2021年11月 4日 (木)

10月の読書記録 読書メーターより

10月の読書メーター
読んだ本の数:26
読んだページ数:8703
ナイス数:2963

平凡な革命家の死 警部補卯月枝衣子の思惑 (祥伝社文庫)平凡な革命家の死 警部補卯月枝衣子の思惑 (祥伝社文庫)感想
【図書館】「変わり朝顔」「初めての梅」をかなり前に読んでいて、初めての現代劇を読んでみた。 あとがきで「でっち上げ」の事件を目論む女刑事という設定が面白く、読んでみる気になった。 結果は・・・面白かった。 語り口が読み易くグングン惹きこまれる。 二転、三転するストーリーが益々深みに引き寄せる。 事件が解決して、果たして本当の犯人はと、考えさせられる。 樋口祐介、どこまで物語に引きずり込むのか、面白い。 次作の「礼儀正しい空き巣の死」もリクエストしてしまった。
読了日:10月01日 著者:樋口有介
新装版 剣客群像 (文春文庫)新装版 剣客群像 (文春文庫)感想
【図書館】本を返却しに行って、それだけだとつまらないので借りて来た。 何気なく借りたが、流石は「池波正太郎」短編ながら、各編読み応えがある。 佐々木留伊の話が面白い、剣を取っては無双なのに「おなら」で負けてしまう。 この時代ならではの事で、ちなみにこの人物は実在するとの事。 後に、佐々木三冬が「剣客商売」に登場する。 後「ごろんぼ佐之助」が爽やかで良い。 この人物も実在で新選組の副長助勤である。 死ぬまで「御落胤」と信じていたとあるが、そこも微笑ましい。 「忍者群像」「仇討群像」も借りて来よう。
読了日:10月03日 著者:池波 正太郎
彼女はたぶん魔法を使う彼女はたぶん魔法を使う感想
【図書館】樋口祐介の本が読みたくてPCで探して見た。 「柚木草平シリーズ」が面白そうで、第一作目を借りて来た。(リクエストした) スマホも無い時代の探偵物、ハードボイルド風でもある。 元刑事、人を殺して刑事を辞め、ルポライターをしながら探偵も。 捜査方法が足で稼ぐタイプ、少々、煙草を吸い過ぎるきらいがある。 酒とつまみのシーンが多い(この作者の傾向だと思う) この筆致は嫌いでは無いので、2作目もリクエストしよう。 13作まで出ているそうだから、だいぶ楽しめそうである。
読了日:10月04日 著者:樋口 有介
新装版 剣法一羽流 (講談社文庫)新装版 剣法一羽流 (講談社文庫)感想
【図書館】時代小説の短編集だと思って借りて来た。 頁を読み進めて行くと「現代作」が出て来た。 これは面白いと読み始めたが・・・やはり「合わない」この作家は時代小説家だと思う。 七編のうち一篇は読了済み、しかし、小杉十五郎の別の顔を観られて楽しかった。 もともと、短編用に書かれた別物かも知れないが、そう言えばあっさり殺される。 現代劇3篇を外して編み直すのもアリかも知れない。 しかし、意外な形で池波の現代劇に遭遇するのも良かった事でもある。 しかし、表紙裏に現代劇ありと書かなかったのは出版社の策略か・・・
読了日:10月05日 著者:池波 正太郎
新酒番船 (光文社文庫)新酒番船 (光文社文庫)感想
【図書館】佐伯泰英の新刊。 あまり期待しないで手に取った。 佐伯の時代小説は、屁理屈が多くて最近は読んで無い。 「密命」とか「居眠り磐音」とか初期の荒々しさが良くてほとんど読んでいたが、「決定版」と称して新版を他社で出し始めた頃より、だんだん疎遠になった。 読み切りという事で読んでみた。 新酒を江戸に運び込む船乗りの話。なかなか面白いと思うが、海の大らかさが感じられない。船の構造とか航海術がしつこくて、船酔いしそうな感じ。もう、佐伯は豪快剣戟は期待出来ないのか、池波正太郎などは晩年でも書いていたのにな。
読了日:10月05日 著者:佐伯 泰英
初詣で 照降町四季(一) (文春文庫 さ 63-201 照降町四季 1)初詣で 照降町四季(一) (文春文庫 さ 63-201 照降町四季 1)感想
【図書館】佐伯泰英氏の新作、全4巻で完結という事で借りて来た。 前作が船乗りもの一巻で、掘り下げていなかった感があったので、どうかなあと読んでみる。 滑り出しは上々、果たして四巻に収まるかが問題。 今はやりの女職人ものに手を出したかと思う。 縫箔師の話もあり、佐伯氏としては馴れもある事と思う。 後は武士の周五郎の扱い次第、磐音の出だしと似ている様な感じがする。 面白そう、まだ一巻なので判らないが、出だしは良好である。 願わくば、決定版等、引っ張らないで欲しい。  どう転んでも出版されたら終わりなのだから。
読了日:10月07日 著者:佐伯 泰英
礼儀正しい空き巣の死礼儀正しい空き巣の死感想
【図書館】「平凡な革命家の食卓」に続く第2弾! 例によって「超能力」卯月枝衣子の名推理とジャーナリストとちんけな芸術学院の講師とのやり取りで事件が解決してしまうコメディアス推理小説。 独自の雰囲気が好きだ、やや、ご都合主義な点も多いが面白い。 しかし、強姦事件と主婦売春、30年前の少女殺人事件と目まぐるしく変わる要素に追いついていくのが大変。 しかも、本庁捜査1課に異動の話もぶり返し、ストーリーはめちゃくちゃ。 こうゆう、ゆるい殺人事件(実際は所轄だから殺人は無い)も面白いと思う。柚木草平とダブるのも良。
読了日:10月08日 著者:樋口有介
初恋よ、さよならのキスをしよう初恋よ、さよならのキスをしよう感想
【図書館】シリーズ、第2弾。 徐々に草平の過去が明らかになる。 今回は高校の同級生が事件に巻き込まれる話。 過去の懐かしい想い出や現在の姿に、思わぬギャップを感じて、草平が悩む姿が愛らしい。 表紙画、犯人のネタ晴らしをしてる様で興ざめ。 といっても、何故、この女なのか判らないから良いか・・・ハードボイルドに決めていても、どこか隙がある、そこが憎めないですよね。 シリーズ毎に追いかけたいけど、途中欠番がある、図書館だから仕方がない。 連作だから支障はないと思うが、ちょっと残念。 初期の頃は古いしな。
読了日:10月09日 著者:樋口 有介
横浜ではまだキスをしない (ハルキ文庫)横浜ではまだキスをしない (ハルキ文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズの合間に読了。 表紙を見るとヤングミステリーらしい。 表紙の女の子が可愛い、しかし、樋口有介のミステリーかとしみじみ思う。 軽妙な語り口、コンビになる小学校の同級生・メイの登場、腹違いの姉の出現、樋口ミステリ―だ。 しかし、こんなに複雑になるかな・・・古本屋のお姉ちゃんも不思議な人物。 メイもとんでもない家族ととんでもない性格と学力、全部詰め込んだ有り得ないミステリー。 でも、一陣の風が吹くように起こる高校生の夏休みの冒険談。 事件は暗いがサラッと読めるライトミステリー。 
読了日:10月10日 著者:樋口有介
誰もわたしを愛さない (講談社文庫)誰もわたしを愛さない (講談社文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズ、純情な女子高校生がラブホテルで死んだ。 通りすがりの犯行にしては、いろいろ問題がある。 雑誌社の依頼によって柚木は動くが・・・二転三転する状況、たどり着いた容疑者には鉄壁のアリバイが。 草平のどうしても判らない高校生の実態とは。 最後の決着はモヤモヤが残る。 また新しい登場人物の新米編集者の小高直海のキャラが凄い、完全に草平を喰ってしまっている。 編集者だからまた出て来るよね。 
読了日:10月12日 著者:樋口 有介
蠱惑の本 (異形コレクションL)蠱惑の本 (異形コレクションL)感想
【図書館】新刊コーナーにあった、本に関する本との事で借りて来た。 異形の本という事で楽しみでもあった、しかし、ちょっと傾向が違っていた。 怪奇スリラーっぽくも摩訶不思議なお話も。 肌に合わなくて、「大崎梢」と「坂木司」「三上延」だけ読んで終わりにした。 どうも相性と言う物がある様だ、奇想天外は性に合わない。 冒険とファンタジーが好きな人には、堪らない本だと思う。 全編、描き下ろしもファンにとって素晴らしいものでは・・・でも、私は挫折。
読了日:10月12日 著者:井上雅彦・監修,平山 夢明,真藤 順丈,三上 延,坂木 司,澤村 伊智,木犀 あこ,井上 雅彦,大崎 梢,斜線堂 有紀,柴田 勝家,朝松 健,宇佐美 まこと,倉阪 鬼一郎,北原 尚彦,間瀬 純子
刺青(タトゥー)白書刺青(タトゥー)白書感想
【図書館】まず始めに「和田誠」のカバー絵に惹かれました。 ほのぼのして、的確に小説の中心人物を表している。 今回は、草平も馴染みのある「講文社」編集長の三浦年男の娘・三浦鈴女が主人公。 鈴女の同級生が立て続けに殺された。ひとりはアイドル、ひとりはテレビ局のアナウンサー内定者、これは偶然なのか・・・あれよあれよという間に同級生が次々と巻き込まれる。しかも、最初の二人には左肩に薔薇の刺青が。草平シリーズは同級生絡みが多いなと思う。しかも、普段と違う性格を炙り出すのが上手い。 最後にほろ苦くさせるのも好きだな。
読了日:10月14日 著者:樋口 有介
昭和レコード超画文報1000枚 ~ジャケット愛でて濃いネタ読んで~昭和レコード超画文報1000枚 ~ジャケット愛でて濃いネタ読んで~感想
【図書館】面白い! 手持ちのレコード5000枚から、1000枚を厳選。 それだけでも凄い。 この手の本は買う気にならないのですが、図書館で借りて来るぶんには雑学として面白いのでは。 60年代から80年代までのヒット歌謡がジャケット写真と小さなコラムで甦る。 ヒット曲からコミック・ソングまで網羅した素敵なコレクションだと思う。 しばし、当時の想い出のあれこれや謂れ話など著者のキャスターとしての感性も試される。 この中に貴方の好きな曲は必ずある! 
読了日:10月15日 著者:チャッピー加藤
夢の終わりとそのつづき (創元推理文庫)夢の終わりとそのつづき (創元推理文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズとして予約したが習作の改稿版。 これは、シリーズに入れるべきか・・・疑問。 雰囲気を狂わしている、夢子のせいで事務所が改変、後に続くストーリーが無いから自由すぎる。 「ろくでなし」として、単独で成立するものだと思う。 「ろくでなし」もアイデアに困って出したというが、今回も困って全面改稿したのではないのか。 性格は似てても行動が全然違う、ハードボイルド感が、全くの他人。 「あとがき」を読んで、どうしようかなと思ったが、つくづく、読まなきゃ良かったと思う。
読了日:10月17日 著者:樋口 有介
不良少女 (創元推理文庫)不良少女 (創元推理文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズの短編集。 全体的にあっさりとしているが、ちょいと捻ったところが良い。 相変わらずの女好きだが、一本心情を持っているのが良い。 短編集だけに、深入りしていないのも良い。 今回はアルバイトに専念しているが、それだけで終わらないのが草平の面目躍如、ほろが無しい結末が待っている。 「杉江松恋」の描く、女性遍歴がまとめてあるのが一興を誘う。 これで柚木草平シリーズの初期シリーズが終わり、6年後に書かれた「捨て猫という名の猫」を待つ事になる。 草平シリーズの文体が良いよなあ・・・
読了日:10月18日 著者:樋口 有介
新 謎解きはディナーのあとで新 謎解きはディナーのあとで感想
【図書館】新作という事で借りて来た。 10年前に読んでいたシリーズ、懐かしい! 今作は新米刑事の若宮愛里刑事がドタバタを引き起こす。 まあ、推理は執事の影山がして、風祭警部がトンチンカンな推理で書き回し、愛里がキッチリ風祭と対峙し、主人公の麗子が事の顛末を景山に相談する、というパターン。 相変わらずユーモア・ミステリーの面目躍如、素晴らしく面白い。 懐かしく読んだが、これからも東川氏には肩の凝らない作品をお願いしたい。 
読了日:10月20日 著者:東川 篤哉
魂手形 三島屋変調百物語七之続魂手形 三島屋変調百物語七之続感想
【図書館】妖かし草子も七巻目、相変わらずの江戸情緒にまったりとしております。 摩訶不思議な話と聞き役の心得など、入り混じり江戸の夕暮れが近づいています。 美味いですね~微妙なところは、ぼやかしていて緊迫するところは怖がらせる。 現実の富次郎がふっと気になる処が真に迫りますね、お勝とおしまの物語に入れ方も見事。 怪奇聞き物語としても、現実の物語としても、さもありなんと感心する。 宮部みゆき嬢はどう決着をつけるのか楽しみです。 百話にはまだまだ遠い。 ガンバって下さい。
読了日:10月21日 著者:宮部 みゆき
怪しい人びと 新装版 (光文社文庫)怪しい人びと 新装版 (光文社文庫)感想
【図書館】読む物が無くて借りて来た。 携帯もネットも無い1994年の作品、何か書き方が若い感じがする。 今と違って「熱血」が感じられる。 しかし、所々に東野イズムが出ていてすんなり読める。 いろいろ怪しげな人たちが出て来る短編集。 「コスタリカの雨は冷たい」が外国を舞台にして外国小説の様な雰囲気で読ませる。 これならばアンラッキーな結末にならないなと思ったらハッピーエンドでした。 こういう、古い作品もたまにはいいなと思いました。
読了日:10月22日 著者:東野 圭吾
黒いハンカチ (創元推理文庫)黒いハンカチ (創元推理文庫)感想
【再々読】とある昼下がり、頁を開く打ってつけ本。 そんなに有名ではないが他のジャンルでは第一人者。 「小沼丹」の飄々たる筆致を感じつつ、先生・ニシ・アズマ嬢の推理を聞こう。 昭和三十三年というから、相当古いだが、回顧的ではあるが古びている訳では無い。 昔懐かしい場面を想像して、良き時代に遊びたいものだ。 北村薫、天藤真、がお好きな方にお勧め。 季節とと共に十二遍、「新婦人」に連載された短編集、是非、ご賞味下さい。 
読了日:10月23日 著者:小沼 丹
室の梅 おろく医者覚え帖 (講談社文庫)室の梅 おろく医者覚え帖 (講談社文庫)感想
【図書館】宇江佐真理の本はもう読んだと思い「再読」覚悟で借りて来た。でも、読メで確認したら初読でした。 気を取り直して読んでみると全く記憶にない話でした。「おろく医者」死人しか鑑定しない医者・正哲と若き産婆のお京と繰り広げる悲喜交々の人生哀歌。別な見方をすれば、捕物帖にも見える。謎解きを女房のお京がする場面もある。あとがきでも書いている通り、世の中には偉い人がいる。たいして賃金を貰わず華岡青洲に師事する、それを社会に還元する尊い正哲を取り上げるのは宇江佐の意気込みだと思う。いろいろな光を当てて欲しかった。
読了日:10月24日 著者:宇江佐 真理
捨て猫という名前の猫 (創元推理文庫)捨て猫という名前の猫 (創元推理文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズ、第9弾! 私が読んだのは7弾まで。 2巻は欠本。 中学生の投身自殺を調べるはめになった草平は、徐々に疑問点が見つかる。 出て来る美女は、何故か悪女。 そんな女にもみしだかれて酒と女の果てに、浮かび上がったものとは・・・ますます、快調の草平節、やり込められても男の矜持、どんと、持たなければ。 やけに「煙草」のシーンがあるので、その都度吸いたくなってしまう(笑) 今回もシンドイ場面がある、捨て猫・麦の心情が哀しい。 さあ「片思いレシピ」に移ろうか。
読了日:10月26日 著者:樋口 有介
片思いレシピ (創元推理文庫)片思いレシピ (創元推理文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズ・番外編 草平の娘・加奈子が殺人事件に巻き込まれる。 塾の先生が殺されてしまった、加奈子も一応関係者、なんだかんだと調査に乗り出す。 そこは、子供の事、実際は大人に任せて周辺を固める。 案の定、草平に電話を掛けるがケンモホロロの応対。 なんやかんや、見事に草平が解決するが、登場は電話のみ。 小学生の冒険と淡い恋心を描く爽やかなミステリー。 妻沼家のキャラクターが凄い! これも良いが、柚木草平の本編に戻ろう。 次回も期待する。
読了日:10月27日 著者:樋口 有介
オムニバスオムニバス感想
【図書館】姫川玲子が帰って来た。 姫川班のメンバーがいろいろな姫川を描き出す。 短編集だからテンポが良い、その時その時のバディが各自の印象を語っている。 しかし、姫川のモノローグに考えさせられる事が多い。 刑事と悪人という図式だけでは警察小説は書けなくなって来たという現状ですかね。 しかし、姫川班に「あの人」がくるとは、いよいよ誉田さん、手詰まりなのか・・・新しい「化学変化」も観て見たい気持ちもあるし。 とにかく、新生「姫川班」早く見てみたいものだ。
読了日:10月29日 著者:誉田 哲也
猿の悲しみ (中公文庫)猿の悲しみ (中公文庫)感想
【図書館】樋口有介の女性探偵物、バツイチ、子持ち、前持ちの弁護士事務員。 ムエタイとピッキングの達人、女性ハードボイルドが面白そうで読んでみた。 前半は登場人物の紹介などサクサク進んで行く。 後半、金の力で事件がうやむやに、この辺からハードボイルドさが、徐々に覚めて来る。 人物も段々複雑になりこんがらかってきた。 案の定、綺麗に終わらなかった。 次巻を見据えての展開なら、一巻本としては失敗かな。 キャラは良いので当てはめるストーリーが大事だと思う。 第2弾に期待する。
読了日:10月30日 著者:樋口 有介
あきない世傳 金と銀(十) 合流篇 (ハルキ文庫 た 19-25 時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(十) 合流篇 (ハルキ文庫 た 19-25 時代小説文庫)感想
【図書館】やっと読む事が出来ました、シリーズ・第十巻目です。 いろいろと浴衣の柄や染め方に苦労する姿を描く。 一方、大阪からお梅と菊栄と鉄助が江戸にやっと着いた。 今回は菊栄の采配が大きく作用する快進撃編。 あっと驚く新図案の浴衣柄を、そして浴衣そのものの利用価値まで変えてしまう幸の手腕に惚れ惚れする。 商売の行方は安泰だが、このままライバル店が指を咥えているとは思えない。 そろそろ、ひと波乱の時期ではないだろうか、そういった幸の人生かと思う。 高田女史の手腕に期待する。
読了日:10月30日 著者:高田郁
少女の時間 (創元推理文庫)少女の時間 (創元推理文庫)感想
【図書館】柚木草平シリーズ、第11弾! 相変わらず、グータラな女たらしの草平ちゃん、今回は美女の大群に取り巻かれ戦々恐々。 しかし、絶対ありえない状況にも関わらず事件解決まで漕ぎつけるという荒業に小説とは言え拍手。 入れ替わり、現れる美女が著者の小説からという設定も面白い。 その他、脇役の人物も登場するから、眼が離せない。 柚木草平シリーズ、純粋推理とは違うけど、こういう世界観はハードボイルドとしても面白い。 作者も言う様に「重い作品を重く書く」だけでは無い様に思う、ユーモア交じりも好きだなあ。 
読了日:10月31日 著者:樋口 有介

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2021年10月 2日 (土)

9月の読書記録 読書メーターより

9月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:12564
ナイス数:2817

愛の渇き (新潮文庫)愛の渇き (新潮文庫)感想
【図書館】何とか読了しましたが、なんかモヤモヤが残ります。 すごく、丁寧に書かれているのですが、肝心の部分では文学的と言うのか、綺麗な日本語が連なり、情緒的には判るのですが・・・言ってみれば、文庫裏の説明文を読めばわかる小説。 悦子の心の動きが、判らない。 かなり、苦労して生きて来たともいえるが、それにしては舅の弥吉に身を任すし、自分の考えも無い感じだし。 それで一方的に殺される三郎は立つ瀬が無い。 悦子は半ば狂っているとしか思えない。 三島文学、こんなに難解だと次に読むのは手控えてしまいそうです。
読了日:09月01日 著者:三島 由紀夫
狂うひと :「死の棘」の妻・島尾ミホ (新潮文庫)狂うひと :「死の棘」の妻・島尾ミホ (新潮文庫)感想
【図書館】「死の棘」の事は全然知らなかった、文庫の説明文で大まかに判った。 なのに、この本を読んでみようと思ったのは、夫婦の有り方とはどういう物なのか知りたいと言う単純な思いだった。 とんでも無い本だった、夫婦、両方とも作家、しかるに本音だけで書く訳が無い。 いろいろ混じりあった中から事実だけを選り分けていく。 梯氏の取材力に脱帽。 しかし、読んで行くのが苦しくなってくる。 900頁、五日間を費やしました、読むのを止めよう、でも、読みたいの連続でした。 沢木、梯の対談に来て、やっと現実に戻れました。 
読了日:09月07日 著者:梯 久美子
しんきらり (ちくま文庫)しんきらり (ちくま文庫)感想
【再々再読】またまた、手にしてしまった。 本棚を見て「しんきらり」かと、手を伸ばしてしまった。 しかし、女性の感性というのは「変らない」物なんだと思う。 四〇年近く前に描いたとは思うない完成度、いつの時代も、考える人は考えているんだなあ。 家庭のひとコマが意外と怖い瞬間があると思わせる漫画。 ほんとに、こんな瞬間があるよね。 ゲラゲラと笑って読めない、身に抓まされる。 やまだ紫、鋭い観察眼の女流である、もう居ないのが淋しい・・・「性悪猫」も読んでみるか。
読了日:09月08日 著者:やまだ 紫
新編性悪猫 (ちくま文庫)新編性悪猫 (ちくま文庫)感想
【再読】「性悪猫」を引っ張り出して読んでみる。 やはり、やまだ紫は感性の作家だな、と思う。 猫に託していろんな意見を言っている。 猫の表情とその感性が何となく判る。 これは「哲学」ですなあ。 こんなにスラスラと猫の習性を描ける作家は稀有である。 「せけんなど どうでもいいのです お日様いっこあれば」 そうなんだよな。 「抱いてよ 砂袋みたいに 抱いていてよ」 こんな感性が嬉しい。 四季折々に猫を配してその日常に含まれる不条理までも描き切る、静かな時間、猫は何にも考えていない。 観ている人の感性が試される。
読了日:09月09日 著者:やまだ 紫
棒がいっぽん (MAG COMICS)棒がいっぽん (MAG COMICS)感想
【再読】ふと、伸ばした手の先に「高野文子」がいた。 解り易い作品と判り辛い作品が混濁してる。 「バスで四時に」「東京コロボックル」は比較的読み易い。難敵は「奥村さんのお茄子」「病気になったトモコさん」筋を追う事は出来るけど、何が言いたいのか判らない。 何回読んでも「新発見」がある作品である。 今回は、「奥村さんの~」に、 郵便ポストに「コックさん」を発見。 それがどうしたという事ですが。 何となく高野ワールドに遊ぶ楽しみを持っていたい、そんな昼下がりです。 シュールで過激な高野ワールドに、ようこそ!
読了日:09月10日 著者:高野 文子
るきさんるきさん感想
【再々読】久しぶりに読み返してみる、完全に「高野文子」の世界。 しかも、読者に合せて(Hanako)判りやすく描いている。「るきさん」と「エッちゃん」の日常を描いているスナップ情景。この、「るきさん」ちょっと変わった感性の持ち主。その、世間とのズレを楽しむ漫画です。 年代的に1990年代の世相を表しているが、変に古びていないのが不思議。こういう女性心理というのは不変なのかも知れない。2ページで1話を展開して1988年6月から1992年11月まで継続した事が奇跡。 しかし、想像の世界に入らなかったのが凄い。
読了日:09月10日 著者:高野 文子
ワタリ (1) (小学館叢書)ワタリ (1) (小学館叢書)感想
【再々読】久しぶりに「ワタリ」を読んでみた。 相変わらず物語に惹きこまれる。 少年マンガではあるが、そこに自由を求める熱意がある。 最初は伊賀の掟に縛られる下忍の立場が描かれ、それに反抗する忍者との対決が描かれる。 徐々に、何故虐げられている者は最後まで虐げられるのか。 疑問が湧く忍者も現れる、ワタリ一族のワタリは自由である。 伊賀とワタリ一族、その構造体質を比べどちらを選択するか。 戦ううち、忍法比べが交じり、忍法解説まで入って、ますます面白くなる。 【続刊に続く】
読了日:09月10日 著者:白土 三平
ワタリ 2 (小学館叢書)ワタリ 2 (小学館叢書)感想
【再々読】遂に秘密は暴かれた、巧妙に操作して百地と藤林の二大流派の一元化を目論む、というよりは、わざと二大勢力に見せていたのだ。 お互いの対立で恨みの矛先を敵に向ける様に仕向けていたのだ。 二人を始末したその時、さらに強力な支配者が・・・「ゼロの忍者」その戦力は未知数、不死身、棲ざまじい破壊力、到底、太刀打ちできない相手である。 果たして、いかなる運命が。 ワタリに秘策はあるのか・・・ 【次巻に続く】
読了日:09月10日 著者:白土 三平
ワタリ 3 (小学館叢書)ワタリ 3 (小学館叢書)感想
【再々読】ゼロの正体とは、何故、不死身なのか。 徐々に暴かれる秘密とは。 城戸の遠大な計画とは・・・ゼロとの対決も数度、その中で判って来た正体とは。 仲間との連携による戦いで明らかになるゼロの正体。 城戸の野望を打ち砕いた時、伊賀の里にも強大な織田軍の兵が・・・伊賀の里、全滅の影が。 果たして、ワタリは何処へ行くのか。 【次巻へ続く】
読了日:09月11日 著者:白土 三平
ワタリ (4) (小学館叢書)ワタリ (4) (小学館叢書)感想
【再々読】伊賀の里の小競り合いは織田軍の軍勢により滅んだ。 ワタリも「ワタリの里」に帰って安定の日々を暮していた。 しかし、戦国の情勢はこんな部落にも訪れる。 戦火の情勢が我が身にも訪れると、いち早く徳川勢に味方しようとする首領とそれに反対するワタリ達。 あくまでも自由を生きるワタリと対立する首領。 遂に血で血を洗う戦いに、敵味方相争う時、大きな変革の渦が。 ワタリはどうする、どう生きる、少年マンガに「自由論」を持ち込んだ意欲作。堂々の完結、しかし、本当の結論は出ていない。 ワタリは結界の外に出たが・・・
読了日:09月11日 著者:白土 三平
虎落笛 1虎落笛 1感想
【再読】何となく本棚に眼をやると、この本が飛び込んできた。 虎落笛、冬の寒い日に竹垣などの間を通る風が震えて笛の様な音のなる事。 「もがりぶえ」と、言います。 その物悲しい音に流されるように、独り、また独りと人々がやって来ます。 鳥取砂丘で道案内をする男とそれを巡る人々との物語。 もうどこでも目にしない書籍(漫画)です。 どこで連載してたかも判らない村野守美の大作です。昭和49年10月刊。 続いて2巻へ。
読了日:09月14日 著者:村野 守美
秘戯御法 ((青林傑作シリーズ・17))秘戯御法 ((青林傑作シリーズ・17))感想
【再読】でも、表紙絵が出てこない。 「虎落笛」を読んで、そう言えば「村野守美」の作品が沢山あったなと手にした。 「若葉の頃」とか「ジロがいく」「垣根の魔女」なんてのも有ったなあ・・・そして、「秘戯御法」に行き着いた。 これは、守美版・「カーマスートラ」いろいろな性を描いている。 口開けの「四ツ目 美濃屋」が良い、武骨ものに教える四ツ目屋の奉公人女子が本気になってしまう。 琴の師匠の家で目くるめく3Pとか、絵師がまぐ合う姿態を見たいため妻が弟子を誑かす話とか、いろいろなパターンを描いている。 
読了日:09月14日 著者:村野守美
媚薬行 ((青林傑作シリーズ・20))媚薬行 ((青林傑作シリーズ・20))感想
【再々読】媚薬に纏わる物語を綴る、そこには、自ずと男と女のやり取りが。 薬を使ったやり取りと薬が無くてもやる事とは、男と女の駆け引き、手練首尾、丁々発止の色模様。 欲望に操られる人生と媚薬に託した人の哀れを描き切った快作。 果たして欲望の果てにあるものは、愛か友情か、それとも死か・・・薬を作るもの、使用するもの、そして、それを売るもの、三者三様の生き様の末に、果たして「媚薬」は何を思うのだろう。 村野守美の流麗な描線に、しばし酔おう、上手い線だなあ。 「秘戯御法」の方が色っぽい。
読了日:09月14日 著者:村野守美
狂人関係 1 (青林傑作シリーズ)狂人関係 1 (青林傑作シリーズ)感想
【再々読】「秘戯御法」を読んで隣の並びに、これを見つけた。 葛飾北斎と娘のお栄、弟子の捨八と八百屋のお七を取り巻く物語。 画狂人北斎と狩野派の狩野幽斎の息子である「捨八」の生涯を、上村一夫の流麗なタッチで描く。 ちょっとエッチで風雅をたしなむ、大江戸愛憎絵巻。 上村のタッチが縦横無尽に発揮された一大絵画である。 この一冊に集約されていると言っても過言では無い。 【続いて2巻に】
読了日:09月15日 著者:上村一夫
狂人関係 2 (青林傑作シリーズ)狂人関係 2 (青林傑作シリーズ)感想
【再々読】歌麿が逝く、写楽が、三馬が、一九が、そんな中北斎は悩んでいた、「夢十夜」の構想がまとまらない。 一方、お七とお栄の思惑も来るところまで来た。 捨八への想いをお七にぶつけるお栄、お七はお七で捨八への情が付きまとう。 そんな中、お七が風邪を引く、その時も捨八は遊びまわっていた、そして看病の食事がお栄が創ったものだと判ると、こらえきれない怒りが爆発。 一方、北斎の版木が火事で消滅してしまう。 「夢十夜」が幻で終わる・・・三者三様の哀しみに終わる第三巻。 お七は、お栄は、次巻へ続く。
読了日:09月16日 著者:上村一夫
狂人関係 3 (青林傑作シリーズ)狂人関係 3 (青林傑作シリーズ)感想
【再々読】瓦版に捨八の名が載る、春画の天才と北斎をも凌ぐと。それを見る、北斎、お栄、捨八の父母、そして旅の空で見つめるお七、三者三様の想いが揺れる。ふと、立ち寄った「夜鷹蕎麦」屋台の火に、お七の情炎が乗り移る。その火は大江戸を舐め尽くす大火になってしまう。全国指名手配になったお七、遊び人に憧れて刺れた刺青が疼く。いよいよ、処刑の日、捨八らに見送られて雨の中旅立つ。お七を弔うお栄は複雑な想いで手を合わせるのだった。いよいよ、佳境に入る第三部、果たして北斎は、お栄は、そして捨八は。 いよいよ、最終巻へ。
読了日:09月16日 著者:上村一夫
狂人関係 4―第4部 (青林傑作シリーズ)狂人関係 4―第4部 (青林傑作シリーズ)感想
【再々読】長い長い物語の終わり、ちょっぴり淋しいですね。 蔦屋重三郎が逝く、滝沢馬琴が逝く、そして葛飾北斎が逝く。 気散じや 人魂で行く 夏野原 辞世の句である。 北斎、享年九十歳  残されたお栄は捨八の子供を孕むが捨八は所帯を持とうとしない、そのうち子供を流して消息を絶つ。 一方、捨八は江戸を捨て流れ流れて海辺の街に。 さんざん、飲み食いした挙句有り金は無い。 五十両の勘定の代わりに絵を描く。 見事な雀の絵を描くが、一夜明けたら屏風から飛びだってしまう。 「抜け雀」の一席、お後が宜しいようで。 完結編 
読了日:09月16日 著者:上村一夫
アンと愛情アンと愛情感想
【図書館】シリーズ・最新刊! アンちゃんとの付き合いも3巻になってしまいました。 いつも明るいアンちゃんも、もう二十歳になってしまた。 いろいろな、お菓子の疑問にとことん調べるアンちゃん、これだけでも勉強になる。 そして、なによりミステリーっぽさを残しているのが良い。 成人式の着物や金沢にお菓子旅行、同い年のライバル登場、立花さんとの愛情表現(友情か)、店長の異動に伴う悲しみや憧れが錯綜する一編、それぞれが何と楽しい事か。 あとがきの謝辞を観ると最終巻らしく感じられる。 でも、続刊が出てくれれば嬉しい。
読了日:09月17日 著者:坂木司
終電の神様 (実業之日本社文庫)終電の神様 (実業之日本社文庫)感想
【図書館】「阿川大樹」初めての作家さん。 1954年生まれだから、それなりの御歳の方だ。 物語は電車が事故で緊急停車のトラブルから始まるお話。 短編が7編詰まった短編集。 お話は登場人物がお互いすれ違うようで、そうでも無い中途半端な感じ。 でも、微妙に関係があるような・・・ 全体的にハートフルな話、そうそう、そうなんだよなと頷ける話。 「夢の遊民社」設立メンバーらしい、捻った物語。
読了日:09月19日 著者:阿川大樹
鎮憎師 (光文社文庫 い 35-17)鎮憎師 (光文社文庫 い 35-17)感想
【図書館】タイトルに? 鎮憎師?? 面白そうな設定に、思わず借りて来た。 要するに復讐の連鎖を止める人物の事で探偵では無い。 といっても犯人を特定しなければ、それによる復讐が見えない訳で、その点は関係者に犯人捜しを任せると言う物。 ちょっと苦しい場面もあるが、設定が新鮮なのでスイスイ読める。 二人組(兄妹)というのも第三者とか潜入の場合も考えての事だと納得。 でも、一つの事件に潜入を繰り返していたら、それも大変(笑) ともあれ、すんなり読める好編でした。 石持浅海、とんでもない事を考えるものだ。
読了日:09月20日 著者:石持浅海
片想い (文春文庫)片想い (文春文庫)感想
【図書館】東野圭吾の作品という事で読み始めたが、どうも乗れない。 アメフトのポジションをストリーに当ててて書いているが、そもそもアメフトに小生、詳しくない。 性同一障害について書いているが、ハッキリとしない。 それはそうだろう、ハッキリ決められるものではないのだから。 ミステリーも性同一症候群と一緒で良く判らない。 感情移入しないまま終わってしまった。お話としたらよく判らない話であった、完成度としたらいまいちかと思う。東野なら、もう少し練れたと思う。「片思い」が何を指すのかが? それぞれあると思うが・・・
読了日:09月24日 著者:東野 圭吾
愛の流刑地〈上〉愛の流刑地〈上〉感想
【図書館】何かないかと図書館を物色したら、ここに行き着いた。 渡辺淳一のベストセラーだから暇つぶしにちょうどいいと借りて来た。 のっけから、中年作家の不倫が題材と食養気味。 案の定、あの手この手の逢引三昧。 官能小説なのか、純愛小説なのか。 しかも、相手は人妻三十六歳、決して若くは無い。 妻が悪いのか、そうさせる夫が悪いのか、先ず悪いのは作家である。 離婚もしないで奥さんと別居、何もしないで不倫かぁ。 良い御身分だな、上巻の終わりで離婚が成立するが、別に関係ないか。 下巻でこの関係がどうなるか・・・
読了日:09月24日 著者:渡辺 淳一
愛の流刑地〈下〉愛の流刑地〈下〉感想
【図書館】遂に「冬香」が死んだ、菊冶が首を絞めて。 これからは逮捕、拘留、裁判の過程に入るが、法廷劇の要素が大きくなる。 実際、殺人罪か委託殺人かが別れ道の様に感じます。 セックスにおけるエクスタシーで死を希望するというのは無理があると思う。 少し、男のエゴがあるのでは、気持ち良いまま死にたい、そんな事があるでしょうか? 多分に渡辺氏の主観が入っているのでは。 どう理由を付けても殺人はダメですよ。気持ち良すぎる身体にしたから罪というのはね~息子も良い子過ぎて気持ちが悪い。 愛と死の純愛小説には思えないな。
読了日:09月25日 著者:渡辺 淳一
六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)感想
【図書館】ちょっと変わった本が読みたくなって借りて来た。 一風変わった編成でした。 判る話もあるし、何かフワフワ浮かんでる様な感じの話も、良かれ悪しかれ「恩田陸」だなあと言った感じ。 絵と俳句と詩と短歌、それぞれが微妙に入り組んでいる、恩田ワールドに惹きこまれる感じが、フワフワと浮かんでいる。 何も考えず漂っている変な感じ、嫌いじゃないな。 カッキリ言えないもどかしさで評価できない、うかつにお奨め出来ない作品だと思う。
読了日:09月26日 著者:恩田陸
初代北町奉行 米津勘兵衛 満月の奏 (祥伝社文庫)初代北町奉行 米津勘兵衛 満月の奏 (祥伝社文庫)感想
【図書館】面白い! 初めて読む作家さん。 調べると戦国物を何冊も書いている。 鬼平を彷彿させる「鬼勘」米津勘兵衛の捕物帖。 何しろ小気味が良いテンポで事件が解決する。 即決で判断する、合間に仲間内の話が入る。 このテンポ好きだなあ。 シリーズ2巻目から読んでしまった、1巻は予約中(同じ図書館にあったようだが、借りられてしまっていた) 「ぼろ鳶シリーズ」の様にすこぶるテンポが良い。 3巻も出ているようだが、まだ図書館では貸し出しはしていない。 戦国時代の色濃く残る、江戸で初代北町奉行という設定が良い。
読了日:09月27日 著者:岩室忍
本屋のワラシさま (ハヤカワ文庫JA)本屋のワラシさま (ハヤカワ文庫JA)感想
【図書館】なかなか、面白い。軽く読めそうで借りて来た。 書店の話で、その書店の人形が「座敷童子」(ざしきわらし)であった。その童子との掛け合いが面白い、超能力を持っている。その髪に巻きつかれると本人の自伝本になってしまう。書店を訪れる商店街の人達との交流を経て再び書店員として雄飛する主人公を描く、ハートウォーミングな一冊です。早川書店から、この手の本が出るのは珍しい。この中小書店が閉店するか興味津々だが、ご都合主義に捉われず見事に着地させたのが良かった。童子のファッションショーは無くても良かったのでは?
読了日:09月28日 著者:霜月りつ
リーダーズチョイス BEST13 of ゴルゴ13 (コミックス単行本)リーダーズチョイス BEST13 of ゴルゴ13 (コミックス単行本)感想
さいとう・たかを氏を偲んで。 やっぱり、「ビッグセイフ作戦」が忘れられない。
読了日:09月30日 著者:さいとう・たかを
さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 (コミックス単行本)さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 (コミックス単行本)感想
さいとう・たかをを偲んで 2 「檻の中の眠り」が粋で良い。
読了日:09月30日 著者:さいとう・たかを
各界著名人セレクション BEST13 of ゴルゴ13各界著名人セレクション BEST13 of ゴルゴ13感想
さいとう・たかを氏を偲んで 3 「デロスの咆哮」に詩心を感じる。
読了日:09月30日 著者:さいとう・ たかを

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2021年9月 1日 (水)

8月の読書記録 読書メーターより

8月の読書メーター
読んだ本の数:25
読んだページ数:6035
ナイス数:2890

半七捕物帳: 江戸探偵怪異譚 (新潮文庫nex)半七捕物帳: 江戸探偵怪異譚 (新潮文庫nex)感想
【図書館】宮部みゆきの精選と言う事で借りて来た。 初めての読者にも岡本綺堂の良さを判ってもらうための八編が素晴らしい。 「雪達磨」と「お文の魂」「津の国屋」が網羅しているのが良い。 半七のアンソロジーはいろんな作家がしているが、現代人に合せたチョイスがなかなか良い。 以前に買った、北村薫と宮部みゆきのアンソロジー「もっと、半七」を読んでみようかなと、にわか半七ファンに! 若い読者に読んでもらいたい一冊。
読了日:08月01日 著者:岡本 綺堂
必殺仕事人DVDコレクション 112号 (必殺4 恨みはらします) [分冊百科] (DVD付)必殺仕事人DVDコレクション 112号 (必殺4 恨みはらします) [分冊百科] (DVD付)感想
DVDで「必殺 4 恨みはらします」をみてます。 千葉真一、真田広之が凄い、キレっキレの殺陣を見せます。 蟹江敬三、成田三樹夫も渋い! かとうかずこが連発銃を持ち出すところが笑える、真田の返しが上手い! 藤田まことはどっしりとしてるし、岸田今日子も堂々たる演技、何回観ても面白い。 映画版では、これか1作目の「必殺!」が第一位かと思う。 ちなみに、DVDは映画版1~5と週刊分冊1~10まで揃っています。 時間があったら必殺ですね(笑) 
読了日:08月03日 著者:雑誌
もっと、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈2〉 (ちくま文庫)もっと、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈2〉 (ちくま文庫)感想
宮部みゆき選の「半七捕物帖」を読んで、本棚にある傑作選を引っ張り出してきた。 これは、北村薫・宮部みゆき共選の半七物。 流石に面白い、選者が良いとこれだけの物が集まるかと思う。 「小女郎狐」他、11編が入っている、再読だが良いチョイスだと思う。 岡本綺堂づいて、図書館で「三浦老人昔話」「青蛙堂鬼談」「近代異妖篇」を借りて来た、これも面白そう。
読了日:08月04日 著者:岡本 綺堂
おばさん探偵 ミス・メープル (小学館文庫 C ひ 2-1 キャラブン!)おばさん探偵 ミス・メープル (小学館文庫 C ひ 2-1 キャラブン!)感想
【図書館】おばさん探偵?と言う事で借りて来た。 ミス・メープル・・・マープルのオマージュか? 読んでみて、どうもしっくりこない、若い人が年寄りらしく書いている感じ。 もう少し年配感が無いと、若作りは良いのだが、実態にそぐわない。 話もあやふやで事件が起きたかどうかも判らない。 どういう読者に向けて書いたのだろう??? 探偵してないのが、どうしても理解できない。 背景より主人公の肉付けが大切と思います。 手に取ったのが失敗。
読了日:08月05日 著者:柊坂 明日子
三浦老人昔話 - 岡本綺堂読物集一 (中公文庫)三浦老人昔話 - 岡本綺堂読物集一 (中公文庫)感想
【図書館】半七捕物帖でファンになり、別のシリーズを借りて来た。 半七の友達の三浦老人が「わたし」に語る不思議な話の数々。 決して怪談では無いのですが、実際にあったとしたら怖い話も少々。 こんな理不尽なと思われる話もあるが、実際はこんなところかなという江戸時代の話。 半七同様、江戸の四季の移ろいを綺麗にまとめている。 次は「青蛙堂鬼談」に移ろうか・・・
読了日:08月06日 著者:岡本 綺堂
青蛙堂鬼談 - 岡本綺堂読物集二 (中公文庫)青蛙堂鬼談 - 岡本綺堂読物集二 (中公文庫)感想
【図書館】岡本綺堂版・百物語 雪の日に集まった人々が次々に語る怪談、前後の流れが語られず主体だけがそこにあるという恐怖。 語りが滑らかなのが流石、でも、個人個人で癖と言う物がある筈だが・・・語られる内容が古今東西、混じりあってるのが百物語の面白さ、全12編、彩りも豊かである。 落ち着くところに落ち着かない、怖さが何とも言えない。 一人一人が語ると言う現実感が、新たな恐怖を呼ぶ。 次の「近代異妖篇」移ろうか・・・
読了日:08月07日 著者:岡本 綺堂
近代異妖篇 - 岡本綺堂読物集三 (中公文庫)近代異妖篇 - 岡本綺堂読物集三 (中公文庫)感想
【図書館】岡本綺堂読物集も3巻目、またもや怪異な話を集めている。 全体的に怪談と言うより怪奇現象を語っている。 しかし、原因が判らないと言うのは怖いと言うより理不尽な不思議な世界ではある。 しかし、良くこんな話ばかり集めた物だと思う。 青蛙堂の話の拾遺と言う形を取ったのも良し、「停車場の少女」「影を踏まれた女」等、神経病と言えばそれだけですが、考えれば考える程、怖い。 4巻以降も借りて来たいと思います。 夏に怪談、ピッタリだと思いませんか。
読了日:08月10日 著者:岡本 綺堂
探偵夜話 - 岡本綺堂読物集四 (中公文庫)探偵夜話 - 岡本綺堂読物集四 (中公文庫)感想
【図書館】岡本綺堂読物集も四巻目、そろそろ綺堂ワールドにも慣れ来た。 これも、青蛙堂の二度目の招集を受けて怪談噺も有れなので今回は「探偵物」を各人より聞くことに。 といっても、プロが交じっている訳で無いので、素人探偵の聞き書きと言う事に。 しかし、探偵と言っても怪談か入らない訳も無く、自ずから怪談話もどきの話が入る。 どうにかケリを付ける探偵譚だからキッチリ終わる訳が無い。 奇妙な探偵話の恐ろしいこと。 当分、綺堂から離れられなくなりそう。
読了日:08月12日 著者:岡本 綺堂
今古探偵十話 - 岡本綺堂読物集五 (中公文庫)今古探偵十話 - 岡本綺堂読物集五 (中公文庫)感想
【図書館】岡本綺堂読物集の五巻目、お馴染みの青蛙堂に集う人達から採取した探偵譚。 「探偵夜話」の拾遺版と言ったところ。 探偵と言っても綺堂の事ですから、スッキリ終わる話ばかりでは無い。 謎解きに怪談が交じれば、単なる犯人当てになろうはずが無い。 「ぬけ毛」「山椒魚」辺りがゾッとする。 しかして、綺堂と言う作家は読み易く書いている、普通古い文章と言う物は、もっとしつこく書いても良い様に思うが、すんなり頭に入る、戯作者としての気配りなのでしょうか。 次は「異妖新篇」に取り掛かろう。
読了日:08月14日 著者:岡本 綺堂
必殺仕事人DVDコレクション 98号 (必殺! III 裏か表か) [分冊百科] (DVD付)必殺仕事人DVDコレクション 98号 (必殺! III 裏か表か) [分冊百科] (DVD付)感想
【DVD】必殺シリーズ・映画版 第3弾! 序盤は良いが中盤以降、ダレテ来る。 演出は工藤栄一なので悪くないが、最後に松坂慶子が仕置きするのがやや唐突過ぎる。 やはり、仕事人の仕事では・・・ でも、仕事人が窮地に落ちるのはハラハラ。 ほとんどの仕事人が死んでしまう。 工藤演出の力量でしょうね。 結末を知っていても観てしまう、必殺の必殺らしさだろうな・・・
読了日:08月15日 著者:
異妖新篇 - 岡本綺堂読物集六 (中公文庫)異妖新篇 - 岡本綺堂読物集六 (中公文庫)感想
【図書館】岡本綺堂読物集の6巻目。 益々、面白くなる物語。 冒頭の「西瓜」から引きずり込まれる、果たして見間違いか、「群衆妄覚」か、それとも崇りか・・・綺堂の突っ放した書き方が、余計怖さに拍車を掛ける。 それと、「白髪鬼」と「くろん坊」が怖い。 理解不能な時、どうしようもなく恐怖しかない。 理不尽な面を出されたら対処しようが無い、もどかしい様な怖い様な、綺堂がそこら辺を上手く書きこんでいる。 怪談には怪談の、書き方と言う物があるんだなあ。 いよいよ、最終巻、せいぜい、また怖がらせて貰おう。
読了日:08月17日 著者:岡本 綺堂
怪獣-岡本綺堂読物集七 (中公文庫)怪獣-岡本綺堂読物集七 (中公文庫)感想
【図書館】いよいよ、岡本綺堂読物集も最終巻。 しかし、振り返ってみれば「山本タカト」の美麗な絵に助けられている印象も強い。 綺麗だけど怖い様な画だ、ちょっと謎めかしい美人画が多い。 綺堂の怪談話は理屈に合わない、しかし、そこが怪談話のセオリー、摩訶不思議な空間に誘う。 こういったストーリーテラーは、もう居ないのではないでしょうか。 乱歩しかり、横溝しかり、怖い話の語り手は綿々と繋がっていたのに・・・雰囲気、書き方、時代が許さないのでしょうね。 江戸、明治、大正、気分に浸る、良き時代の物語、終幕です。
読了日:08月21日 著者:岡本 綺堂
DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (1)DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (1)感想
暇で、本棚に眼をやると、これがあった。 1巻目はドラゴンボールのイラストを集めたもの。 いろいろなカットがあり、色違いもある、あの頃、夢中で読んだな。 シリーズ第1巻。
読了日:08月21日 著者:鳥山 明
DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (2)DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (2)感想
第2集はストーリー・ガイド編。 10年分の想い出が、いっぱい詰まっている。 あの時、あんな時が、懐かしく思い出されます。
読了日:08月21日 著者:鳥山 明
DRAGON BALL大全集 4―鳥山明ワールド World guideDRAGON BALL大全集 4―鳥山明ワールド World guide感想
4巻目はワールドガイド、ドラゴンボールの種族、舞台、武道、乗り物、科学・・・あらゆるものを特集。 ちょっと疲れる編。 「ペンギン村編」再録は嬉しい。
読了日:08月21日 著者:鳥山 明
DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (5)DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (5)感想
第5巻は、アニメのパート2 アニメは、あまり興味が無いので、パート2と言う事もあり。 淡々と眺めた。
読了日:08月22日 著者:
DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (7)DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (7)感想
ドラゴンボール大全集・最終巻は「ドラゴンボール大事典」これは、苦労本です。 ドラゴンボールの「年代記」から「世界観」「キャラクター」「アイテム」まで、至れり尽くされの大事典。 これを、眺めているだけでドラゴンボールの世界に遊べる。 わざわざ、本棚から引っ張り出した甲斐がありました。
読了日:08月22日 著者:鳥山 明
くれなゐ 上 (集英社文庫 青 53-E)くれなゐ 上 (集英社文庫 青 53-E)感想
【図書館】本を返却ついでに借りて来た。 渡辺淳一は久し振りだなあ。 「無影灯」とか他何編か読んだ記憶しかない。 28歳の女性が子宮筋腫で子宮全摘出手術を受ける、不倫の相手は14歳も年上の男性、それに26歳の男性が恋心を抱く三角関係。 中山夫人も子宮全摘者でお得意様、旦那と不仲の有閑マダム。 そして、主人公をレズに引きずり込む。 愛妻家の新聞記者の妻も子宮全摘者、歳は40歳と老けているがまだまだの歳だ。 子宮を失くした女性の心と身体を追及する著者独自の目線で描く、元医師ならではの異色作。 続いて、後編に。
読了日:08月25日 著者:渡辺 淳一
くれなゐ 下 (集英社文庫 青 53-F)くれなゐ 下 (集英社文庫 青 53-F)感想
【図書館】読み終わった、これは、いろいろと登場人物が多いが、突き詰めれば冬子と貴志の愛情物語だ。子宮を失くした冬子が喪失感で性感帯が崩れる、しかし、問題は頭脳、思考にあった。結ばれる幸福感が大事で、いろいろ考えない事だった。しかし、愛人のままで良いという考え方が判らない、渡辺淳一の考えも入っているのでは。気持ちをリセットするの「強姦」はどうかと思う、いささか乱暴では。しかし、性の問題は難しいと思う、メンタルな問題だけに。一番、可愛そうな人は中山夫人だろうな、全員に背を向けられて・・・純愛と言うより性愛物。
読了日:08月26日 著者:渡辺 淳一
子連れ同心 (IKKI COMIX)子連れ同心 (IKKI COMIX)感想
【再読】キンドルでは無く単行本。 「さらい屋 五葉」に出ていた立花伊織のその後の話。 伊織と己太郎の、父ひとり、子ひとりの物語。 江戸の風物詩を背景に父と子の営みを暖かく描く一編。 描き下ろしの番外編「それから・・・」が良い。 巳太郎改め立花伊蔵の大きくなった姿が見られる。 オノ・ナツメにしてはこねくり回さず描いた好編である。 といってもオノ・ナツメ、捻りはあるけどね。 昼下がりにゆったり読むのにピッタリです。
読了日:08月28日 著者:オノ・ナツメ
どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心どうしても嫌いな人―すーちゃんの決心感想
【再読】ふと、暇になって本棚から選んだ。 「すーちゃん・シリーズ」の一冊。 すーちゃんとあかねちゃんの日常を描いて嫌いな人のすり合わせをする。 益田ミリの画柄がそうさせるのだが、本当に嫌いな人に見えない。 嫌いな人と付き合う事の難しさを上手く描いている。 母との会話に少しホッとしてるすーちゃんがいる。 何もかも解放される瞬間って無ければなと、安心してる自分がいる。 いろいろ理屈は付くけれど、これはこれで良かったのかも。 でも、全て自分に還って来る、そして結婚も老後の事も・・・すーちゃん、ガンバレ!
読了日:08月29日 著者:益田 ミリ
すーちゃんの恋すーちゃんの恋感想
【再読】「どうしても嫌いな人」の後、「すーちゃんの恋」を読む、恋と言うにはまだ照れがある、恋人のいる男性を好きになる、すーちゃん、果たしてこの恋は。 まあ、すーちゃんだから略奪愛って事は無いだろうけど。 判り切った結末と言うのも淋しいものだ。 恋人がいると判っても好きになるのかな、判らないな・・・合わないと誓った、ある日彼からメールが、一体どうなる。 良く判らない結末、まだ続くのか?
読了日:08月29日 著者:益田 ミリ
本からはじまる物語本からはじまる物語感想
【再読】本、本屋に纏わる短編が18篇詰まった本。 本の取次トーハン(問屋の様なもの)が発行している「しゅっぱんフォーラム」に掲載されたものだから、当然と言えば当然。 一冊の本に、一軒の本屋さんに、思い入れのある文章、時にはファンタジー、時にはSF、そして、身に抓まされる話、当代の作家が渾身の力を込めた一冊。 錚々たるメンバーを観ているだけでワクワクすると思いませんか。 ついつい、引っ張り出して読んでしまう作品集です。
読了日:08月30日 著者:恩田 陸,今江 祥智,朱川 湊人,三崎 亜記,有栖川 有栖,二階堂 黎人,阿刀田 高,本多 孝好,内海 隆一郎,梨本 香歩,篠田 節子,市川 拓司,石田 衣良,山崎 洋子,大道 珠貴,いしい しんじ,山本 一力,柴崎 友香
今日もいい天気 田舎暮らし編 (アクションコミックス)今日もいい天気 田舎暮らし編 (アクションコミックス)感想
【再々読】また、開いてしまった。 漫画家の「山本おさむ」氏の田舎暮らしを描いた奮闘努力編。 田舎暮らしは憧れるけど、そんなに優雅なものでは無い。 自然の驚異、交通の不便さ、そして、週2回の都会への通勤、とてつもない体力がないとやって行けない。しかし、そこは漫画家、辛い中にもユーモアを忘れない。奥さんの天真爛漫さが救いである、それに愛犬「コタ」の存在が大きい。そのうえ、義父、義母の介護も有る、でも、山本家は明るい、多少の苦労は明るく乗り切ってしまう。田舎の良い所と悪い所、過不足なく描いているのが素晴らしい。
読了日:08月30日 著者:山本 おさむ
今日もいい天気 原発事故編 (アクションコミックス)今日もいい天気 原発事故編 (アクションコミックス)感想
【再々読】「田舎暮らし編」から、「原発事故編」を読む。 ほのぼのとした田舎暮らしから、突然の地震、原発の事故、否応なく生活が変わる。 埼玉に、仕事場があるから一時的に避難は出来る、しかし、長期的に考えると「家」は必要だ。 「コタ」もいるからペットOKの家が、避難生活を送る山本家、福島の生活も考えなくてはいけない。 そして、原発の事を考え始める。 コロナで政府発表を鵜呑みにしていいのか、福島原発の二の舞いになるのでは・・・パニックを避けるためには嘘のマスコミ発表もあるのでは。 あの時の首相答弁が甦る・・・
読了日:08月30日 著者:山本 おさむ

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2021年8月 1日 (日)

7月の読書記録 読書メーターより

7月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:6021
ナイス数:2861

夜叉萬同心 お蝶と吉次 (光文社文庫 つ 15-14 光文社時代小説文庫 夜叉萬同心)夜叉萬同心 お蝶と吉次 (光文社文庫 つ 15-14 光文社時代小説文庫 夜叉萬同心)感想
【図書館】「夜叉萬同心」シリーズ、第八弾! といっても、夜叉萬の活躍はほとんど無い。 そもそも、探索の引っ掛かりが水戸家の頼み事。 単に探索しても、からくりは明らかにしないとの頼み事。 調べて行くうちにお蝶と吉次という鍛冶屋と芸者がストーリーの主軸に。 敵討ちに敵討ちをぶつけるのは、いささかやり過ぎの感がある。 最後の斗島半左衛門と吉次の縁組も取ってつけた感じ。 もっと、夜叉萬らしさの出る荒々しさを希望します。 このストーリーなら「読売屋」シリーズでも良かったかも・・・
読了日:07月01日 著者:辻堂魁
親父の十手を受けついで 親子十手捕物帳 (ハルキ文庫 こ 6-33 時代小説文庫 親子十手捕物帳 1)親父の十手を受けついで 親子十手捕物帳 (ハルキ文庫 こ 6-33 時代小説文庫 親子十手捕物帳 1)感想
【図書館】小杉健治、初めての作家さん。 時代劇を沢山出している作家さんらしく、淀みなく読めそう。 親子十手とシリーズにあるから、そう思ったが子供はまだ下っ引きにもなってなかった。 親子の確執を解いてここからがスタート。 辰吉の人殺しの濡れ衣に、辰五郎が必死の探索。 でも、辰五郎も隠居してるんだよね。 はてさて、親子十手、次はどうなります事やら・・・一作目はミステリーあり、どんでん返しありで面白かったです。 続きがありそうで次巻に移ろうと思います。
読了日:07月01日 著者:小杉健治
親父の十手が重すぎて 親子十手捕物帳(2) (時代小説文庫)親父の十手が重すぎて 親子十手捕物帳(2) (時代小説文庫)感想
【図書館】シリーズ、二巻目。 まだまだ修行中の辰吉、十手を預かる日はいつなのか。 それでも、掏摸の銀二を追って走る、一方、相対死に疑問を持つ辰五郎は秘かに探索を始める。 親子十手の歯車が回り始めた様だ、妹の凛だけが役不足といった感じ。 難なく解決をしメデタシメデタシ、銀次のお仕置きが中途半端、気に掛かるのは、品川の飯盛り女、重要な手がかりを得ていながら感謝の訪問をしていない。 こういう、小さな情を重ねなければ辰五郎にはなれないな。 繁蔵と太之助の悪だくみもハッキリしない。 う~ん次巻に続く。
読了日:07月02日 著者:小杉 健治
親父の十手を輝かせ 親子十手捕物帳(3) (時代小説文庫)親父の十手を輝かせ 親子十手捕物帳(3) (時代小説文庫)感想
【図書館】シリーズ、第三弾! ますます、脂が乗って来た辰吉、探索にもやり方を覚えたようだ。 一方、辰五郎は相変わらず人付き合いが多い。 捨て子の親探しを頼まれるが、これがゆくゆくは辰吉の探索に絡んでくるとは・・・同心・赤塚と先代・赤塚の秘密が明らかになるが、繁蔵はどうなるのか、疑問は残ったまま。 辰吉は十手を預かってないが「表紙カバー」の十手を構える姿はどうかと思う。小杉氏と話しているのだろうか、本編でも十手は一切出て来ていないのだが・・・親子十手という設定もおかしいが、隠居して十手を返しているのに・・・
読了日:07月03日 著者:小杉健治
親子の絆を確かめて 親子十手捕物帳(4) (時代小説文庫)親子の絆を確かめて 親子十手捕物帳(4) (時代小説文庫)感想
【図書館】いよいよ、シリーズ四巻目に突入! 突入は良いのだが、辰五郎と辰吉の名前がゴッチャになっている。 二か所も・・・小杉先生ボケて来たか。 今回は辰吉の淡い恋が横軸に。 記憶が戻った「おりさ」と今後どうなるのか楽しみである。 親子の考察が交差する時、新たな謎が・・・親子の情を描いて、ますます面白くなってきた親子十手、この調子でドンドンやってもらいたい。 表紙の違和感は相変わらず、そろそろ辰吉に十手を持たせても良いのでは? 両方とも十手もたずの親子十手ておかしいと思うのだが・・・
読了日:07月05日 著者:小杉健治
宮田雅之の切り絵「八犬伝」 (別冊太陽 スペシャル)宮田雅之の切り絵「八犬伝」 (別冊太陽 スペシャル)感想
【図書館】ふと、宮田雅之氏を想いだし「八犬伝」を借りて来た。 流石、追悼記念号だけあって、宮田切り絵の集大成である。 160頁弱、宮田氏の刀が踊っている。 カラーになるとどっちを切っているのか判らなくなる、黒地を残して色を付けたか、切って白地にして色を切り抜いたのか・・・どちらにしても流れる様な描線は流石である。 現物を見に行きたくなってしまう。 館山市立博物館かぁ、行ったみたいなぁ。 359枚、ここに宮田氏の神髄がある。 宮田雅之、稀代の切り絵作家である。 ほんと、流れる線に色気があるよなあ。
読了日:07月10日 著者:宮田雅之
木枯し紋次郎(上): 生国は上州新田郡三日月村 (光文社時代小説文庫)木枯し紋次郎(上): 生国は上州新田郡三日月村 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】紋次郎の世界に浸りたくなって再度借りて来た。 この巻は紋次郎のルーツが判る一冊。 何故、虚無と孤独を抱えているのか、どういった生き様なのか、何故、楊枝を咥えているのか、様々な疑問が、完全に判る本。 あっしには関わりねえことでござんす、これには天涯孤独の紋次郎が、生きていくには世間に関わることが、幾つ命があっても足りないからで、自らの処世術なのである。 笹沢左保の股旅物にミステリーを導入した画期的な傑作である。
読了日:07月11日 著者:笹沢 左保
木枯し紋次郎〈下〉長脇差一閃!修羅の峠道 (光文社時代小説文庫)木枯し紋次郎〈下〉長脇差一閃!修羅の峠道 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】上巻に続いて読む。 今回の特集は「剣戟」シーンをクローズアップしている。 剣戟=長脇差である、一介の渡世人に銘のある刀が持てる筈が無い。 その辺にあるガラクタという事になる。 だから「斬る」というより「刺す」という殺法が生まれた。 しかし、木枯し紋次郎も名刀を持った事がある。「北村直光」と「志津三郎兼氏」の二振りである。 他にもあると思うが物語で言及しているのはこの二振りである。 今回の剣戟シーンは凄い死闘を繰り広げる、まさに修羅の道である。 紋次郎シリーズ全巻追ってみたいと思った。
読了日:07月15日 著者:笹沢 左保
親子の絆にあらがって 親子十手捕物帳(5) (時代小説文庫)親子の絆にあらがって 親子十手捕物帳(5) (時代小説文庫)感想
シリーズ、五巻目。 徐々に辰吉の力量が試される事件が。 しかし、今回は、双子、刀の鑑定、妖刀と、いろいろな事を詰め込み過ぎた。 そしてストーリーが中途半端に・・・沢山、目明しの親分が出て来るが、これも辰吉の手本になるのが誰か、との表れですかね。 ほんと、そろそろ辰吉に十手を預からせて欲しい。 表紙カバーを見ながら今回こそは、と思っています(笑)
読了日:07月17日 著者:小杉健治
帰って来た木枯し紋次郎帰って来た木枯し紋次郎感想
【図書館】紋次郎が帰って来た。 膾斬りにされた紋次郎、危うく死ぬところを昔、助けた恩義を感じた板鼻の花菱屋友七に助けられる。 紋次郎が板鼻宿で過ごしたあれこれを描く渡世人のその後。 もう決して若くは無い紋次郎の渡世、生き方、死生観を描いて見せる笹沢氏、何やかやあって又、道中合羽を纏う紋次郎、新たな旅立ちである。 さあ、これから「旅編」だが、老境に差し掛かった紋次郎に明日は有るのか・・・
読了日:07月17日 著者:笹沢 左保
木枯し紋次郎―同じく人殺し木枯し紋次郎―同じく人殺し感想
【図書館】再び旅に出た紋次郎、いろいろな渡世のしがらみに悩みながら、三十年にも及ぶ旅路を振り返るのだった。 ある時は騙されながら、ある時は騙しながら、今日を生きてゆく。 紋次郎の生き様は世間と距離を取って生きていく、しかし、どうしようもなく関係性を持ってしまう。 そこに、世間とのしがらみが生まれてしまう。 無人島でも無く、山奥の秘境でも無い、街道筋という世界が紋次郎を生き辛くしてしまうのでは、無宿人は長生きできない様になっている様です。 果たして、紋次郎の思慮深さはどこまで発揮できるのでしょぅか。
読了日:07月18日 著者:笹沢 左保
木枯し紋次郎―さらば手鞠唄木枯し紋次郎―さらば手鞠唄感想
【図書館】ちょっとした謎解きをしながら旅を続ける紋次郎。 関わりないと言いながら、世間のしがらみに捉われてしまう。 体力的には、もう往年の元気は無い、培った経験則が物を言う。 流れに身を流したいが、そうも言ってられない。 紋次郎の明日を思っても詮無きことだが、日々の暮らしを追っても無量感がある。 毎回、ミステリー仕立てにするのは、大変な事だと思う。 笹沢氏に拍手! といっても、もう居ないんですが・・・
読了日:07月20日 著者:笹沢 左保
劇画・長谷川 伸シリーズ 一本刀土俵入 (イブニングコミックス)劇画・長谷川 伸シリーズ 一本刀土俵入 (イブニングコミックス)感想
【再読】キンドルじゃないけど、出ないので仕方ない。 小林まことキャラクター勢揃い、それでいて長谷川伸のペーソスが詰まっている。 「関の弥太っぺ」も「沓掛時次郎」も読んだが、もう手元に無い。 あるのはこの本だけ、しかし、自分のキャラクターを当てると言うのは映画作りと似ていると思う。 こういう発想が「小林まこと」だよなぁ。 久々にグットきた漫画です。
読了日:07月21日 著者:長谷川伸
横溝正史自伝的随筆集横溝正史自伝的随筆集感想
【図書館】ふと、横溝正史の事を想いだし、こんな本があることを知る。 面白そうと図書館リクエストをした。 読んでみると、横溝の幼少の事とか家族構成の事まで懇切丁寧に自伝にまとまっている。 流石に、一気読みとは行かなかったが、ある側面では興味ある読み物である。 横溝作品に全般的に書いてあり、特に「江戸川乱歩」との交友が親しみがあった。 ホモ説もさもありなんと、思わせる文章もある。 とにかく、横溝正史が良く判る本である。 しかし、苦労した人だったんだな、奥さんの追悼本も読みたいと思う。
読了日:07月22日 著者:横溝 正史
クスノキの番人クスノキの番人感想
【図書館】「クスノキの番人」?と言う感じで、借りて来た。 東野圭吾の作品だし間違いが無かろうと。 一読して、これはどういう展開になるのか、判らなくなって来た。 SF、ファンタジー、なんか、辻村深月の「ツナグ」の様な話かとも思えて来た。 しかし、全て終わってみれば、人の絆を描く物語だった。 クスノキを媒体として家族の繋がりを書いたヒューマンサスペンスでした。 東野としては「殺人」が行われないミステリーでした。 謎の老婦人・千舟と玲斗の、最後まで明かされない秘密に感動した。 クスノキの何故が判らない事がミソ。
読了日:07月24日 著者:東野 圭吾
親子の絆に恋賭けて 親子十手捕物帳(6) (時代小説文庫)親子の絆に恋賭けて 親子十手捕物帳(6) (時代小説文庫)感想
【図書館】シリーズも6巻目、捕物親子の関係もしっくりきて来た。 しかし、肝心の殺しの謎解きは、持って回った言い回しに、飽きてきた。 どうも、ヤクザ同士の殺しと言う設定はおそまつ過ぎるのでは。 おりくとの恋のさや当てにも、もう少しやりようがあるのでは。 毎回の事だが、表紙絵と本編が結びつかない。 絵師と著者は話し合ってるのだろうか。 親子十手というシリーズ名が、どうもスッキリしない。 後、一巻だけ付き合おうと思います。 お話もそんなに魅力的では無いし・・・
読了日:07月25日 著者:小杉健治
帰って来た紋次郎 悪女を斬るとき (新潮文庫)帰って来た紋次郎 悪女を斬るとき (新潮文庫)感想
【図書館】文庫じゃないけど、出て来ないので仕方が無い。 帰って来た紋次郎シリーズ5弾である。 旅の中で出会う渡世人の末路が多くなってきた、それと比較して紋次郎の生き方を、自ずと考えてしまう。 水の流れの様に身を任せる紋次郎であるが、やや心に引っかかりが現れたような感じの短編が多い。 そろそろ疲れが現れる盛りを過ぎた紋次郎の描写が多くなる一篇である。
読了日:07月27日 著者:
帰って来た紋次郎 最後の峠越え (新潮文庫)帰って来た紋次郎 最後の峠越え (新潮文庫)感想
【図書館】これも文庫本では無く親本で。 細かいエピソードを繫いでいるが街道を変化を付けている。 紋次郎のエピソードと言うより関わった人のエピソードに終始してる。 死生観と言うか紋次郎のこれからの生き方を示唆している。 「最後の峠越え」も紋次郎では無く、各人の峠越えが最後と言っている。 だいぶ続けてきたシリーズにエピソードも小粒になった様に思う。 これだけ続けたらネタ切れにもなるよな。 また、しばらくしたら読み返す事もあると思う。 先ずは、左保先生を偲びつつ、本を置こう。
読了日:07月28日 著者:笹沢 左保
めぐりんと私。めぐりんと私。感想
【図書館】「本バスめぐりん」続刊。 相変わらずウメちゃん、テルさんのコンビは健在です。 しかし、今回は利用者目線で描かれる移動図書館編。 いろいろな利用者を交えて移動図書館のちょっとした謎解き編。 出て来る本が実在本と言う事で、にやりとしたり、読んでみようか考えたり。 最終話「未来に向かって」では、一つの有りようを示したのではないか。 もしかしたら、本当のシリーズ完結かも。
読了日:07月29日 著者:大崎 梢
暗い越流暗い越流感想
【図書館】たぶん、読んでるよなと、手に取ったが再読に気付かず読了。 かなりの葉村晶物を読んで来たからストーリーが判らなくなっているらしい。 まあ、記憶は消していかないと新たな記憶が入らないらしい。 なんて認知症の想いを実行している感覚である。 まあ、それなりに時間を楽しめたと言う事で良しとしよう。 しかし、毎回怪我をするなあ、もう若くは無いのだから無理しない様にね、葉村サン! 葉村シリーズは新作を除いて完読で良いかも知れない。
読了日:07月29日 著者:若竹 七海

読書メーター

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2021年7月 1日 (木)

6月の読書記録 「読書メーター」より

6月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:5040
ナイス数:2672

きたきた捕物帖きたきた捕物帖感想
【図書館】宮部みゆきの新シリーズ。 孤児の「北一」が「文庫」を売りながら事件解明に苦労する人情物。 捕物帖と銘打ってはいるが、北一は岡っ引きにもなれない下っ端の下っ端。 盲目の「おかみ」と馴染みの「おみつ」長屋の差配人「富勘」こと勘右衛門と欅屋敷の住人・青海新兵衛らと謎説きを繰り広げる。 深川同心沢井蓮太郎がどのようにして北一に十手を預けるかが今後の話。 もう一人の「きた」が登場するのは三話目、風呂屋の釜焚き「喜多次」謎に包まれた人物だが縁により北一を助けて働く。 登場人物紹介が終わって、いよいよ始動!
読了日:06月01日 著者:宮部みゆき
乱れ雲 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)乱れ雲 風の市兵衛 弐 (祥伝社文庫)感想
【図書館】「風の市兵衛」シリーズ、第28巻。 今回は流行風邪が猛威を振るう市中で抜け荷を企む連中と対峙する市兵衛の姿を描く。 「鬼しぶ」の息子・良一郎の見習い同心の懸命さも同時に描く、見守る「鬼しぶ」の鬼三治の態度が微笑ましい。 借金の取り立て相手が、抜け荷に加担する状況に市兵衛が邪魔になる。 そこで「風の剣」が炸裂する。 コロナ禍との対比がどうにもやりきれない関係を表現してる。 いつも、飄々としている市兵衛も早四十一歳、嫁取りの話もそろそろかと・・・
読了日:06月03日 著者:辻堂魁
小説 ゆうえんち -バキ外伝- 3 (3) (小説少年チャンピオン・ノベルズ)小説 ゆうえんち -バキ外伝- 3 (3) (小説少年チャンピオン・ノベルズ)感想
【図書館】「ゆうえんち」の3巻目。 とにかく理屈抜きで面白い。 単なるバトルモノなんだけれど、そこに獏さん流の目線が入って、一筋縄ではいかない雰囲気が・・・数学者や忍者も現れる格闘小説。 理屈では無い、筋肉の軋み、骨の唸り、絶対に現実的では無い戦いが繰り広げられる。 「バキ」の世界を彷彿させる漫画の世界、獏流活字で語る漫画。 でも、こんな事をやっていて終わりは有るのかいなと思ってしまう。 獏さん、起承転結を考えて書いてね。 ダラダラと格闘シーンだけはやめてね。 悪い癖だから・・・
読了日:06月04日 著者:夢枕獏
立つ鳥の舞 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)立つ鳥の舞 くらまし屋稼業 (時代小説文庫)感想
【図書館】シリーズ七巻目、今回は「赤也」の巻。みんな、面白いと言うが、歌舞伎の初代と2代目、3代目の区別が付かず物語に没入できなかった。「虚」との戦いも九鬼と決着つかず・・・全体が中途半端でグダグダ。何もかも物語に入れたためだと思う。くらまし屋、曽和一鉄、篠崎瀬兵衛、坊次郎、初狩男吏、阿久多、入れ過ぎでは。赤也の決着は一応ついたが、物語は一向に進んでいない。平さんの奥方のその後とか、「虚」の基地の話とか、老中の話とか、全然進んでいない。もう少し痛快時代劇を見せて欲しい、一話完結の様に話を作れないか。
読了日:06月07日 著者:今村翔吾
変わり朝顔 船宿たき川捕り物暦 (祥伝社文庫)変わり朝顔 船宿たき川捕り物暦 (祥伝社文庫)感想
【図書館】初めての作家さんでした。 面白い、現代小説の作家さんが「処女時代小説」と言う事で、いろいろ気になる点を気を付けて書いているのが判る。 他の小説もカッキリ書く性格なのだろうと思う。 ラストで武士を捨て「目明し」の二代目になるが、剣技を観られないのが残念。 この作家さん時代劇に一言ある様で、各シーンの細やかな描写が見事。 すんなりと江戸の風が吹くようです。 二作目も有る様なので、続いて読む事にします。 しかし、2004年の作とは、知らなかった。 改稿とありますが手直しは相当したのでしょうか。
読了日:06月08日 著者:樋口有介
初めての梅 船宿たき川捕り物暦 (祥伝社文庫)初めての梅 船宿たき川捕り物暦 (祥伝社文庫)感想
【図書館】「たき川捕物暦」シリーズ、第二弾! 侍から岡っ引きの束ねになった米造のその後を描く。 師走から正月までの江戸の風物詩を描き、細やかな風景描写も交え生き生きと活写する。 いろいろな謎が起こるが身近な謎解きをして次回に回すと言った体裁を取った様だが、次回作に取り組んでいるのかは不明。 こんな宙ぶらりんで終わる訳無いですよね、樋口サン! 相変わらず、細かいところまで目が行き届いて流石です。 もともと、時代作家と言われても判らない位、江戸時代の状況を描いている。 是非とも、続編を。
読了日:06月10日 著者:樋口有介
茨姫はたたかう (祥伝社文庫)茨姫はたたかう (祥伝社文庫)感想
【図書館】整体師・合田力シリーズの続編。 身体の悩みを治すと共に精神(こころ)の悩みも整体する、ミステリードラマ。 20年越しのシリーズ二巻目(新装版)だが、スムーズに合田の世界に入っていけた。 シリーズを続ける予定はあらず本編で終わりのようだ。 それぞれの恋にも一応の決着をつけ大団円と言うところか。 しかし、上手いよな、そんな大きな問題も無く、心の深遠に入って行く、近藤マジックと言う所以か。 とにかく、良いドラマを読んだ感じ。 「サクリファイス」シリーズでも読んでみようかな。
読了日:06月10日 著者:近藤史恵
孤独のグルメ 【新装版】孤独のグルメ 【新装版】感想
【再々読】もう何回読んだか判らない。 その都度、新しい発見のある劇画です。 この世界が落ち着くのでしょうね。 ほんと、谷口ジローの画は落ち着きますね。 細かい描写が何とも言えない。 五郎さんの態度が、ほんとに食に正対してるというか、一生懸命な感じが良い。 後何回、頁を捲るのでしょうか。 又、忘れた頃に逢いましょう、ネッ五郎さん!
読了日:06月12日 著者:久住 昌之
孤独のグルメ2孤独のグルメ2感想
【再々読】1巻に続き2巻を読む。 この本の良い所は全国どこでも話が繋がる事。 五郎さんの職業も関係してるが、食に貪欲で無理しないところ。 ごく普通にB級グルメみたいのも食べるし、正当なひと品を選ぶこともある。 雰囲気で頼んでしまう事もある。 食べた後の、満足の表情が何とも言えない。 井の頭五郎、またどこかで食べている事だろう。
読了日:06月13日 著者:久住 昌之
あきない世傳 金と銀(九) 淵泉篇 (ハルキ文庫 た)あきない世傳 金と銀(九) 淵泉篇 (ハルキ文庫 た)感想
【図書館】やっと読めました。 型紙を持って行方知らずの「結」が、なんと音羽屋の後添いになるとは。 おまけに、商いの禁忌を犯したと言う事で「呉服商」の商いを止められてしまう。 これも、「音羽屋」の仕業、失意のどん底にある「幸」に希望の二文字はあるのか・・・ますます、面白くなる物語に姉妹の今後の運命は、果たして新機軸の浴衣は売れるのでしょうか。 また、借りるのに時間が掛かるのでしょうが、辛抱強く待つ事にします。
読了日:06月16日 著者:高田郁
サクリファイス (新潮文庫)サクリファイス (新潮文庫)感想
【図書館】ずーと積読本に近い、読もうか迷ってた本。 こんなにシリーズが続いている事は多分面白いんだろうな、と言う事で頁を開いた所存。 1ページから引き込まれた、ロードレースの事は何にも判らない、でも、グイグイ惹きこまれる。 なんだこのサスペンスは、謎が謎を呼びミステリーも。 知らず知らず虜になる、流石、近藤マジック、読み終われば感動作。 ロードレース未経験者が書いたとは、だから何も判らない一読者の私でも興奮できたのかも。 続く、「エデン」に手を伸ばす。
読了日:06月17日 著者:近藤 史恵
エデン (新潮文庫)エデン (新潮文庫)感想
【図書館】あれから3年、「誓」はツールド・フランスの舞台にいた。 相変わらずロードレースの小さなルールは判らない、しかし、日本人選手の置かれている立場とか、言葉の不自由さが理解できる。 人間関係も一筋縄ではいかない事が徐々に理解できる。 ただ、外国を舞台にしているので、登場人物、地名などカタカナが多くて閉口した。 外国文学に弱いと共通する点が多い。 普段、「時代小説」ばかりだからな(笑) また、ちょっとした謎があり、ミステリー要素もあったが、堂々のツーリング小説、近藤史恵の増々の指標を示す小説です。 
読了日:06月18日 著者:近藤 史恵
サヴァイヴ (新潮文庫)サヴァイヴ (新潮文庫)感想
【図書館】「サクリファイス」シリーズのスピンオフ的な短編集。 各自の悩み、葛藤を描く全六篇。 石尾が赤城が、そして白石が・・・ロードレースに懸ける男たちの葛藤をいろいろな観点から追い求めていく。 孤独、犠牲、恐怖、様々な試練が襲う、ロードレースとは命までを懸けて戦う物なのか。 シリーズ中に秘められた各自の想いを描く番外編、これが泣かせる、泣いてくれ! 「キアズマ」は違うシリーズらしいが、読んでみよう。
読了日:06月21日 著者:近藤 史恵
幕間(まくあい)のモノローグ幕間(まくあい)のモノローグ感想
【図書館】「アクターズスクール」の講師で有り、ベテラン俳優の「南雲草介」が主人公でスクールで起こる数々の事件を解決する。 その陰には元警察官のマネージャー「友寄栄支」が居た。 長岡弘樹がいろいろな職業を舞台にしたが今度は「俳優学校」だった、確実性があるわけでなく何となく終わってしまうのが長岡流。 しかし、気づかない点を炙り出すのが上手い。 ちょっとシャープ差に掛けたかと思います、もっと的確な指摘が欲しかった。 
読了日:06月23日 著者:長岡 弘樹
キアズマ (新潮文庫)キアズマ (新潮文庫)感想
【図書館】サクリファイス・シリーズのスピンオフ作品。 といっても、サクリファイス・シリーズの内容と全く違うため、この本だけ読んでも全く差支えない。 似てるところはロードレースが舞台と言う事。 まあ、サクリファイスの登場人物が一瞬だけ現れるが。 大学の自転車部に、ひょんなことから入部する羽目になった岸田正樹。 自転車部と言っても部員4名の弱小クラブ、ここから正樹のロードレース人生が始まった。何も知らない読者は、「キアズマ」から入った方が判りやすいと思う。大学生の青春ロマンも味わえるし、入門編の一冊かと思う。
読了日:06月24日 著者:近藤 史恵
スティグマータ (新潮文庫)スティグマータ (新潮文庫)感想
【図書館】シリーズ、五巻目。 また、「ツールド・フランス」の季節になった。 チカも走る事が決定した、しかし、今回はいろいろ面倒な事が・・・「ロードレース小説」と言う事は判るのだが、白石誓が「語り手」という事に物語に没入出来ない「私」が居る。 ロードレースを描くのは良い、しかし、登場人物の誰かに感情移入しないと臨場感が湧かない。 読み終わって誰の物語だったのか、モヤモヤが残る。 小説としてロードレースは背景で会って欲しい、主人公を引き立てて欲しい。 性に合わない、感じが残った、続きがあるとしたらキツイかな。
読了日:06月29日 著者:近藤 史恵

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2021年6月 2日 (水)

五月の読書記録 読書メーターより

5月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:6601
ナイス数:3019

ゑひもせす (ちくま文庫)ゑひもせす (ちくま文庫)感想
【再々読】どっぷり日向子ワールドに浸る、まだ慣れていない筆致が初々しい。 「通言室乃梅」のたどたどしい筆運びが、若書きの書きこみ過ぎが愛らしい。 どうも、皆さんは「吉良供養」を推すようだが、私は「もず」の婀娜っぽい別れのシーンに泣ける。 やるせない、どうにもならない、別れがここにある。 男女の仲の年増と若い二人の関係が身に抓まされる。 外で待っている若い娘の表情が次第に晴れて行く過程が見事。 ともあれ、日向子の初期短編集に酔いたい。
読了日:05月01日 著者:杉浦 日向子
京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男感想
【図書館】山村美沙について書かれた本。 実は、もっとドロドロした愛欲編かと思っていた。 書籍の絶頂期にベストセラー作家として君臨した「山村美沙」の本が、たった20年で書店店頭から消えてしまった事に意気通る話だった。 でも、西村京太郎氏の恋愛はあったみたいだし、夫と言う人間が良く判らない、確かに支えは有ったかも知れないが、狡い男に書かれている。 二大巨匠と言う事で大手出版社からは出せなかったと思うが、花房観音ならもう少し書きようがあったのでは・・・「小説・山村美沙」とでもして愛欲編を書いて欲しかった。 
読了日:05月02日 著者:花房 観音
あの頃、雑誌は輝いていた!―43誌の編集長に聞くあの頃、雑誌は輝いていた!―43誌の編集長に聞く感想
【図書館】「週刊宝石」から「SPA!」まで43誌の編集長の対談集。 1990年代の雑誌の隆盛を月刊誌「政界」に発表したもの。 なかなか面白いが43誌と言うと、かなり疲れる。 それぞれの雑誌にそれぞれの苦労はあるが、著者の経験から苦労話を引き出すのは流石である。 「ダ・ヴィンチ」「SPA!」新たに出版された当時の世相が面白い。 今と感覚が違う事も面白い。 しかし、仕事とはいえ、43誌だいたい判っているという筆者の力量が凄いと思う。 今となっては、違う視点もあるが、これはこれで世相を映し出している。 
読了日:05月03日 著者:塩澤 実信
関八州御用狩り (光文社時代小説文庫)関八州御用狩り (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】初めての作家さん、内容が面白そうなので借りて来た。「追い首」(賞金稼ぎ)という名称を考え出したのが偉い。関八州に逃げ込んだ悪党を江戸に引き戻す商売だ。 その一人「白光新三郎」の居合斬り、「大黒主水」の拝み斬り、追い首の遣いっ走り「利吉」この三人が繰り広げる痛快アクション時代劇。今回は、父の仇討ちの用心棒で仇・須崎の千次郎の潜伏する古河を目指す。なかなかテンポが良い、関八州の事も良く調べている。剣戟シーンもあり楽しい。 関東で「隠れキリシタン」は珍しいが。袖文を読むと「大富豪同心」の作家らしい。
読了日:05月04日 著者:幡 大介
仇討ち街道: 関八州御用狩り(二) (光文社時代小説文庫)仇討ち街道: 関八州御用狩り(二) (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】第2弾! 今回は「白河の関」まで足を延ばす。 敵討ちの仇が逃げた先が白川藩に逃げ帰っていた、そこで新三郎達は白川まで仇討ちの助っ人として同道する事に。 ところが仇を逃がした「逃がし屋」という「追い首」の正反対の商売敵が現れる。益々、面白くなる道中譚、テーマは大きいのだが、ネタが小さいような。とにかく、次期老中・松平定信の秘密も絡んで、街道は一触即発の形相に。 新三郎の片山伯耆流の居合が鞘走る、百姓一揆まで巻き込んで、果たしてどうなる。一流のユーモアがあるらしく一筋縄ではいきそうも無い作家です。 
読了日:05月06日 著者:幡 大介
風雲 印旛沼: 関八州御用狩り(三) (光文社時代小説文庫)風雲 印旛沼: 関八州御用狩り(三) (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】関八州シリーズも3巻目。「追い首」と「逃がし屋」の攻防が激しくなってきた。今回は、下総・印旛沼が舞台。今回も敵味方入りまじり一揆は起こるは、ヤクザの出入りが起こるはで波乱万丈。仕事にて新三郎の胸中が垣間見られ、やや複雑。一件が終わって最後に凄腕の剣豪との別れがあっけない。もうひと絡み、欲しかった。次の巻が出ていないので完結と思うが、完結とは書いて無い。書下ろしで一巻、書いたのだからもう少し続けて欲しい。大人の事情かな、「飯綱屋・お甲」の活躍をもう少し見たかった。ドラマと剣戟が面白かった。
読了日:05月09日 著者:幡 大介
公家さま同心 飛鳥業平 (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】初めての作家さん、公家が町人に絡む「公家武者・松平信平」と似てますね。 ちょっと違うところは、シャーロックホームズを意識してるところ。 相棒の定廻り同心の「和籐田三次郎」がワトソンの役回りの事。 それに、一の事件が「ソア橋事件」の滑り出しと似ている、いや、そのまんまだ。 このホームズ、従三位権中納言と偉い、しかも水戸家の客分である。 「飛鳥業平」、颯爽と登場である。 同じ名前の「業平橋事件」を解決し次の事件へ・・・ 読み易く軽い、しばらく楽しめそうだ。 続きがありそうなので追ってみたい。
読了日:05月10日 著者:早見 俊
岩田専太郎さしえ画集 (1976年)岩田専太郎さしえ画集 (1976年)感想
【再々読】読んだって言うより眺めたって感じ。 ふと、暇になり手に取った。 しかし、重いなあ、何キロくらいあるんだろう(笑) 時代物と現代物に分かれて収録してあるが、どちらも絵の世界に入り込んでしまう。 良いなあ~この線の流れ、イメージたっぷりに描かれた構図、何とも言えない。 思えば当時の20,000円は私には結構な値段でした。 女房殿を拝み倒して買った経緯がある、でも、買って置いて良かったと思う。 何回も繰り返して眺める楽しみがある。 また、忘れた頃に取り出そうと思う。
読了日:05月11日 著者:岩田 専太郎
公家さま同心 飛鳥業平―踊る殿さま (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平―踊る殿さま (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ第2弾! 「黒子美人屋敷」赤毛同盟を思わせます、益々、ホームズに似せて来た。 賛否あるようだが、所詮、著者の世界観、良いんじゃありませんか。 第一、宿敵まで現れちゃった。 三河島の御前・守屋貞斎=モリアーティが登場。 従四位下侍従の官位で大奥出入り自由の家柄、これは、業平も、うかうかしていられない。 早速、横槍を入れて来た。 シリーズをもう少し楽しみたいと思います。 
読了日:05月11日 著者:早見 俊
奈緒と磐音 居眠り磐音 (文春文庫)奈緒と磐音 居眠り磐音 (文春文庫)感想
【図書館】目的の本が無かった(借りられていた為)借りて来た。 全51巻通して読んだので感慨は深い。 番外編として書くのならエピソードを考えた方が良かった。 完全にスピンオフと言うより完全版のPR臭くないか。 この作家の突き詰めて良くしようと考えるのは評価するが、そこに至る現時点も大事かと思う。 完全版って本当にあるのか、書くって事は、今が大事だと思う。 久々に「磐音」の世界を味わった事は事実、しかし、悲劇を知っているだけに・・・
読了日:05月13日 著者:佐伯 泰英
武士の賦 居眠り磐音 (文春文庫)武士の賦 居眠り磐音 (文春文庫)感想
【図書館】磐音スピンオフ第2弾。 今回は「利次郎」「霧子」の前日譚。 本編に絡めようとして失敗する傾向が。 単なる、エピソードで終わらせてもいいのにな。 磐音完全版が頭にあるんだろうな、なにせ、売らんかなの人だから・・・でも、磐音の世界に遊んで「あの時代」に帰った様です。 もう少し前日譚を楽しみたいと思います。 なんだかんだ言っても「居眠り磐音」の初期は良かったなあ、と思い出しています。
読了日:05月14日 著者:佐伯 泰英
初午祝言 新・居眠り磐音 (文春文庫)初午祝言 新・居眠り磐音 (文春文庫)感想
【図書館】番外編・第3弾。 各話とも磐根を巡る人々の若き日の越し方を取り上げた一篇。 向田源兵衛の話だけは誰だか判らなかった、後で「殴られ侍」だと気が付いた所存。 昔に戻れて、懐かしく思いました。 こんな、スピンオフも良いのではと思う。
読了日:05月14日 著者:佐伯 泰英
公家さま同心 飛鳥業平―どら息子の涙 (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平―どら息子の涙 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ第3弾。 今回は「京都」に里帰り、と言っても水戸さん絡みです。 テンポよく進むのは良いんだけど、江戸と京、あまりにも道中が短すぎないか。 53次あるんだから、もうちょっとふくらましても良かったのでは。 旅編は三話で到着では、あまりにも端折り過ぎ。 まあ、サラッと読めるのが良いですね。 若干のミステリーの香りもまぶしつつ。 先は長そうです、いざ!
読了日:05月17日 著者:早見 俊
餓狼伝餓狼伝感想
【再読】面白い、谷口ジローの餓狼伝。 筋肉が軋む、腕力に圧倒される。 これぞ、格闘技漫画。 1990年作だが古びていない、やや、運びがスローモーな感じもするが、筋肉の動きを捉えるなら、この位のスピードだろう。 本棚の肥やしである。 昔、勤めていた会社の作品に、懐かしく思う。
読了日:05月17日 著者:
公家さま同心 飛鳥業平―世直し桜 (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平―世直し桜 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】飛鳥業平も、もう4巻目。 ますます、面白くなってきた。 この回から、新たな登場人物が増えた、北町同心・前原健太郎。 この人物、なかなかの切れ者であり、業平の好敵手になりそう。 捕物調べが始まるが、鋭い推理を放つ。 今回も何件かの事件を解決すれど、モリヤ―テイ―の企みが一部漏れ出す、そして、ライバルと思われた人物も敵側に。 今後が楽しみな「公家さま同心」果たして、どのような展開になるのか。 次の巻も楽しみです。
読了日:05月20日 著者:早見 俊
公家さま同心 飛鳥業平―江戸の義経 (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平―江戸の義経 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ6巻目、ますます調子に乗る業平、三次郎、寅松の心配をよそに、丁々発止の立ち回り。 ちょっと業平の動きに変化があった様な、なんにでも顔を突っ込むお調子者という立場からしっとり系にシフト・チェンジしたような・・・一篇は「三次郎」の孤軍奮闘を描く「三次郎奮闘記」が意外と見所。 一人一人にスポットを当てるのも手だと思います。 ますます、物語は佳境に。 スカッと読めるのも利点かも。
読了日:05月21日 著者:早見 俊
公家さま同心 飛鳥業平―天空の塔 (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平―天空の塔 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズも、もう6弾! 相変わらず業平は「大日本史」の編纂に余念がない、一方、百人一首の「千早ふる」になぞられた殺人が起こる。 洒落が効き過ぎて犯人がバレル、何後も「過ぎたるは及ばざるが如し」だなあ。 寅吉の切ない恋模様を描く「寅吉恋煩い」も好編である。 どんどん面白くなる「公家さま同心」今後はどんな展開を見せるか。 次巻に乞うご期待! 
読了日:05月22日 著者:早見 俊
公家さま同心 飛鳥業平―魔性の女 (コスミック・時代文庫)公家さま同心 飛鳥業平―魔性の女 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ第7弾! 今回は「お理久」という女性を巡る連作短編になっている。 女に興味が無さそうな業平でさえ、つい、面倒を見てしまう魅力的な女性に描かれる。 この、お理久、何の因果か男に付きまとわれ、挙句の果てに男が「死んで」しまう。 数奇な運命の持ち主、それが回りまわって「もりやてぃ」の養女に・・・またまた、ひと波乱ありそうな展開に。 物語作りが上手いですね、当分飽きない様子にますます次巻が楽しみです。
読了日:05月23日 著者:早見 俊
公家さま同心飛鳥業平 宿縁討つべし (コスミック・時代文庫)公家さま同心飛鳥業平 宿縁討つべし (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】「公家さま同心」8巻目、今回はとあることから「仇討ち」騒ぎに巻き込まれる業平を描く。仇討ち自体がやらせで裏側には巨大な陰謀が隠されていた。 業平と「モリヤ―ティ」更に「お理久」も巻き込んで話はますます複雑に。 こうなって来ると「三次郎」「寅松」のドタバタは付け足しの様にもみられる。 果たして、どんな按配になるのやら・・・ますます、眼が離せない「公家さま同心」である。
読了日:05月25日 著者:早見 俊
公家さま同心飛鳥業平 心の闇晴らします (コスミック・時代文庫)公家さま同心飛鳥業平 心の闇晴らします (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ10巻目、図書館に9巻が貸し出されていて、飛んで10巻を借りて来た。 今回は「心の相談所」という怪しげな団体と会いまみえる業平を描く。 調べると幕閣、大奥といろいろ出て来る、政り事に興味が無い業平を強引に巻き込もうとする「モリヤーティ」。 ますます、しがらみが強くなる業平の今後は・・・業平の今後が心配の次巻へ。
読了日:05月26日 著者:早見 俊
公家さま同心飛鳥業平―別れの酒 (コスミック・時代文庫)公家さま同心飛鳥業平―別れの酒 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ11巻に突入。 今回は、気の良い御家人の侍が登場。 何かと面倒を起こすが、業平と気が合い友達になる。 仕舞いには殺人事件に巻き込まれるが業平の機転で事件は無事解決。 今回は「モリヤ―ティ」の出番がないが、出ないとまた淋しいものである。 あと、1巻華々しくラストを飾れるでしょうか。
読了日:05月27日 著者:早見 俊
公家さま同心飛鳥業平―最後の挨拶 (コスミック・時代文庫)公家さま同心飛鳥業平―最後の挨拶 (コスミック・時代文庫)感想
【図書館】シリーズ・大団円。 「闇の稲荷」の解決の仕方に、やや難ありと言う感じだが、とにかく、「モリヤティー」の手先の前原は自死した、そして張本人の悪も滅びた。 めでたし、めでたし。 業平は京に帰る、飄々として。 とにかく、三次郎と寅吉のトリオは相変わらずの掛け合いで、凄く良かった。 業平のキャラクターも良かった、ちょっと現実味はないが、痛快時代劇にはこの位で良いのでは。 考えなしにシリーズを読めたのが何よりでした。
読了日:05月29日 著者:早見 俊

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2021年5月 2日 (日)

4月の読書記録 読書メーターより

4月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:10265
ナイス数:3144

一路(下) (中公文庫)一路(下) (中公文庫)感想
【図書館】ふ~、読み終わった。良い作品だった、参勤交代の道中に御家騒動を交え、一路の道中はようやく終わった。 しかし、悪臣・将監と喜惣次の処理はあっけなかった。 まあ、道中と関係ないのだから、当然と言えば当然なのだが。 はてさて道中にはいろいろな事が起こるものだ、それを一つ一つ解決していくのは苦労の連続である。何も知らなかった一路の胸中はいかばかりか。殿様のうつけ振りをかなぐり捨てた名君振りには、スッとした。一路と一緒に江戸までの道中を存分に楽しめた一冊でした。ちょっと読み難い処も有ったけど良しとしよう。
読了日:04月05日 著者:浅田 次郎
坊っちゃんの時代 : 1 (アクションコミックス)坊っちゃんの時代 : 1 (アクションコミックス)感想
【再々読】やっぱり「坊ちゃんの時代」は落ち着く、ついつい手に取ってしまう。あの時代が良いか悪いかは判断が付きませんが、人の付き合いがちゃんとしていたんだろうと思う。時代は明治、漱石が「吾輩は猫である」を書き上げて次作の構想を練る処から始まる。表情が良い、漱石も鴎外も啄木も、皆、生き生きとしてる。女性も強かった、平塚らいてう、なんか3分半も森田草平とキスしてるし、伊集院影昭と不倫してる、なんともしたたかで奔放な女性です。 この後、鴎外、啄木、秋水、最後はまた漱石に戻るのだが・・・谷口ジローの画に魅力がある。
読了日:04月06日 著者:谷口ジロー,関川夏央
坊っちゃんの時代 : 3 かの蒼空に (アクションコミックス)坊っちゃんの時代 : 3 かの蒼空に (アクションコミックス)感想
【再々読】「坊ちゃんの時代」第3部です。 今回は「石川啄木」啄木というと「抒情詩人」として有名だが、とんでもない借金王だった。 自堕落な生き方に詩人としての才能が有ったのか、物語では感じられない。 感性は研ぎ澄まされているようだが、如何せん生活能力の無さ、計画性の無さを見せつけられる。 金に捉われない、これも才能なのか・・・ 淡々と描かれる啄木の生涯と借金、どうしても共感できない。 借金を返しきれずに死ぬ、何処までも自堕落なのか。 啄木とは、詩人とは・・・
読了日:04月07日 著者:谷口ジロー,関川夏央
風流江戸雀 (新潮文庫)風流江戸雀 (新潮文庫)感想
【再々読】もう何度手に取ったか判らない。 ちょっと気疲れの時、読んでみる。 良いですね~直ぐに江戸の世界に連れてってくれる。 古川柳の世界に遊んでいます、日向子さんと一緒に。 粋で鯔背で艶があり、ちょっとした仕草が良いんですよ。 日向子流浮世絵、「田辺聖子女史」の言うとうり確かに浮世絵だ。 一瞬のあやを切り取っている、喜怒哀楽がこの一句に詰まっている。 力を抜いてしばし、江戸の世界に遊んでみては。
読了日:04月08日 著者:杉浦 日向子
4時のオヤツ4時のオヤツ感想
【再々読】何気ない一言が、心に沁みる。 日向子流ショートショート、何て事ない日常なのだが、関係性を素直に感じさせる。 日向子の視線の優しさを感じる。 美味いオヤツが33点、すこぶる老舗もあるが、どうしても食べたいモノもある。 微に細に入り、心の琴線に触れる物語。 ショートショートはこうで無ければ、山椒は小粒でピリリと辛いのである。 中途半端な4時という時間、中途半端な美味を喰う。 やはり杉浦日向子は良い!
読了日:04月08日 著者:杉浦 日向子
百物語 (新潮文庫)百物語 (新潮文庫)感想
【再々読】杉浦日向子の世界は良い、つかの間、異次元に遊離させられてしまう。 日向子が足かけ8年の歳月を費やし描き綴った集大成的大作。 660頁を誇る怪奇譚の大傑作。 江戸時代、一人一人が一話を語り次ぐ怪談講があったというが、それ例をとった杉浦日向子版・百物語。 その不思議譚や妖し譚、いろいろ現れる魑魅魍魎の数々・・・日向子怪談に足を踏み入れては如何ですか。 そこには見知らぬ異空間が広がっていると思います。
読了日:04月08日 著者:杉浦 日向子
大江戸観光 (ちくま文庫)大江戸観光 (ちくま文庫)感想
【再読】いろんな雑誌に書かれたものを集めた物。 ほんのとば口を紹介する本。 江戸の様々な事が判る本。 そして、著者の考え方が理解できる本。 杉浦日向子、こんなに柔軟な心を持ってたんだ。 15年後の事を書いているが2005年亡くなるなんて思ってもいなかったんだろうな。 日向子のガイドで回る大江戸観光、ひと味もふた味も違います、明るく優雅に行きましょう。 出発です!
読了日:04月09日 著者:杉浦 日向子
鯖猫(さばねこ)長屋ふしぎ草紙(九) (PHP文芸文庫)鯖猫(さばねこ)長屋ふしぎ草紙(九) (PHP文芸文庫)感想
【図書館】鯖猫長屋も、もう九巻目。 良く続いたものだ、今回は大盗賊・鯰の甚右衛門が登場する。 「黒ひょっとこ」こと、猫の先生・青井亭拾楽と何か曰くがありそうだ。 おまけに「座敷童」まで巻き込んで長屋中大混乱。 しかも、この大盗賊、掛井の旦那にも恨みがありそうで、一筋縄ではいきそうもない。 武家のお坊ちゃまの一件は何とかケリは付いたが、大盗賊が何を仕掛けて来るか、次巻以降のお楽しみになっている。 人情長屋とサバの我、関せずが、どうしようもなく面白い。さくらも段々物語の役が付いて来た、さくらの個性でガンバレ~
読了日:04月10日 著者:田牧 大和
晴れた日は図書館へいこう 夢のかたち (ポプラ文庫ピュアフル)晴れた日は図書館へいこう 夢のかたち (ポプラ文庫ピュアフル)感想
【図書館】シリーズ3作目、図書館の新刊コーナーにあったから借りて来た。 やはり、ジュブナイル文庫と言う事で、やさしい文字で物語が進む、でも、大人の考え方も示していて読み易い。 緑川聖司氏は児童文学専門なのかな? ミステリーも読んでみたい気もする。 いつものしおりに合えたのは嬉しいです。 親の離婚理由も判ったし、惜しむらくは刊行期間をもう少し早められたら・・・作者の出版社の都合もあるしな・・・ 晴れた日の図書館で借りられた事を、素直に喜ぼう。 益々の著者の健筆を祈ります。
読了日:04月11日 著者:緑川 聖司
八丁堀「鬼彦組」激闘篇 狼虎の剣 (文春文庫)八丁堀「鬼彦組」激闘篇 狼虎の剣 (文春文庫)感想
【図書館】読む物が無くなったので借りて来た。 「鬼彦組」まだやってたんだ。 「激闘編」と章を改めての再出発らしいが物語は同じ、新十郎と七人の同心の連携プレイ。 地道な捜査は判るが、話がちょっと間延びしてる。 剣戟シーンはそれなりに魅せるが、とうも付け足しの様に思えてならない。 激闘編らしく戦いまた戦いという様にならないものか・・・もう一冊、借りて来たから読もう。
読了日:04月12日 著者:鳥羽 亮
八丁堀「鬼彦組」激闘篇 暗闘七人 (文春文庫)八丁堀「鬼彦組」激闘篇 暗闘七人 (文春文庫)感想
【図書館】安定と言うのかマンネリと言うのか、いつものパターンだ。 捕物帳だから探索、尋問、吟味、大団円は仕方ないが、もう少し見せ場があっても良いのでは。 七人の内、倉田と柳瀬だけが活躍してる感じ、もっと根津とか田口の活躍の話があっても良い。 新十郎の活躍が無い、吟味方与力だから仕方ないと思うが吟味方としての有りようがあるのではと思う。事件自体が同じように思う、敵に剣豪が現れ、倉田と柳瀬が対峙するパターンは、もう飽きた。 ちょっと目先を変えて事件を起こして欲しいと思ってしまう。このまま、ずーと行くんかなあ。
読了日:04月14日 著者:鳥羽 亮
STAY (1) (小学館文庫 にA 3)STAY (1) (小学館文庫 にA 3)感想
【再々読】本棚に有ったので、手を伸ばす。 田舎の高校演劇部のお話、いろいろな部員のエピソードを散りばめ、ひと夏の青春を描く、オムニバス・ドラマ。 西炯子の鋭い眼が、至る所に炸裂する画期的な傑作漫画。 ついつい、読み耽ってしまった。 連作短編・全四巻です。
読了日:04月19日 著者:西 炯子
STAY (2) (小学館文庫 にA 4)STAY (2) (小学館文庫 にA 4)感想
【再々読】2巻目です、松木先生とめでたく結婚した「ヨーピン」の、赴任した山あいの小さな村での新婚生活を描く連作短編と、「カッパ愛」に燃えるリカの邦彦、リョータとのカッパを見つける旅に出た瑞々しい青春とその後の生活を活写した傑作短編。 その他、同じ所を舞台とした短編を収録。 楽しくて、ほろっとしてしまう西炯子の世界を十分に堪能できます。
読了日:04月20日 著者:西 炯子
STAY (3) (小学館文庫 にA 5)STAY (3) (小学館文庫 にA 5)感想
【再々読】シリーズ3巻目、開明学園・演劇部の佐藤と川中高校・演劇部の山王みちるの友情か愛情か判らないデートの果てにあるのは、果たして何なんだろう。 揺れ動く青春の輝きを余す事無く描くユーモア・コミカル・バラエティ。 果たして、佐藤君の運命は・・・
読了日:04月20日 著者:西 炯子
STAY (4) (小学館文庫 にA 6)STAY (4) (小学館文庫 にA 6)感想
【再々読】なが~い、長い、オムニバスもこれで終わり。 佐藤くんとみちるのお話しも終わり。 こんなカップルも有って良いと思いますが、最後まで本気の恋かどうかは判らない。 でも、若いって時は、こんな些細な事も大げさに考えてしまう物なんですね。 川中高校の演劇部で始まった「STAY」ですが、終わってしまえば、佐藤君とみちるの独壇場。 西炯子の書きたかった物は何だったんだろう。 「STAY」を読み返す度、考えるんだろうな。 
読了日:04月20日 著者:西 炯子
月刊 J-novel (ジェイ・ノベル) 2014年 04月号 [雑誌]月刊 J-novel (ジェイ・ノベル) 2014年 04月号 [雑誌]感想
【別物】 「北区内田康夫ミステリー文学賞」の大賞「西ヶ原」を読む事が出来ました。 2021年第19回大賞作品です。 東京都北区西ヶ原を舞台に、突然、亡くなった兄が持っていた「宝くじ」が何故、換金されなかったのかを巡るミステリーです。 兄とのお金に対する執着を対比されていて面白い。 それに「北区西ヶ原」の細々した描写がガイドブックになっているのも面白い。 ただ、本業がラジオの放送作家さんなので、つい細かい事、眼に見えない事も描写し過ぎるのが辛い。 会社を辞めて、同棲も止めた主人公の生活が見えないのも惜しい。
読了日:04月22日 著者:
猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン (愛蔵版コミックス)猟犬探偵 1 セント・メリーのリボン (愛蔵版コミックス)感想
【再々読】久しぶりに、還って来た本。 貸した事さえ忘れていた、改めて手にすると頁を捲りたくなってしまう。 良い話しだな。 出だしはハードボイルド感が強い物語だが、徐々に真剣に話に魅入ってしまう。 特に、ハナとメリーの別れのシーンは、毎回、涙してしまう。 話が上手いよな、それに「谷口ジロー」の画も。 最後に、セントメリーをジョーと一緒にハナに届けるシーンは何回観ても泣ける。 「谷口ジロー」ありがとう、心に沁みる画でした。 何回でも、また会えるよね。 じゃあまた!
読了日:04月23日 著者:谷口 ジロー
リーダーズチョイス BEST13 of ゴルゴ13 (コミックス単行本)リーダーズチョイス BEST13 of ゴルゴ13 (コミックス単行本)感想
【再々読】 いつも手元にある「ゴルゴ13」のリーダーズ・チョイス。 前に読んだ時は書籍版だったのに、今は「キンドル版しかない。 キンドルじゃないけど、これで登録しよう。 ゴルゴ13の読者が選ぶ13点、流石に読み応えがある。 なかでも好きなのは、第二位の「ビッグ・セイフ作戦」やはり、連載作品第一号と言うのが強い。 断然一位! やはり、落ち着きますね。 好きなキャラクターで時間が過ぎるのは・・・
読了日:04月24日 著者:さいとう・たかを
さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 Author’s selectionさいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 Author’s selection感想
【再々読】ついつい、手を伸ばしてしまうベスト本。 著者が選ぶベスト13、著者としての思い入れはどうかとしても、先ず売れる事を考えるのでは。 それと、リーダーズとカブラない事も不思議だ。 まだ、べらべら喋る「檻の中の眠り」「駅馬車の通った町」が良い。 長い巻数の中で選んで読める事は幸せである。 自分のベストになると初期作品になるんだろうな。 小池一夫が脚本部にいた頃の・・・ほんと「子連れ狼」のストリートそっくりな話が多い(笑) 「著名人ベスト」も読んでみようっと。
読了日:04月25日 著者:さいとう たかを,さいとう・プロダクション
各界著名人セレクション BEST13 of ゴルゴ13各界著名人セレクション BEST13 of ゴルゴ13感想
【再々読】またまた、手に取ってしまった。 各人が選ぶゴルゴ、人それぞれですね。 でも、1集、2集とダブリが無いというのは、作為を感じる。 1、2集の残りで選んだんだろうな・・・これも、売らんかなの精神か。 でも、「デロスの咆哮」と「白夜は愛のうめき」が入ってるから、良いか。 どうも、ゴルゴは初期作品に注目してしまう、世界情勢より、ゴルゴの動静に重きを置いているせいだろうな。 でも、この姿勢のまま連載してたら、こんな長期連載は望めなかったんだろうな。 良いものと長続きは別物かと思う。しかし、良く続くと思う。
読了日:04月26日 著者:さいとう・ たかを
PLUTO (1) (ビッグコミックス)PLUTO (1) (ビッグコミックス)感想
【再々読】ふと、手にしてしまった「プルートウ」。 これは1巻だけでは終われない、続けて2巻へ手を伸ばす。 まてまて、先ずは1巻の感想からだ。 最初にロボット刑事「ゲジヒト」が登場する、 ロボット「モンブラン」破壊の捜査をしているが、どうも腑に落ちない。 続いて「ノース2号」のエピソードに、そして、「ブランド」の話に。 最後に「アトム」が登場。 アトムの世界観を借りているが、これは「浦沢漫画」だ、雰囲気は、そうだ。 謎が謎を呼び、先に進みたくなってしまう。 もぐりの医者って「ブラック・ジャック」だよね。 
読了日:04月26日 著者:浦沢 直樹
PLUTO (2) (ビッグコミックス)PLUTO (2) (ビッグコミックス)感想
【再々読】ついに、「アトム」が登場。 といっても、見た目は普通の少年、寝癖なのか髪の毛がそれらしく見える。 しかし、のめり込める作品だなあ。 田鷲警視や中村課長も出てる、日本で起きた事件に「ボラー調査団」の名前が。 そこで、「お茶の水博士」が登場となる。 この博士が「手塚治虫」に、そっくり。 すこしつづ謎が解けたかと思うと、また新たな謎が。 隠れた陰謀が見え隠れする状況に、そして「ウラン」が登場する。 
読了日:04月26日 著者:浦沢 直樹
現代の美人画〈3〉宮田雅之 (1977年)現代の美人画〈3〉宮田雅之 (1977年)感想
【再読】表紙絵が無いのは惜しいが、良い本である。 縦85センチ×横26センチの大型本である。 頁は30頁と少ないが、宮田氏の切り絵が24点収められている。 原本と比べれば小さいが、大型本である迫力は凄いものだ。 切り絵の刀の迫力が迫ってくる、エッジの立て方が見える感じがする。 初期の作品で凝った物は無いが、それでもそこそこは魅せる。 定価も800円とこの画集サイズではお手軽と思う。 たま~に出して鑑賞している。 仲良しの「藤本儀一氏」との対談も楽しい。
読了日:04月26日 著者:
PLUTO (3) (ビッグコミック)PLUTO (3) (ビッグコミック)感想
【再々読】解説の夏目房之介の言うとおり、手塚の作品からのオマージュがいっぱい。白いライオンとか犬型パトカーとか。手塚作品を読んで無い人にもクスッと笑える場面が浦沢の上手いところだと思う。ウランの登場で細かいところが判るシーンが、でも、ストーリーはさっぱり進まない。徐々に怪物の正体が判って来たが、ますます混迷を深めるばかり。はたして、「アドルフ」はどんな役目を与えられたのか。まさか、アドルフ・ヒットラーなんてことは無いよね。満を持して、ここで「エプシロン」が登場!そして、エプシロンの言う「ボラー」とは・・・
読了日:04月27日 著者:浦沢 直樹
PLUTO 4 (ビッグコミックス)PLUTO 4 (ビッグコミックス)感想
【再々読】増々、混迷を深める4巻、遂に、「アトム」をおびき出す計略に成功した「ゴジ博士」、それは「アトム」の死を寄予言していた。 そして、それは、現実に。 「アトム」死す! 中盤で主人公の死、ゲジヒトの調査は続く、ペルシァ王国の最高指導者・ダリウス14世の予言とは。 果たして、アトムは甦るのか、ゲジヒトの過去とは。 謎を孕んで次巻へ。 しかし、西原のあとがきは何だ、良く判らん。 頁の無駄、プンプン! 天馬博士の登場に今後は委ねられる、のかな?
読了日:04月27日 著者:浦沢 直樹
PLUTO 5 (ビッグコミックス)PLUTO 5 (ビッグコミックス)感想
【再々読】闘神・ヘラクレスがプルートに挑む、棲ざましい格闘のうえ敗れる。 戦いを記録したイプシロンは何かを見つけ出せるか。 一方、ゲジヒトは「人を殺した」記憶が甦る、悩むゲジヒトは正常な回路とのジレンマに落ちる。 ロボットの悩みとは・・・アトムを亡くして悲しみにくれるウラン、ヒゲおやじ校長の言葉が沁みる。 アトム復活に手を尽くすお茶の水博士だが、生みの親「天馬博士」に助力を頼むが、アトムは目覚めない。 「偏った感情を注入する」事が目覚めさせる方法だと言うが、どうなるのか判らないと突き放す。 次巻へ・・・ 
読了日:04月27日 著者:浦沢 直樹
PLUTO 6 (ビッグコミックス)PLUTO 6 (ビッグコミックス)感想
【再々読】まるまる一巻、ゲジヒトの巻。 しかし、それはゲジヒトの死を意味していた。 執拗な捜査の果て、アブラーの関与とプルートウの正体を掴めたゲジヒトは、雨のアムステルダムの運河に散った。 妻のヘレナの哀しみは涙で癒せるのか。 人間とロボットが入り混じり、誰が誰なのか、どれがどれなのか、さっぱり判らなくなっている。 ロボット漫画と言う事を、忘れる瞬間だった。 終焉が迫る予感が、でも、アトムはまだ目覚めない・・・
読了日:04月27日 著者:浦沢 直樹
PLUTO 7 (ビッグコミックス)PLUTO 7 (ビッグコミックス)感想
【再々読】遂に、「エプシロン」と「プルートウ」の対決に持ち込まれる。戦いを否定するエプシロンと無理やり戦うざるを得ないプルートウ、エプシロンは子供を守るため散った。どうしようもない葛藤、何故が頭の中に渦巻いている。どう決着を付けるのか、浦沢には判っているのか。いろいろな心を持ったアトムの胸中は、それにどう答えるのか。 謎が次々と解き明かされるる、最後に残ったのは「アブラー」と「ボラー」それは一体何か。戦いに敗れた戦士の魂を胸に「アトム」は覚醒する。いよいよ、次巻、「アトム」と「プルートウ」が激突する。
読了日:04月28日 著者:浦沢 直樹
PLUTO 8 (ビッグコミックス)PLUTO 8 (ビッグコミックス)感想
【再々読】終わった、遂に終わったしまった。どういう物語だったのか、良く判らない。戦争の愚かさを伝えたかったのか、ロボットにも「感情」が有り得る事なのか、ロボットは間違いを犯すのか。間違いって何だ、理性って何だ。いろいろ考えてしまう、ロボット漫画なのに哲学漫画みたいだ。手塚イズムがこういう結末を起こすのか、原作の教えはどうだったんだろう。 結局、プルートウの犠牲で地球は救われた。それは、「憎悪」の感情を押し止めたからなのか。とにもかくにも、浦沢の抒情長編は終わった。 のかな、ブラウ1585の行動が判らない。
読了日:04月28日 著者:浦沢 直樹

読書メーター

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2021年4月 1日 (木)

3月の読書記録 読書メーターより

3月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:11514
ナイス数:3965

【2015年・第13回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】女王はかえらない (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)【2015年・第13回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】女王はかえらない (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
【図書館】「このミス大賞」との事で期待したが、肩透かし気味のラストが残念。 最終的には「悪」悪として裁かれなくては・・・以前に読んだ「駐在」ものが面白かったので期待し過ぎか。 「スミレ荘の~」も良かった。 名前によるミスリードは沢山使うとこんがらがって、スッキリしない。 東野圭吾を読んだばかりなので特に思った。 ミスリードはこういう使い方で無く、自然に判るように導きたい。 学園カーストも物語の中で解決して欲しかった。クラス全体が犯人というのも、難しかったのでは。ミステリー一作目と言う事で「佳作」としよう。
読了日:03月01日 著者:降田 天
あの頃の誰か (光文社文庫)あの頃の誰か (光文社文庫)感想
【図書館】東野作品と言う事で借りて来た一冊。 かなり古い作品らしく、バブリーな世間が描かれている。 短編集なので、どうこう感想も無いが、一つ一つにちょいとしたヒネリがある。 時間つぶしには恰好の物語かも。 全体的に東野カラーが無い、その都度、ショートショートの味わいがある、「星新一」すら感じる。 「さよなら『お父さん』」が、いろいろ考えられて面白い。 妻の思考が小学生の娘の身体に、夫として性交渉に悩むのがありそうで、妻の返事を待つという所も面白い。 実際になったら悩むと思う。 変わった一冊でした。
読了日:03月02日 著者:東野 圭吾
カッコウの卵は誰のもの (光文社文庫)カッコウの卵は誰のもの (光文社文庫)感想
【図書館】東野作品としてはモヤモヤが残る作品。 カッコウの卵からDNA絡みのお話かと思ったら事故があり犯人特定の話、また一人のスキーヤーも絡んで主軸が判らなくなった。 親と子の話に終始すれば、もっと母の話を掘り下げられたのになあと思う。 お話を広げ過ぎた感がする、スキーヤーか、親子もの、DNA、犯罪もの、いろんな要素が入り過ぎてゴチャゴチャして世界観が判らなくなった。 ミステリーに分類するか不明。 親子の情愛ものだと思いたいが一本通っていないもどかしさが、何とも言えず残念。
読了日:03月04日 著者:東野 圭吾
希望の糸希望の糸感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズ・番外編。 今回のメインは「松宮脩平」彼が捜査を推進する。 震災で二人の姉弟が死んだ、そもそもはそれが原因でもあった。 時は流れ、とある住宅地のカフェの女主人が殺された。捜査にあたる松宮の目に映るのは、いろいろな証言の嘘と真、果たして織りなす糸の向こうにある真実とは。 松宮の親子愛の果てに浮かび上がるものとは。 今回も加賀は、いろいろな所で助言をくれる、警視庁・捜査一課の主任に出世していた。 捜査をする松宮に個人的な謎も降りかかる、本当の父親かどうか、思惑による謎が多すぎる。
読了日:03月06日 著者:東野 圭吾
秘密 (文春文庫)秘密 (文春文庫)感想
【図書館】読みたかった本、遂に読めました。 良かった・・・最初は、人格入れ替わりのSFだと思ったが、全然違う。 血と肉が付いた完全感動ストーリーじゃないか。 東野さんの上手いところはフィクションなのにノンフィクションのように肉付けされているからからだと思う。 有り得ない事をある様に思わせる。 もしこんな状況になったらと思わせる手腕が凄い。 「秘密」最後の最後まで?マークで締めくくる、憎いですね。 いろんな立場の人にも感情移入できる、素晴らしい作品だと思います。
読了日:03月07日 著者:東野 圭吾
白夜行 (集英社文庫)白夜行 (集英社文庫)感想
【図書館】いゃ~面白かった。 850頁も何するものぞ、一気に読んでしまった。 でも、3日間はかかったかな。 しかし、凄い、桐原亮司と西本雪穂の二人の足跡からいろいろな犯罪が浮かび上がるも「証拠」無し。 二人に同情しつつ悪魔的な手口に恐怖する。 これはノワール小説でしょう、特に「雪穂」に関しては。 追い続けた「笹垣潤三」が凄い、もう執念と言って良いくらい。 良い作品を読ませて戴きました。 当分、忘れられません。 続けて「幻夜」を借りようと思います。 
読了日:03月09日 著者:東野 圭吾
小説 ゆうえんち -バキ外伝- 1 (1) (少年チャンピオン・ノベルズ)小説 ゆうえんち -バキ外伝- 1 (1) (少年チャンピオン・ノベルズ)感想
【図書館】図書館の新刊コーナーに1、2巻揃えてあったので借りて来た。 夢枕獏かぁ・・・「飢狼伝」「獅子の門」「キマイラ・シリーズ」「魔獣狩り」「闇狩り師」「陰陽師」読んだなあ、シリーズ最後まで読んだ事無いけど。 終わらないんだよね、延々と続く、キマイラなんかは私が死ぬまで終わらないんじゃないかな。そんな訳でちょんの間楽しめれば良いかと、借りて来た。、相変わらずの荒唐無稽の格闘技小説、しかも、「バキ」とのコラボ、時間つぶしには最高。出だしはいろいろな人たちが入れ代わり立ち代わりで面白い。続けて2巻に行こう。
読了日:03月10日 著者:
小説 ゆうえんち -バキ外伝- 2 (2) (小説少年チャンピオン・ノベルズ)小説 ゆうえんち -バキ外伝- 2 (2) (小説少年チャンピオン・ノベルズ)感想
【図書館】何でもありの獏さんモード全開。 いよいよ「ゆうえんち」の戦いが始まった、獏さん特有のキャラ登場。 プロレスラー、相撲取り、ヤクザの用心棒、総がかりだ。 これから、どういう展開になるか、興味津々。 果たして、このまま続いて行くのか。 途中で迷走に走らぬ事を祈る。 しかし、「藤田勇利亜」氏のマンガに集中させるとの言葉を信じれば、そう長くは拘束する事は無いだろう。 伸び伸びと書いて貰いたいと思う。 久々に獏ワールドを堪能した。
読了日:03月10日 著者:夢枕獏
幻夜 (集英社文庫)幻夜 (集英社文庫)感想
【図書館】「白夜行」の続編として読んだ。 関西大震災の最中、殺人事件が起こる。 それに引きずられる様次々と事件が・・・ 稀代の「魔女」美冬の全貌が明らかになって行く。 逃れようとして逃れられない男女の関係が、やるせない様に判る。 雅也が有子の愛に応えていたら、果たして結末は違ったものになったであろうか。 しかして、この物語の主人公は「雪穂」にのか、はたまた、新たな魔女の出現なのか。 作者の東野氏の計画では3部作になる予定、これはもう、最終話を待つしかないだろう。 未だかな~(笑)
読了日:03月13日 著者:東野 圭吾
手紙 (文春文庫)手紙 (文春文庫)感想
【図書館】ズンと心に沁み込む嫌さだった、強盗殺人で償還された兄、獄中からの「手紙」には罪を悔いる文字が。 しかし、何の関係も無い弟に訪れる悲劇、それは何時までも纏わりつく。兄との決別を決める手紙を書くが、どうしても切れぬ一線が。東野圭吾が描く加害者側の生活、それは受刑者だけが裁かれるという安易なものでは無かった。何処までもついて来る罪への意識、果てはあるのだろうか。自分が犯罪加害者と付き合うとしたら、考えさせられる作品でした。弟の妻だけが救いです、この人物が居なかったら、どんなに暗い話になっていたか。
読了日:03月14日 著者:東野 圭吾
京都左京区がらくた日和 謎眠る古道具屋の凸凹探偵譚 (集英社オレンジ文庫)京都左京区がらくた日和 謎眠る古道具屋の凸凹探偵譚 (集英社オレンジ文庫)感想
【図書館】東野圭吾の合間に軽いものをと借りて来た。 出だしは軽快だったものの、徐々に良く判らなくなって来た。 女子高生の日常かと思ったら奇妙な隣人との謎解きが。 しまいには、隣人に関するプライベートな問題も。 「謎眠る小道具屋の凸凹探偵譚」のうたい文句に騙された。 女子高校生の私的な日常が延々と続く、もう少しメリハリがあった方が良いと思う。 途中で出て来る名探偵もなんで出して来たか不明。 他の話とリンクしてるのか? 謎は判りやすく探偵譚というほどでは無い。 女子高校生の溌剌さだけは良い。 次巻に期待。
読了日:03月15日 著者:杉元 晶子
夢幻花(むげんばな)夢幻花(むげんばな)感想
【図書館】東野作品では「毛色」の変わったものをと借りて来た。 世の中に無い黄色の朝顔、江戸時代後期までは有ったという。 世にも珍しい変異朝顔、写真まで撮ったそれが鉢ごと消えた、誰がどうして・・・相変わらずグイグイ惹きつける、謎又謎の連続、果たして物語は、どう転がっていくのか。 殺人事件と消えた朝顔の犯人は誰か、そしてたどり着いた、その後には。 初出が「歴史街道」というのも面白い。 当初、どうしようも無く永らく眠っていた物を再構築したと聞いた、それをこれまでにするのが凄い。
読了日:03月17日 著者:東野 圭吾
時生 (講談社文庫)時生 (講談社文庫)感想
【図書館】東野圭吾のタイム・スリップもの。 若き時代の拓実のもとに表れた少年は、「貴方の息子・時生」だと名乗る。 時生と共に遡る青年時代、何もかも無茶苦茶だったあの時代。 果たして、青年・拓実は如何に変貌するのか、軽やかに恋人の失踪に食い下がる、執拗なまでの愛着。 時生との冒険は果たして如何なる結末を呼ぶのか。 生きる事の素晴らしさを感じさせてくれる作品です。 良くも悪くもタイムスリップものである。 感動作とは一線を画す。
読了日:03月19日 著者:東野 圭吾
仕掛人 藤枝梅安 SeasonBest 春雷遠く (SPコミックス SPポケットワイド)仕掛人 藤枝梅安 SeasonBest 春雷遠く (SPコミックス SPポケットワイド)感想
【再読】雨の一日、さいとう・たかお の「藤枝梅安」の世界を楽しむ。 劇画とはいえ、梅安の「仕掛け針」は、鋭い。 短編10編、なかなか堪能した。 池波正太郎の世界を、充分描き切っている。 再読だが、やはり面白い。
読了日:03月21日 著者:さいとう・たかを,池波正太郎
MASTERキートン Reマスター (ビッグ コミックス)MASTERキートン Reマスター (ビッグ コミックス)感想
【再々読】やはり良いものは良い、ついついつられて読み耽ってしまった。 考古学者で探偵のキートンが巻き込まれる難解な出来事。 豊富な知識とウイットに富んだ仕草、あのキートンが再び活躍する。 ついついキートンに肩入れしちゃうんだよね。 静かな午後の時間でした。
読了日:03月21日 著者:浦沢 直樹,長崎 尚志
MASTER KEATON / 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)MASTER KEATON / 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)感想
【再々読】久しぶりに出して来た、良いもんですね。 時間を気にせず「キートン」の世界に浸る。 イギリス紳士で考古学の大家、元SASの隊員で保険の調査員、いろいろな顔を持つ平賀=キートン=太一、ゆっくり流れるミステリーの世界。 さあ、再びキートンの世界に入って行こう。
読了日:03月22日 著者:浦沢 直樹
MASTER KEATON / 2 完全版 (ビッグコミックススペシャル)MASTER KEATON / 2 完全版 (ビッグコミックススペシャル)感想
【再々読】やっぱり、引き込まれるなあ。 キートンの世界は、考古学、サバイバル、保険業界、多岐に及んで面白い。 キャラクターが表情豊かで、楽しい。 どれも良いのだが、今回の巻では「屋根の下の巴里」が良いなあ、廃校になる学校での講義の後、憧れのユーリー先生との邂逅が何とも言えない。 あと一つ「すべての人に花束を」の太平爺ちゃんの能力と粋な計らいが良い。 あっ「太助」の活躍も有ったか。 ゛時の過ぎ行くまま”か、さもありなん。
読了日:03月22日 著者:浦沢 直樹
MASTERキートン 3 完全版 (ビッグコミックススペシャル)MASTERキートン 3 完全版 (ビッグコミックススペシャル)感想
【再々読】いよいよ、最終巻(持っている巻数で、シリーズはまだまだ続くのですが・・・) 今回は前にも書いているけど、宿命のライバルと再会する「チャーリー」が一番。 キートンにチャップリン、永遠のライバル登場です。 この後も腐れ縁は続き、良いコンビを作っていく。 「交渉人のルール」は日本系企業の重役誘拐事件を、そのスキルで解決するキートンの活躍を描く。 人に寄り添った解決策を探し出す手腕に喝采。どんどん、続きを読みたいが、手持ちの古本ではこれで最後。最終巻まで買っても、いずれは終わるので、これはこれで良いか。
読了日:03月23日 著者:浦沢 直樹,勝鹿 北星,長崎 尚志
初期のUrasawa―浦沢直樹短編集 (ビッグコミックス ワイド版)初期のUrasawa―浦沢直樹短編集 (ビッグコミックス ワイド版)感想
【再々再読】「マスター・キートン」の流れで、初期の浦沢にたどり着く。 短編集だが面白すぎる。  連作の「踊る警官」シリーズの7作が傑作、いろんな事に興味を持つ、副業でバンド活動をしている交番勤務の警察官を描く青春物。 どこか憎めない「山下くん」に同調してしまう。 爆発的なヒットの「パイナップル・ARMY」までの5年間の軌跡を描く全短編集。 いろんな切り口を見せる、一見の価値ありだと思うのですが。
読了日:03月23日 著者:浦沢 直樹
怪笑小説 (集英社文庫)怪笑小説 (集英社文庫)感想
【図書館】ブラック・ジョークいっぱいの短編集。 よくまあこんな変なエピソードを集めた物だ。 各自の不平不満がいっぱいの「鬱積電車」、巨人の星をもじった「一徹おやじ」、歳を取って演歌歌手の追っかけに目覚めた「おっかけバアさん」どれをとっても面白い。 一話に一つ著者が解説する「あとがき」が付いているので、どういう気持ちで書いたかが判り納得する。 続いて「毒笑~」「黒笑~」移ろう。
読了日:03月24日 著者:東野 圭吾
毒笑小説 (集英社文庫)毒笑小説 (集英社文庫)感想
【図書館】毒のある笑い、思わず、え~と思ってしまう。 なかでも「誘拐天国」と「ホームアローンじいさん」が置かれている立場が丸っきり逆というのが面白い。 「手作りマダム」と「花婿人形」があるあるで、実に情けない。 人の裏側に潜む狂気を炙り出して、さもありなんって感じてしまう。 いつも真面目に執筆しているから、こんなブラックユーモアも息抜きなんでしょうね。 ますます、過激になる第二弾!
読了日:03月25日 著者:東野 圭吾
センセイの鞄 1 (アクションコミックス)センセイの鞄 1 (アクションコミックス)感想
【再々読】何回読んだか、判らないくらい読んでる。 観てるという方が正しいのか。谷口ジローの画は良い。しっとり落ち着いて、それでいてエネルギッシュだ。小さなデテールの積み重ね、それでいて全体を包み込んでいる。センセイとツキコさん、もう先生の歳だがツキコサンにも感情移入している。38歳の肉体をシビアに描いている、ツキコさん38歳なんだよなあ。その割には自由だよな。センセイも自由人に描かれている、人生の寄り道って感じ、良いよなあ。飲みに花見にキノコ狩り、こんな時間がゆっくり流れる、川上弘美と谷口ジローの世界だ。
読了日:03月26日 著者:川上 弘美
センセイの鞄 : 2 (アクションコミックス)センセイの鞄 : 2 (アクションコミックス)感想
【再々読】ツキコとセンセイの、ゆったり流れる時間が終わってしまった。 肴をつつき、パチンコに行き、二人で島にいった事も、急速に距離が縮まる二人、遂にその時が、センセイの家でお泊り、シーンが変ってお葬式の場面。 センセイとツキコさんのあれこれをもう少し見たかったな。 谷口ジローの画は良いなあ。 いろんな表情のツキコさんが見られる。 センセイの困った表情も見事。 ああ、新作はもう見られないんだなあ。 巻末に原作者と二人の対談があり、これも見物。 良い時間を過ごせたと思う。
読了日:03月26日 著者:谷口ジロー,川上弘美
黒笑小説 (集英社文庫)黒笑小説 (集英社文庫)感想
【図書館】相変わらず毒を含んだジョークがいっぱい。 「もうひとつの助走」に始まる出版社ネタが面白い、自身のエピソードから来たのではと思わせる。 神田と寒川が出て来ると安心する。 〇笑小説もこれで最後か、ブラック・ジョークもそうだけど「星新一」の奇想天外感もあり、面白いと思った。 たまには、こういう小説もアリかなと思いました。
読了日:03月27日 著者:東野 圭吾
影狩り 総集編 vol.1 (コミック乱ツインズ 2011年9月号増刊)影狩り 総集編 vol.1 (コミック乱ツインズ 2011年9月号増刊)感想
懐かしいですね、「影狩り」十兵衛・日光・月光三人の影狩りが幕府隠密を斬り倒す。 大名家の領地没収を画策する江戸幕府、各地に隠密を放ち大名の落ち度を暴く。 対抗策として、領地に侵入した幕府隠密を徹底駆除する策に出る。 そこで、「影狩り」の出現である、そして奴らが血の匂いに乗ってやって来た。 やっぱり、スカッとするな!
読了日:03月29日 著者:リイド社
自選無用ノ介 第1集 虎穴にはいった無用ノ介 (My First Big SPECIAL)自選無用ノ介 第1集 虎穴にはいった無用ノ介 (My First Big SPECIAL)感想
【再々読】もう何回も読んでいる、やっぱり「デビュー作」は良いなあ。 さいとう氏の意気込みが違っている、カメラワークを意識した画面わり、コマ割りに工夫が見られる、カッコ良い場面展開、劇画がストーリー漫画を支えるという画期的な作品だった。 ペンタッチが随所で違う、違うはずだ描き手がそれぞれ違う。 漫画で観る映画という感じ、息を付かせず読み切った感じ、暇つぶしにはもったいない位、凄い! 親子二代の賞金稼ぎ・無用ノ介は、面白い!
読了日:03月30日 著者:さいとう たかを
自選無用ノ介 第2集 さむらい渡とのらいぬ無用ノ介 (My First Big SPECIAL)自選無用ノ介 第2集 さむらい渡とのらいぬ無用ノ介 (My First Big SPECIAL)感想
【再々読】「虎穴に入った無用ノ介」に続いて読む(観る?)表題は「さむらい渡とのらいぬ無用ノ介」だが、併録の「無用ノ介の子守唄が」が泣かせる。 ひょんなことから子連れで旅をする事になった無用ノ介、愛着も湧くが足で纏いの事も、何とか母親を探そうとするが。 そこに現れる「道中師」の面々、いわく因縁がありそうだが・・・母を知らぬ無用ノ介が母とは何かを問い詰める、珠玉の一篇。 非情の中に人情が透けて見える秀作である。 続けて、「牙・・・」に移ろう。
読了日:03月30日 著者:さいとう たかを
自選無用ノ介 第3集 (My First Big SPECIAL)自選無用ノ介 第3集 (My First Big SPECIAL)感想
【再々読】やっぱり、「ふぶきが無用ノ介の肩で舞う」に眼がいってしまう。 頼母の敵討ちを何とか思いとどまらせた無用ノ介、運命のいたずらかばったりと出くわしてしまう。 無用ノ介は手助けするが頼母は切られてしまう。似たような二人組、あの手この手を尽くすが、生きていればこそ、なのに武士としての晴れやかな死顔、無用ノ介には理解できなかった。 武士道に一言ある無用ノ介の生き様が垣間見られる傑作です。 12枚の見開き画で構成された「牙・・・無用ノ介」も見事。
読了日:03月30日 著者:さいとう たかを
一路(上) (中公文庫)一路(上) (中公文庫)感想
【図書館】浅田次郎氏の時代劇は初めてです。 凄く読み易い、面白いです。 小野寺一路、若干十九歳、亡くなった父の跡目を継いで「参勤道中御供頭」を拝命する。 何もかも手探りの中、家伝の「行軍録」を頼りに出立する。 木曽街道の半ばまでどうにか来たが、まだまだ、前途多難。 悪漢、御家門・蒔坂将藍や御用人・伊東喜惣次の「御家乗っ取り」を見事、阻めるであろうか。 お殿様の力量も徐々に現れて来た。 後半に続く。
読了日:03月31日 著者:浅田 次郎

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2021年3月 1日 (月)

2月の読書記録 読書メーターより

加賀恭一郎と夜叉萬に終始した、ひと月でした。

2月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:9967
ナイス数:3592

白銀ジャック (実業之日本社文庫)白銀ジャック (実業之日本社文庫)感想
【図書館】スキーもスノボもやった事が無い私が、何故、この本を手に取ったかというと、東野圭吾のアクション物だったから。 推理が特異な著者がアクションを交えるという事が新鮮に思えた。 相変わらずの展開にあれよあれよという間に、その世界に釘づけされる。 確かに疾走感はある、しかし、推理の場面はモタモタしてないか。ひとつ、発見があった、それは珈琲を飲む場面が東野作品に多いと言う事。 珈琲、好きなのかな、それとも、CMでも狙っているのか(笑)銀世界の光景を満喫した作品ではあった。 続いて、「疾風ロンド」に移ります。
読了日:02月01日 著者:東野 圭吾
疾風ロンド (実業之日本社文庫)疾風ロンド (実業之日本社文庫)感想
【図書館】面白い、ミステリー要素もあるが、これはまるでコメディ。 コージー・ミステリーはあるがコメディ・ミステリーは初めて。 しかも、しっかりミステリーの定石を捉えている。 東野ミステリーの面目躍如だな。 タイトル通り、疾走、疾走の連続、こんなに走っていて謎解き出来るのかって位。 「白銀ジャック」の二人が再登場する、もしかしてシリーズの主人公になるのか? 白銀シリーズ、次、行ってみよう。 「雪煙チェイス」にGO!
読了日:02月02日 著者:東野 圭吾
妖の掟妖の掟感想
【図書館】吸血鬼・紅鈴シリーズ、続刊。 紅鈴、颯爽登場編。 「妖の華」でデビューした紅鈴、ちょっとストリーが気にくわなかったのか、その前日譚と言った形で書いた。 吸血鬼と人間の繋がりを描いての破天荒な物語。 不老不死の紅鈴にも欠点があった。 しかし、不老不死よりも切ないのは何百年も孤独に生きる事だ。果たして、これから何を目指して生きろっていうのか。 闇神の藍雨の言った言葉、「生きる意味」とは、紅鈴の頭の中にこだまする。これもピカレスク・ロマンのひとつであろうか。荒唐無稽の物語としては「重い」ものがあった。
読了日:02月03日 著者:誉田 哲也
夜叉萬同心 親子坂 (光文社時代小説文庫)夜叉萬同心 親子坂 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】夜叉萬シリーズ・三巻目。 だんだん「夜叉萬」の性格が判って来た。 「風の市兵衛」の「鬼渋」の原型では無いだろうか。 剣の達人というところが、全然違うが。 さて、短編3編は様々な親子の情景を描き出す。 しかし、最後の極悪は裁きをお上に任せる、というのは荒唐無稽では無く、ある程度現実的にそっている。 「夜叉萬」の世界観が判って来たので、もうしばらく、浸っていよう。 次は「藍より出でて」だ。
読了日:02月04日 著者:辻堂 魁
プラチナデータ (幻冬舎文庫)プラチナデータ (幻冬舎文庫)感想
【図書館】コンピュータ関連の話として読み始めた、前半、乗れない場面が続き、ダレて来た。 神楽の逃避行辺りから乗って来た。 スズランの正体は割とすぐ判ったが、何故、こんなにも引きずっているのかが疑問。 コンピュータ上のシュミレーションだけじゃ無く、アクションと連動させて欲しかった。 そんな訳で「浅間刑事」登場シーンは好みです。 もっとスカッとした物語が良いなあ。 幻冬舎だからな理屈っぽい物語になるしかないか。 次は「さまよう刃」だ。
読了日:02月05日 著者:東野 圭吾
さまよう刃 (角川文庫)さまよう刃 (角川文庫)感想
【図書館】今回の東野作品は「プラチナデータ」と違いアクションに次ぐアクションでした。 その中で、「少年法」のあり方を問う社会派ドラマです。被害者家族、加害者家族、それを取り巻くマスコミの意見、密かに同情する第三者、いろいろな思惑の中、被害者の父親の復讐という視点で物語は進む。果たして、法律は被害者、加害者、どちらの味方なのか。著者は答えを示しているのに、最後は中立を目指してしまう。小説なのだから、誤った答えでも、登場人物に語らせれば良いのにと思う。被害者の父に思いを託したくなってしまった。問題作のひとつ。
読了日:02月06日 著者:東野 圭吾
夜叉萬同心 藍より出でて (光文社時代小説文庫)夜叉萬同心 藍より出でて (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】やっぱ、夜叉萬は良い。 人生の機微を感じさせる、「倫」の動きがどうしようも無く良い。 今回は子供の頃に分かれた親友との出会い、その親友が・・・ 萬七蔵の歴史が親友と共に明かされる。 亡き妻の妙との短い暮らしなど判る。 夜叉萬の調べで徐々に殺しの正体が判って来た、と同時に辛い運命も・・・熱き男、萬七蔵、今日も今日とて悪党共を追い求める。 
読了日:02月07日 著者:辻堂 魁
夜叉萬同心 もどり途 (光文社時代小説文庫)夜叉萬同心 もどり途 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】夜叉萬同心シリーズが、やっと書下ろしになった。学研からの焼き直し出版だったのが、追いついたという感じ。してみると、改めてスタートという感じだ。今回もしみじみ始まる、萬七蔵は「あやめの権八」なるやくざ者の内偵していた。そこに、影或る「指物師」が絡んでくる、どう抜く、どう切る、夜叉萬。 すべて、綴られてみれば、人それぞれに歴史あり、物悲しい雰囲気の中物語は終わる。 新たに始まった「夜叉萬同心」、活劇の場面に歴史、生い立ちを混ぜるのは、ちょっとやり過ぎかと思う。 部下の使い方をもう少し工夫が必要かと。
読了日:02月08日 著者:辻堂 魁
殿中 鬼役(三十一)殿中 鬼役(三十一)感想
【図書館】いつも通りの3篇、可も不可も無く淡々と物語が進んで行く。 何か、大きな「うねり」の様なものが欲しい、所詮は「奸賊成敗」といった小さな小手先技で無く、「矢背家」を揺るがす様な一大事とか。 徳川幕府を震撼させる話とか、日常から脱却して欲しい。 「鬼役」も、もう三十一作目、そろそろ大団円を迎えても良い頃だと思う・・・そろそろ、登場人物に光を当てて、一人に一章の物語を作っても良いと思います。 坂岡先生、有終の美を!
読了日:02月09日 著者:坂岡 真
雪煙チェイス (実業之日本社文庫)雪煙チェイス (実業之日本社文庫)感想
【図書館】雪山シリーズ、第3弾!今回も軽快な滑り出しを見せる。殺人事件の容疑者が、唯一の目撃者を求め、白銀のゲレンデを疾走する。とにかく、次から次へと目まぐるしくシーンが変る、登場人物も洒落ていて飽きない。大学の友達も、宿の女将も、千晶と根津も、千晶の取り巻きも、みんなしてワイワイやっている雰囲気が好きだ。 ことは、殺人事件なのにね。それを忘れるくらい事件と関係ない追いかけっこをしてる。 やがて、犯人が捕まる、ミステリーらしく犯人を特定した、くらい唐突に終わる。 ミステリーじゃないな、アドベンチャー物だ。
読了日:02月10日 著者:東野圭吾
ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)感想
【図書館】誘拐ゲームの犯人と被害者の丁々発止の戦いを犯人側の視点から描くミステリー。 誘拐計画を進める佐久間とそれを上手に取る葛城、果たしてゲームのたどり着く先は・・・ラストの詰めが判らなかった、ゲームというのはカタルシス、あ~面白かったで終わりたいものです。 東野作品では、ちょっとたどたどしい感じがあった。 2000年だから若書きという点もあるのかも。 キレが無いと感じた。
読了日:02月11日 著者:東野 圭吾
【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (『このミス』大賞シリーズ)【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 (『このミス』大賞シリーズ)感想
【図書館】面白い、先ず「紙鑑定士」という設定がユニーク、途中から登場するモデラーがリアル。 この後、晴子と真理子も参画するようだが、それも良い。 「このミス」大賞と言う事でいろいろ重箱の隅をつつかれるが、まあ、経過処置と考えて精進して欲しい。 なにしろアイデアは面白いし破天荒な処が素晴らしい。 真理子は最初からバディで良かったのかも。 晴子と土生井の渡部とのLINEでのやり取りは土生井が隠れていて晴子の自作自演じゃないかと思ってしまった。 そこは素直に読むのか・・・先ずは、新しい作家の誕生を喜びたい。
読了日:02月12日 著者:歌田 年
眠りの森 (講談社文庫)眠りの森 (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズを読む、刑事になってからを追いたいと第2弾から。 バレエ団の中で男が殺される。 バレリーナは正当防衛を主張する、間もなく第二の殺人が・・・事件に降り回される恭一郎、一人のバレリーナとの出会いが恭一郎を変えていく。 やがて現れる驚愕の事実、どうするどう解くのか恭一郎。 最後は辛い選択が。 このシリーズを追う事で加賀恭一郎の成長を見たい。
読了日:02月12日 著者:東野 圭吾
どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)感想
【図書館】前作に続き「加賀恭一郎シリーズ」2冊目。今回は「犯人当て」クイズの読者参加型ミステリー。愛知県警交通課の兄が何者かに殺された妹の敵討ちに挑む、しかし、その前に立ちふさがる刑事・加賀恭一郎、果たして復讐は成されるのか、はたまた恭一郎の推理は凶行を止められるのか。最初から犯人の目星は付いているのだが、そこに行くまで兄の偽装工作や犯人の偽装工作、思い込みなど数々の垣根を越えなければならない。「とじ込みの手引き」を見てもヒントはあるが、犯人特定までは至らず。 こういう、小説も「頭の体操」みたいで良い。
読了日:02月13日 著者:東野 圭吾
悪意 (講談社文庫)悪意 (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズ、第4弾! 今回は「倒叙型」ミステリー、「告白」という文書に間違いがあると頭に置いて読むがミスリードされてしまう。 出て来る証拠写真や文書は全然違う要素がある。 どこまでが本当で、どこまでが嘘か判らなくなってしまう。 野々口修、本当に怖い男だ、これほどの「悪意」を隠し持っていたとは・・・ 恭一郎の過去の教師姿が垣間見える、そして、退職理由も判る。 しかし、東野圭吾、いろいろな見せ方をしてくれる作家だ。 益々、面白くなってきた。 次はどんな手で楽しませてくれるのだろうか。
読了日:02月14日 著者:東野 圭吾
私が彼を殺した (講談社文庫)私が彼を殺した (講談社文庫)感想
【図書館】またまた、犯人当てクイズ。 前回は二人だが、今回は三人に。 またまた倒叙式にそれぞれが話すのだが、犯人が絞れない。 とじ込みで「身元不明の指紋」の正体を明かすのは、どうかな? 本文のみで判る人いるのかな~ ともあれ、またまた楽しませて戴きました。 加賀恭一郎=謎解きパズルでは無いでしょうね。 「新参者」「麒麟の翼」などからして本格推理に行くのだと思うが。 ますます、楽しみになって来た。
読了日:02月15日 著者:東野 圭吾
マスカレード・ナイトマスカレード・ナイト感想
【図書館】マスカレード・シリーズ、3巻目。 前回はホテルの結婚式がメインだったが、今回は「仮装パーティー」が舞台になる。 刑事の新田とコンシェルジュに昇格したホテルウーマン山岸が、相変わらず良い仕事をしている。 正体不明の犯人に仮面パーティ、二重の厳しさを突きつけられる新田、客の我儘に翻弄される山岸、果たして犯人逮捕となるのか。 謎が深まるのは犯人逮捕から関係者の供述無い様にさまざまな憶測と勘違いが起こる。 果たして犯人の供述は・・・ラスト70頁ですべてが、ひっくり返る。次回は舞台がロスに移るのだろうか。
読了日:02月18日 著者:東野 圭吾
美しき凶器 (光文社文庫)美しき凶器 (光文社文庫)感想
【図書館】凄い話しだ、人間離れしたアスリートが殺人凶器として、4人の人物に襲い掛かる。 あれよあれよという間に一人また一人と殺される。 追う刑事も推理するが、後手後手と回ってしまう。 徐々に迫りくる殺人者の恐怖、日本語が判らないため現地にたどり着くまでの手腕が凄い。 そして、ラスト、秘められた感情が・・・とにかく、「スピードとサスペンス」に溢れた作品です。
読了日:02月19日 著者:東野 圭吾
夜叉萬同心 本所の女 (光文社時代小説文庫)夜叉萬同心 本所の女 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】今回は萬七蔵とお甲が別々の調査を、それが一つになった時、思いもかけない哀しみが・・・今回、お甲さんが小さい時別れたお袋さんが現れる、そして頼みごとを言うのだが、親子の愛情が切れない事が素直に判る一遍です。 しかし、親子の再会からが短いなあ。 夜叉萬の活躍が少ない話しです。 しかし、辻堂さんタイトルの付け方が下手だと思う、本所の女ってそのままじゃないですか、季節の言葉とか無かったのかなと思ってしまう。 ちょっと肩すかしの作品でした。
読了日:02月20日 著者:辻堂 魁
嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズ。 今回は5編を集めた短編集。 相変わらず、着眼点が鋭い。 話をしているうちに加賀ワールドに引きずり込まれる。 ひとつひとつがトリックの究明編だから読むのは早い、しかし、トリックをこれだけ考えるのは大変だ、小説家という職業は凄いと思う。 いちいち小説を論議する風潮があるが、ひと言言いたい「じゃあ、書いてみろよ」と。 どんな作品にも著者の苦労がある、小説とはそういう物なんだろうな。 東野氏の益々の健筆を!
読了日:02月20日 著者:東野 圭吾
赤い指 (講談社文庫)赤い指 (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズの一篇。 今回は倒叙物、息子の犯罪をどうにか隠そうとする両親が、次第に追いつめられ、アッという解決に。 しかし加賀という刑事はどこまで冷静なのか。 スリリングな加賀の調査と犯人との駆け引き。 しかし、最後の温情ある加賀の言葉に涙してしまう。 加賀恭一郎シリーズ、すこぶる魂を揺さぶられる作品だ。 残りのシリーズも心して読もうと思う。
読了日:02月21日 著者:東野 圭吾
夜叉萬同心 風雪挽歌 (光文社時代小説文庫)夜叉萬同心 風雪挽歌 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】夜叉萬同心、第七弾! 今回は夜叉萬が定廻り同心に抜擢された話とその後日談。 そこには、家族愛と疎外感、世の中の流れとやりきれない空虚感が残った。 駆け出しの萬七蔵が見られて良かった。 しかし、隠密廻りだと言って上州まで探索するかな。 普通は江戸市中だと思うが、しかし、道中物の雰囲気が味わえたから良いか。 もっと夜叉萬らしさがあっても良かったと思う。 人情の機微に今回もほろり。 タイトルは相変わらず惰性で付けてる感がする(笑)
読了日:02月23日 著者:辻堂 魁
新参者 (講談社文庫)新参者 (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズ。 あの加賀恭一郎が練馬署から日本橋署に移って来た。 この街では「新参者」だ、その恭一郎が日本橋界隈の人達との触れ合いが冒頭描かれる。 単なる街物かと思わせて、やはり事件があった。 人たちとの繋がりに興味を持つが、それが捜査の一環とは、そしてそこから浮かび上がる真実とは。 殺人事件に纏わる人たちの下町人情が、ますます事件を判らなくしてしまう。 全てが判って残るものは恭一郎の深い思いやりだろうか。 人情にどっぷり嵌まるドラマです。 余韻に浸ります。 ああ加賀・・・
読了日:02月24日 著者:東野 圭吾
麒麟の翼 (講談社文庫)麒麟の翼 (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズ、今回の舞台は「日本橋・麒麟の像」日本橋の麒麟の像の下で男が刺された、それは殺人事件に発展した。現場は別の場所、しかし、何故、離れた「麒麟の像」まで歩いて行ったのか・・いろいろと捜査するが「七福神巡り」「労災隠し」「喫茶店の謎」謎が謎を呼び「容疑者」の断定という事になってしまうのか。しかし、それだけでは無かった、真実を見詰める加賀の眼には、違う方向性が見えた。ひりつく様なサスペンスが一瞬たりとも眼が離せない。死者の尊厳にも触れる作品、最後は泣いてしまった。松宮とのコンビも良い。
読了日:02月25日 著者:東野 圭吾
東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver. (講談社文庫)東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver. (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎シリーズが好きで最近ファンになった、その他も読みたくてガイド本を見つけた。 「マスカレード・シリーズ」「雪山シリーズ」「ガリレオ・シリーズ」は読了済み。 しかし、各巻の紹介文を見ていると、読みたい本がまだまだあることに気づく、よしっ読んでみようと思うから不思議。 「白夜行」「手紙」「秘密」「時生」「夢幻花」「クスノキの番人」も読んで無い。100人の読者が選んだのだから良くも悪くもエキサイティングな作品と思う。 ガイドブックとして面白い本だと思う、簡単な紹介があるのはグッド!
読了日:02月26日 著者:
もしかして ひょっとしてもしかして ひょっとして感想
【図書館】大崎 梢の短編集。 発表も内容もバラバラで「もしかして ひょっとして」というテーマで集めた物。 2点ほど「既読」の短編が、あったものの、割かしふんわかモードで、読み心地は良かった。 ただ、最後の書下ろし作品が殺人など出てきて、これだけ毛色の違った物になった。 全体が日常の勘違いをベースにしてして、心が温まる作品です。 できれば長編が読みたいです。 大崎さんらしさがいっぱいの「本屋探偵」の話が読みたいです。
読了日:02月27日 著者:大崎梢
祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)感想
【図書館】加賀恭一郎・日本橋シリーズ最後の一冊。 良かったな~、いろいろな思いの中一つの事柄が終わった。 母の事、父の事、そして、仕事の事、全てが恭一郎に集約して行く。 棲ざましいまでの「生き様」偶然の重なり合いと言えど、ここまでの生き方とは・・・著者も言及していたが「砂の器」再びの感が強い。 父、母の事は判った、加賀のこれからだ、登紀子さんと良い仲になりそうだが果たしてすんなりいくのだろうか。 もう一作、松宮物の「希望の糸」が残っている、これにも加賀恭一郎が脇役で出ているとの事なので読んでみよう。 
読了日:02月28日 著者:東野 圭吾

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2021年2月 1日 (月)

1月の読書記録 読書メーターより

東野圭吾が多いものの、ある程度バラエティに富んだ月だった。

1月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4617
ナイス数:3261

([ん]1-8)3時のおやつ ふたたび (ポプラ文庫)([ん]1-8)3時のおやつ ふたたび (ポプラ文庫)感想
【図書館】大好きだった「3時のおやつ」の第二弾! 意気揚々と読みだしたが、やっぱり二番煎じの域を出ない。 好きな作家さんが少ないのが原因かも・・・おやつに思い入れも少ない、おやつに纏わる話も、ややインパクトが小さい。 第1弾が衝撃だった事が原因かも。 30人30様の風景は見られたけれど、いまいちだったなあ。 でも、ひとりひとり愛着のあるおやつはあるんだなあ、ホットケーキが意外と多く感じた。 
読了日:01月06日 著者:松井 今朝子,小路 幸也
マスカレード・イブ (集英社文庫)マスカレード・イブ (集英社文庫)感想
【図書館】「マスカレード・ホテル」でタッグを組む前の二人の活躍を描く。 尚美は若い時から記憶が良いんだなあ、新田は若い時から直観力が凄い。 この二人が交差する時、「マスカレード・ホテル」を予感させるエピソードが凄い、ホテルを読みたくなる伏線が凄い。 二人がすれ違っていると言う事が判るような描写が上手い。 逢った時、直接会ってないんだから尚美の記憶にもない、という書き方も上手い。 でも、そんな状況でも二人のプロ意識は健在、あの二人がそうなる訳だ。 納得の一冊でした。 
読了日:01月07日 著者:東野 圭吾
背中の蜘蛛背中の蜘蛛感想
【図書館】事件の解決は「タレこみ」、どうも引っかかる捜査は単純終わるが、裏付けが取れない。 単純な事件が第一部、第二部で描かれる、あけて第三部が妙にしつこく絡み合う。 携帯電話を持つのが恐ろしくなる。 サイバーテロ捜索がこんな使い方をして良いのか。 国家はアメリカの思うが儘か、近未来、いや、もうそこまで来ている恐ろしい現実。 能天気に電子決済をしている一般市民にも、忍び寄る黒い影、どこまでが国民の安全を守るのか。 使い方一つでジ・エンドの世界。
読了日:01月09日 著者:誉田 哲也
沈黙のパレード沈黙のパレード感想
【図書館】ガリレオ・シリーズが帰って来た。過去の二つの事件、「黙秘権」を駆使し巧妙に逃れる被疑者。 二つの事件の被害者は犯人に怨念を持つ。 やがて明らかになる現象、しかし、更なる疑問が・・・流石は東野圭吾それだけでは終わらせない。 オリエント急行とポアロ、容疑者Xの後悔、いろいろなシーンで湯川が動く。 商店街のパレードに隠された「沈黙」とは。人々の哀歓を包んで物語は動いて行く。 287頁から全てが変る、440頁で終わる物語、このままで終わる訳がない。 最後のドンデン返しに涙した。 ガリレオは爽やかに去る。
読了日:01月11日 著者:東野 圭吾
襲大鳳(上) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)襲大鳳(上) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
【図書館】遂に、来ましたよ~第一部の最終シリーズ。 お話は過去いろいろあった「尾張藩」がまたまた、大炎上。 前の事件で父を失った源吾の脳裏にあの惨状が甦るが。 十八年前と同じ悪夢が再来するとは。 あの、伊神甚兵衛が甦るとは、果たして同一人物なのか。 お馴染みの面々も顔を揃える中、ひとり進藤内記は何を思うのか。 ワクワクしながら「下巻」を待ちたいと思います。 「ぼろ鳶」シリーズにどう決着を付けるのか、今村氏の筆力に期待してます。
読了日:01月13日 著者:今村翔吾
カーテンコール!カーテンコール!感想
【図書館】加納朋子の本がキラッと光っていたので借りて来た。 最初の一篇はアンソロジー「惑」からの一篇だった。 そこから連作を編み出す手腕は凄いなと思います。 現代でいろいろな病気を造り出す構造的な理屈は判るけど判らない。 ひとつひとつが大切な何かを隠し持っている、そんな悲痛な悲しみをサラリと描いている。 「どうにかなる、逃げ出す事も必要」と説く理事長の悲痛な叫び、これを胸に羽ばたく乙女たち。 どうか幸あれと祈るしかない。 加納朋子、良い作品をまた一つ完成させた。
読了日:01月15日 著者:加納 朋子
珈琲屋の人々 宝物を探しに (双葉文庫)珈琲屋の人々 宝物を探しに (双葉文庫)感想
【図書館】いつの間にか出ていた3巻目。 相も変わらず行介と冬子は付かず離れずの関係。 いい加減、どうにかなってしまう関係になれと思ってしまう。 またまた、周囲で巻き上がる恋愛騒動、二人の恋に当てて話は進むが、結局は静観状態。 周りは何とか決着が付くが、張本人の二人となるとまだるっこしい。 珈琲屋にわざと問題をぶつけている作者の思惑が見え見え。 舞台を珈琲屋としてる関係で中心に来るのは判るが。 まあ、行介と冬子の関係は、当分このままでいいのかなと思う。 島木はどうしてもピエロ役に徹するしかないのだろう。
読了日:01月16日 著者:池永 陽
聖女の救済 (文春文庫)聖女の救済 (文春文庫)感想
【図書館】ガリレオ・シリーズ第5弾! ドラマで観たので犯人は判っていた、でも、登場人物等、違っていたので読んで良かったと思う。 完全犯罪を目論む犯人に同情を禁じ得ない。 タイトルの「聖女の救済」は聖女のための救済ではなく、聖女が与えた救済だった事に気づくと愕然とする。 それにしても、忍耐の居る犯行方法だと思う。 絵本とパッチワークのタペストリーの関連に気づく草薙は見事。あらゆる現象が一つに集約するが、鉄壁のアリバイがそれを阻む、どうするガリレオ!ガリレオシリーズ、遡って読むか。ドラマとの違いを楽しみたい。
読了日:01月19日 著者:東野 圭吾
容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)感想
【図書館】ガリレオ・シリーズ、初めての長編である。「聖女の救済」を読んでいるので、順番は余り気にしない。今回は物理学というよりは心理学に類する話かと思った。しかし、殺人を糊塗するために犯罪を犯す、どこまで純粋なんだ。死から立ち直ったのが原因とはいえ、そこまでするか、二つの愛情がまじ逢う時、予想も出来ない事が起こる。しかし、石神の命がけの「献身」には頭が下がる、いくら数学者といい、こんな突飛な事を考えるだろうか。それを暴く湯川も学者バカ、人の心情を判らないのだろうか。 立場立場で考えさせられるドラマだった。
読了日:01月21日 著者:東野 圭吾
真夏の方程式真夏の方程式感想
【図書館】ガリレオ・シリーズ、長編第3弾! 少年が列車に乗り伯母さんの家に行く車中、湯川と遭遇する。 それが、そもそもの始まりであった。 しかし、登場人物が多い、それが絡み合って果たして真相は。 湯川が何で子供の宿題に付き合うのか、そこが疑問。 子供嫌いで無かったのか??? 解決もあれで良かったのか、モヤモヤが残る。 犯罪小説か青春小説か、どっちなんだろう。 ミステリーと属して良いのだろうか。 草薙や内海の活躍は何だったのでしょうか。勧善懲悪にするには「容疑者Xの献身」の設定が邪魔したか。う~ん、判らん。
読了日:01月23日 著者:東野 圭吾
異聞・花と蛇 (特典美麗イラスト付)異聞・花と蛇 (特典美麗イラスト付)感想
【キンドル版では無い】ちょっと手を伸ばして見た、今は亡き小池一夫氏の下らないへ理屈に染まったエロでした。 小池理論の上でのスケベはともかく、叶精作の作画は流石だと思う。 この写実的な画だけでも代金にお釣りがくるほどだ。 どうも中途半端に終わったらしく続きが出ていない模様。 未完で終わったか、そうだろうな、ストーリーもない様な話だ、いつ終わってもおかしくない。 たまに観る本としては面白いかも。
読了日:01月24日 著者:小池一夫;叶精作
襲大鳳(下) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)襲大鳳(下) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
【図書館】圧倒の下巻、やっと読めました。 巨悪がチラホラ顔を見せかけた。 いくら悪行を隠しても「ぼろ鳶」は一歩も引かない。 多くの仲間たちと一緒に巨大な悪に立ち向かう、ぼろ鳶の面々とその仲間たち。 集大成というに相応しく全員登場の豪華版。 過去のエピソードを回収しつつ、新たなストリーを構築する今村氏に喝采を。 こんな大河ドラマ、すんなり読むのはもったいない。 小エピソードを数多く読みたい、どうか延々と続けて欲しい。 「ぼろ鳶」に幸あれ! 
読了日:01月28日 著者:今村翔吾
夜叉萬同心 冬かげろう (学研M文庫)夜叉萬同心 冬かげろう (学研M文庫)感想
【図書館】懐かしい、著者のデビュー作品。 この頃から、大物の片鱗を表していたと、思わせる作品。 こうして若かりし頃の作品を、もう一度遡って読むのも悪くない。 著者が「川越」に住んでいたという事も判った。 割と近くに住んでたんだな。 お話は、やや荒削りな感じだが悪に立ち向かう「夜叉萬」の姿に惚れる。 「風の市兵衛」の世界観がこの頃から感じられる。 仲間たちと行動するというのは、この頃から、やっていたんだな。 もうしばらく、「夜叉萬」の世界に浸ろうと思う。
読了日:01月28日 著者:辻堂 魁
夜叉萬同心 冥途の別れ橋 (光文社時代小説文庫)夜叉萬同心 冥途の別れ橋 (光文社時代小説文庫)感想
【図書館】やはり、良い。 萬七蔵、血気盛んで技術もある、剣技に長けた隠密廻り方同心の面目躍如。 遡り読みの第二弾、ますます好調。 今回は「夜叉萬」と「赤蜥蜴」の戦いを三編で描く。 各エピソードに永代橋崩落の悲劇を絡ませる。 辻堂魁の初期作品としては、見事な一作かと思います。 やはり、もうしばらくは「夜叉萬」に浸っていたいと思います。
読了日:01月29日 著者:辻堂 魁
ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)感想
【図書館】タイトルに惹かれて借りて来た、東野圭吾だしハズレは無いかなっと。 単なる交通事故から、縺れに縺れどうなっていくのか流れのままに読んだ感じ。 しかし、トリックが二転三転する複雑怪奇な展開に。 ホラー要素が入ったミステリー、ちょっぴりエロも。 交通事故の怖さと遺族の無念を書きたかったと思うが、何点か布石の回収が不明の為、ややモヤモヤが残る作品だった。 次は「白銀ジャック」で気分を変えます。
読了日:01月30日 著者:東野 圭吾

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