7月の読書記録 読書メーターより
今月は漫画が多かった気がします。
浦沢直樹の「プルートウ」久々に読み直して良かったです。
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:6419ページ
ナイス数:1965ナイス
日暮妖之介流れ星破れ編笠 (集英社文庫 26-G)の感想
懐かしさに古本屋で手に入れた。 読んだ、長い、本当に長かった。 文庫で662頁もある、しかも古い本だから活字が小さい。 単行本を三冊、合本にしたような三章仕立て。 笹沢左保の虚無感に浸りたかったのは確かだが、いゃ~長かった。 長い敵討ちの旅を続ける妖之介、旅自体に懐疑を抱き情熱さえも失われる。 左保の断定的な筆致に酔いしれながら、虚無の世界に誘う、笹沢左保の世界を久しぶりに思い出した。
読了日:7月4日 著者:笹沢左保
燦 7 天の刃 (文春文庫)の感想
【図書館】燦、圭寿、伊月が田鶴に戻り、ひと波乱。 復興事業もそうだが、燦と篠音にも重大な局面が・・・それにしても一冊が短すぎないか? 書下ろしなら調整が出来るのでは。 また一年待たされるのはキツイ・・・
読了日:7月7日 著者:あさのあつこ
007 黄金の銃を持つ男 復刻版 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)の感想
改めて、さいとう・たかおの構成力に脱帽。 007を見ないで独自の世界を構築する和製007。 ボーイズ・ライフ連載だからお色気は無いけど見事にスパイ物に仕上がっている。 それに、このスマートさ、時代を感じさせないスピード感、復刻して良かった。 タイトルの黄金銃、出番が判りづらい・・・(笑)
読了日:7月9日 著者:
鬼平犯科帳 Season Best 向暑の候。 (SPコミックス SPポケットワイド)の感想
暑い盛りに、夏の始めの物語。 鬼平は良いなぁ、一本筋が通っている。 さいとう・さかおの画で観る鬼平は、また別の迫力があります。 単行本は優に二冊分はある、いゃ~堪能致しました。
読了日:7月10日 著者:さいとう・たかを,池波正太郎
退職刑事〈5〉 (創元推理文庫)の感想
【図書館】退職刑事も五巻目、徐々に謎解きが煩わしくなってきた。 それに論理的な謎解きでは無く、想像の域を出ない謎も増えて来た。 いろいろな解釈法を見つけ出す退職さんが凄いと思うけど、こじつけが入るようになった来たのは考え過ぎか・・・安楽椅子探偵物を続けていくと言うのは、しんどい事だと思う。 ほんとに敬服する。 「Xの喜劇」なんぞは、言葉遊びを楽しんでいる、こういう小説もアリかな?
読了日:7月11日 著者:都筑道夫
退職刑事〈6〉 (創元推理文庫)の感想
【図書館】とうとう、シリーズ最終巻を読み終わってしまった。 シリーズ後半になると純粋な謎解きロジックで無くなって来る。 安楽椅子探偵の物語をいろいろな角度からチャレンジする話が多くなる。 退職さんが現場に出掛けるとか、現職さんが撃たれて寝たきりとか、ルール破りも増えて来た。 しかし、この狭いルールの物語を、よくぞここまで続けて来たものと思う。 1巻から6巻まで一気読みして改めて凄いと思う。 毎回いろいろなパターンにチャレンジした都筑道夫に敬服します。 退職刑事よ永遠なれ!
読了日:7月13日 著者:都筑道夫
刃鉄の人 (角川文庫)の感想
【図書館】「決闘・鍵屋の辻」と「十三人の刺客」を合わせたような作品。 辻堂魁の物語は読んでいる方だが、刀鍛冶と刺客(剣客)が、どうしてもマッチしない。 どっちにウエイトを置くかで物語性が変ってしまう。 シリーズ化するのだろうか?
読了日:7月17日 著者:辻堂魁
PLUTO (1) (ビッグコミックス)の感想
【再読】ふと、B・OFFで懐かしさに全巻手に入れた。一冊100円で全巻でも800円だ。 追いかけるように読んだので、じっくりと浦沢の仕事を確認する時間が出来た事も良い機会だと思う。 ロボットが破壊された。同じ頃、ロボット保護団体人間が殺された・・・しかも、死体には「角」のような共通のコラージュが。 ロボット刑事・ゲジヒトが捜査に当たるが・・・浦沢版・鉄腕アトム「地上最大のロボット」の開幕です。
読了日:7月17日 著者:浦沢直樹
PLUTO (2) (ビッグコミックス)の感想
【再読】アトム登場、本格始動。 しかし、浦沢の画はロボットまでも人間くさい。 謎は謎を極め、「角」が何だか判らない。 お茶ノ水博士が登場、殺人を犯したロボット「ブラウ1589」の欠陥とは・・・その間にも、有名なロボットが三体破壊された、ロボット一体に一エピソードが語られそれぞれに涙を誘う。 そして、ロボット破壊直前に起こる「竜巻」とは。 次巻はウランが活躍の予感を残しつつ二巻が終了。
読了日:7月17日 著者:浦沢直樹
PLUTO (3) (ビッグコミック)の感想
【再読】ウランが登場。 優しさの象徴のような少女型ロボット、プルートらしき人物との出会い。 そして、謎の男「アブラー博士」登場。 益々混沌として来る「人間」と「ロボット」の共存。 そして、光子エネルギーの貴公子「エプシロン」が登場。 各自の思惑を秘め、謎は混迷を深める。 戦争に対する思いを感じる一巻です。
読了日:7月17日 著者:浦沢直樹
PLUTO 4 (ビッグコミックス)の感想
【再読】 アトムが死んだ。 竜巻がお茶の水博士を襲う、ウランがアトムがその渦に巻き込まれる。 そして・・・アトムの死。 一方、ゲジヒトは反ロボット教団の男の護衛に。 その男の兄がゲジヒトに殺された?過去が・・・旧ペルシャ国王ダリウス十四世がホフマン博士の名をつぶやく。 謎が謎を呼び、遂に「天馬博士」の登場。
読了日:7月17日 著者:浦沢直樹
PLUTO 5 (ビッグコミックス)の感想
【再読】遂に、最強のロボット「ヘラクレス」がプルートゥと対決、 今、一歩の所であえなく散る。 一方、護衛の仕事で負傷を負うゲシヒトだが、人間とロボットの間に憎悪が存在する事を発見する。 一瞬だが「ヒゲオヤジ」が校長として登場、悲しみに暮れるウランに寄り添う、そして天馬博士が飛雄の墓前に現れる。 何とかアトムを生き返そうするお茶の水博士、天馬に助言を求めるが・・・
読了日:7月17日 著者:浦沢直樹
PLUTO 6 (ビッグコミックス)の感想
【再読】懸命に調査を進めるゲジヒト、浮かび上がる謎、謎、謎。 しかし、遂にアブラーにたどり着く。 人の憎しみに気づいた時、記憶を取り戻したのであろうか。 悲しみのゲジヒト・・・ゲジヒト死す。 そして、ヘレナの悲しみ、涙。 人間の身勝手によるザハトの悲しみ、苦悩。 浦沢直樹はどこへ連れて行こうとしているのか。 そして、孤児が伝えるボラーとは・・・いよいよ、佳境。
読了日:7月18日 著者:浦沢直樹
PLUTO 7 (ビッグコミックス)の感想
【再読】遂に、エプシロンとプルートが激突。 プルートの全貌が判る、プルート=サハドの悲しみ、憎悪を植え付けられた苦悩。 どこまでも続く憎悪の連鎖、一体、誰が悪いのか。 戦闘態勢を取れないエプシロンの絶対の攻撃とは。 あくまでも優しさを貫くエプシロン。 そして、偏った感情を植え付けられた「アトム」が蘇生する。 いよいよ、次巻・最終巻「アトム対プルート」が合いまみえる。
読了日:7月18日 著者:浦沢直樹
PLUTO 8 (ビッグコミックス)の感想
【再読】遂に、大団円。 ゲジヒトの心を宿したアトムが復活。 アブラーとボラーはロボット、しかし、ロボットと自覚できず嘘で固めた人生を送って来た。 アブラ―の憎悪が原因で地球壊滅が起きる。 それを救うのがアトム=ゲジヒトの心、いろいろな人の性格を描く浦沢版・アトム。 本当に世界の平和は来るのだろうか? 嘘を覚えたアトムのこれからは・・・解決は一つじゃないよと浦沢直樹が言っている。 ともあれ、めでたし、めでたし大団円。
読了日:7月18日 著者:浦沢直樹
孤独のグルメ 【新装版】の感想
【再読】また買ってしまった。 未読は新たに編んだ「東京都内某病院のカレイの煮つけ」一篇のみ(笑) 親本で読んだ、保存用に文庫版もある。 なのに、古本屋で買ってしまう。 谷口ジローの単行本が100円均一だったから・・・でも、いいか久住昌之・谷口ジロー・井上弘美の鼎談が収録されていたから。 三者の感性からの「孤独のグルメ」論はなかなか面白かった。 たまには、こんな寄り道も良いもんだ。
読了日:7月19日 著者:久住昌之
柳橋芸者梅吉姐さん事件帖 折鶴の一刺し ((幻冬舎時代小説文庫))の感想
カバー裏に「痛快時代小説」とあるが痛快にはなっていない。 探偵役の3人松・竹・梅が集まるのも無理がある。 謎解きもその場しのぎの偶然性だし、3人の個性が豊かなのはシリーズを目論んだのか。 お話は、もっとスピーディに出来たのでは・・・沖田正午、「丁半小僧」シリーズを読んで良いと思ったのですが、地元愛で読んでたのかも知れない。 ストーリーもキャラクターも中途半端な一冊でした。
読了日:7月20日 著者:沖田正午
姉と弟 新・酔いどれ小籐次 (四) (文春文庫)の感想
駿太郎が今は亡き父親の墓造りをする。 石碑に銘を刻んだり、自然石を探したり、小藤次は脇で見守るだけ。 この物語は何処を着地点と佐伯氏は考えているのだろう。 単なるマイホーム時代劇か・・・ しかし、出版社を変えての出直しだけに、趣向をもう少し変えても良かったと思う。 寄る年波か切った張ったが少なくなって来ました、人情物に変えていきたいのかと思います。 しかし、決定版だけは頂けない、印税生活も大変だと思うが・・・
読了日:7月24日 著者:佐伯泰英
しをんのしおり (新潮文庫)の感想
相変わらずの「しおん節」炸裂! どこまでが現実か、はたまた妄想か・・・出てくる友達とか家族とかが可笑しい。 支離滅裂、荒唐無稽、阿鼻叫喚の面白さ。 しおんさん暇してるように見えるけど、苦労して活字を生み出しているんだろうな。 まだ追っかけをしているんだろうか。 ほんと底の知れない人物だ。
読了日:7月26日 著者:三浦しをん
青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス 週刊少年マガジン)の感想
若き時代、泣いたり、笑ったりした時代が甦る。 小林まことが綴る漫画家青春残酷物語。 みんな命を削って描いているんだなぁと思う。 やがて悲しき鵜飼かな・・・栄耀栄華の後に来るものは・・・しかし、身内ウケのエピソード・コミックスが1,000円は高くないか? 私はB・OFFで100均だから良いけど・・・(笑)
読了日:7月28日 著者:小林まこと
二つ枕 (ちくま文庫)の感想
杉浦本、また一つ見つけました。 良いですね~吉原の清掻が聞こえて来そうです。 男女のやり取り、花魁のやるせない思い、吉原の日常、なんかその場にいるようです。 杉浦日向子の眼差しが優しいですね。 浮世絵の画が抜け出した様な感覚で漫画に仕立てる感性が素晴らしいです。 また、コツコツと古本屋巡りをしたいと思います。
読了日:7月28日 著者:杉浦日向子
おもかげ橋 (幻冬舎時代小説文庫)の感想
葉室麟作品と言う事で、ちょっと身構えた。 村上豊のカバー画に、ほっこりしながら読み進めた。 十六年前、国を追われ浪々の身の弥市と商家に婿入りした喜平次が主人公。 そこに、初恋の人・萩野が逃れてくる。 用心棒として萩野を守るが萩野は亭主持ち、未だに未練を残しつつ二人の葛藤は続く・・・悶々として話が進むと思いきや、国許の権力者が返り咲き積年の恨みを晴らすべく二人と萩野を襲う。 剣戟あり、偲ぶ愛あり、大らかな愛あり、葉室麟としては軽いタッチの人情時代劇になっている。 萩野はちょっとズルいと思う(笑)
読了日:7月29日 著者:葉室麟
花の嵐―吟味方与力人情控 (コスミック・時代文庫)の感想
吟味方与力の推理、複雑に絡まった事情、見事に刷りあわされた時、爽快な感動が! 理不尽な藤吉の思い、悪行の上にのうのうとしている極悪人、正そうとして正せぬご政道、最後は「花嵐」か・・・ 辻堂魁の作品にはほろ苦い爽快さがある。 二刀流の修練に十一年間、藤吉の恨みの深さ、用意周到の考え方、良く書けていると思います。 隠密廻り同心・谷川礼介の再登場が待たれる。
読了日:7月31日 著者:辻堂魁
読書メーター
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