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2011年9月24日 (土)

木枯らし紋次郎、再び♪  岩田専太郎の世界

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以前に、「時代小説の愉しみ」として、紋次郎の世界をご紹介しました。 今回は「挿し絵」に重点を置いて、初期の紋次郎の世界をお伝えしたいと思います。 ちなみに、独自の紋次郎の世界を構築されている「お夕さん」のブログ「紋次郎気質」 http://kogarashi1940.blog10.fc2.com/ に、いつもお邪魔をしておりますが、気の利いたコメントも残せず「急ぎ旅」をかけている私からのオマージュでもあります。

一作目の「赦免花は散った」挿し絵は無く、カバーと中扉のイラストのみです。 表紙カバーの紋次郎の背景の楕円、三度笠の縁と気が付くまで大分かかった記憶があります(笑)

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これが、中扉のイラストです。 これでは少し淋しいので収録作品名を列記しておきます。
「赦免花は散った」「流れ舟は帰らず」「湯煙に月は砕けた」「童唄を雨に流せ」「水神祭りに死を呼んだ」

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続く第二作「女人講の闇を裂く」 この巻からカバー裏表紙にイラストが入ります。

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中扉とカバー裏表紙のイラストです。 同じく収録作を、
「女人講の闇を裂く」「一里塚に風を断つ」「川留めの水は濁った」「大江戸の夜を走れ」「土煙に絵馬が舞う」

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好調の第3弾「六地蔵の影を斬る」 表紙カバー、原画は「女人講の闇を裂く」収録の「土煙に絵馬が舞う」より。 木枯らしの中に佇む紋次郎の孤独感が見事に表現されています。

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中扉と収録作「噂の木枯らし紋次郎」の挿し絵、この巻より収録作品に挿し絵が入るようになりました。 本文内ですので密着したスキャンが出来ませんので、お見苦しい点はご容赦下さい。 まだ本をバラしてまでのスキャンは考えておりません、どうぞお許しを(笑)

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こちらも収録作より「木枯らしの音に消えた」「雪灯籠に血が燃えた」の挿し絵です。 さすが美人画の大家の筆ですね、去りゆく紋次郎と残された女の表情が見事です。 また着物の描き方が素敵です。

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カバー裏表紙のイラスト、河原に立つ紋次郎。 目の前の死体と川向こうの二人連れ、ストーリー性を感じさせる一枚ですね。

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「暁の追分に立つ」の表紙カバー、三度笠と合羽の影が焼けるような日差しを表しています。 意思の強そうな口元が印象的です。

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同じイラストですが、左が中扉、右が収録の「無縁仏に明日を見た」の中の挿し絵です。

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「暁の追分に立つ」「女郎蜘蛛が泥に這う」からのカットです。 やたら扇情的な大胆なアングルです、紋次郎の世界ではこういうシーンも多いですね(笑)

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「水車は夕映えに軋んだ」のカットと、裏表紙カバーのイラスト。 旅烏のスタイルと緊張感のあるレイアウトがバランスよく描かれています。

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押しも押されもしない第5弾、「夜泣き石は霧に濡れた」の表紙カバー」 雪の九十九里浜を行く渡世人の姿をオーバーラップさせています。 岩田専太郎氏は紋次郎の左頬の傷跡を強く表現しなかったようです。

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中扉と収録作より「獣道に涙を棄てた」 女体の群れと紋次郎、世間に背を向けた無宿渡世の哀切感がひしひしと伝わります。

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「馬子唄に命を托した」「海鳴りに運命を聞いた」 深手を負った紋次郎、追っ手が迫るその中で、馬子の「お政」に命を托す峠越え。
吹き付ける雪の房州九十九里、轟く海鳴りに先無き道の、己の運命を背中に聞いた。

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「夜泣き石は霧に濡れた」のカットと、裏表紙のイラスト。 上州利根郡に夜な夜な赤子の泣き声が聞こえる石があった。 たまたま通りかかった紋次郎、身に覚えのない恨みの末に、遂に長脇差を抜く羽目に・・・ 怒りの白刃が夜泣き石の謎を解く。

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「怨念坂を蛍が越えた」表紙カバー。 背景の浪人は「怨念坂~」の浪人だが、紋次郎は前出の「六地蔵の影を斬る」収録作、「噂の木枯らし紋次郎」の挿し絵より部分アップです。 細い線が飛んでしまっているのが残念です。

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扉絵と収録作品
「明鴉に死地を射た」の挿し絵。

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「錦絵は十五夜に泣いた」で、まるで真昼のような満月の光の中を行く紋次郎。 「怨念坂を蛍が越えたより、怨念坂で命を落とす上州無宿「蛍の源吉」の挿し絵。 ちなみに扉絵も「錦絵は十五夜に泣いた」の挿し絵。

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「上州新田郡三日月村」で雷に打たれた紋次郎。 たまたま通りかかった故郷で危難に合う、二十年ぶりの故郷は盗賊「泥亀の喜三郎」の襲撃に恐れおののいていた。 紋次郎は名主らから救いを求められるが・・・ カバー裏表紙のイラスト 初出は「土煙に絵馬が舞う」の挿し絵です。 収録作品には「駆入寺に道は果てた」がありますが、残念ながら挿し絵は無しです。

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第一期シリーズ最終巻
「笛が流れた雁坂峠」 この巻の絵師は「野口昻明」氏。 翌年の1974年2月に岩田専太郎氏が72歳で亡くなっておられますので、雑誌の挿し絵はなされておられなかったと推察します。 ということで、表紙カバーと中扉のイラストのみとなります。 ちなみに収録作品は表題作の「笛が流れた雁坂峠」「冥土の花嫁を討て」「唄を数えた鳴神峠」です。 最終話の鳴神峠で、作者は紋次郎の死を予感させるラストシーンを用意するが、読者の要望の強さに後年「木枯らしは三度吹く」で、颯爽と復活する。

その後のシリーズも全て読みましたが、原本は手元に残っていません。 唯一最終シリーズの「帰って来た紋次郎」(新潮文庫版)のみ手元にあります。 このシリーズの「堂 昌一」氏の挿し絵も素晴らしいのですが、それは後日としたいと思います。

これより、おまけ版です(笑) 笹沢左保氏作品の時代コミックスを何点か紹介して、この稿を終わりたいと思います。

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先ずは、「木枯らし紋次郎」 小島剛夕氏の劇画です。 収録作は「赦免花は散った」「湯煙に月は砕けた」「女人講の闇を裂く」「川留の水は濁った」の4編です。 剛夕氏と言えば「子連れ狼」が有名ですが、氏の描く紋次郎も死生観は共通しているようです。 生身の紋次郎という感じです。 ちなみに同じ剛夕氏と小池一夫氏のコンビで描く、首切り役人・山田浅衛門のエピソードを描く「首切り朝」がお気に入りです。 そのご紹介は機会があればいずれ致したいと思います。初出は1973年/芸文社・刊を2003年にリイド社より復刊。

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剛夕氏特有の哀愁を含んだ殺陣回りが心に残ります。

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原作「狂女が唄う信州路」より「丈八しぐれ」 些細な経緯から堅気の女性の片腕を落としてしまった「信州無宿の丈八」 以来、長脇差を生涯抜かぬと誓いを立てて、鉄輪と鉄鐺で固めた木刀を腰に落としての街道暮らし。 人呼んで「抜かずの丈八」、抜かぬと決めた長脇差を、なんの因果で抜く羽目に・・・ 気鋭・真崎守が股旅物に挑んだ意欲作。 刊行は1972年。朝日ソノラマ・刊

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真崎守氏の迫力ある殺陣がページいっぱいに広がります。

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原作「潮来の伊太郎」より「狼に孤独をみた」 ご存知、潮来の伊太郎を笹沢氏が新解釈のもとシリーズ化。 「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじ氏が劇画化に挑む異色作。 1975年から76年にかけて「漫画タイムス」に連載されたものを完全復刻。 愛しの「お袖」を探し求めて修羅の道、今日を生きる伊太郎の明日は晴れるか血の雨か。 2007年に宙出版よりコミック文庫・全3巻で堂々復活。

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かわぐち氏独自のムード漂う時代劇の決定版です。

最後におまけのおまけ、紋次郎と言えば「小室等」と「上條恒彦」の「誰かが風の中で」がテーマソングですが、スポンサーである「黄桜酒造」のCMソングを芥川隆行が作詞した「木枯紋次郎」が演歌調で隠れファンも多いのです。http://www.youtube.com/watch?v=XHscXUCONM8&feature=related

ついでに、元歌もhttp://www.youtube.com/watch?v=cLauOTBeZBk&feature=related

日本酒ついでに「大関酒造」のCMソング「酒は大関こころいき」加藤登紀子http://www.youtube.com/watch?v=3tPeLqCB6SA&feature=related

こうなりゃ、こちらも「菊正宗」CMソング「初めての街で」西田佐知子http://www.youtube.com/watch?v=8jezeTivot4&feature=related

以上、最後がぐずぐすですが、「木枯らし紋次郎の世界」でした。

いつもありがとうございます。

では、又♪

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アート」カテゴリの記事

コメント

最後のぶんぶんさんのアートが一番よかったです。
紋次郎の世界は、どうも私の食わず嫌いという感じです。ただ上州新田郡に行ったときにここが「木枯らし紋次郎」のふる里だよ!なんてことを聞きました。

時代小説に挑戦しようと思うのですがとっつきが悪くいつも逃げています。宮部みゆきぐらいが限界です。

せっかくのご紹介に大したコメント書けず申し訳ありません。コアな世界にもきっと素晴らしい哲学が隠れているのでしょうか?

投稿: 本屋のオバさん | 2011年9月24日 (土) 19時16分

オバさん、こんばんは♪

早速のコメントありがとうございます。
女性で「時代小説好き」という方は少ないですね。
戦国武将が好きな「歴女」なる方たちはおられるようですが。
ただ、高田 郁の「みをつくし」シリーズ(ハルキ文庫)、などから
女性のファンも多くなって来たみたいです。

宮部の「ぼんくら」などが好きなら、オバさんも手に取ってみて
は如何ですか。
必ず泣けると、新作を待っておられる方が多いです。

紋次郎は時代小説(股旅物)に、ミステリーを融合したのが新
鮮でしたね。
私もご多分に漏れず、テレビの紋次郎を観て書店に走った口です(笑)
単行本を待ちきれず、連載されていた「月刊小説現代」を発売
日に買いました。
その頃でも「月刊小説誌」を読むのは「入院患者」くらいしか
いなかったと思いますので、本屋のオヤジさんに「長い入院
ですね」なんて言われながら買っていました(笑)

時代的に「ディスカバー・ジャパン」の風潮も股旅物の後押しを
したのでは、とも思っています。
旅情と人間関係と意外な犯人、現代の西村京太郎トラベルシ
リーズと似ているかも知れませんね。

いつもありがとうございます。
今日は、流れ流れて「伊奈のバラ園」などサンポリングして来
ました。
その顛末は次回にてご紹介を致します。
では、又♪


投稿: ぶんぶん | 2011年9月24日 (土) 21時17分

ぶんぶんさん、こんにちわ。

暑さとなでしこフィバーに沸いた夏も終わり、朝晩は秋めいてきました。サッカーは好きで1998年サッカーW杯最終予選以来の中田ヒデ氏のファンでして、イタリアセリエA・ペルージャ時代のレプリカユニが宝物だったりします。

お夕さんの所でも書きましたが、最近の「なでしこフィーバー」は1972年当時の木枯し紋次郎フィーバーと重なります。日本中の老若男女を問わず誰もが、今まで知らなかった澤さん(彼女や荒川さんは北京オリンピックで結構有名ではありましたが)や宮間さんの事を知りたいと願っていますよね。ぶんぶんさんは如何感じられますか?

もうご存知かもしれませんが、大貫さんという装丁家さんのブログに「木枯し紋次郎」の挿絵の記事が出ています。↓ ご参考までに。

http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/searchdiary?word=%CC%DA%B8%CF%A4%B7%CC%E6%BC%A1%CF%BA


それから笹沢氏の公式HPが出来たそうです。

http://www.sakka-onsite.jp/sasazawasaho/

投稿: おみつ | 2011年9月28日 (水) 13時34分

ぶんぶんさま、こんばんは。

目を皿のようにして、拝見いたしました。
至福の時です。ありがとうございます。

遠い昔、目にしたさし絵を思い出しました。
特に岩田先生の作品に、慣れ親しんだ記憶があります。

さし絵がいささか扇情的で、中学生の女子にはちょっと刺激が強すぎたかもしれませんが、今でもドキドキします(笑)。

どのさし絵も構図が素晴らしく、特に余白の部分に乾いた空気感があり、絶妙です。

紋次郎の孤独と哀愁漂う風情に、涙が出そうになります。

私のお宝映像として、末永く楽しませていただきます。

本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

投稿: お夕 | 2011年9月28日 (水) 19時43分

おみつさま、こんばんは♪

「なでしこフィーバー」凄いですね。
私はスポーツはあまり得意ではないのですが、女子サッカー
や、男子サッカー、世界陸上等のビッグイベントは、やはり気に
なります。

澤穂希選手ほか、女子サッカーの事などは、まったく知りませ
んでした。
この度の世界制覇で一躍脚光を浴び、マスコミの露出度もアッ
プしました。
暗くしんどいニュースの多い中で、国民に光を与えてくれた「女
神たち」と思います。
今度の活躍に応援したい、いや、一緒に走って行きたいです。

装丁家さんのブログ・・・
はい、存じておりました。
堂 昌一さんの挿し絵に信奉しておられる方ですよね。
岩田専太郎さんの画も大好きみたいですね。
挿し絵の事を調べていて偶然サイトに出会いました。

笹沢左保氏の公式HPのご紹介、ありがとうございました。
早速、拝見させていただきました。
これからかと思いますが、もっと多岐に及んだ笹沢氏の世界を
拡充していただきたいと思います。
作品一覧、映像化一覧とか・・・

いつもありがとうございます。
新しい相棒の「噛みグセ」は治りましたか(笑)
久々に「おみつさま」とお話しが出来て嬉しかったです。
また、お立ち寄り下さいね。

では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2011年9月28日 (水) 22時14分

お夕さん、こんばんは♪

良かった、お目に止まりましたようで・・・
いつも「紋次郎気質」を拝見させていただき、原作と映像の比
較、お夕さん独自の解釈と感想、ロケ地への羨望など、紋次郎
への愛着たっぶりの表現に舌を巻いています。
ブログにも書きましたが、そんな世界を楽しませていただきな
がら、ろくなコメントも出来ず心苦しい次第です。
そんな、私からせめてものオマージュです。
気に入っていただけたら幸いです。

岩田専太郎画伯の、すっと抜けた線を描ける絵描きさんは皆
無ですね。
白と黒、遠近感とバランス、ほんとスマートですよね。
堂昌一氏も同じ流れかと思いますが、氏の画風はダイナミック
な荒々しさが感じられ、美人画とは違いますね。
岩田氏の画で「紋次郎の寂寞感」がひしひしと伝わった感がし
ます。

関わりあったら命がいくつあっても足りはしない、しかし、見過
ごしたのでは自分に言い訳が出来ない。
無宿渡世、はなから命は捨ててはいるが、敢えて差し出す命
でもなし・・・
ほんと、頼れるものは、ただひとつ、己の腕と腰の長脇差なん
ですね。

いつもありがとうございます。
お夕さんは関西人ですか、疑問を残しつつ・・・

では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2011年9月28日 (水) 22時45分

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