナーに置いてあったので、借りて来た。 読友さんらの感想では面白そう。 のっけからドンパチありのアクション巨編。 女渡世人の羽衣お炎が初恋の男・信三郎を追いかけ佐渡へ。 そこに現れる、島津藩の十三人、斉彬の幕府転覆、佐渡のオドロ様、善悪入り混じっての大活劇。 お炎の一途な恋にコルトウォーカーが火を噴く。 取り巻く登場人物たちも、異彩を放って個性派揃い。 月村了衛、凄い作家だ、いろいろなストーリーを巧みに織り込んでスマートに読ませる。 面白い、「コルトM1851残月」も図書館に予約した。
読了日:04月29日 著者:月村 了衛

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