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2010年10月30日 (土)

読書の愉しみ♪ 時代小説文庫・編

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読書週間です。 そして、今年は「読書年間」でもあります。 一年中「読書」の私には、特に思い入れもありませんが、最近読んだ本、これから読む本の中で「時代小説」を選んで、ご紹介いたします。

001

先ずは、大好きな「宇江佐真理」氏の作品から・・・

「夕映え」 上・下 

宇江佐真理 ハルキ文庫(角川春樹事務所) ・刊

舞台は、幕末の江戸・本所のおでんが評判の縄暖簾「福助」。 おかみの「おあき」、今は岡っ引きの亭主は、元蝦夷松前藩士の弘右衛門あらため「弘蔵」 多感な息子と娘を持ち日々の暮らしをまっとうしている。 鳥羽伏見の戦い、上野の山(彰義隊)の戦い、果ては会津・白虎隊、五稜郭へと戦が続く。 官軍の江戸入りに否応無く生活が脅かされる。 息子の良助は「彰義隊」に志願、「侍」への道を夢見ている。 娘の「おてい」はなさぬ仲の八百屋の跡取りとの恋に悩む・・・ 「福助」の家族を中心に周囲の連中も巻き込んで、大きく歴史が変わろうとする江戸から明治への2年間を、著者独特の慈愛に満ちた視点で庶民から見た歴史の哀歓を見事に描ききった長編傑作です。

002

「夢のなか」 

北原亞以子 新潮文庫・刊

「慶次郎縁側日記」シリーズの第10弾。 元・八丁堀同心で、今は隠居して根岸の寮番の森口慶次郎。 そんな慶次郎を取り巻く、岡っ引きや義理の息子の同心、心を寄せる料亭のおかみ、の周りに起こる理詰めじゃ解けない悲喜交々の人間関係を、慈愛でほぐす慶次郎。 人生は悲しみも多いけど、生きてて良かったという一瞬がある。 そんな気持ちにさせてくれるシリーズです。

「赤絵の桜」 

山本一力 文春文庫

「損料屋喜八郎始末控え」の第二弾。 損料屋とは、今で言う「レンタル業者」のことです。 上司の不始末の責任を取って同心を辞した、喜八郎は刀を捨てて「損料屋」を営むことに。 喜八郎は粋でいなせな江戸っ子気質、深川富岡八幡宮の本祭で寄進は、はずむが商売は別。 祭に使う鍋、釜の損料はきっちり取るが、中古を充てては神様に無礼と「新品」を揃える。 そんな喜八郎、表稼業と別に不正をたくらむ輩に店の手代や岡っ引き、と力を合わせて挑む。 山本一力の深川ワールドが心に沁みる好評シリーズです。

003

「冬日淡々」

佐伯泰英 幻冬舎時代小説文庫・刊

愛読書シリーズのひとつ(笑) 「酔いどれ小藤次留書シリーズ」です。 主君の恥を拭うため四藩の行列の先の「御槍」の穂先を頂戴するという、思いも寄らぬ戦法で四藩に戦いを挑む第一作「御槍拝借」から早や十四作目の本書。 倒した子連れ刺客から行く末を託された幼子の「駿太郎」も一人歩き出来るほど大きくなり、爺・小藤次との生活も大きく変わってきた。 今回は江戸町年寄の三河蔦屋に同道した「成田山新勝寺詣で」での小藤次の活躍を描く。

「品川の騒ぎ」

佐伯泰英 幻冬舎時代小説文庫・刊

「酔いどれ小藤次留書シリーズ」の登場人物・舞台・各話のあらすじ・著者インタビューなど盛り沢山のガイドブック付き、若き日の小藤次を描く中篇「青春篇」を収録。 愛読者も初心者も必携の書。

004

「紫房の十手」

佐伯泰英 ハルキ文庫(角川春樹事務所)・刊

こちらも同じく愛読シリーズ、「鎌倉河岸捕物控」の第17作目。 箱根に湯治に出かけた九代目宗五郎の留守を預かる、岡っ引き・金座裏十代目政次、折りしも大盗賊が大阪から江戸に潜入との知らせが届く。 箱根と江戸との連携プレーで大盗賊に戦いを挑む政次の活躍を描く迫力篇。 NHK土曜時代劇「まっつぐ」の原作シリーズ。

「鎌倉河岸捕物控 街歩き読本」

佐伯泰英 ハルキ文庫(角川春樹事務所)・刊

原作に登場する町や通りを巡りながら、江戸から続く名店、名所を紹介するガイドブック。 主要舞台を描いた「江戸名所図絵」、著者インタビューや橋と川にまつわるガイドツアーなど、鎌倉河岸にたっぷりつかれるファン待望の一冊です。

005

「尾張の夏」

佐伯泰英 双葉文庫・刊

これまた、愛読シリーズ「居眠り磐音江戸双紙」の三十四弾です。 思えば長いシリーズになりました。 脱藩から許婚を追う旅、うなぎ屋で日銭を稼ぎ、両替行司「今津屋」の用心棒、江戸の名門「佐々木道場」の養子・跡継ぎに・・・今は老中田沼に追われ尾張に潜伏、磐音に新たな出会いと対決が待っていた。

居眠り磐音江戸双紙 読本

佐伯泰英 双葉文庫・刊

「居眠り磐音江戸双紙」の世界を紹介したガイドブック。 本所・深川を中心とした「江戸地図」や目で見る長屋や尚武館道場などビジュアルも充実。 若き日の「おこん」さんと老分「由蔵」の邂逅を描く中編「跡継ぎ」も収録した魅力の一冊。

006

夏目影二郎「狩り」読本

佐伯泰英 光文社時代小説文庫・刊

これもシリーズ「夏目影二郎・始末旅」のガイドブック。 登場人物の紹介はもとより、旅した各地の名品・名湯など盛り沢山の影二郎ワールドを堪能できます。 若き日の影二郎を描く、中編「位の桃井に鬼が棲む」を収録。

佐伯泰英の愛読シリーズは、他に「吉原裏同心」(光文社時代小説文庫)と「密命」(祥伝社文庫)、「交代寄合伊那衆異聞」(講談社文庫)が、あります。 しかし、読み終わった物から古本屋に処分してしまうので(保管してると部屋が本で溢れてしまうため 笑) 画像が用意出来ません。 図書館で借りてまでの画像UPはいいですよね。

では、これからの時代小説文庫は「これから読む本」です。 ですから、内容の感想は書けません(笑) なんで手に取ったか、読んでみようと思ったのか、というスタンスでご紹介いたします。

007

「消えた人達」

北原亞以子 文春文庫・刊

第一作の爽太捕物帳「昨日の恋」に続く第二弾。 芝露月町のうなぎ屋の若旦那で十手持ちの爽太。 今回は幼なじみの女房の行方を追って爽太が、高崎、安中と「中山道」をひた走る。 若き爽太たちの活躍と江戸下町の哀歓を描く傑作長編です。  

「惻隠の灯」

井川香四郎 講談社文庫・刊

「梟与力吟味帳」シリーズ、第9弾の最新作。 闇に潜む悪に目を光らせ捕らえる「梟」と呼ばれる北町奉行所・吟味方与力「藤堂逸馬」、計算がめっぽう得意の勘定組頭「毛利八助」と、寺社奉行吟味物調役支配取次役「武田信三郎の幼なじみの三人が協力して悪を懲らしめる痛快時代小説。 NHK土曜時代劇「オトコマエ!」の原作シリーズ。

008

「死笛」

鳥羽亮 光文社時代小説文庫・刊

息子に家督を譲り、好きな釣りで隠居生活を楽しむ元目付「海野洋之介」に隠目付の命が下る。 甲源一刀流の達人・洋之介の活躍を描く「隠目付江戸日記」シリーズ第一弾。 鳥羽氏の作品はあまり読んでなく、「ももんじや」「ごろんぼう」共に朝日文庫、「介錯人・野晒唐十郎」祥伝社文庫を読んだくらいです。 弾むような軽快な筆致がグイグイと作品世界に引き込みます、今回も期待を裏切らないことと思います。

「雷神」

辻堂魁 祥伝社文庫・刊

前作「風の市兵衛」に続く第二弾。 ですが・・・  実は前作も読んでいません(笑) 本の帯に書評家「縄田一男が「一作目の二倍面白い!」とあったので、手を伸ばしました。 渡り用人・算盤侍「唐木市兵衛」の物語、果たして前作をも読みたくなる作品になるでしょうか、そして今月刊の第三作も手に入れようと熱中しますでしょうか、新たな出会いを感じつつ・・・

009

「八朔の雪」

高田郁 ハルキ文庫(角川春樹事務所)・刊

「みおつくし料理帳」シリーズの第一弾。 神田御台所町で江戸の人々には馴染みの無い「上方料理」を出す店の調理人「澪」の奮闘を描く人情物と解説にあります。 最新作は今年の9月に4巻目が出た書き下ろしシリーズです。 年二冊のペースは新人さんとしては早い方でしょう。 果たしてこの作品も愛読のラインアップに登るのでしょうか(笑) と、ここで奇妙な符合に気付きました。 先に紹介した「風の市兵衛」のカバー装画が同じ画家さんです。 「卯月みゆき」さんという版画チックな日本画を思わせる落ち着いた色使いの綺麗なカバー画です。 初めての作家さんに邂逅するのは、こんな偶然の出会いもあるのかも・・・ 多分電子書籍、通販の目的買いでは、決して繋がらない「本との縁(えにし)」を感じます。 何となく嬉しくなってしまいました。

以上、時代小説・文庫判の紹介でした。 この他にコミックや現代物、ミステリーなど、諸々のシリーズが愛読書にあるのですが、これから読む本にも「待機組」が控えています(笑) 果たしてこれ以上シリーズ物に手を染めて読書が追いつくでしょうか・・・毎日の読書時間は同じだというのに・・・ 「読書週間」に思います、「私にもっと時間を」(笑)  まあ、サンポリングや「お酒」を控えれば読書時間は増えるのですが、それも・・・  

いつもありがとうございます。

では、又♪

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コメント

「秋の読書週間」そして今年は「国民読書年」いろいろある時期ですね。

ぶんぶんさんの時代小説のラインアップすばらしいですね。

うちのダンナもほぼ同じ傾向の本を読破しています。
朝早く目が覚めるらしく歴史小説をコツコツ読んでいます。
私は、残念ながら食わず嫌いらしく歴史小説ほとんど読んでいません。トホホ

仕事柄書名や作家さんたちは、よく分かるのですが何分にも内容がいまいち分かりません。

若いかたは、今後電子書籍へと流れていくかもしれませんが中高年の皆様の期待に答えられるような品ぞろえ頑張ります。

どうぞ、休日ごゆっくり読書の時間をお過ごしくださいませ。

投稿: 本屋のオバさん | 2010年10月31日 (日) 10時31分

オバさん、こんにちは♪

有意義なリフレッシュ&還暦祝いのご旅行になりましたね。
普段、夜昼と無く働き尽くめのオバさんですもの、たまには
骨休めも必要です。

今年の読書週間の標語は「気がつけば、もう降りる駅。」
ですね。
通勤書斎の私には、正にぴったりです。
夢中になって降りるのを忘れ、乗り越しそうにな。ことも
しばしばです(笑)

先週の2連荘のお出掛けと台風と曇り空の影響で土日とも
自宅でゆっくりしました。
溜まっている細々した雑事を片付け、DVDや本を読んだり、
今後のサンポリングの計画を練ったり、ブログUPの材料を
仕込んだりと、こんな休日も悪くは無いですね。

めっきり冷え込んで参りました、油断して私のように風邪など
引かれませんように。
いつもありがとうございます。
では、又♪


投稿: ぶんぶん | 2010年10月31日 (日) 14時26分

こんにちわ^^v
本ヮ漫画 がメインの我が家ですが
・・ちゃきちゃん帰ってきました^^v
ホッと一息 ・・ です
私ヮ時代物好きです
身分制度 やらナンやら
いまの物語にヮナイ縛りがあるでしょ
まず そこがすきなんですけど
・・名前が覚えづらくて ・・
登場人物 このページが最後にわ擦り切れちゃうほどです^^v
ご心配お掛けいたしました
ありがとうございます

投稿: 台所のキフジン | 2010年10月31日 (日) 15時50分

キフジンさま、こんばんは♪

はい、私も漫画は大好物です(笑)
相変わらず、シリーズの続刊を買っているものが、かなりあります。

時代小説には、時間と距離がゆったりと流れているのが良いですね。
だいいち携帯電話が無いのがとても好きです(笑)
伝達は何日掛かっても口頭か手紙、そのまどろっこしいような時間とか、手渡しの温もりとか、ちょっと前まではそんな生活でしたよね。
家で電話しづらくて、外の公衆電話で寒さに震えて話をしたり、そんな思い出とオーバーラップします。

頼りの「ちゃきちゃん」無事ご帰還ですね。
これで、こちらもひと安心です。
それにしても、有名人とお知り合いとは羨ましい限りです。
ちゃきちゃんも、沢山旧交を温めたことでしょう。
キフジンさま、立派に家を守りましたね。
女を「なめたらあかんぜよ」ってね(笑)
今夜はゆっくりとお休み下さい。

いつもありがとうございます。
「北山杉」うめまつり など聴きながら
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2010年10月31日 (日) 22時24分

 時代小説いいですね。私も好きで読みますが、どうしても作家が偏ってしまって、そこから外に出られません。

 ぶんぶんさんのようにこだわっている作家も読みながら他のものにも目がいくようにしたいです。

 妻は妻で自分の好みがあるようで、それなりに読んでいるようです。

 そうそう、先日床下のシロアリ消毒の会社から点検に来た方と本の話しになり、「三国志は全部読んだ。他にお勧めはありますか」」といっていたので、池波正太郎を勧めておきました。読んだかどうかは当分分からないでしょう。

投稿: しのさん | 2010年11月 1日 (月) 21時43分

しのさん、こんばんは♪

その後、お体はいかがですか。
ご無理のないように、ご自愛くださいね。

本は時代小説はもとより、コミック、SF、ミステリーと、愛読シリーズが有るくせに、他にも眼が行ってしまいます。
カバーイラストで手にとってしまう事も、しばしばです。
ほんと、死ぬまでに読みきれるのか心配です(笑)
いや、ほんとの話・・・

話は、違うのですが、次回の「読書会」は、思うところがあって、欠席いたします。
しのさんは、出席の予定ですか?
返却予定の本があったら、次々回にお持ち下さるよう、お願い致します。

いつもありがとうございます。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2010年11月 1日 (月) 23時31分

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