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2012年4月26日 (木)

GWに読みたい本♪

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いよいよ、来週からGWが始まりますね。 お出掛けになる方も多いと思います。 でも、人込みを避けて、お家で読書をという方もおられるのでは・・・
そこで、私のお奨めする本の紹介をしたいと思います。 最長で9日間、一日一冊で9冊、セレクトしてみました。 あくまでも、ぶんぶん流のブックレビューですので、お気に召すやら召さぬやら・・・

先ずは、「舟を編む」から。

「舟を編む」 三浦しおん 光文社
辞書編纂に命を掛ける人達の情熱がひしひしと伝わって来ます。 以前に勤めていた出版社では辞書の発行はしていなかったのですが、書籍と違う編集スタイルですね。 日頃から語句をメモしたり、身近な疑問に悩むなど、新鮮な驚きでした。 長い年月をかけて編纂し、すぐに改訂版の準備に掛かるなんて知りませんでした。 文章も薀蓄のある語彙を散りばめ、最後は本書を小説の中で編纂する辞書の「大渡海」と同じ装丁するなんて。 ケレン味たっぷりの職人技ですね。 おまけにカバーをめくると名シーンのイラストの数々が・・・ やっぱり、図書館で借りたり、電子書籍じゃこうは行きませんよね。 「本屋大賞」受賞作だけあります。

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「銀の匙」 荒川 弘 小学館

目的無しの進学に疑問を持ち、親元を離れたいという欲求だけで、進学校の入試を蹴って北海道の農業高校に入学した主人公。 酪農学科で経験する初めてづくしの生活なかで、少しずつ変化する少年の気持の揺れをユーモアを交えて描く酪農青春グラフィティの第3弾!  農業の明日を考える若かりし頃の著者のエピソードを彷彿させる、「鋼の錬金術師」で、大ヒットを飛ばした著者が新たなフィールドに挑む私小説的コミック。 2012年「マンガ大賞」堂々の受賞作! 
著者の体験を描いた「百姓貴族」も秀逸です。 ちなみに著者は女性で2児の母です。

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「3月のライオン」 羽海野 チカ 白泉社
好評シリーズ、7巻目。 やっぱり心に沁みますね。 いじめの決着の付け方は賛否両論あると思います。 これは理想ですね、ただ、このお話しのテーマは「いじめ」ではないので、こういうハッピーエンドで将棋の世界に場を移したかったのでは・・・ 孤独から飛翔、人との繋がり、人間はひとりでは生きて行けないという永遠のテーマでしょうね。  宗谷名人との対局で桐山は又ひとつ成長することでしょう。 次巻も楽しみです。 「2011年 マンガ大賞」受賞作

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「植物図鑑」 有川 浩 角川書店
ある夜、帰宅したら、家の近くの道端に座っていた青年、話を聞いて思わず家に上げてしまう。 家事手伝いを条件に同居生活を始め、彼の作る野草料理の美味しさに目覚めた頃には、愛が芽生えていた。 甘々のラブストーリーですが、野草好き散歩好きには、たまらないですね。 「ご近所散歩も冒険だ」には大いに共感します。 突然現れ、突然消える、後段で紹介する「日だまりの彼女」を思い出させる展開です。 エピローグで後日談が描かれているのが憎い演出でした。 第一回「ブクログ大賞」小説部門 第一位受賞作。

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「テルマエ・ロマエ」 ヤマザキマリ エンターブレイン・ビームコミックス
シリーズも4巻目に突入です。 古代ローマ風呂の設計者のルシウスは、ひょんなことから現代日本のお風呂場にタイムスリップしてしまいます。 世界観、時代の違和感も浴場設計に生かしてしまう熱意と、古代と現代、ローマと日本のギャップに笑いながらも、なぜか納得してしまう、ある意味カルチャー的コミックです。 世界中でお風呂好きな人種(日本人と古代ローマ人)が、繰り広げるドタバタユーモアSFコミックス。 4月28日より阿部寛・主演で劇場映画が公開され、益々盛り上がる「2010年 マンガ大賞」 受賞作

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「冬の動物園」 谷口ジロー 小学館
京都の染物屋でデザインを担当する新米社員。 とある事がきっかけで上京し、漫画家のアシスタントとして出直すことになる。  鳥取出身で漫画家という設定が自伝的とも言える物語ですが、それを抜きにしても熱くなれるものがあります。  ストーリーと人物描写が凄く良く、思わず感情移入してしまうハートウォームなコミック単行本。

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「陽だまりの彼女」 越谷オサム 新潮文庫
新入社員の僕が、初めて取引する会社で応対に出た女性は、なんと幼なじみの彼女だった。 再会を機に、交際することになるが・・・ 純愛ものと思いきや、ミステリーでもあるしファンタジーでも・・・  はたまたSFでもあるのです。 遠い昔のノスタルジーを感じます。

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「プラスマイナスゼロ」 若竹七海 ポプラピアフル文庫
久し振りの架空の街「葉崎」シリーズの最新刊。 お嬢様で容姿端麗、成績抜群の「テンコ」、粗暴貧乏、腕力女の「ユーリ」、そして、身体、成績、容姿とも全国平均の「ミサキ」  この女子高校生の凸凹トリオが巻き起こす、どたばたコメディタッチのコージー・ミステリー。  学園内で起こる日常的な謎に性格も生活環境も異なる三人組が挑む。  とは言っても、ミステリー色は薄く、現代高校生女子の四季を描いた学園物として読んでも楽しいのでは。 

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「傍聞き」 長岡弘樹 双葉文庫
一押しです。 やはり「食わず嫌い」はいけませんね。 好きな作家ばかり追っかけていたら、めぐり合えなかった一冊です。 売れているとの情報に半信半疑で手を伸ばしましたが、「大正解!」でした。 ヒューマンでありミステリーであり、プロの職人(救急隊員、女性刑事、消防士、NPO法人)を題材とした短編小説です。 登場人物の不可解な行動の謎が一瞬にして氷解する時、思わず納得し心が揺さぶられる感動に。 限られた紙数の中に凝縮されたトリック、一切の無駄を省いた職人芸かと思います。 2012年「おすすめ文庫大国」国内ミステリー部門 第一位、「日本推理作家協会 短編部門賞」受賞! 是非、ご一読を!

以上、GWお奨めの「ベスト9」でした。 この中に貴方のお気に入りが必ずあります、どうぞ有意義な休暇でありますように。

いつもありがとうございます。
では、又♪

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コメント

 いつもいつもたくさんの本をかしていただいてありがとうございます。

 「傍聞き」は前から読みたいと思っていました。
「銀の匙」3巻と「冬の動物園」の3冊をかしていただけますでしょうか。

 「植物図鑑」はやはり鶴の恩返し的な話なのでしょうか。

 「テルマエ・ロマエ」はぶんぶんさんに本を貸していただいて読んでから、映画の公開を楽しみにしていました。
絶対に観るよ~。

投稿: しいか | 2012年4月28日 (土) 16時10分

 おすすめの「銀の匙」読みました。内容は結構面白いですが、なんか現実感が乏しくて主人公の立場がこれから確立していくにかなという感じですね。

 面白いといえば面白いのですが、…。

投稿: しのさん | 2012年4月28日 (土) 20時27分

しいかさん、こんばんは♪

「傍聞き」は良いですよ~(笑)
この本を「読書会」の紹介本にしようと思っています。
ですから、お渡しするのは発表後にして下さい。
例会に参加でしたら例会後にお渡しいたします。
後の2冊も持って行きます。
もし、不参加でしたら別の方法を考えます。

「植物図鑑」は甘々のラブストーリーです。
映画「めぐりり逢えたら」みたいに、ありえない出会いです。
旅の途中での「出会い」が恋に発展するという、いかにもな展開です。
でも、知らない世界が、それも身近な空間に存在するというエピソードがサンポリングと合致した感じがして、好きな作品です。
有川浩は、やはりストーリーテラーですね。
「図書館戦争」は好きになれませんが・・・

「テルマエ・ロマエ」観るでしょうね(笑)
主役が阿部寛だしね~

いつもありがとうございます。
では、又♪


投稿: ぶんぶん | 2012年4月28日 (土) 22時41分

しのさん、こんばんは♪

これは著者が北海道の牧場の娘で、実際に農業高校酪農科卒業という実体験に基づいたフィクションです。
ですから、「現実感が乏しくて」という表現は自分(読者)とのギャップがあるとの指摘なのでしょうね。
家畜としての「命」の有り難さを都会の子供たちに訴えるドラマかと思います。
200万部突破は伊達では無いと思いますが。

元々、進学校を蹴って農学校へというストーリーが、現実性を帯びていません。
しかし、そういうキャラを入れないと都会と田舎のギャップ、酪農農家の窮状を理解する能力のある主人公にはなりません。
しかも、少年誌です。
ギャグも青春も入れなければなりません。
良く出来た、お話しかと思いますが・・・

いつもありがとうございます。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2012年4月28日 (土) 22時55分

ぶんぶんさん こんにちは

GWに突入ですね♪
一気に暑くなりましたね~
関西は初日30℃の真夏日でしたよ
GW前夜祭で飲みすぎ
自転車で思いっきりこけて体中打撲(あはは~
そのせいかどうなのか??
発熱してしまってゴロゴロ過ごした2日間でした
今日は予約の美容院へ行ったもののお天気下り坂
私は暦どうりのお休み、明日、明後日と出勤です
3日から雪のアルペンルートに行くの
GW・・ゆっくり本読めそうにないわぁ~
でもぶんぶんさん一押しの「傍聞き」φ(..)メモメモ
「テルマエ・ロマエ」上映されてますね!
本じゃなく映画で見てしまいそうよ(笑

いつもたくさんの本の紹介ありがとう
後半のGWは楽しまなくちゃネッ(^_-)-☆


投稿: kei | 2012年4月30日 (月) 16時37分

keiさん、こんばんは♪

GWの前半、私もサンポリング無しの3日間になってしまいました(笑)
はっきりしないお天気もそうなんですが、本が気になって・・・

1日目は、気になっていた本を探しに郊外の古本屋にミニミニサンポリング。

2日目は、溜まって足の踏み場も無い、本の整理をして駅前の古本屋に処分して1日が終わり。

本日は、溜まりに溜まった(買い込んでもいるのですが)本を少しづつ読んで、そろそろ近づいて来たアクセス記念の画を描いたりで、もうこんな時間になってしまいました(笑)

私も明日は出勤です、明後日は休みを取りました。
藤の花の季節なのですが、今年は満開が遅いとの情報に、連休後半に行こうと思っています。

連休後半、お天気が崩れそうですが、晴れてくれると良いですね。
たまたま、3年前のGW木曽路行の記事を見させていただいておりました。
偶然ですね、戻ったらkeiさんのコメントが着いていました。

いつもありがとうございます。
足は大丈夫? 全身打撲も?
ともあれ、連休後半も楽しもうね。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2012年4月30日 (月) 18時32分

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