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2010年12月30日 (木)

年末年始に読みたい本♪ 時代小説・文庫版

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「八朔の雪」 高田 郁・著 角川春樹事務所・刊
神田御台所町で江戸の人々に上方料理を出す「つる家」。 そこで腕を振るう若き料理人「澪」、その生い立ちと暖かく見守る周囲の人たちとの交流を描く「みをつくし料理帖」シリーズ第一弾。 何気なく手にとって作品世界に引き込まれてしまいました。 愛読シリーズが又ひとつ増えてしまったようです(笑) 澪の心根が胸を打つ、「泣きたい」時に是非、ご一読下さい。 ちなみに表題の「八朔」とは8月1日のこと、夏に雪とは・・・答えはどうぞ本文で。
「花散らしの雨」 高田 郁・著 角川春樹事務所・刊
連作短編「みをつくし料理帖」シリーズ第二弾です。 火付けに合い新しく店を開いた澪の奮闘を描く熱血編。 幼なじみが吉原の人気太夫、その友達が怪我をした。 何とか元気になって欲しいと澪が考えたこととは・・・
新しい登場人物も増え、ますます作品世界が広がりました。 1巻では書き忘れましたが、巻末に各話の料理のレシピを掲載しています。

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「想い雲」 高田 郁・著 角川春樹事務所・刊
相変わらず料理の工夫に余念の無い澪だが、心残りは大阪時代に奉公した店の若旦那。 行方知らずになって三年、店の再建を胸に前の雇い主であり若旦那の母と吉報を待つ澪に新情報が・・・ 新たなうねりをみせる好評料理時代小説「みをつくし料理帖」第三弾。

「千本雨傘」 澤田ふじ子・著 幻冬舎・
好漢・田村菊太郎の活躍を描く、「公事宿事件書留帳」も本書で16巻になりました。 今で言う「民事訴訟」のため奉行所に嘆願する人たちを泊めたり、嘆願内容の調査、調停、調書の作成をする、京都の公事宿「鯉屋」の居候であり同心組頭・銕蔵の義兄の菊太郎の愛と情けの人情裁き。 読むたびに「人という生きものも捨てたものではないな」と思わせてくれるシリーズです。

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「風の市兵衛」 辻堂 魁・著 祥伝社・刊
さすらいの渡り用人・唐木市兵衛の活躍を描く第一弾。 武家を捨て商家に修行した算盤侍の市兵衛、商いも知り、剣の腕前も免許皆伝。 そんな市兵衛の才覚と度胸の助っ人稼業の日々を描く人情剣戟時代小説。 ちなみに、私は第二巻を古本屋で見つけ、一読で好きになり一巻に戻り読みしました(笑) 出来ましたら一巻からお読みいただけたらと 思います。
「雷神」 辻堂 魁・著 祥伝社刊
風の市兵衛シリーズ・第二弾。 今回は内藤新宿の呉服屋の立ち退きに単を発した不正疑惑に渡り用人の市兵衛が秘策を練る。 読後に爽やかな風が吹くような痛快時代小説です。

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「あくじゃれ」 諸田玲子・著 文藝春秋・刊
カバー画は「深井 国」氏の色っぽい絵ですが、内容は一風変わった捕物帳です。 絶世の色男の瓢六がつまらぬことて゜伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。 瓢六の才覚と裏稼業に通じた目利きの腕を買われ、解き放ちを条件にお役目を強いられる。 不承不承お目付の同心と事件解決に乗り出す痛快捕物帳。

「こんちき」 諸田玲子・著 文藝春秋・
なんとか牢は抜け出せたが、やはり腐れ縁は切れなかった。 訳ありの親子を預かったり、瓦版を作ったり・・・ 北町同心・篠崎弥左衛門とともに難事件解決に知恵を絞る瓢六の活躍を描く、瓢六捕物帳、第二弾。

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最後は時代小説を離れて、楽しい文庫の紹介です。
「ぱんぷくりん」 宮部みゆき・文 黒鉄ヒロシ・絵 PHP研究所・刊
宮部と黒鉄のコンビで贈る、宝船、招き猫、鳥居、竜などの「縁起物」に纏わるかわいい物語が六篇入ったオールカラーの絵本です。 心がちょっぴり疲れたときに読むと、じんわりしあわせ気分が広がります。
「メロンパンの真実」 東鳩和子・著 講談社・刊
誰でも知ってる「メロンパン」 その成り立ちから製造のルーツ、果ては日本のパンの歴史、起源に迫る「メロンパン愛好者」必読の書(笑) 心がささくれた時はメロンパンと牛乳で、ほっとひと息ついて下さい。

いよいよ、明日は大晦日(おおつごもり)です。 明日から帰省やご旅行の方もおられると思います。 そんなあなたにひと足お先にご挨拶、今年一年拙ブログ「ぶんぶんの千夜一夜物語」(たぶん1001夜はとうに過ぎていると思いますが・・・ 笑)を応援していただきまして、有難うございました。
本年同様、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
来る年が皆様にとってより良い年でありますように。

明日、ご訪問いただける方には大晦日に、ご挨拶を繰り返すことと相成りますが、よろしくお願い致します。

いつもありがとうございます。

では、又♪

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築地の庭園に咲いた「寒木瓜」です。

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コメント

 年末年始に読みたい本時代劇・文庫本楽しく、興味深く拝見しました。

 最初に紹介されている「みをつくし料理帖シリーズ」興味があります。明日ブックオフにでも行って探してみようかなと思いました。

 ここしばらくYAの新しいのが出なくて(興味のないものは出ているのですが)前に読んだものを読み返していましたが、もう一つ気が乗らなくてやめてしまいました。

 池波正太郎の「剣客商売」を読み返していましたが、池波氏の文章はやはりいいですね。引き込まれてしまいます。

 今、「武田信玄」(新田次郎)を読み始めたところです。

 正月以降長い休みになりそうなので、じっくり読んでみたいと思います。

投稿: しのさん | 2010年12月30日 (木) 16時28分

しのさん、こんにちは♪

大晦日の昼下がり、いかがお過ごしですか。
「みをつくし料理帖シリーズ」にご興味を持っていただけたようで幸いです。
一話を読んでいただくと、新人さんとは思えない筆致でぐいぐい引き込まれてしまいます。
最新刊4巻も出ているのですが、ベンチ組(待機組)がいますので、私は3巻までしか手にしていません(笑)

池波正太郎、いいですよね。
簡潔な文章だけど季節感や食の有りがたさも、きっちり表現しています。
あのリズムで読む癖がついてしまうと、もたもたした文章の新参者のものは、じれったくなる程です(笑)

長い休暇になりますね。
人生のほんの一休みと腹を括って、のんびり養生して下さい。

いつもありがとうございます。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2010年12月31日 (金) 13時20分

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