3月の読書記録 読書メーターより
「いざなうもの」が谷口ジローの余韻を残した旅立ちをじっくり感じられて感動した。 いろいろな描き方を模索していたんだなぁ。 早すぎる急逝に、涙・・・合掌!
読んだ本の数:15
読んだページ数:3951
ナイス数:1313
乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)の感想
久々の新刊に、思わず手に取った。 相変わらず、中央アジアの生活が描かれている。 事件という事件が起こらず、淡々としている。 いろいろな修行を積んで大人になっていくカルル、そっと寄り添うアミル。 二人の成長譚と見るのが楽しい。 作者は中央アジアの、いろいろを描くのが楽しいんだろうな。 相変わらず書き込みが凄い、イヌワシの辺りは尋常では無い。 久々に、アミルの世界に遊びました。
読了日:03月02日 著者:森 薫
澪つくし 深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)の感想
相変わらず良い味を出している。 木戸番小屋シリーズも早五作目、笑兵衛、お捨の人となりもすっかり頭に入った。 日常で生きていくのが嫌になる、そんな日もあるよね。 そこにすっと寄り添う笑兵衛夫妻、出来る事と出来ない事がある、出来るだけ穏やかに・・・そんな日常も、ありだなぁと思う。 北原亜以子、深く思いやりのある女性かと思う。 そんな北原さんが亡くなっているのを、やっと気が付いた。 ああ、もういなかったんだ、惜別の念が心によぎる。 良い話をもう少し書いて欲しかったな。 一話、一話が心に沁みる連作短編集です。
読了日:03月04日 著者:北原 亞以子
ゑひもせす (ちくま文庫)の感想
デビュー作「通言室之梅」を含む初期短編集。 杉浦日向子を探して古本屋を巡る旅も永くなった。 また、一冊見つけた。 この頃の日向子は、若い力がみなぎっている、あれもこれもと皆ぶち込んでいる。 その描きこみも日向子らしい、時折見せるセンスが只者では無い片鱗が、この時期にもう出ている。 江戸情緒に遊ぶという感覚はまだなく、勢いで描いている瑞々しさがある。 これが、杉浦日向子の出発点だったのだなぁ・・・杉浦ワールドの原点を観ました。
読了日:03月07日 著者:杉浦 日向子
4時のオヤツ (新潮文庫)の感想
【再読】 ダブって買ってしまいました。 しかし、単なる食べ物エッセイとは一線をかくすショートショート仕立て。 たった100円(古本のため)で杉浦ワールドに遊べる贅沢、この位の出費は止む無し(笑) でも、そろそろ備忘録を用意しなければならないだろうな。 この本持っているか、少々不安になって来た。 でも、杉浦日向子で100円位、ダブっても良いくらい価値あるものだと思う。 まだまだ、日向子を求める旅は続く。 しかし、午後4時のアンニュイな感じと、そこに有る食べ物の状況が、とても良いんだなぁ。
読了日:03月07日 著者:杉浦 日向子
俺の新選組 下―望月三起也新選組マンガ傑作選 (ミッシィコミックス)の感想
望月三起也の新選組シリーズ最終巻。 「ダンダラ新選組」を併録。 望月三起也の画は良い、スクリーン・トーンを使わず模様も描きこんでいる。 そこに暖か味を感じる、そして迫力も。 見開きの迫力は、最高! 少年キングの一年の連載はこれにて終結、しかし、この後の「函館戦争」まで描いて土方の生涯を終わらせるとの希望は叶えられなかった。 しかし、残った資料やキャラデザインを見ると病床でも、やる気満々だったんだなぁと思う。 望月三起也は「ワイルド7」だけでは無いなぁと改めて思う。 合掌
読了日:03月11日 著者:望月三起也
いざなうもの (ビッグコミックススペシャル)の感想
「ダ・ヴンチ」に記事が掲載されていて初めて気が付く。 思わず本屋に走り購入した。 最近はコミックは古本屋でという習慣だったが、これだけは今欲しくなった。 遺稿集という側面もあるが、晩年の谷口ジローの考え方を読んで見たかった。 いろいろ考え方はあるだろうが、日本の文豪の小説のコミック化を目指していたという。読んで見たかったなぁ夏目漱石、芥川龍之介・・・本当に画の旨い作家がいなくなってしまった。最近の漫画はストーリーに添って書きなぐっている作品ばかり、一枚の絵に、一本の線に、感情のある画は有るのだろうか・・・
読了日:03月11日 著者:谷口 ジロー
キラキラ共和国の感想
【図書館】待ちに待った「ツバキ文具店」の続刊。 かなり前にリクエストして、やっと読めました。 鳩子は守景さんのお嫁さんになった、もちろん、はるなちゃんも一緒だ。 住居の問題、お店の新規開店、いろいろな問題をこなしつつ、代書屋としての顧客の扱いを描く。 いろいろな人のいろいろな人生に向き合う時、おのれの力量が試される。 鳩子の人生は始まったばかり、いろいろな人と歩いて行く、そこで、物語が生まれる。 いろんなつまずきもあるだろう、飛び上るほど嬉しい事もあるだろう。 是非、「ツバキ文具店」からお読みください。
読了日:03月13日 著者:小川 糸
「坊っちゃん」の時代(第三部) (漫画アクション)の感想
本当は文庫本ですが、登録していないのでこちらで・・・ずいぶん前に親本(この本)を読んで、たまたま古本屋で文庫本を見つけ、嬉しくなり購入。 坊ちゃんの時代のシリーズ3巻目、石川啄木のエピソード。 浪費癖で借金まみれ、本当にどうしようも無い男・啄木。 小説家の道を諦めて短歌をに逃れてる啄木を描く。 谷口ジローの画が良い、本当にこの時代にマッチしている。 文庫本だから仕方が無いのだが、谷口ジローの画はもっと大きいサイズが良い。 細かすぎるので折角の細密画がキツイ。 やっぱ親本サイズがお奨めです。
読了日:03月19日 著者:関川夏央
泣き童子 三島屋変調百物語参之続 (角川文庫)の感想
三島屋変調百物語の三巻目。 今回も怪異話が六話収録している。 だいぶ「おちか」も経験を積んで堂に入って来た感じ、しかし、表題作「鳴き童子」の語り手は別だった。 どうにも抗らえない時にも、もっと違う生き方があったのでは・・・ やるせない話でした。 読み進めていって「節気顔」に至った時、偶然の恐ろしさを感じました。 なんと、季節も同じ、時期も同じの「春分の日」に読む事になるとは・・・不思議な巡り合わせを感じます。 怖いだけでは無い、不可思議なお話に酔って下さい。 語り部・宮部の想いの詰まった一級品です。
読了日:03月21日 著者:宮部 みゆき
須藤真澄[自選短編集]梅鼠 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)の感想
須藤真澄の自選集、独特の雰囲気を持つ作家さんだと思う。 「ゆず」の頃、何となく遠くで見ていたような気がする。 古本屋で手にして、何となく絵柄が気に入って購入した。 読んで見ると、老人と若い娘の対比がじんわりと沁みる話だ。 老人は想い出を若人はこれからを、共に夢見るポエムがある。 若いのか歳を召しているのか判らない感性がある、ちょっと不思議な雰囲気の作家さんである。 一点鎖線で描く世界は優しい世界に誘ってくれる、良いなぁ・・・ 自選短編集「萌葱」も出ているみたい、古本屋で探して見ようと思います。
読了日:03月23日 著者:須藤 真澄
MASTERキートン 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
古本屋で目に止まったので購入。 あの頃は夢中になって読んでいた。 キートンの自由気儘さと考古学の知識の深さに舌を巻いていた。 再読と言っても、かなり前に読んだので初読と同じ感じ。 キートンの世界観は好きですね、考古学と講師と保険会社の調査員、まとまらないところが良いですね。 どうせ再読ならばと【完全版】を選んだ、コミックは画の大きさが重要です。 さあ、じっくりと読もうか・・・
読了日:03月29日 著者:浦沢 直樹,勝鹿 北星,長崎 尚志
MASTERキートン 2 完全版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
キートン・完全版、第二弾! 今回もなるほどと唸るお話を12話収録。 クールで時に熱くなるキートンの人柄が良いですね。 「レッドムーン」と「シルバームーン」は人狼伝説を思い出させるが、凄まじいウィルスのせいだと推測に行きつく。 キートンがちょっとしたことから突き止めていく過程が良いですね。 刑事コロンボの手法と似ている様な感じもします。 脚本が上手いのでしょうね、知識的な事を上手くストーリーに乗せている。 親爺さんや娘さんの遣い方もベストです。
読了日:03月29日 著者:浦沢 直樹,勝鹿 北星,長崎 尚志
MASTERキートン 3 完全版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
続けて第3巻を読む。 浦沢の世界にどっぷりと浸かる。 ついに、宿命のライバル・探偵チャリー・チャップマン現る。チャップリンとバスター・キートンのもじりだろうが、これで益々面白くなる。 今回はサスペンスというよりは、ほのぼのしたストーリーが多い様に感じた。 取り敢えず古本屋では、この巻で終了でした。 また探そうっと!
読了日:03月30日 著者:浦沢 直樹,勝鹿 北星,長崎 尚志
お断り―鎌倉河岸捕物控〈29の巻〉 (時代小説文庫)の感想
久々の佐伯作品、他のシリーズは読む気にならないのだが、このシリーズは、手に取ってしまう。 相変わらずの鎌倉河岸の面々、事件に遊山に忙しそうだ。 マンネリを恐れず続けて行けることが長続きの秘訣だろう。 一篇に事件を3つ詰め込むのが最近の佐伯流みたいだ。 まあ、ぼちぼちと執筆して下さい。
読了日:03月30日 著者:佐伯 泰英
指人形 (講談社文庫)の感想
久々に手に取った観音様の官能本。 単なるエロでは無く女の情念というか、しがらみを描き切った作品。 初期の作品も交じり描き方が統一していない。 いろいろな女性の性の悩みが出てくるが、明日に希望があるのが救いである。 出てくる男性が情けない男ばかり、女性の心の判る逞しい男性像の登場を望む。 性の表現が上手い、観音様独自の書き方が素敵である。 続けて読もうとは思わないが、又いつの日か手にする事だろう。
読了日:03月31日 著者:花房 観音
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