たまには読書を♪ 江戸情緒編
雨降りの週末、外に出られずこんな日は、好きな本を手元に置いて、しばしのあいだ「夢散歩」。 花のお江戸にふらりとお出掛け、恋と涙と笑いに意地に、熱い思いがほとばしる。
居眠り磐音 江戸双紙 紀伊の変
佐伯泰英・著 双葉文庫・刊
お馴染みの磐音のシリーズも、早36作目。 老中・田沼意次の討手を避けて和歌山の山峡の里に身を落ち着かせた磐音一行、待望の一子誕生の喜びもつかの間、またもや浮かび上がる「田沼の影」。 好漢・磐音の悪を断ち切る春風の剣が梅の香漂う紀州街道に舞う。
居眠り磐音 江戸双紙 読本
佐伯泰英・著 双葉文庫・刊
磐音のシリーズの世界をくまなく案内するガイドブック。 登場人物から舞台、小道具、活躍した場所の地図なども網羅、書下ろし番外編「跡継ぎ」も収録。
鎌倉河岸捕り物控 熱海湯けむり
佐伯泰英・著 ハルキ文庫・刊
金座裏の御用聞き宗五郎の二代目・政次と幼馴染の彦四郎、亮吉、しほ達の活躍を描くシリーズも10年目、最新刊18弾。 熱海と江戸に跨る事件の解明に政次が走る。
鎌倉河岸捕り物控 街歩き読本
佐伯泰英・著 ハルキ文庫・刊
政次たちの活躍した「江戸の街」の名店や名所を紹介するガイドブック。 地図を多用して現代と昔を対比する、東京巡りで江戸の情緒を感じる一冊。 本書を手に「鎌倉河岸」に出掛けてみませんか。
交代寄合伊那衆異聞 朝廷
佐伯泰英・著 講談社文庫・刊
幕末を舞台にした活劇編、諸外国の脅威と攘夷派の攻撃に加え、海洋の海賊、キリシタン検めなど、直参旗本・座光寺藤之助に降りかかる危難の連続。 明日の見えない時代に大きな望みを胸に突き進む海洋冒険浪漫時代小説。 早くも14巻登場。
忍びの国
和田 竜・著 新潮文庫・刊
「のぼうの城」の作者が贈る第二弾!百地三太夫率いる「伊賀忍軍」と伊賀攻めを図る織田信雄軍とのスリリングな駆け引きと、圧倒的な迫力の戦闘模様、若き日の石川五右衛門も登場する痛快忍者小説。 「天正伊賀の乱」を背景に全く新しい歴史小説に仕立て上げたエンターテインメントの幕開けを予感させる傑作です。
深川にゃんにゃん横丁
宇江佐真理・著 新潮文庫・刊
花のお江戸の深川は人情長屋のにゃんにゃん横丁。 名前の通り猫たちが今日もたくさん通ります。 ぶちや黒いの、茶色に白と、あくびをしながら人の世をじっと静かに見つめています。 雇われ大家の徳兵衛さんと、幼なじみの富蔵、おふよ 時には笑い、時には涙悲喜交々の人情喜劇。 出会いや別れ、親思い子思い、袖すりあうも・・・の人情が今日も長屋にあふれてる。
髪結い伊三次捕り物余話 我、言挙げず
宇江佐真理・著 文春文庫・刊
番方若同心になった不破龍之進は、伊三次らと共に江戸の街を奔走する。 伊三次、お文も33歳、息子の伊与太も大きくなった。 最初の「幻の声」の時25歳だった伊三次とお文。 一作ごとに歳を重ねるこのシリーズは時代と人を見つめるドラマでもある。若い頃の二人のやり取りと本書でのやり取りを比べると歴史を感じさせる小説になってます。 もっともっと続けて欲しいシリーズです。
続・泣きの銀次 晩鐘
宇江佐真理・著 講談社文庫・刊
十手を返上して10年、ふたたび「泣きの銀次」が帰って来た。 小間物屋の主人として細々と暮らしていた銀次は、ある日監禁されていた娘を助けるが。 巧妙な手口の「かどわかし」の犯人を追う銀次の活躍を描く復活第二弾、第三弾は時をおかず単行本が発売中。
雷桜
宇江佐真理・著 角川文庫・刊
なんとなく他の宇江佐作品と違う世界観なので、手を出さなかった作品です。 映画になっても興味が湧かず、なんで今頃かというと実は古本屋の100円ワゴンに並んでいたのです。 忍び難く買い求めましたが、いまだに未読です。 いずれ読む機会もあると思います、読後感はその折に・・・
いっちばん しゃばけシリーズ
畠中 恵・著 新潮文庫・刊
シリーズ第七作目、病弱な若旦那と、それを取り巻く「あやかし」たちとの交流と活躍を描くほのぼのシリーズです。 兄の結婚と親友の修行と相次いで仲良しが離れてしまい、なんとなく気落ち気味の若旦那。 なんとか元気にさせようと「あやかし」たちは奔走するが・・・ 若旦那の成長と「あやかし」たちの暴走を描く第七弾は、漫画家高橋留美子との相思相愛対談も収録。
しゃばけ読本
畠中 恵/柴田ゆう・著 新潮文庫・刊
オールカラー 秘蔵イラスト満載のしゃばけシリーズのナビゲートブック。 各巻の紹介からオンライン通販グッズまで、なんでもわかるファンブック。 作者・絵師の創作秘話や上橋菜穂子との対談、絵本「みぃつけた」も特別収録した一冊です。
風の市兵衛 月夜行
辻堂 魁・著 祥伝社文庫・刊
渡り用人・唐木市兵衛、通称「算盤侍」 今回の奉公先はお家騒動に揺れる姫君の護衛役。 この姫君がじゃじゃ馬で市兵衛と周りのものを翻弄させる、さすがの市兵衛もたじたじ・・・ 逃避行の末、月下に迫る刺客の群れに「風の剣」が舞い踊る、益々快調シリーズ第四弾!
夜叉萬同心 冥途の別れ橋
辻堂 魁・著 ベスト時代文庫・刊
やり手の隠密廻り同心・萬 七蔵、手荒い捜査方法に悪党からは「夜叉萬」と畏怖される。 今回は半年前から一家皆殺しという悪辣な手口の窃盗団「赤蜥蜴」を追う。
「風の市兵衛」シリーズから好きになった作者だが、又一つシリーズを増やしてしまった。 実はこの作者もう一つシリーズ物を書いているのだが、手に取るたびに逡巡してしまう。 もうこれ以上シリーズ物を増やすと読むのに追いつかないのだが・・・(笑)
光と闇の旅人Ⅰ 暗き夢に閉ざされた街
あさのあつこ・著 ポプラ文庫・刊
一作目は現代で「お江戸情緒」ではないのですが、ストーリーは時空を超えてやって来る妖魔「闇の蔵人」たちとの戦いに巻き込まれた超能力者一族の末裔の少女の覚醒と成長を描く第一作。 隔世遺伝で現れる超能力に翻弄されながらも敢然と立ち向かう主人公の女子高校生「結祈=ゆき」 仲間は曾祖母の「カナエ」御年百一歳、実は妖魔と闘い続けてきた超能力者、白猫の「おゆき」少女の思念を持つ超能力者 敵(中ボス)を倒した後、結祈に語りかける猫の「おゆき」、「あたしの生まれたのは両国橋の相生町というところ・・・」おゆきの話が始まった。
光と闇の旅人Ⅱ 時空の彼方へ
あさのあつこ・著 ポプラ文庫・刊
時代は変わって、江戸時代。 母と二人暮らしの少女「おゆき」の周りで不思議なことが続出する。 そんな時、不思議な能力の秘密を母から聞かされた少女は、敢然と「闇の蔵人」に戦いを挑む。 揺れ動く思春期の少女の心を妖魔との戦いに置き換えた青春小説と言っても良いだろう。 時代は変われども「娘心」はいつの世も同じと説く著者の眼差しが暖かい。 ジャンル的にはヤングアダルト作品だろう、しかし世代を超えて愛される「何か」を包み込んだ優しくてカッコ良い少女の活躍する時代小説になってます。
その後書かれるであろう著者の「時代小説」の芽はこの頃(初出時2005年9月)より有していたのかと納得しました。 物語の最後におゆきは「闇の蔵人」を追って、時空の穴に飛び込みます。 時空に空いた穴はぐんぐん小さくなっていく、人間の体では入れない・・・ 周りの景色がどんどん大きくなっていく、いや自分の体が小さくなったのだ時空の穴に合わせるように、白い小さなものに変身したおゆきは、小さな穴に向かって飛び込んだ。 第三巻に続くのだが、それはこれから書かれるであろう話です。
春話二十六夜 岐かれ路
坂東眞砂子・著 新潮文庫・刊
春画をモチーフにしたエロティックな短編小説、前巻にはモチーフとなったカラー口絵(春画)が十三葉、当然春話も十三話。 男の腕に抱きしめられ、唇が塞がれた。 吸い付かれた部分から、ぞくぞくするようなさざ波が掻き立てられ、女の全身へと広がっていく・・・ 艶やかな春画から匂い立つ濃密な官能、過激で明るい男女の営み。 春画を堪能しつつ江戸の褥に心を遊ばせる。 大らかなエロスを味わう魅惑の十三編。
春話二十六夜 月待ちの恋
坂東眞砂子・著 新潮文庫・刊
恋は欲望と混じりあい、昇りつめて果てても抱きあい、ふわふわと雲に乗る。 陽光のもとで、あるいは月待ちの夜に、性の歓びに酔いしれる江戸の男女の吐息から、物語が立ち現れる。 重なり合って燃え上がる官能の嵐、やがて愛へと昇華する欲望の成就も爽快なカラー春画・春話十三編を収録。 夜中に布団の中で寝酒ならぬ「寝本」として愛してほしい二冊です。
以上、雨の昼下がり「お江戸に遊ぶ」小説文庫、お気に入りはあったでしょうか。 読むのが追い付かず「未読」の本も多し、リクエストは「要相談」として下さい。
いつもありがとうございます。
では、又♪
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