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2011年9月17日 (土)

読書の愉しみ♪  秋の陽だまり編

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読書の秋です。 皆さん本を読んでますか、この頃は電車の中でも携帯でテレビを観ている方が多いですね。 与えられた情報を受動しているだけですと、脳が退化すると聞いた事があります。 本は想像力の宝庫です、脳内活性化のためにも、出来るだけ活字に接していただきたいと思います。 では最近読んだ本、印象に残った本をご紹介したいと思います。

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「銀二貫」 高田 郁・著 幻冬舎時代小説文庫・刊 
仇討ちで父を殺された鶴之輔を救ったのは、大阪天満の寒天問屋の主・和助。 その代償「銀ニ貫」小判で換算すると約三十両、大金である火事で焼けた天満宮の再建用に寄進するための大金だった。 松吉と名を改めて少年は丁稚として商人としての厳しい躾と生活に耐えて行く。 主の温情と仕事に対する熱意で成長していく松吉、周囲の人たちにも支えられ新商品の開発にも力が入る。 そんな矢先にまた大火が天満を襲う・・・ 同著者の好評シリーズ「みをつくし料理帖」にも通じる、料理と商人の世界を描く全一巻。

「ちょんまげぷりん」 荒木 源・著 小学館文庫・刊
2010年2月初版ですから、決して新しくない作品です。 私が最近手にしたというだけです。 映画になったのも知っていたしDVDにもなってます、でも観ていませんでした。 表紙カバーの「上條淳士」のイラストに惹かれたのかもしれません。 しかし、読んでびっくり、ギャグ物かと思ってましたが、正当ヒューマンドラマです。 お話しは江戸時代の侍が現代の東京にタイムスリップ、現代の日本人が忘れてしまったものを呼び起こしてくれる、そんなお話しです。

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「しずく」 西 加奈子・著 光文社文庫・刊
最近「西加奈子」の本が続いている、先月も「窓の魚」を読んだし・・・ 一番最初に読んだのは「さくら」だった、次が「通天閣」それから4年くらい経ってるな。 本書も面白い、随所に著者の目配りが行き届いている短編が6つ入っています。 恋人の娘を預かった編集者、お互いの連れ子(連れ猫メス)から見た恋人同士の同居生活、豪邸を貸し出した初老の未亡人と借主の若い女流小説家の語る赤裸々な話など、女同士なら理解できると綴る「女ふたり」の温ったか物語。

ぬばたま」 あさのあつこ・著 新潮文庫・刊
あさのあつこの大人向け幻想ホラー作品。 山に込められた魔力に取りつかれた男女を描く連作短編集。ぬばたまとは「暗い」「夜」とか「黒い」に使われる枕詞。 語源は「ヒオウギ」マメ科の植物の黒い実のことを「ぬばたま」といいます。 人間の業の深さが山によって増幅されていく、心の深遠を描き切った現代版「遠野物語」 ラストの語り部による「どんでん返し」が、一番怖いかも知れません・・・

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野田ともうします」(1) 柘植 文・著 講談社・刊
野田さんは、埼玉県にある東京平成大学の文学部ロシア学科に通う女子大生です。 独特なキャラクターの彼女は、しばしば周囲から「浮いた存在」になってしまいます。 でも、そのユニークな考えはサークルの仲間やアルバイト先のファミリーレストランの仲間たちにも愛されています。 超ポジティブ、好奇心旺盛、空気が読めない、そんな野田ワールトが却って新鮮に見えてきたら、あなたも野田さんの虜になってしまいます。 NHKワンセグ2にてドラマ化もされた「地味女子ライフ」を描く傑作コミックシリーズ。 

高梨さん」 太田 基之・著 小学館・刊
正統派中年主婦・高梨さんが繰り広げるハートウォームな世界。 世話好き、料理上手で一生懸命、携帯はいじれず、爬虫類が苦手、カラオケは好きだが周囲には念仏にしか聞こえない、ほんと「隣のおばさん」的な高梨さん。 漫画家のアシスタントやペット探し、果ては「宇宙人」との遭遇も・・・そんな高梨さんの活躍を描く、笑いとペーソスに包まれたコミックス。 ある意味、前出の「野田さん」と相通じる世界です。

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ジゼル・アラン」 笠井 スイ・著 エンターブレイン・刊
時は20世紀前半、ヨーロッパを舞台にした「お嬢様何でも屋」の物語。 世間知らずのお嬢様が大家を営むアパートの住人の一人を相棒に「何でも屋」を開業したから大騒ぎ。 世の中の事は判らないが、好奇心旺盛で、身に付けた語学、教養を武器に西に東へと飛び回る。 お嬢さんながら何とか人の役に立ちたいと奮闘するジゼルの熱意が心を打つ、先が楽しみなコミックシリーズ。

世界の終わりの魔法使い」 西島 大介・著 河出書房新社・刊
科学が滅んだ魔法使いの村、何故か魔法が使えず科学で空を飛ぼうとする少年「ムギ」。 ひょんなことから知り合った魔法使いの少女「サン・フェアリー・アン」と共に「世界の終わり」と闘うはめに・・・ 勇気と愛と切なさと、西島ワールド全開の不思議コミックス。 全三部作の第一巻ですが、続く二巻、三巻が未読のため出会いのプロローグしか判りませんが、何となく次巻へ希望を持たせるお話しです。

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この度はご愁傷様です」 宮本 福助・著 講談社・刊
「遺産分配はダーツで決めろ」そう言って父は逝った。 訳が判らず遺品を整理する子供(中年)とその孫。 ある書き込みを見つけ、辿って行くと「父のビデオ」が、その中で父は一億円の遺産がある、それはダーツで分配を決めろと言っていた。 貧乏生活の父に一億もの財産が? それに父の職業って判らないまま暮らしてきた。 弁護士に確認すると「遺言状」があるという、家族全員外れたら、遺産は福祉施設に寄付するとの事。 かくしてタワシのスペースが沢山あるダーツが出されて・・・人生の何たるか、男の夢とは、登場人物全員が一生懸命に生きている、しかし傍で見ている読者には滑稽に写ってしまう。 この喜劇(コミック)は奥が深い、ちなみに作者の福助氏は女性とか・・・是非、ご一読を。

姉の結婚」 西 炯子・著 小学館・刊
「結婚とか、恋愛とかは、もういいや・・・」 そう思い女一人で生きるため故郷に帰って来たアラフォーの彼女、そんな姉を心配する妹。 勤務先の図書館で出会った超イケメン・超強引な男との出会いが運命を変えることに・・・ 同じ著者の「娚の一生」を髣髴させるスタートだが、まだまだ予断を許さない展開になりそう。 果たして著者の着地点はどこに落ち着く事やら・・・ 大人の不器用恋愛マニュアルコミックス、堂々の発進です。

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ふらり。」 谷口 ジロー・著 講談社・刊
時は江戸時代、江戸の町並みをふらりふらりと歩く男。 隠居をして優雅に散策しているようにも見えるが、近づくと一歩一歩数えながら歩いています。 一歩=二尺三寸=70cm ある時は「鳶」の目で、又ある時は「猫」の視線で、江戸の自然を眺めつつ男の視線は遙か彼方、遠く蝦夷地を追っていた。 同著者の「歩くひと」「散歩もの」「孤独のグルメ」に通ずる自然人間観察コミック。 話自体が地味なので2年間かけて原稿を完成させてから出版社に声をかけたとか。 著者一流のこだわりと作品への姿勢を感じるエピソードかと思います。 近頃、続編の思いも発表されました。 ちなみに「いつ頃連載開始か」との質問に、2年から3年後と答えていました。 またひとつの物語を完成させてから、一話ずつ雑誌に連載されることになりそうです。 今度の舞台は明治になりそう、そして大正、昭和と続く構想とか・・・いやはや次回作が待ち遠しいですね。

以上、「秋の陽だまり」もしくは、「秋の夜長」の読書編でした。 サンポリングを期待された方には申し訳ございませんでした。 次回は「サンポリング・彼岸花編」で、お目に掛かりたいと思います。

いつもありがとうございます。

では、又♪

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コメント

ぶんぶんさん、お久しぶりです。大阪は今日は一日ムシムシした雨でした。さて、季節はもう読書の秋ですね。ご紹介のあった本..どれも読んだことのないものばかりでした。このところ韓国語の翻訳の勉強をしていますが、韓国語もさることながら私は日本語のボキャブラリ-が完全に不足で翻訳以前の問題で完全に煮詰まっています。解消法はひたすら読書あるのみ...ご紹介いただいた本をメモって本屋へ行ってみます^^

投稿: アイスド-ル | 2011年9月17日 (土) 22時35分

わ、わ、「アイスドール」さんだ!
こんばんは♪
そしてお久しぶりです。

keiさん、見てますか〜
嬉しいよね、旧友再会ですよ。

韓国語、ずっと勉強されてましたよね。
その節は「韓国焼酎」をありがとうございました。

ずっと、気になっていたんですよ。
「過去ログ」発表、そしてアイスさんの再訪、果たして偶然でしょうか。

「みっちょん」さんは音信不通ですが、更紗さんは遊びに来てくれてます。
きっと、ご覧いただいておられると思います。

今日は最高の日です。
アイスドールさん、ありがとうございました。
胸ドキドキで・・・

では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2011年9月17日 (土) 23時48分

ぶんぶんさん おはようございます

今回もたくさん本の紹介ありがとうございます
いつもながら、とても詳しい説明に
どれも読んでみたい気になってしまいます

過去ログの懐かしの・・
コメント欄にアイスちゃんやみちょんさんの名前見つけて
そして更紗さんがHNにまきさんを使ってるときだったんだと
とても懐かしく読ませて頂いていました

はじめてのオフ会でもご一緒だったアイスちゃん♪
今回の再訪は・・もしかして?
またお会いしたいですね~~  o(*^▽^*)o

彼岸花 咲き始めましたね☆
昨日の大雨が嘘のように青空が広がった快晴ですが
今日も暑くなりそうな大阪です 

投稿: kei | 2011年9月18日 (日) 09時49分

Keiさん、本当に本当にお久しぶりです。お元気でしたか?
ぶんぶんさんのおかげでまたお会いできました。
オフ会懐かしいです..。

投稿: アイスド-ル | 2011年9月18日 (日) 17時52分

keiさん、こんばんは♪

本の紹介、ほんとは「読書の秋」にふさわしい文学的なものを
選べば良いのかも知れませんが、何しろ一年中エンターティ
ンメントばかり読んでいますもので・・・(笑)
でも、意外と「心の琴線」に響きますよ。

「過去ログ」・・・
懐かしいですね、4年も前のものです。
コメントも、あの時代を投影してますね。
現在も「お客様」なのは、keiさんと更紗さん(当時は、まきさん)
のみとなってしまいました(淋)

想い出話を綴っていたら、愛しの「アイスドール」さんが、再訪
してくれました。
ほんと、懐かしいし、嬉しいですね。

「彼岸花」の顛末はブログにてご確認くださいませ(笑)
いつもありがとうございます。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2011年9月18日 (日) 17時53分

アイスドールさん、こんばんは♪

Keiさんに返コメしてたら、アイスさんもご挨拶したところでした。
時間もほぼ同じです。
また、観ていただいてありがとうございます。

オフ会、楽しかったよね。
実は・・・
また、メールします。

いつもありがとうございます。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2011年9月18日 (日) 18時01分

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