10月の読書記録 読書メーターより
何となく読み散らかした一ヶ月でした。 「センセイの鞄」を再読して、改めて「谷口ジロー」の感性を認識した。 しっとりした良い画です。
2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3981ページ
ナイス数:1101ナイス
桂枝雀のらくご案内―枝雀と61人の仲間 (ちくま文庫)の感想
桂枝雀の持ちネタ六十一席を披露した文庫。 一席一席に愛着を込めて、師匠の話、弟子の話、取り巻きの話を交えて独特の話法で進める。 とにかく真面目な性格が良く判る作品になっている。 確か、「うつ病」を患って自殺したんじゃないかな、言葉の端端にその兆候が見え隠れしている。 しかし、凄い人だったんだなぁと思う。 思えば「破天荒」な芸風でした、一種通じるものを感じた。 ビデオ見直して観ようかな・・・
読了日:10月3日 著者:桂枝雀
ちゃんちゃら (講談社文庫)の感想
相変わらずの植物と庭師の話。 でも、前作と違い破天荒な匂いがする、「ちゃら」の生き様が自由度満載。 しかし、信頼していた人物が・・・最後のどんでん返しにもビックリ! 執筆二作目にして飛躍の片鱗が見える、「朝井まかて」只者では無い。 爽やかな風の匂いのする作品です。
読了日:10月8日 著者:朝井まかて
3月のライオン 12 (ヤングアニマルコミックス)の感想
対局あり、プライベートもありの盛り沢山の内容です。 なんか、アニメ化に向けての紹介漫画の様相も。 でも、こんな日常が零くんの生活なんだろうなと思わせるエピソードです。 徐々に周りとの生活を取り戻していく零くんの明日を考えています。 しかし滑川の独特の戦法が凄い、やはり将棋マンガだったのだ。 堪えた零くんも凄い。 先ずはインターバルと言った12巻でした。
読了日:10月11日 著者:羽海野チカ
本日は、お日柄もよく (徳間文庫)の感想
原田マハの作品にしては感情移入が出来なかった。 スピーチライターという職業に関心が無いのかな。 ストーリーは淡々と進み、予定通りの着地点。 マハの「あっという」どんでん返しを期待したのだが・・・余談だが「本日は大安なり」と勘違いして結婚式のウェディングプランナーの話と思っていた(笑) 確かに「お仕事小説」と言う事になるが、お仕事はともかく「小説」と言う点ではどうかなぁと思う。 初期作品かと思ったが、そうでも無かったそれにしては起伏の無い小説だった。 「言葉」ばかりを駆使してもなぁ・・・
読了日:10月12日 著者:原田マハ
夕暮まで (新潮文庫)の感想
中年の男と22歳の処女の流れていく日常を描く。 吉行淳之介の有名な小説と言う事は知っていた、だが手を伸ばしたのは初めて。 中年男の恐れと戸惑いが良く表現されている。 ただ、何故、素股にこだわるのかが、最後まで判らなかった。 そして、簡単に貞操を許してしまうのも・・・「夕暮れまで」のフレーズに何かを期待していた見たいです。 何しろ古い話なので「時代」が違うのかも知れませんね。
読了日:10月13日 著者:吉行淳之介
千金の街: 読売屋天一郎(六)の感想
「冬のやんま」のやんまの公平が帰って来た。 いろいろな流れの中、吉原に帰って来た。 一方、天一郎たちは「鬼婆あ」と恐れられている吉原の遣手の話を仲間の同心から聞いていた。 調べてみると意外な事実が・・・「読売屋」シリーズ、第六弾、益々好調! 天一郎たちの粋なやり方に感動必至の作品。 美鶴の活躍が無いのが淋しい。
読了日:10月14日 著者:辻堂魁
花宴 (朝日文庫)の感想
心に誓った人と添えなかった紀江、独り悶々と人生を歩む。 子を成し、子を亡くしそれでも生きていく、そして父も無くし、今また夫まで・・・一人の女性の生き方を、燕に、そして花たちに託して語る「あさの時代劇」、そして、最後に安心と希望が。 父・新左衛門の言葉が沁みる、そんな歳になったのだなぁとつくづく思う。 ただの悲恋物にしないあさのさんの心意気の傑作。
読了日:10月15日 著者:あさのあつこ
センセイの鞄 1 (アクションコミックス)の感想
【再読】 古本屋で買って来た。 一度は新刊本で買って、古本屋に売った作品です。 それが、100円均一になっているのが偲び難く買い求めてしまった。 改めて読むと画才が凄いなぁと思う。 居酒屋の場面とかキノコ狩りのシーンとか、流石に谷口ジローだと思う。 原作も良いけど画で観るセンセイとツキコさんのしぐさが何とも言えません。 静かに時間が流れていく、そんな感じが好きです。 続けて②巻に。
読了日:10月20日 著者:川上弘美
センセイの鞄 2 (アクションコミックス)の感想
【再読】 徐々に惹かれあっていく二人、もどかしいような、このままで良いような・・・ 遂に、二人きりの旅行が実現する。 心の中に忍び込む寂寞感と安心して抱き合う抱擁力、何とも言えない時間が過ぎる。 上手いなぁ島の情景、取り残されたような孤独感、谷口ジローの筆致が冴える。 やっぱり、買ってきて正解だと思う、また手放す時があると思うが、いつまでも手元に置きたい一冊です。
読了日:10月20日 著者:画・谷口ジロー作・川上弘美
抜かずの又四郎-帳尻屋始末(1) (双葉文庫)の感想
決して刀を抜かない又四郎、いつ抜くか、いつ斬るか気になる侍です。 「帳尻屋」闇の仕掛け人のような組織、でも、依頼で金を受け取ってはいないみたい。 組織の中で又四郎がどう変わって行くか楽しみです。 ちょっと、まだるこしぃ場面が多いかな。 先ずはシリーズ開始と言う事で人物紹介に終始した感じ、次巻以降の展開を見ましょう。
読了日:10月20日 著者:坂岡真
萌えいづる (実業之日本社文庫)の感想
いろいろな女がいる、突然、離婚届を突きつけられた女、夫に秘密で他人の子を産もうとしている女、一人の男を巡る女同士の淋しさの触れ合い・・・密かに訪れる参詣客が人に言えない秘密を綴る一冊のノート。 京都にある平家物語ゆかりのお寺を舞台にした悲しみの物語。 移ろい行く京都の四季を背景に、女の情念を見事に描く傑作短編集。
読了日:10月20日 著者:花房観音
身体のいいなり (朝日文庫)の感想
乳がんに罹った著者の闘病体験とそれにまつわるエッセイ集。 初期症状とは言え「癌」それを達観して「死生観」ともいえる感覚で対処していく。 乳房を二つ亡くすと言うことは、やはり、女性にとって考える事が多いのでは。 アトピーと腰痛が良くなったのは不幸中の幸いでした。 「ヨガ」って、意外と全身運動なんですね。 ジョギングよりハードみたい。
読了日:10月20日 著者:内澤旬子
寺暮らし (集英社文庫)の感想
お寺の境内にある小さなマンションに引っ越した著者の淡々とした生活を描写したエッセイ。 四季折々の生活とそれを取り巻く住人たちとの触れ合いを描く、時々現れる詩的な言葉にハッとさせられる。 仕事と遊び、運動と付き合い、その場面その場面でいつも一生懸命な森さんの生活が垣間見られる、でも、どことなくほんわかな雰囲気は崩していない、読んでいて心地よいエッセイです。 お寺ぐらしかぁ、静かなんだろうな、と思うが、それでも世間の風は吹く、何処に住むにも大変だ~ 杉田比呂美のイラストが素敵な、心静かになれた一冊です。
読了日:10月22日 著者:森まゆみ
予兆 鬼役(十九) (光文社時代小説文庫)の感想
【図書館】 アホな将軍の遊びで奥医師が怪我をした、それを恨みとして将軍を誹謗する楽首が書かれた。 懇意にしていた奥医師は斬首、その経過を追う蔵人介に襲い掛かる「伊賀五人之者」と呼ばれる男たち。 巨大な陰謀に巻き込まれた予感にさせられる緊迫巻。 首魁と対峙するが、頼りとする「国次」折れた。 絶体絶命の危機に、果たして蔵人介の運命は・・・ 話の運びが目まぐるしく変化する、なにやら終盤の「予兆」もするが、次巻に期待!
読了日:10月25日 著者:坂岡真
湯女の櫛 備前風呂屋怪談 (角川ホラー文庫)の感想
話が嘘を創るのか、嘘が話を拡大させるのか、虚虚実実の物語。 ホラーと言うよりファンタジーを感じた。 お藤の語る夢物語、どこまで信じて良い物か。 ただ流されるように世界に浸れば良いのかな。 岩井志麻子、堂々のホラ話です。
読了日:10月28日 著者:岩井志麻子
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