2月に読んだ本 読書メーターより
「風に舞い上がるビニールシート」が心に残る。
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4678ページ
ナイス数:972ナイス
きままな娘 わがままな母 (集英社文庫)の感想
母娘の日常が描かれて行くお話、お互い言いたい事をいいあう関係、でも、少しだけ思惑が違う。 沙良と駒子の人生、微妙にすれ違う。 早く結婚して欲しいが、側にもおいて置きたい駒子の気持ちの揺れが、何となく判る。 老後の事、自分の将来、いろんな事が胸に去来する。 くも膜下からの生還は良かったけど、それまで以上に元気な母。 果たしてこれからも一緒に暮らせるのか、ちょっと心配。 母娘の暮らしが気に掛かるラストでした。
読了日:2月3日 著者:藤堂志津子
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)の感想
遅れ馳せながら読みました、良いですね~どの世代にもピッタリな物語が入っている。 全六編、良いのですが「ジェネレーションⅩ」が一番気に入った。 いろんな伏線と共に世代感を描いている、最後の最後に「落とす」感覚が最高に良い。 さすが森絵都さんいっぱい書いているだけあるな。 表題作も良いが、少し間口を広げ過ぎた感がある。 「鐘の音」が後味が悪い、もっと仏師で成功譚みたいな話を期待したのだが・・・ しかし、全体的良くまとまった短編集である。
読了日:2月6日 著者:森絵都
闇同心そぼろ (幻冬舎時代小説文庫)の感想
橋廻り同心・猪山主水之介、何故か隠密廻りの「五陵組」に抜擢される。 その矢先、同僚の坂木が相対死で発見される。 真相を探る内、巨大な悪にぶち当たる。 豪快、壮絶、北辰一刀流の剣が冴える、主水之介がバッタバッタとなぎ倒す。 遠山の金さんも巻き込んでの大活躍、果たして愛女・あやめの危機は回避されるのか。 坂岡真の痛快剣戟時代小説、読み逃していた一冊です。 良いですね~時代エンターティメント、何も考えなくて読める爽快です。
読了日:2月8日 著者:坂岡真
マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)の感想
【図書館】 三舟シェフの第三弾! 待ってましたの三作目、人に寄り添うシェフの人柄が良いですね~ フランス料理は良く判らないのですが、その描写で何となく美味しそうな雰囲気が感じられる。 タルタルステーキって手間暇が掛かる料理なんですね。 ちょっぴり切ない謎解きの味付けがラストで語られてパーティが終わる、静かな余韻を楽しむ。 こんなビストロに行ってみたいなぁ、木洩れ日に照らされてアフタヌーンティーを楽しみながら。
読了日:2月10日 著者:近藤史恵
偽りの森 (幻冬舎文庫)の感想
花房観音と言う事で官能を期待したが、ちょっと肩すかし。 京都の老舗料亭の四姉妹の生き方を巡る物語。 京都人の「いけず」を前面に出した小説。 こんなに「家」に執着する家族がいるだろうか、嫌なら出て行けば良いのに、それでも、戻って来てしまう精神とは。 無理に「細雪」を意識している小説にしたかったのかな。 四姉妹の性格がそれぞれ特異であり掘り下げ不足かな。 そろそろ、路線変更を狙っているのかも。 登場人物がすべて関わり合う物語、盛り込み過ぎでは。 もっと観音様らしい小説が読みたいと思った。
読了日:2月13日 著者:花房観音
運命 鬼役(二十) (光文社時代小説文庫)の感想
【図書館】遂に蔵人介の出自が・・・読んでいるこちらとしてはどうでも良い事だが、今後ストーリーに関係するかな。 著者も京都編と言う事で「思い付き」で書き足した感がある。 まぁ、鬼役は鬼役でしかありませんからね。 折れた来国次の変わり「鳴狐」粟田口国吉を拝領し良かった良かった。 長柄刀で無いのが残念ですが。 これからのストーリーがどう動くのか楽しみである。
読了日:2月14日 著者:坂岡真
あなたの本 (中公文庫)の感想
【図書館】誉田さんの「引き出し」が沢山楽しめる本。 何の気なしに図書館の棚から抜き出して借りたがお宝本。 誉田氏の作品は読んだ事が無いのだが、警察物を得意にしている感じがして、未だ手にしたことが無い。 なかなか、バラエティに富んでいるが「最後の街」のオフビート感が良い。 若い荒削り感が話に似あっている。 でも、誉田作品を読もうと言う気が湧いてこない、「武士道シックスティーン」でも読んで見るか・・・
読了日:2月18日 著者:誉田哲也
大人になったら淋しくなった (幻冬舎文庫)の感想
【図書館】 OLから小説家にバツイチ、独身・・・紆余曲折があったんだろうな。40歳のひとりごとを20年後の今、読んでいる。 もの書きと言う仕事はいつの時代でも晒されてしまうから大変だなぁと思う。 やっぱり、今の考え方をエッセイで読まないとダメだな、だって、その時々で考えって変わるものだから。40代の女性にしては老成してる感が強い、そんなに外出しないのかと思った。 今の藤堂志津子を感じてみたいと思う。
読了日:2月19日 著者:藤堂志津子
PEPPER (ぶんか社コミック文庫)の感想
画像は文庫本の表紙になってるけど、読んだのはB5判のハート―カバー本、描き下ろしで410Pの大作。 描き下ろしだけにスクリーントーンを使わず、斜線で雰囲気を出すが、荒削り感が否めない。 何となく気になりあの時代の作品を手に取った。 1990年代、よく西部劇なんて描いたよなぁ。 迫力は有るんだけど、ストーリーが知りつぼみ・・・まぁ、描き下ろし400Pを良しとしよう。 ほんと、ずっしりする本です。 今、たがみは生きているのかな・・・
読了日:2月20日 著者:たがみよしひさ
精霊紀行 上 (BIG CUSTOM SERIES)の感想
【再読】 懐かしくなって本棚から引っ張り出した。 初期の短編集だが「たがみ」らしさがコマのあちこちに見える。 民話を題材にした話から徐々にルポルタージユ形式になっていく。 デビュー作の「ざしきわらし」が光る。
読了日:2月21日 著者:たがみよしひさ
精霊紀行 下 BIG CUSTOM SERIESの感想
【再読】デビューから2年後辺りまでの作品。 ペンもこなれて来て連作のキャラも出来上がりつつある。 若者が若者を描いているって感じがヒシヒシと感じる。 この頃「依頼人から一言」書いてたんだなぁ朝日ソノラマはデビュー2年目で連載を依頼したんだ、やはり見る目があったんだよね。(…遠い眼) 85年の漫画を読んで懐かしんでる、後が無いね。(笑) すっかりあの頃にタイムスリップしてしまった。
読了日:2月21日 著者:たがみよしひさ
座頭市 レジェンドコミックシリーズ3 (レジェンドコミックシリーズ (3))の感想
【再読】平田弘史の漫画を読みたくて、本棚を漁って見つけました。 懐かしいなぁ「朝日ソノラマ版」 はるか昔に出していたんだよなぁ・・・1967年遠い昔だよね(笑) やはり、平田版は味があるな、ちょっとコミカルな座頭市、子供版を意識して描いたんだろうな。 37年後に復刻された物を、更に13年後に読んでる、そりゃあ昔になる訳だぁ。 やっぱり、座頭市は勝新だよな、平田版もその辺は押さえてる。 平田と座頭市のコラボ、何とも言えない気分です。
読了日:2月24日 著者:平田弘史
首代引受人 (SPコミックス SPポケットワイド)の感想
【再読】 「首代」とは、昔、戦場で生死を争い敗れた者が手形を発行し命乞いをしたものである。 首代すなわち命の代金である、諸々の理由で代金を受け取りに行けない者も出る、そこで引受人が代理を務める、すなわち「首代引受人」が必要とされてきた。 これは、首代引受人を専業としている「首代半四郎」の物語です。 約束も時間が立てば、いろいろな事が起きる、そこに人間としての生きざまを問われる。 平田氏の筆致が極限まで突き詰められた人間の本性を炙り出す、平田劇画の真骨頂である。 やはり、迫力のある画風に圧倒させられる。
読了日:2月26日 著者:平田弘史
新首代引受人 1 (アフタヌーンKCデラックス)の感想
【再読】 首代引受人から約20年後、寄る年波で眼が悪く成りつつある平田氏がマッキントッシュにて描き上げた作品。 確かに綺麗に出来上がってはいる、しかし、やはり筆の迫力が無い。 物語の悲哀は昔のままだが小奇麗に纏まっている感がする。 それに昔の様な荒ぶる気迫と言うのか勢いが薄れた。 これも首代半四郎の老いのせいか、平田氏の人生のせいか、物語と言う物はそういう物かも知れない。 そういう私もこんな歳になってしまったのだから・・・(笑) その時々で描ける物と言うのはそれなりに情緒ある物に変わっていくものなのかも。
読了日:2月26日 著者:平田弘史
鬼平犯科帳 Season Best 仲冬の候。 (SPコミックス SPポケットワイド)の感想
鬼平の世界、570P丸々、堪能しました。 うさ忠が小柳が、粂八がおまさが、縦横無尽に駆け巡る。 もちろん、平蔵の剣技も冴える、たっぷり楽しみました。
読了日:2月28日 著者:さいとう・たかを,池波正太郎
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