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2010年4月17日 (土)

晴・行・雨読~ぶんぶん的読書のススメ~

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今日は「雨」との予報に家で本の紹介をと、考えて素材も用意しました。 しかし、外は明け方の雪→雨から一転して「ドピーカン」の青空です。 出掛けたいのを「我慢」して最近読んだ本のあれこれをご披露したいと思います。

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先ずは「必殺DVDマガジン-仕事人ファィル-」から、

仕事人ファィル① 必殺仕置人・中村主水

仕事人ファィル② 新・必殺仕事人・三味線屋 勇次

講談社 各1,500円(税込)

講談社から「必殺」のDVDマガジンシリーズが3月から刊行開始されました。 月一発売で全10巻(ファーストシーズン)の予定です。 必殺シリーズの仕事人の一人一人にスポットを当てて、一巻にその人物が活躍する話をDVDに2話収め、マガジンで「人となり」を紹介するという雑誌です。 このシリーズはテレビで再放送したり、映画版もあるのですが、全シリーズを観たり借りたり買ったりというのは、ちょっとキビシイという人と、メモリアルコレクションとして揃えたいという人には最適かと思います。 次回は、4月23日発売で仕事屋稼業から「知らぬ顔の半兵衛-緒方拳-」と仕事人から「飾り職人の秀-三田村邦彦」の予定です。 結局シリーズ完結までお付き合いすることになりそうです。

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「サムライ・ノングラータ」 矢作俊作・作/谷口ジロー・画

フリースタイル・刊 1,800円+税

パリを舞台に「個人商社」のホンゴーと「元フランス外人部隊大尉」のノリミズが活躍するユーモアとアクションとちょっぴりのお色気が交じる娯楽超大作。 二人に絡む「中国系ベトナム人ファッションモデル」虎姫(フーチー)の男勝りの行動がますます話を難しくてしてしまう。 A5判・450頁を越す超厚本 1990年初出・2009年10月復刻 

「ENEMIGO-エネミーゴ」 M.I.T.・作/谷口ジロー・作

光文社・刊 1,905円+税

巨大コンツェルンの若き総帥が中南米の反政府ゲリラのグループに誘拐される。 手を科招く企業から捜索と救出を依頼された「元私立探偵」の兄の孤独な活躍を描く冒険活劇漫画。 A5判・300頁 1985年初出・2007年12月復刻 カバー・口絵描下ろし、扉画ギラリーを収録の完全版。

両作品とも初出時に読んではいたのですが、ストーリーもボヤケてきた事と古本屋で各冊とも350円の値札が付いていたのが悲しくて買ってしまいました。 今は「センセイの鞄」等人生の機微を描く漫画家ですが、この時代のアメリカンハードボイルドタッチの画風も懐かしく、かつ魅力的です。 「事件屋稼業」という私立探偵・深町丈太郎の活躍するシリーズ(関川夏央・作)が同時代の代表作であり、好きなシリーズでした。

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「配達あかずきん」 大崎梢・作/久世番子・画

新書館(ウィング・コミックス)・刊 530円+税

原作は東京創元社発行の大崎梢の、成風堂書店を舞台に巻き起こる本を巡る事件に、しっかり者の書店員・杏子さんと勘の良い学生バイト・多絵ちゃんが謎を解き明かす本格書店ミステリ です。 「暴れん坊本屋さん」で書店の実態をコメディタッチで描いた久世番子が、こちらは真面目(?)にコミック化しています。 表題作を始め、新潮文庫の謎に挑む「パンダは囁く」や「あさきゆめみし」にからんだ糸を解きほぐす「標野にて 君が袖振る」など5編を収録。 近々第二弾「サイン会はいかが」が発行予定。

「クリスティー・ハイテンション ①」 新谷かおる・画

メディアファクトリー(MFコミックス)・刊 552円+税

同じ謎解きでも、こちらはイギリスの霧深き19世紀ロンドン・ベーカー街、いわずと知れたシャーロック・ホームズの物語・・・ではなく、ホームズが解いたとされる難事件の陰に姪のクリスティーあり。 新谷かおるが挑むホームズ物の新境地、ユーモア・アクション・ミステリコミックスの傑作。 伯爵令嬢クリスティーを護衛するメイドたちの型破りアクションも毎回の見せ場です。 ③卷まで入手。

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「娚(おとこ)の一生 ①」 西 炯子・画

小学館(フラワーコミックス アルファ)・刊 400円+税

東京の大手電気メーカーに勤める堂園つぐみは、長期休暇を祖母の家で過ごしていた。 そんなある日、入院中の祖母が亡くなってしまう。 しばらく祖母の家で暮らそうと決心するが、祖母から「離れ」の鍵を預かっているという男が現れる・・・  30歳のOLと50歳の大学教授の奇妙な同棲生活がゆる~いタッチで描かれる、 西 炯子のウイットが随所に散りばめられた大人の恋愛メルヘン・コミックス。 最近出版された③卷にて完結。

「亀の鳴く声」 西 炯子・画 

小学館(フラワーコミックス アルファ)・刊 400円+税

娚(おとこ)の一生より、こちらがお奨めという声もあり、読んでみました。 物語は漫画家志望の地方公務員の市役所職員と美少女高校生がファミレスで出会い、あれよあれよと言う間に出版社に原稿持ち込み、連載されることに。 ところが出版社は少女マンガなので高校生が描いたと勘違い、夏休みだからと次回作をホテルで描く羽目に・・・ 登場人物全てが「悩み」を抱えて生きて行く様をジェットコースター並みに一気に描ききったコミックスの快作。 タイトルは普段鳴かないと思われている亀も鳴くことがあるという現象になぞられた、淡々とした日常における人々の「ひと夏の一瞬の煌き」を捉えた人物描写の意味かと思われる。 私は好きですが、癖のある描き方(少し毒のある見方=シニカル)に好き嫌いの別れる作家かも知れません。

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「珈琲時間」 豊田徹也・画

講談社(アフタヌーン・コミックス)・刊 552円+税

コーヒー一杯の時間に起こるいろいろな物語、恋あり訳あり悩みあり、それぞれの人生の一片を切り取った17話を収録したショートショート・コミックス。 なかでも、人生の豊かさをコーヒー豆になぞらえて女子高生の姪にそれと無く説く、社会人である女性(叔母)の優しさが秀逸。 マツケンと聞いて「松平健」を想像する姪の純情さ、叔母さんなのに「松山ケンイチ」を知っている職業を連想させるセリフ回し、この辺がなんとも言えず「やり手」かなって思ったりして。

「純情娘 ガテン系 ①」 塩森恵子

集英社(クイーズ・コミックス)・刊 419円+税

工務店の跡取り娘は、女だてらに現場で采配を振るう肉体派女子。 親父が亡くなり、社長の兄貴が経理兼洗濯掃除、食事の世話で苦労する中、専務で現場監督の「塔子」は職人相手に悩みは尽きない。 日頃の強がりも心の中では乙女の悩みを抱えてる、建築現場を舞台に今日も塔子が巻き起こす恋と笑いの物語。 ①巻が出たばかり、今後の展開に注目です。

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「演劇部5分前 ①」 百名 哲

エンターブレイン(ビーム・コミックス) 620円+税

最近、流行の「学園文化部系少女マンガ」のひとつ、廃部寸前の演劇部の奮闘を描くシリーズ①作目。 高校生活最後の年、実績は無し、部員も次々と止め今は3人だけ、顧問もいない同好会レベル。 お話はシリアスなのに全篇おちゃらけムードの3人、この3人の明日はどっちだ(笑) 廃部の危機を逃れるため無謀な目標を立ててしまった演劇部、救いの神様は現れるのでしょうか。 お笑いの中にキラッと光る瞬間を交えて高校生活最後の力いっぱいの日々を描くコメディコミック、ただ今発進!

「ヤマあり タニおり ①」 日下直子

講談社(コミックスKiss)・刊 419円+税

内気な高校生・相田義経は、折り紙歴16年のスペシャリスト、入学したけど未だに部活動が決まっていない。 ある日、義経の華麗な手腕を見た高校陸上界のヒーロー・宮本と学年首席のクラス委員・布施が折り紙の魅力に目覚める。 かくして、「折り紙同好会」が発足、今後の展開が楽しみな学園青春ギャグ・コメディ、第一弾。

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同系列の「ちはやふる」 競技カルタの世界を描く(前回ご紹介済み)、現在人気集中の女子書道部の力闘を描く「とめはね!」も同系の牽引車です。

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サブカルチャー的な2冊を紹介します。

「自分だけの一冊」 北村 薫 

新潮新書 680円+税 

ベストセラーに流されず、自分の好きな短編集を編んで「自分探し」の旅に出る。 その一冊を見れば自分の全てが判ってしまう、その一冊から各作家の世界に入っていける、そんな短編集を創りませんかと、問いかける優れた書き手でもあり、読み手でもある著者が新宿のカルチャーセンターで講演した3回の内容をまとめたもの。 自らも短編集を編む著者の生みの苦しみと完成の楽しさの経験をゲストを交えて解き明かす、本好きにはたまらない一冊です。

「世界でもっとも阿呆な旅」 安居 良基

幻冬舎 A5判・1,500円+税

一サラリーマンが好奇心にかられて、国内はもとより全世界にまで、珍地名の場所に足を伸ばしたほんとうに馬鹿馬鹿しくもあり、感心もする奇書である。 ちなみにどんな地名かというと、「スケベニンゲン(オランダ)」「エロマンガ(オーストラリア他)」「マルデアホ(アルゼンチン)」「シリフケ(トルコ)」 国内編「向津具(むかつく)」「土居中(どいなか)」「股毛(またげ)」etc 100ヵ所以上踏破した、全篇カラーの270頁を越すトンデモ本である。 決して買えとは言えないが、本屋で立ち見する価値はあると思う一冊です(笑)

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最後に、ごく最近読んだ本の紹介を。 2冊とも文庫ですので単行本をお読みの方は、何だ今頃と思います、そんな方はこれ以降は飛ばして終了して下さい。

「家、家にあらず」 松井今朝子

集英社文庫 648円+税

著者の「吉原手引草」に続いて読んだ2冊目です。 八丁堀同心の娘が大名の奥御殿に行儀見習いの奉公に出ます。 折りしも、その家の下屋敷の女と役者が心中事件、そうこうするうちに、娘の居る上屋敷でも事件が起こる。 調べを進める同心と花形役者の前に現れる謎、謎が謎を呼び、奥座敷で調べを進める娘にも危機が・・・ 大奥にも似た大名家の内情をつぶさに描き、その時代の匂いまでも感じさせる時代小説。 和製ゴシックホラーともいえるメイドストーリー。 登場人物全てが怪しい、女性にとって「家」とは何か。 現代にも通じる説得力でぐいぐい物語りに引き込まれてしまいました。 最後にあっと言わせる伏線の張り方は前回以上に感心させられました。 三部作のひとつ、「非道、行うべからず」も読まねばと、思っています。

「告白」 湊かなえ

双葉社文庫 619円+税

こちらも、以前から気になっていたのですが、映画化が決定し文庫化したので、早速読んでみました。 「被害者の母=教師」「級友」「犯人」「犯人の家族」と章ごとに語り手が変わり真実に近づいてゆく・・・ 2009年度本屋大賞受賞のベストセラーです。 読んでいくうち登場人物全てが身勝手な思い込みで事件を複雑にしている世界が描かれています。 ひとつボタンを掛け違えたら違う結末に。 ひとりが嘘をついてたら犯人は別の人かもと、文章自体を疑ってしまう、何とも捉えどころの無い小説です。 とはいえ、用意周到な伏線と一気にたたみかける力量は、これがデビュー作の新人さんとは思えない芸達者です。 久々に堪能いたしました。映画では教師役を「松たか子」演じるそうです、観てみたいですね。 証言から犯人を絞り込む小説は他にも「理由」(宮部みゆき)「吉原手引草」(松井今朝子)「悪女について」(有吉佐和子)などが有名ですね。

またまた、長口上になってしまいました。 次回は外に出たいですね(笑)

いつもありがとうございます。

では、又♪

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コメント

コンバンワ^^v
さっそく楽しんじゃいました
中村モンド 若かったですネ^^v
私たちも子供でしたよね 
テレビ放送 もう40年位前??スタートでしたか?
いまNHK土曜ドラマ見てたんですけど「国税査察官」の あの主演の俳優さん 江口洋介さん 「エネミーゴ」の表紙の彼 イメージピッタリですよネ
「おとこの一生」こちらが 好きかも^^v
「珈琲時間」も魅力的ですよネ
どれも魅力的で トキメイテシマイマス ね^^v

投稿: 台所のキフジン | 2010年4月17日 (土) 23時28分

 たくさんの本の紹介ありがとうございます。

 中村もんどDVDですか。みてみたいけど買うのはどうかな?ちょっととまどいます。

 ちはやふる、とめはね、以前ご紹介いただいて興味はありますが、買って読むまでは決断できません。今度お借りしようかな?

 今日はいい天気です。昨日は出かけるのをやめてしまいましたが、今日はスポーツジムに行ってみようかなと思っています。

投稿: しのさん | 2010年4月18日 (日) 09時00分

キフジンさま、こんにちは♪

主水さん初登場は1973年ですから、40年近くなるのですね。
時代を感じますね~
♪あの時僕は若かった~
♪あの時君も若かった~(笑)

「エネミーゴ」の表紙、最近の画なので甘いマスクになってます。
そういえば「江口洋介」に似てますね。
本文の絵はもっとゴッツイです。
スーパーマンをリアルにした感じのタフネスです。

他の本も興味がお有りでしたらお手に取っていただけたらと思います。
いつもありがとうございます。
では、又♪


投稿: ぶんぶん | 2010年4月18日 (日) 17時32分

しのさん、こんにちは♪

「とめはね」は私は持っていません。
村山さんがお持ちで、今は「しいかさん」がお借りしているはずです。
次回の例会に返しに持ってくるのでは。

「ちはやふる」は読書会で御貸しますよ。
ただ、8巻と重いので全巻(まだ続いていますが)持って行きますか?
私は大丈夫ですが、「とめはね」3巻も「お持ち帰り」と考えたら・・・

今日は私もサンポリングして来ました。
ハナミズキ園~大宮公園~市民の森と盛りだくさんです。
おかげで、デジカメのフル充電したバッテリーが無くなってしまいました(笑)

いつもありがとうございます。
では、又♪

投稿: ぶんぶん | 2010年4月18日 (日) 17時44分

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