懐かシネマ館・邦画編♪
懐かシネマ館もいよいよラスト・ステージです。 金田一さんあり、必殺!あり、さあ開演です!!
横溝正史・金田一耕助シリーズからスタートです。 先ずは「本陣殺人事件」角川映画より一年早い昭和50年に、横溝ブームの後押しもありATG(日本アート・シアター・ギルド)が高林陽一・監督/中尾 彬主演で公開。 癖の有る俳優たちの演技が光る金田一ものに仕上がっています。 続いて角川版金田一シリーズ、「犬神家の一族」市川 崑・監督/石坂浩二・主演、この映画により原作通りの金田一スタイルが映像に定着される。 「金田一さん、事件ですよ~」のキャッチ・フレーズと共に日本中に金田一ブームが起こる。 第二弾「悪魔の手毬唄」不気味な手毬唄の通りに若い女性が殺される、鄙びた山村に巻き起こる連続殺人事件。 たまたま休暇中の金田一が巻き込まれる20年前の事件とは・・・ 第三弾「獄門島」瀬戸内海に浮かぶ小島に巻き起こる血の惨劇。 戦死した親友の頼みで島に着いた金田一をあざ笑うかのように、ひとり、またひとりと俳句に見立てた殺人が・・・ 第五弾「病院坂の首縊りの家」金田一耕助・最後の事件。 実は第四弾「女王蜂」も観ているのだが何故かパンフが無い。 で、第五弾だが渡米用の写真を撮りに来た写真館でまたもや巻き込まれる金田一探偵。 南部風鈴に隠された悲しい過去の出来事とは。 複雑な人間関係を解きほぐし事件解決の後、金田一は静かに去って行った・・・ 15年後再び蘇える金田一。 「八つ墓村」監督は市川 崑だが、金田一が豊川悦司に代わった。 最初のブームのとき松竹が渥美清で77年に映画化したので、市川版・金田一は入っていない。 人により評価は分かれると思いますが、私のベスト3は「本陣殺人事件」 「悪魔の手毬唄」 「獄門島」なのですが・・・ 最後は平成の金田一のキャッチ・フレーズで角川映画が監督・市川 崑/主演・榎木孝明で公開した、「浅見光彦シリーズ」第一弾。「天河伝説殺人事件」 昭和の金田一(石坂浩二)が兄の浅見陽一郎役で出演、他にも大滝秀治、加藤武、岸恵子など金田一シリーズの常連さんが多数出演。 最後は「マークスの山」金田一さんとは全く関係ありませんが、推理物として入れてしまいました。 高村 薫・原作の警察小説の映画化。 全ての謎はタイトルに隠されていたんですね。
「時代劇・編」に移ります。 最初は「股旅」 ATG(日本アート・シアター・ギルド) 「木枯らし紋次郎」で市川 崑・監督が見せた「リアル」な渡世人像をもっと現実的に表現した作品。 信州の水呑百姓の若者たちが無宿人になろうと旅に出るお話。 尾藤イサオ、小倉一郎、萩原健一の三人がボロのような道中合羽、丸暗記の様な仁義など徹底的に無宿人=乞食のような旅を続け、最後は仲間割れによる殺し合いになってしまう。 従来のいなせな啖呵と縞の合羽に三度笠の股旅物とは全く違う「股旅物」の登場。 「里見八犬伝」角川映画のお姫様「薬師丸ひろ子」を主人公に据えた、蒲田敏夫・原作の「新・里見八犬伝」の映画化。 真田広之、千葉真一、志穂美悦子などJ.A.C.のメンバーが脇を固めるアクション大作。 次は「激突」パンフでは煽り文句が大きくタイトルが「大攻防戦」と間違えそうです。 下のほうに横書きで小さく「激突」と書いてあります(笑) 次期将軍をめぐり家光、竹千代のお家騒動に千葉真一率いる将軍家大軍団とそれを阻止しようと雇われた7人の浪人の頭株・緒方拳の火花を散らす壮大なチャンバラ劇。 「歌麿」浮世絵師・歌麿とその時代の彩った人物の華麗で粋なバラエティ・ドラマ。「ウルトラマン」シリーズの実相寺昭雄が監督した娯楽絵巻。 「花魁」耽美派の文豪谷崎潤一郎の幽玄で神秘な古典美の世界を鬼才・武智鉄二が描く愛と官能の異色作。 親王塚貴子ほか8人の女優さんの身体を張った演技が圧巻です。 「浪人街」 昭和3年の無声映画から始まり2部、3部と「トーキー版」が作られたマキノ雅広監督の代表作の集大成。ラスト17分の悪党旗本・120人対浪人・4人の息をのむ大殺陣、これを観ずして時代劇は語れない。 「四十七人の刺客」池宮彰一郎原作に市川 崑・監督が主役に高倉健を招いて映像化。 仇討ちとしての「忠臣蔵」ではなく、情報戦、経済戦争として新たな視野で描く戦略映画。
「必殺シリーズ」です。 一、二弾は、ビデオ・DVDで観賞、第三弾から劇場へ。 「必殺Ⅲ・浦か表か」松坂慶子をゲストに迎え、必殺メンバーが闇の金融機関に戦いを挑む、工藤栄一監督の殺陣が光る作品です。 「必殺4・恨みはらします」深作欣二監督のスピード感溢れる演出と千葉真一、真田広之、倍賞美津子の演技が光るアクション編。 今回は新任・南町奉行の裏の顔に迫る主水たち仕事人の死闘を描く。 「必殺!主水死す」遂に映画版・必殺最終回。実は第五弾として「必殺5・黄金の血」という作品が間に入るのだが、こちらは何故かパンフが無い。 DVD観賞かも知れません。 で、シリーズ23年目にして、遂に中村主水が消えてしまった。 せんとりつの婿いびりももう見られません。 「必殺!三味線屋・勇次」主水亡き後、メンバーの三味線屋(中条きよし)で再開するも、パッとせず後が続かなかった。 ラストは異色サムライ・ウエスタン「EAST MEETS WEST」大西部のど真ん中、サムライとニンジャがたった二人の追跡行。鬼才・岡本喜八が贈るアクション・コメディ。 主役の二人は真田広之と竹中直人。
ジャンルに収まらなかった単発作品を最後にご披露いたします。 先ずは、イラストレーターの和田誠が好きな恐怖小説・5編を映画化した「 怖がる人々」 パリ、イスタンブールを経てインドまで15,000㌔を失踪する若者三人、日本人オートレーサーと旅行者のアメリカ青年そして美しいイタリア女性の青春を描いた「陽は沈み陽は昇る」 続いて有名な安部定事件をモチーフにした「愛のコリーダ」世界を巻き込んだ大島渚の問題作。 「姿三四郎」過去何度も映像化された作品。 三浦友和、秋吉久美子主演の東宝オールスターキャストの超大作。 他に仲代達矢、中村敦夫、若山富三郎、丹波哲郎、芦田伸介、森繁久彌などが顔を揃える。 「黒い雨」巨匠・今村昌平がモノクロ画面から戦争の悲惨さ、愚かしさを静かに訴えかける衝撃作。「わが愛の譜」風間トオル、鷲尾いさ子主演で滝廉太郎の生涯を描いた作品。ドイツロケと木村大作のカメラワークが見事。 「戦争と人間」五味川純平の大河小説の第一部、第二部に続く完結編。 激動の昭和史、その苦しい状況下で人間らしくあろうと必死に生き抜く人々の愛と戦い。 この運命の人間ドラマを監督・山本薩夫が日本映画史上空前のスケールで描く感動巨編。 「きけ、わだつみの声」学徒出陣した若者の手記を早坂暁・脚本/監督・出目昌伸で映像化。 戦後50年にふさわしい、忘れてはならない語り継がれるべき作品。 「コジラVSビオランテ」ゴジラ映画も沢山観たはずなのに、残っているパンフはこれ一冊。 何度と無く最終回を匂わせつつその度復活するゴジラ、回を重ねるごとに「大味」になるのは否めません。 懲りずに見に行く私も悪いのですが・・・ 「風の又三郎」全編岩手ロケというその自然美と無名の子役たちの演技が心に染み渡る作品。 宮沢賢治の代表作を監督・伊藤俊也が見事に演出、富田勲が音楽で華を添える。
以上、「邦画編」全編の終わり、そして、「懐かシネマ」最終興行です。 長々と(ダラダラと)お付き合いいただきまして、有難うございました。 私も皆様と一緒に青春時代に帰る事が出来ました。 また、懐かしきタイムカプセルが出てまいりましたらご一緒して下さいますようお願いして、お別れの言葉といたします。
いつも有難うございます。 では、又♪
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コメント
ぶんぶんさん こんばんは。
日本映画の面白さが凝縮されている感じがしますね。
残念ながら、私はほとんど観ていない気がします。
幼い子を抱えた主婦であれば、どうしても
ファミリー中心で楽しめる映画になるのでしょうね。
これだけの映画を観られている方は
かなりのマニアですね~
とても参考になりました。
観たい映画が結構ありましたよ・・・
投稿: 更紗 | 2008年8月 6日 (水) 23時13分
更紗さん、こんばんは♪
長丁場のUPにお付き合いいただきまして
有難うございました。
一気に駆け抜けてまいりましたが、40年
近くの集積と思えば、少ない方ではないの
かと思っています。
ここ数年は映画館に足を運んでおりません
し・・・
観たい映画はあるのですが、時期を逸して
レンタルDVDになってしまいます。
お母上と楽しい毎日の事と存じます。
いつも有難うございます。
では、又♪
投稿: ぶんぶん | 2008年8月 7日 (木) 23時10分