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2012年1月25日 (水)

読書の愉しみ♪  懐かしの作家編

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「一ノ関 圭」という漫画家をご存知ですか。
雨降りと凍えるような寒さに「自宅待機」を余儀なくされた先日の日曜日。
ふと、本棚に目をやると・・・昔、読んだコミックスが手招きをしているようで、抜き出してパラパラとめくってみた。

一ノ関 圭 1950年生まれ、秋田県大館市出身の女性漫画家。 東京藝術大学美術学科卒、1975年在学中に描いた「ランプの下」が第14回ビッグコミッ賞を受賞。 ちなみに、ビッグコミック賞の入選者は1968年から始まり1977年の終了までに、彼女と戸峰美太郎氏の二人しか入選していません。
佳作には、
西岸良平、諸星大二郎、わたせ青三(せいぞう)、谷口ジロー、弘兼憲史など、錚々たる名前が並んでいます。
受賞以後、1982年までビッグコミック誌に作品を発表。 1982年から2002年の間、単発で作品を何点か発表し、2003年ビッグコミックの増刊誌に「鼻紙写楽」を本格掲載するも、2009年同誌の休刊に伴い、未完のまま現在に至る。

彼女の唯一出版されたコミックス(他に形態、収録作品を変えた叢書、文庫あり)を、懐かしさと共にご紹介いたします。

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「ランプの下」 1980年6月1日・初版 ビッグコミックス(小学館)発行
【収録作品】 らんぷの下/だんぶりの家/女傑往来/すがの幸福/ドライフラワー
表題作の「ランプの下」、明治42年、一向に芽が出ない若き画家と今売出し中の「青木繁」の元恋人との生活と絵に掛ける情熱と挫折を描く。 若干25歳の若さでこの人生観と表現力に当時は大変驚いたものです。 続く「だんぶりの家」 東京で結婚の夢に破れ、父の実家の山あいの寒村に身を寄せるも、農家の貧困を間近に見て教育の必要性を感じ、再び上京して教員の道を目指す女性を描く。など、明治、大正、昭和初期の女性の生き方を活写した傑作短編集。

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「裸のお百」 1980年7月1日・初版 ビッグコミックス(小学館)発行
収録作品】 裸のお百/寒雷/女傑走る/縦走路/黒まんとの死
続く第2弾、表題作の「裸のお百」は明治27年フランスから帰国した黒田清輝は、近代絵画にヌードデッサンは絶対必要との考えでヌードモデルを探していた。 裸の商売をしている廓の女郎にも逃げられ途方に暮れる。そんな時、黒田の絵画塾に現れた素人娘の「お百」、当時は人前で裸を見せるという習慣は無い、現代でも一般的では無いが。 持ち前の利かん気でモデルを務めるが・・・
現代絵画の黎明期と絵に掛ける男女の機微を見事なまでに描き切った秀作です。 「女傑走る」は、第1集に収録された女医を目指す豪放磊落な女性を描く「女傑往来」の女史が念願の女医になってからの活躍をミステリー仕立てに描く好短編です。
ますます、絵が達者になり筆遣いも流麗な作品集です。

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「茶箱広重」 1983年4月1日・初版 ビッグコミックス(小学館)発行
【収録作品】 茶箱広重/俺が愛した女/陽炎街
表題作は二代目広重を継ぐ重宜が名籍を汚さぬ様、先代の家族や弟子たちの関係に気を遣い、果ては内弟子の「寅吉」に先代の娘で女房の「おかや」を取られ、「二代目広重」を名乗られ、生涯それを通されてしまう。 世間では茶箱に一代目ゆずりの見事な蒔絵を描く二代目の事を「茶箱広重」と呼んで区別した。 その茶箱が輸出され西洋の印象派の画家たちに影響を与え、収集家は茶箱から剝がして保存した。 これが西洋の浮世絵収集の始まりである。
他、二編を収録した最後の短編集である。

どうか、未完で止まっている「鼻紙写楽」の続きを読みたいものです。 ビッグコミックに発表の場が無いのでしょうか、作者が作品への情熱を棄ててしまったのでしょうか、どちらにしても残念な事である。

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今回のB.G.M.は、これまた懐かしの「ZARD」のベストアルバムです。 彼女も素晴らしい感性を持ちながら夭折されました。 もう新しい楽曲は望んでも無理と知りつつ・・・

いつもありがとうございます。
では、又♪

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コメント

ぶんぶんさん、こんばんは。
ぶんぶんさんの博識というか、守備範囲はどこまで広いのでしょうか(゜o゜)
残念ながら「一ノ関圭」さん、存じあげておりませんでした。
ここではいろいろなことを学ばせていただいてます。
今夜も冷え込んでいます。寒さはもう少し続くようですが、ぶんぶんさんはじめ皆さまもお風邪などひきませんようにご自愛くださいませませ。
地球はやはり冷えていくのでしょうか・・・。

投稿: MASAE | 2012年1月27日 (金) 22時05分

ま~ちゃん、こんばんは♪

ですよね~、「一ノ関 圭」ほんとに寡作な作家さん(女性)です。
発表した作品は限りなく少ないのです。
最近は歌舞伎とか児童書の絵も描いているみたいですが、どんな生活をなさっているのでしょうか。
歳周りは私と「おっつかっつ」ですから、幸せな結婚生活しておれるのでしょうか。
はたまた、マンガは余技で画家として成功しているのでしょうか。

ただ、ウイキペディアなんかを見ても現在の姿が見えません。
もうお歳ですので絵筆を棄ててしまったのでしょうか・・・
ストーリーも画も凄く達者な方ですので、機会があったらお手に取っていただきたいと思います

いつもありがとうございます。
冷え込む毎日です、どうか暖かくしてお過ごし下さい。

では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2012年1月28日 (土) 00時05分

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